ロシアがシリアで爆撃を開始してもちろん標的はISILのはずなんですが、アメリカは標的はISILではなくてアメリカが支援している反シリア勢力だったと文句をつけていますね。
ちょっと変だと思ったのはそのことに関してではなくて、ネットに爆撃の様子の動画が出ているんですが、ちょっとこれを見て「あれれ?」って思いません?動画の最初の10秒を見るだけでもおかしいのがわかるはず。
そうそう、その通り。標準が正確じゃないどころかこれって使い物にならないレベルじゃないですかね。20年以上前のイラク戦争でさえ、アメリカは精密爆撃をしていたのに。
もちろんこの動画の真中にある標準器は撮影のための標準であって、爆撃のものとは違うだろうと思いますが、建物を見てくださいな、ずれているのがはっきりわかります。
これはこの動画を見ていて他の場所でもそうなのがわかりまし、他の動画でも同様。
この手の爆撃に関してはイラク戦争の頃から随分見てきていますが、こんな「下手な爆撃」をアメリカはしないんですね。このように微妙に外れた爆撃を見たのははじめてです。
しかしまぁ、ロシアがISILへの爆撃を開始した、いやあれはISILじゃないぞと、なんだか話が軽くないですかね。アメリカだってもし支援組織を爆撃されたのならもっと大騒ぎをしても良さそうなもんですが、「お前、今殺したやつ、間違えてね?」みたいな、殺された方の存在を恐ろしく軽く見ている感じを受けました。
ま、私もこういう「殺人現場」の動画を見てこういうことを書いているのも同じかもしれませんが、「ロシアの爆撃命中精度の低さ」にびっくりしました。
しかし中東はややこしいですね。大きく分けると3派が入り乱れていて、一応皆の敵はISILですが、それぞれがそれプラス違う敵を持っていてISILだけを潰せば良いとは思っていない。
今、ロシアが積極的にこの地域に介入しだして、アメリカとの関係は更に悪化した状態。アメリカはアサド政権を潰したいのにロシアはアサド政権を支援する側。だからロシアにしてみれば、反アサドでアメリカが支援している勢力を爆撃しても問題はなし。アメリカはクルド人たちを積極的に使うようになったけれど、もちろんクルド人は反アサドでロシアの敵。そこにイランも口を出して、イスラエルは「揉めれば揉めるほど良い。仲間割れして皆潰れろ」みたいな立場じゃないですかね。
でもどうも立場が悪いのはアメリカのようで、なんとアメリカが知らない間に、ロシア、シリア、イラク、イラン、それにインドも加わって中東問題の情報交換する仕組みを作ったんですね。アメリカは蚊帳の外。こんなことがあるんですね。そしてどうもアメリカは、アメリカvsアサド政権に関しては一時棚上げみたいなことも考えている様子。
こういうややこしい時に日本がロシアに近づいて、今年中のプーチン訪日を実現したいとか、北方領土が~~なんて言うのは世界の動きにまるで「俺は関係ないよ」って言っているのと同じだと思うんですけどね。
ヤクザの抗争が激しさを増してきた時に、自分の都合だけでどこかに近寄るってうまくないと思うんだけどなぁ。でも言えていることは、世界はオバマ氏を無視しているってことじゃないでしょうか。「平和を言うだけで行動できない男」とどの国も見ている。クリミアでロシアが大きな顔をするのも、中国の南シナ海で好き勝手なことをやるのも、オバマは何もしないのを知っているからでしょう。来年、大統領選挙ですが、それまでに地盤作りに皆さん頑張っているんじゃないでしょうか。
昨日のニュースだったかな。アメリカのホワイトハウスはペンタゴンに「中国を刺激するな」という司令を出していたのがすっぱ抜かれましたね。本来なら南シナ海でも「自由な航行の確保」を前面に出しているアメリカは中国の横暴を絶対に許せないはずなのに、その対抗措置(わざと軍艦で近海を航行するとか)をオバマ氏が止めているってことですね。クリミアも演説で大きなことを言っても結局大したことはできず。シリアの時もそうでした。
平和を言えば言うほど、世界は「手出しはしてこない」と読んで好きなことをして、結果的に混乱が生じる。
こういうことを日本の左派はどうみているんでしょうか。やっぱり話し合いですかね?一緒に酒を飲んで仲良くすればどうにかなると思っている学生には、旅費と酒代を渡して中東に行ってもらうべきだと思います。嫌味じゃないですよ。彼らはそれが出来ると公言するんだから、やらせるべき。彼らも自分の言葉に責任を持たなくてはならないし、本当に平和が訪れるかもしれないんですから。やってみないとどうなるのか誰にもわからない。一人じゃ駄目だろうけれど、あの国会前に集まった数万人規模で乗り込めば本当に歴史は変わるかもしれない。
勇気を持って立ち上がるとはそういうことだと思うんですが・・・。世界に感動を与え、よし俺もと多くの人を動かしたあのたった一枚の写真。天安門広場で戦車の前に立ちはだかった一人の青年。あれぐらいの気構えが是非欲しい。
戦争をするにも、戦争をやめさすにも、命を賭ける必要ってあるんじゃないですかね。ただ恐怖から逃げたいだけの人間のいう言葉を聞くべきかどうか・・・・