しかし中東もややこしいですね。ロシアが爆撃を開始して、アメリカが支援している側も対象としているようでアメリカが文句を言っていますよね。そうかと思えばアメリカは「国境なき医師団」を誤爆するし、メチャクチャ。
でもロシアが出て来るってことは、プーチンは腰の引けたオバマと違って「容赦無いやり方」をするんでしょうし、ISILを中心にアサド政権に敵対するアメリカが支援する自由シリア軍、クルド人部隊もまとめてやっつける腹なんでしょうか。
ロシアは最新式の「高高度地対空ミサイル+高性能連射砲」が組み合わさった新兵器をシリアに貸し出した形で配備したとのことで、アメリカはアサド政権には一切手出しができなくなった。するとすぐにオバマはまた弱気になったようで、「(米ロの)代理戦争はしない」と言い出してアサド政権に関しては棚上げを決めた様子。
ISIL撃退に関してロシアが功を成したなんてことになるとアメリカも面子が立たないわけで、またロシアはそれを狙っているでしょうし、あの地域の戦闘はエスカレートするんでしょうね。ISILにしてみればかなりの危機感を持っているでしょうし、彼らもそして世界の支援者もより過激になるであろうと考えるのが順当。でもISILをまずどうにかして欲しいと世界は考えていますから、世界のロシアに期待する気持ちは間違いなくあるはず。
イランがどう出て来るのか見えませんが、イスラエルはニヤニヤしているんでしょうか。
もしISILを掃討することが出来たにしろ、自国民を平気で化学兵器で殺すアサド政権、それに敵対する自由シリア軍、そして今回のごたごたを利用して独立国家を作ろうと頑張っているクルド人の戦いは続くわけで、いくつものヤクザが入り乱れて抗争をしているのと同じ図式。ISILが消滅しても抗争の参加者が一人減るだけ。
黙っているように見えるイスラエルの底力も凄いわけで、裏からそれぞれが自滅するような手を売っているんでしょうかね。いや、自滅するとイランの台頭もあって矛先がイスラエルに向かうのは見えているわけで、適当に消耗戦が続くような作戦を持っているのか。となればアメリカも解決しないほうが良いと考えている可能性すらありますよね。皆が適当に忙しい状態のほうが世界の危機に繋がるアラブ対イスラエルの大戦争にはならないのかもしれない。
こんな時に安倍さんはプーチンにラブコールを送るってどういうことなのかと思いますが、これは米に対するメッセージでもあるんでしょうね。日米安保を強化したいのでしょうし、日本政府はアメリカの中国に対する方針も弱腰なのははっきり掴んでいるはずだし(ホワイトハウスはペンタゴンに中国を刺激するなと指示を出している)、そして日本ではこのことに騒ぐ人は少数派のようですが、アメリカが最近出した「防衛指針」ではアジアの有事の際、グアムから西には空母を出さないことになったらしいじゃないですか。中国も高性能のアメリカの空母を標的に出来るミサイル(通常ミサイルではなくて核も搭載できる大型の弾道ミサイル=超高速で飛来し軌道を随時変えるので撃ち落とせないとされている)を開発したし、あのパレードにもそれが出ていた。
つまり、アジアのことはアジアで解決しろという動きがアメリカにあるのは明白で、オバマは「アメリカは世界の警察ではない」とはっきり言いましたし、習近平が「太平洋を半分ずつ・・」なんて言ったのはアメリカの変化を読んていたからのはずで、安倍さんが安保法案を急いだのはそういう背景があったのだろうと思っています。
アメリカは最近強気のことを言いますし、アメリカはアジアを見捨てないだろうなんて考えるの楽天家の考え方であって、日本の将来の安全保障に責任がある政権としては、アメリカはかつてのアメリカではないのははっきりしているし、日本のリスク回避を考えるのは当然で、まさかと思いますが将来のアメリカの朝鮮半島からの撤退も視野に入れているかもしれないし、なんとしてでもアメリカ軍を沖縄に引き止めなくてはならないし、辺野古もちゃんと整備して主力部隊がグアムに引き下がるなんてことは絶対に日本としては認められない。
戦争反対と騒ぐ人たちはピントがずれているのはここからもわかるわけで、「アメリカの戦争に巻き込まれる」のではなくて、「日本を含むアジアに何かあったら腰の引けているアメリカを引き巻き込まなければならない」状態だということじゃないでしょうか。私はここの発想が平和ぼけしている日本に欠落していると思います。
安倍さんは今のままではもし尖閣に何かあっても、あるいは南シナ海で何か起きても、「アメリカは何もしない」と読みきったのだろうと私は想像しています。精々今と同じ「非難声明を出す」「緩い経済制裁」ぐらいだと。これはアメリカの防衛指針からも読み取ることが出来るはず。
南シナ海ではどんどん近隣国を無視した中国の「軍基地に転用できる」設備が着々と作られていて、もしある日ある時、中国が領海宣言をして「許可無く侵犯するものは攻撃する」と言い出した場合、他国の軍関係は一切入ることが出来ず、あの地域に哨戒機さえ飛ばせなくなる。手も足も出ないわけだけれど、中国はアメリカ本土さえも攻撃できる核弾頭を持った潜水艦は南シナ海にしか隠れる場所がなく(東シナ海は浅すぎる)、またいかに日本の哨戒機が優秀でもその地域を飛ぶことは出来ないわけで、絶対に中国は南シナ海を取りに来るのは間違いがないと思います(軍事的には深海に隠れられる核搭載潜水艦が世界の最終兵器で、他国を脅すには一番の武器)。
だから日本としてはアメリカと今まで以上に四ツに組んで、アメリカに対して「逃しませんよ」というのが今回の安保法制だったと私は読んでいます(アメリカが関与している限り抑止力となる)。アメリカに媚を売るとか言いなりとかって全く逆だと思います。辺野古に拘るのもそう。しかしいつか日本がアメリカから自立しなければならない時がくるだろうし、そもそも国内に他国の軍隊が駐留している事自体おかしな話で、武器三原則の緩和、そしてそろそろ飛行実験が始まる完全な国産の第五世代ステルス戦闘機の開発も、アメリカが衰退した次の時代にどう生き残るかの布石だと思います。
また今までは国産機の開発を認めなかったアメリカが認めたということは、どういうことなのか。アジアのことは自分たちでどうにかしろという考え方が台頭して来たからじゃないですか?
だから安倍さんがこんな時期にプーチンに近づくのも「腰の引けた」アメリカに対する牽制と見たほうが理解しやすいんじゃないでしょうか。
また私としては安倍さんに世界に対して言ってもらいたいことがあります。「もしアジアの平穏を武力によって壊す動きがはっきりしたなら、日本は憲法を改正して核兵器を持つことさえ考えないとならない」と。あの憲法を一番喜んでいるのは日本人ではなくて特定の国々。当然彼らは自国の利益を考えているからであって日本の平和を考えているわけじゃない。
私は日本が核兵器を持とうと思っても持てないと思うし、誰が発射命令の権限を持つのか考えるとゾッとするわけで、日本の核武装は現実的ではないと思います。でも「持つかもしれない」と思わせるだけでまた日本がやろうと思えばすぐやれると世界は考えているはずで、かなりの抑止力になると思っています。
「日本人を怒らすと怖い」のは世界中が知っていることで(今の日本人は腑抜けだとしても 笑)、「怒らすと何をするかわからない日本」、これこそが日本独特の世界最強の抑止力だと思っている私。
徹底的な反日教育をする国がありますが、私としてはそれこそが彼らの自らの首を絞めているってことで、それに気が付かないと良いなぁ、と・・・。(笑)
彼らの潜在的な日本に対する軍事的な恐怖感や劣等感。是非とも未来永劫それを持ち続けて欲しいくらい。そして異常なほどの武力増強に精を出して、ソ連のように自滅して欲しい。韓国にはもうそれが見えてきて、韓国の軍備(特に戦闘機)が酷いことになっている様子。今のままでは10年以内にまともな戦闘機は半減する。
必要もない軍備(海洋国家ではないのに海軍に注力したり)を増強して、背伸びをして、結局自滅する。これって「日本に対する恐怖感、劣等感」が基本にあるからだと私は思っていて、日本は今のような有事にはまるで役に立たない軍備しかなくても、精神面での抑止力を持っていると考えて良いと思うし、海外に対する「ブラフ」も大いに利用すべきだと思っています。
世界が核兵器を一番持たせたくないのは日本だと私は思っていて、「核兵器を持とうかなぁ・・?」なんて言っただけで世界は震撼するはず。だからそれが言えないように世界は画策するんでしょう。そこのところをうまく利用しないと・・。でもそこのところを理解できない(一見まともに見える)左翼がギャーギャー騒ぐのは間違いありませんが、ま、その騒ぎも海外はビクビクしながら見ているはず。これが抑止力じゃないんですかね。
逆を言えば、今回の安保法案に関して韓国・中国が冷静だったのは、日本人以上にあの法案を精査して、これなら今までと殆ど変わらず、日本は何も出来ないことに気がついたからだと私は思っています。そんなこともわからず「戦争法案」だと騒ぐ国民が多いのは反日国家にしてみれば\(^o^)/なんでしょう。
安保法制ですが、新三要件が付きましたよね。これをよーーく読んで欲しいんですよ。
◯ 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
◯ これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
◯ 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
これって「集団的自衛権」ですか?私には普通の個別的自衛権の範疇にしか思えないんですが・・・。
また今回の法律では自衛隊に危機があっても、やっぱり相手から攻撃を受けないかぎり攻撃は出来ないんですね。周りを他国の軍隊、あるいはテロ組織に囲まれても「攻撃してきませんように」と祈るしか無い。そして相手が態勢を整えた後の最初の一撃で自衛隊は壊滅するかもしれない。攻撃できないことこそが一番のリスクだというのを理解する必要があるはずで、領空領海侵犯があっても相手が攻撃を始めないかぎり「出て行ってください」とお願いするしか無い。ありえないにしても戦闘機や爆撃機が日本の都会に向かっていても何も出来ない。こんな国が他にあるんですかね?日本人拉致に使われたと見られる船に対してもかつては何も出来なかったのが、かなり前に、銃撃をして沈めたじゃないですか。あれで北朝鮮からの船の侵入はピタリと止まったと聞きました。やっぱり「何もしない」と舐められている自衛隊(海保も)では存在意義すらあるのかないのか。
またもしも領土(たとえば尖閣)が取られても、取り返すにはどうするかを考えるしかなく、「取られないようにする」考え方が無い。我々は戦後平和だったわけではなくて、北方領土も竹島も武力によって取られたのを忘れてはならないはず。日本はそれを放置しただけなんですね。
今回の法案に良く公明党が賛成したと思うのですが、要はこういうこと、つまり戦える日本ではないってことがわかっているはずで、事前に学会との話し合いはあったと思っています。今頃になって創価学会が公明党に抗議するのは茶番、出来レースかもしれない。
ただし(友軍を含む)武器弾薬を守るためには攻撃できることになったらしい(自衛隊法)ので、その法律を使えば先制攻撃もできるとのこと(要確認)。「武器弾薬を守るためです」が正当な理由になる。これは非常に重要な抜け道らしい。
しかしまぁ、益々わけのわからない日本になったと思います。今回の法案は戦争法案でもないし、抑止力にもならないんじゃないですかね。当然、安倍さんがいう「シームレスな法整備」には程遠い。でもま、最初の一歩だと思っているんでしょうし、「冷静な」左派もそれは読んでいるでしょうし、今後の展開はどうなるんでしょうか。安倍さんは手の内を見せることは絶対にできないし、そこが読めない左派は純粋な人権派の若者や女性、老人を今後も利用して騒ぐだけなのか・・・。
でも裏の思惑、事情なんかまるでないかもしれず、表面的には「全て」が付け焼刃的に流され動いているんじゃないかと見えるわけで、そして国の将来を案じる左派も右派もそれはうっすら感じているはずで、一体この日本はどこへ行くのか・・・・