とうとう、その線で決まっちゃいましたね。困ったもんだ。相手は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業ですが、この企業は台湾企業だけれど実態は中国共産党の配下にあると言われている企業。アップルのiPhoneの下請け企業で、中国大陸に100万人の従業員を抱える工場を持っている。
まぁ、良く言えば「救ってくれた」と言えるし、「支援してくれる」でもあるけれど、実態は「売り飛ばした」だと思っています。日の丸連合はシャープを救うことが出来なかった。
この話ってインドネシアの新幹線とダブル感じがしていて、中国のとにかく売上を取ろう、外国の優良企業を取り込もうみたいな。それも(中国に)お金がある間に。いや中国元が高い間にってことのように思えます。海外のことはなかなか日本のメディアには出ませんが、中国はなりふり構わず世界中の大企業を買い漁っているのね。
まぁ、商業取引だから仕方がないし、それを基本的には規制しないのが我々の世界。
でも今回の決定にはがっくり来ました。同じ電気関係の会社でも「ラオックス」が中国資本の手に渡ったのとは意味が違うと思うんですよ。私にしてみると、トヨタやJRが海外に買われたような感じがしています。
この台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が中国共産党の配下にあるというのは噂でしかありませんし、また他にも、「7000億円なんて金があるはずがない」という話も聞こえてきます。彼らの売上は巨大ですが、仕入先への支払いは伸びに伸びて今では一年後だとのこと。日本で昔言われた「台風手形」どころの話じゃない。だからシャープ買収の資金もないはずで、その金は習近平が都合するのだろうと言われている。
シャープが持っている技術とか特許、人材がどの程度の価値があるのか、それが海外のものになっても大丈夫なのかどうかは私に分かるはずもありませんが、これって「日本に見切りをつけた人材が世界に逃げていく」のとイメージが重なるんですよ。年寄りがロングステイで海外に行くのは全く構わないにしても(笑)、日本の中堅企業がこんなことになって良いのかどうか。
でもま、日の丸軍団の提示した再建策は銀行に取っては冗談じゃなくて、気前の良い外国企業にでも売れて銀行は損失をカバーできるとなればそちらに動くのも当たり前。
世界が大混乱する時代に突入したのに、安倍さんも手の内を見せないし、もし秘策がなくて今のママ行くとしたら無能としか言い様がないし、安倍さんに代われる野党もいないし、日本の将来は暗いとしか思えません。
でも安倍さんのやり方一つで、世界を引っ張っていける日本になれるか、逆に火に油を注ぐだけの日本になるのかの違いが出るはずで、私は安倍さんは秘策を温めていると思いたいです。でも財務省の反対を押し切ってそれが出来るのかどうか。財務省が反対しているってことは他の政治家、マスコミ、銀行、企業群、評論家、学者もそちらの方へ流れるわけで、安倍さんは孤立無援のように見えます。
まさかこのまま消費税増税なんてことは無いと思いますが、なんだか最近の安倍さんを見ているとこれで大丈夫なのか?と心配したくなります。つい最近言い出した「同じ仕事なら同じ収入を」というのも聞こえは良いけれど、これを「非正規の所得を上げる」ことを意味すると考えてはまずいわけで、正規の所得を下げても「同じ収入になる」ってことを忘れてはならないと思うんです。
でもその辺の具体的はことは安倍さんは言わないし、今までの流れ、大企業を守る政策、そして緊縮財政をやっている今の安倍さんは、もしかすると私が想像、期待している人ではないかもしれない。彼の頭にあるのは安全保障だけかもしれない、そんな気がしてくる今日この頃。
結局デフレ脱却は日銀に丸投げしている状態で、今回の「同一賃金」にしても企業に丸投げなんでしょう。政府の一番大事な「需要を作り出す」ことはせずに、お前たち頑張れと言われても無理ですよねぇ。マイナス金利だって同じで、銀行はしっかり貸出をしろと言われても、借り手がその気にならないと駄目だし、その需要を作るのが安倍さんの仕事のはずなのに政府は緊縮財政路線をまっしぐら。私は、これは財務省主導の政策だと思っていて、それのいうことを聞いているような振りをしつつ、安倍さんはじっと動かず様子を見ているようなきがするんですよ。そして参院選を控え、そしてまた「国民に問う」という形で大博打を打つんじゃなかろうと。もちろん消費税は先送りで、大型の財政出動をするんじゃないかと思うんです。そもそも日銀が買うべき国債も市場から消えつつあるし、何らかの形で国債を出さないとならない状況にあるはず。
そして5月には伊勢志摩でサミットの開催。このサミットは経済問題が主になるのは間違いないですし、日本は議長国で何らかの世界に貢献できるようなことも言わないとならないはず。OECDでは「財政出動をせよ」と言い出しているのに、安倍さんが「日本政府は借金も多く景気も悪いので緊縮財政を続けます。財源がないので増税します」なんて言えるわけがない。
前回の解散は「無駄だ」と言われていましたが、あれは私は「安倍VS財務省」の白黒を付けるための選挙であって、絶対に必要であったと思います。そしてまた同じ様に「国民に信を問う」という形で大風呂敷を広げるんじゃないかと。財務省もメディアも評論家も学者も大勢は「増税すべき」「緊縮財政を続けるべき」のはずで、これにどうにか風穴を開けて欲しいと思っています。またそれを言い出さないと「憲法改正」が悲願の安倍さんにしてみれば、ここで勢いをつけないとダメなはずで、どこかで全国民がその気になる「大見得を切る」つもりでいるんじゃなかろうか。
このまま行けば、また失われた20年の第二章に突入するんだろうし、第二第三のシャープが出てきて、若者も夢をなくし、やる気のある人たちはますます海外に飛び出していく日本になってしまいそう。
海外に出て失敗したか?と海外在住者が思うような日本になってほしいです。
でも日本と一緒に沈没するわけにも行きませんし、帰ろうと思えばいつでも帰れる体制を保ちながら、海外に活路を見出すのが正解なんだろうと思ったり。
しかし、シャープ。残念です。それとも鴻海(ホンハイ)精密工業は高いお金を出してお荷物を手に入れることになるのか・・・。