トランプ氏が大統領になったら・・・

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トランプ氏の過激発言は段々おさまっているように聞いていますし、新たな参謀も着いて微妙に進路変更はしているのだろうと思っていました。

ところが5月4日のインディアナ戦で勝ち、候補指名がほぼ確実になった時点でも彼は「安全保障」に関しては言うことを変えていない。

◯ 日本、韓国、ドイツも「駐留経費は100%払え」。そうでなければ撤退する。

◯ 撤退後、自国で守るとなれば「核装備」も良い。

みたいなこと。

ま、これらの話は「メキシコとの国境に壁」、「不法移民は全員追い出せ」みたいなのと同じであまりにも極端で、本当にそんなことは出来るわけがないと聞いている方は思うものの、彼は平気でそれを言う。

でも私は彼が「政治家ではなくてビジネスマン」だとすればびっくりするほどのことではないと思うんですよ。彼の話を聞いていると「一理ある」話が多く、極端ではあるけれど「法律違反のこと」を言っているわけでもなく、「現実主義者」だと私には映ります。そもそも政治家って「理念」とか「信条」あるいは「思想」が根底にあって、「理想に向かう」というのがあるはず。ところが「ビジネスマン」だとすればそこにあるのは「利益」であって、理想じゃ思想じゃではない。逆に彼の言うことに私は「理想」を見ることが出来ないんですよ。

これも彼の一つのポーズだと思うのだけれど、相手がビジネスマンだとすれば「主義主張にこだわらない」部分があるはずで、「アメリカの利益になる」と思えばそれを推進するんじゃないですかね。

「駐留経費を全額負担せよ」なんてのも全く安全保障を知らない人の様に思えるし、「アメリカは日本を守るために駐留する」という前提で話をしている。でも実際には「アメリカが日本に駐留することによる利益」があるから駐留しているわけで、「日本を守るため」ではないんじゃないですかね。あるいは「日本を守ること」がアメリカの利益に繋がる。この辺のレトリックは他の政治家も同じで、「日本に恩は売ろうとする」けれど、実際にはそれだけじゃない。ここはトランプ氏だってわかっているけれど「受けの良い事」を言っているだけだと思うんです。

では実際に「全額負担」の話が出たとしても、それは彼の「理想、信条」から出た話ではないのだから、「アメリカの利益」を中心にして説得することは決して難しくないんじゃないですかね。逆に「アメリカの利益になる」と思えば、全く逆のことをいうかもしれない。

ただトランプ氏のような過激な人に対抗できる政治家って日本にはいないはずで、丁々発止、面と向かって彼とやりあうことはできないでしょう。

たとえば「駐留経費は全額負担」ってことは「傭兵」になるのとかなり意味合いが似ていると思うんですよ。では日本が「全額負担しましょう」しかし「米軍は日本政府の指揮下に入ってもらう」と言っても良いはず。つまり今の自衛隊にあの強力なアメリカ軍、世界に名だたる第7艦隊も含めて「日本の軍備」として使えることになる。それでも良いのか?とトランプ氏に言っても良いかもしれない。(笑)

またアメリカ軍はアメリカの「世界戦略」の要として「日本を利用」しているわけで、もし日本から撤退するのであれば、今後、南シナ海はもちろんのことインド洋や中東での活動の拠点として日本を使う、経由する場合には「それ相応の経費」を日本に払ってもらうことになる。当然「日本の許可」が必要になる。もちろん世界ではトップクラスと言われる「アメリカ軍装備品(船舶や航空機も)のメンテ」を日本がするのかしないのか、その経費はいくらにするのかは日本が決めることになる。

また日本から撤退するとなれば、グアムかハワイ、アメリカ本土にその軍を移動させることになるけれど、その場合のその軍の維持には「全てアメリカ持ち」となる。そしてその額は「日本に駐留するより高額」であるという試算もある。ではその分の軍備は縮小するのか?

つまり、「日本が全額負担」というのはバランスシートの片側しか見ていない発言であって、それはそれで認めても良いと思うんですよ。でもアメリカから見たバランスシートの負債に当たる部分にも注目させなければならない。「そのプラスマイナスの差額を日本が払うべき」というのが私は一番理にかなっていると思うわけです。アメリカがどう「世界戦略」を考えるかよって、あるいは日本が「じゃぁ、自国で安全保障はやりますわ」となった場合、「いやいや、お金を払うから日本にいさせてくれ」という話になってもおかしくない。

でもオバマ氏の「世界の警察ではない」発言から今のトランプ氏へと基本的な考えは一緒で、アメリカの世界戦略に本当に大きな方向転換が起きるのかもしれない。それはかなり前から言われている「アメリカは本当は覇権国家ではなくなろうとしている」という話と一緒で、「多極主義」が目立つほど力をつけてきたのかもしれない。ここは我々日本人も含めて「アメリカは覇権国家」で「常にそうあろうとしている」と考えるのは大きな間違えだと思っています。そしてトランプ氏の発言の中に「孤立主義」なのがわかりますし、「アメリカのガードさえ固めておけばそれで良い」という考え方が広がっている様子。第二次世界大戦前の「ヨーロッパの出来事には干渉しない(当然戦争にも付き合わない)」というモンロー主義を思い起こしますね。

それと私がトランプ氏に共感するところがあるのは、今まで米英が主導して「グローバルスタンダート」と称して彼らの合理性を世界に押し付けてきたものが、アメリカ国内で崩壊を始めている様子が見えるところ。グローバル主義じゃ、市場原理主義じゃ、規制緩和、新自由主義がもたらしたものの結果が「極度の格差」であって、ライオンも鹿もウサギも狼も「開かれた世界で自由に生きましょう」なんてのに\(^o^)/するのは「勝ち組」の発想でしかないと思いますもの。TPPも同じで、「食えなくなったから苦肉の策」として出てきたのがこれらの考え方で、「弱いものから富を取り上げる」方向に動くばかりで、皆が豊かになる市場拡大へには動いていない。北米のNAFTAも同じで弱肉強食が助長されているだけのように見える。

安全保障に関しては今までのアメリカなら「危険分子は育つ前に叩く」のが基本でしたが、町内会がどう荒れようと自宅だけ平穏なら良いという考え方に移っていくのかもしれない。結局、町内会のことに口を出しても金が掛かるし、自国民の犠牲が増えるばかりでなんら良い方向には向いていないとするならば、自宅に引きこもるのも良い手なのかも。

でもそんなことを「ユダヤ・イスラエル系」が許すわけもなく、「軍産共同体」も同じで、「あのバカ、消しちゃおうか」って動きが出てくるのをアメリカでも危惧されだしているとのこと。

でも「民意が・・」と思うわけですが、評論家によっては「トランプ万歳」という層の動きは活発であるけれど、それは一部でしか無いという見方もある様子。いわゆる日本で言えば民進党、共産党やシールズ、極左の動きが目立つだけで、全体としては決して大きくないというんですね。でも「選挙」ですから、やる気満々の有権者が動けば結果は変わってしまう。

トランプ氏がビジネスマンだとすれば「売れるものを売る」「お客の満足度」を優先するのが当たり前ですが、「市場を育てる」「顧客に提案する」「将来の安定」をビジネスマンが考えるのは車の両輪みたいなもので、「お客最優先だけ」ということはあり得ない。こんなことはもちろんトランプ氏もわかっているはずだけれど、まずは「自分がトップになる」ことがなければ何も出来ないわけで、まずはトップになり、客からの信頼を勝ち取ってからの「次なる戦略」があるはずだと思うんです。でもそれはもちろん今は言わない。言う必要もない。でも勝つために言う必要があれば小出しにするんでしょう。

いやいや「あいつにはそれだけの頭はない」という人たちが彼を「反知性主義」と呼ぶんでしょう。

どちらにしても日本の政治家が彼と対峙する時に「そんなことは言わないでくださいよぉ~」ではなくて「本当にそれで良いんですね?ではこちらの条件は・・・」とトランプ氏に押されること無く交渉出来ないと困るわけで、「相手のことを考えるのが当たり前」という「日本のどうしようもない常識」はもうここらで終わりにしないとどうにもならないんじゃないですかね。政治家にかぎらず官僚も同じで、状況を見ながら、相手の顔色を見ながら交渉するようじゃダメな時代になるんでしょう。

世界を見回してみると、プーチン氏しかり、メルケル氏しかり、そして習近平しかり、あるいはパククネさんもそうだけれど、「自国の利益」をきっちり世界に向かって発信できるって凄いと私は思うわけです。

でも日本の政治家がそんなことをしようものならマスコミに袋叩きにされる。左派も大騒ぎでしょう。

かつて日本では「国益」という言葉を出すだけで、「右翼か?」と言われたけれど、その根底に流れているものは今も同じ。これは日本国憲法の前文にあるように、「世界の国々は常に正しい」という考え方であって、日本は「自国の利益を考えていはならない」という刷り込みが間違いなくできているはず。

外交に関しても「外務省はどうしようもない」と言う人は多く、私もそう思うことは多々あるんだけれど、でも外務省が「日本を中心に」何か発言しようものなら、当然マスコミは大騒ぎだろうし、つまり国民もそれに乗るし、当然、政治家も知らん顔するわけだから、外務省がやるべきことをキッチリできるわけもないと思うわけです。そして段々と外務省も日和見主義になるんじゃないですかね。最近、外務省もやるじゃんと思うことが出てきていますが、それは安倍さんがいるからであって、安倍さんがいなくなった後のことを考えると私はゾッとするわけです。

でもそれが民意で、朝日毎日が言うような日本が良いと信じ、それを国民が支持するのであれば、後は流されるところまで流されて「世界の非情さ」を見ることになるんじゃないかと思っています。そしてこれって「想像できない人」はやっぱり「体験」するしかないわけで、やっぱり「まさか・・・」と思うことも経験し、そこから脱するのに100年200年掛かろうと仕方がないことなのかもしれませんね。安全保障とは何かを学ぶには「チベット」「南モンゴル」「ウイグル」、あるいは台湾を見ればいろいろ見えてくるんじゃないですかね。あるいはフィリピンからも学ぶところはある。そして逆に「オーストラリア」の実利主義も考えさせられるとことがありますね。

日本の自由とか平和って「自ら勝ち取ったもの」ではなくて与えられたものだから、「金持ちの二世」と同じで、自分で稼ぐにはどうするのかってところを甘く考えるようになるんでしょう。

世界の歴史を見てみると「お人好しの理想主義者が作った国家」って無くて、私にしてみると「生き残ったヤクザが支配する世界」に見えるんですよ。でもなぜかそこに一国だけ他国とは違う国が存在する。それが日本。この日本が他国に、世界に影響を与えて、世界が日本みたいになるのも良いかもしれませんね。そして自衛隊も解体し、武力も皆で放棄するのも良いかもしれない。

でもいつか宇宙人と接触があった時には、簡単に彼らの統制下に入ることになるんでしょう。平和な地球を褒めてくれるのか、それとも我々が動物や植物を食べるのと同じように、我々は宇宙人の栄養になるだけかもしれない。(笑)

ま、宇宙人じゃないにしろ、ISISや北朝鮮みたいな国が未来の平和な地球に出現したら、彼らに世界は簡単に征服されるってことですね。

トランプ氏の発言は私にしてみると「日本よ、そろそろ中学校を卒業したらどうだ?」って言っているように聞こえます。

 
 
 

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