なぜFXではなくて先物が良いのか【相場】

NO IMAGE
古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

数人の方々と不定期にチャート分析に関して意見の交換をメールでやっているのですが、最近、ハタと気がついたことがあるんですよ。

FXをやる人たちはある一つの大事なことを知らないってこと。

それは「出来高」の重要性。

株から相場を始めた人は殆どの人がこれを知っていますが、FXから始めた人は知らないのが普通なんですね。FXでは出来高のデータがありませんから。

なぜ値が動くのか。それは買い方と売り方の数の差と言って良いと思いますが、売り方買い方がどのくらい本気を出しているのか、どれほど盛り上がっているのかは出来高を見るしか無いんですね。値動きは結果でしか無い。

出来高が大きい時には大きく動く。これは間違いがないのですが、絶対にそうかというとそうでもないわけです。また値動きが大きければ出来高が多いかというとそうでもない。

ここをちゃんと見ないと市場で何が起きているのかが全くわからないわけです。

要はですね、私は相場は「綱引き」と同じだと思ってるんです。で、どちらにどれほど動いたのかを現すのがチャートの値動き。ところが綱引きって常に全力で引き合うわけじゃないじゃないですか。様子を見ながら引き合っていて、ここぞと言うところで全力で引く。あるいは動きがなくても双方ともおもいっきり引き合っている状態のこともある。そして引手の顔色やどの程度真剣かを見ていればどちらが優勢なのかも見えてくるわけでそれと同じようなことが出来高を見ると見えてくる。

ましてや相場は「終わりのない綱引き」ですから、常に全力を出すことは絶対にあり得ない。「何か出来事が起きたら値が動く」というより、買い方売り方は「攻めるのに好都合なニュースを待っているだけ」と考えるべきで、「出来事」=「値動き」じゃないんですね。値はあくまで市場参加者の考え、読み、作戦で動くのであって、この原因と結果(値動き)の関係を無視してはダメだと思うんです。経済環境の変化が値を動かすのではなくて、その経済環境の変化を市場参加者がどう予想しているか、判断するか、それが値を動かしているだけだというのをはっきり認識する必要があると思います。つまり見るべきところは「市場参加者の動向」であって、経済環境の変化ではない。ここが基本中の基本。

前にプロの為替ディーラーが話しているのを聞きましたが、彼らが気にしているのは「これから円高になるのか、円安になるのか」ではなくて、「それを市場参加者がどう見ているのか」であると言っていました。当たり前って言えば当たり前ですよね。市場参加者が値を動かすんですから。でもアマチュアはそれを無視して、円高じゃ円安じゃと経済分析に走るでしょ。トレーダーと経済評論家は違うということに気がついていない。

普段は動かない時に大きく値が動き出したとします。さて何があったんでしょうか。これは出来高がたいしたことはなくても動く時があるわけです。ところが出来高が明らかに増えてきたのがハッキリした場合、「何かが起きている」のはわかるんですね。どこかで誰か重要人物が発言したのかもしれないし、大きなニュースや事件、あるいは災害が起きたのかもしれない。

チャート分析専門の私みたいなのが「ファンダメンタルズは無視する」ってのはここなんです。「何が起きるか予想して売買する」ことはあり得ないんです。だって「何かが起きればそれはチャートに出る」から。つまり「何が起きたのか知る必要もない」ってことなんです。ファンダメンタルズで売買する難しさによく巷で言う「織り込み済み」ってのがありますが、実際に何かが起きた時に動かないこともある。あるいは想定とは逆に動くこともある。これって自分としては「とうとうXXXが起きた。チャンスだ」なんて思っても市場参加者はもうそれを見越してポジションを持っているんですね。だからその出来事がはっきりしても大きく動かない。あるいはその内容が想定より大したことがなければ逆に動くことがある。わけがわかりませんよね。

この辺も出来高を見ていると「相場を動かす市場参加者」が何を考えているのかが想像できるわけです。また株で言えばそれプラス「信用残」であると思います。

また何の情報も無い時に、出来高を伴って値が大きく動いてきたら、自分には何の情報もなくても「何かが起きた」のだから乗っても良いかもしれない。

でも同じような値動きでも出来高が伴っていなければ、乗らないほうが良い。逆にその動きは叩き潰される可能性が高い。だから逆張りも一つの戦略になるわけです。出来高をしっかり見ていないとカモ、飛んで火に入る夏の虫になる可能性がある。

バイイングクライマックスとか、セリングクライマックスとか言いますよね。ま、大天井、大底ですが、これを見る時には必ず出来高を重視するのが普通。皆が一斉に買う、売る時がチャートに見えるわけです。とんでもない動きに大きな出来高が集中すると、さて次に買う、売るのは誰?もうあとに続くものがいない。だからそこが大天井、大底になるわけですが、出来高が見えないとその判断はできない。

それとですね、チャートには陽線と陰線がたくさん並びますが、大天井、大底じゃないにしても陽線、陰線、それぞれの出来高を見るのも重要なんですね。これで強い買い方、あるいは売り方が存在するのが見えてくるわけです。でも出来高が少ないのに長めの陽線、陰線がでることがある。これって隙を突いた買い方売り方の動きですから、重視は出来ない。(この場合は流れが変わるであろうことにも注意が必要。今までトレンドを作っていた力が尽きた場合もこれが出て反撃が始まることもある)

逆に値動きが少ないのに出来高が多い時もある。これってまさに相撲で言う「見合っている」状態ですから、その後にバランスは崩れて大きく動くことが予想できる。

でも出来高が見れないと、「動かないなぁ、つまらない動きだ」と思ってしまう。

先物なら出来高がわかりますし、値動きもティック(約定数)も実際の本当の取引データが入ってきますが(Interactive Brokersのデータは間引かれているらしい。だからちゃんとしたデータベンダーからデータは取るべき)、FXの場合は出来高どころか約定数もわからない。値動きもまとめて出てきますから、市場で何が起きているのかがわからないんですよ。ただ、それの結果としての大雑把な値動きがチャートに表示されるだけ。

先物だとここからもう一歩入り込むことが出来ます。

例えばアメリカはシカゴCMEのS&P500ですが、ビッグとスモールがあります。スモールが電子取引のS&P500 E-miniですね。近年はE-miniの方が取引高も増えてビッグとスモールと取引高が逆転してしまいましたが、まだビッグプレイヤーはビッグで取引する傾向があります。いわゆる何億、何十億単位で売買する人たち。E-miniは我々みたいな雑魚の集まり。最近はそうでもないようですが、ティック情報を見ると一つ一つの約定が非常に小さいのがはっきりわかります。それこそ1ロット~5ロットみたいな約定が延々続く。スモールの5ロットがビッグでいう1ロットの大きさですが、ビッグでは一つの約定で何十なんていくらでも出てきます。

そして値動きの方向性を決めるのがこのビッグプレイヤーだと言われています。そして彼らは「雑魚達を狩る」とも言われている。(笑)

ですからE-miniでトレードするにしてもビッグの方を一緒に見ると違うものが見えてくるんですね。同じ上げでも下げでも、ビッグの方にまとまった大きさの約定が断続的に入ってくるのか、それともそういうのがないのとは大きな違いがあるわけで、E-miniの値動きだけ見てもわからないわけです。当然E-miniでもプロやハイアマは必ずビッグのその動きを見るのが常識なわけです。これも出来高を重視します。

「出来高があるから値が動く」。ここを忘れてはまずいと思います。

FXと先物の違いがわかりますよね。FXは片目で見ながらトレードするのと同じだってこと。

だからもし為替をやるにしても「為替の先物」の方が良いということになるわけです。あるいは先物データを見ながらFXで売買というのもありなんでしょう。これは為替ではなくてCFDで株価指数や商品を売買するときも同様で、やはり先物データを見るのは重要だと思います。

この件に関して前に書いたことがあります。また為替をやるにしても先物が良いというハイアマの説明動画(英語)、彼のサイトも紹介しています。これを見るとなるほどと思うはずですし、為替ではなくて先物のE-miniに参戦するにしても、一体何が重要なのかがわかるはず。また上に書いた、S&P500のビッグの動きをE-miniのチャートに反映させて全体の動きを見るインジケータも開発し、配布しています。

私がなぜFXが好きではないのか、なぜMT4をばかにするのか(笑)、その辺が理解できるんじゃないでしょうか。

先物屋から見たFX市場 | dabo_gc

またここには書いていませんが、チャート表示には絶対に「ティックチャート」が有利だと私は考えていますし、近年のトレンドは「練行足」であることも見逃してはならないと思います。

これって、FXでうまくなったら先物に挑戦するとか、MT4に慣れたら他のチャートソフトを使ってみるとか、そういう話じゃないんですね。野球をするのに道具がないから、まずは素手と裸足で、バットがないからそこらの棒切れでやってみようというのと同じレベルかもしれないと考えてみるのは大事だと思います。飛んで来るのはカチンカチンの硬球で相手はちゃんとした装備をしているプロ。

どんな駆け出しの板前でも、なまくら包丁を持って修行なんかしないんじゃないでしょうか。それでも料理がうまくなるセンスを持った人は間違いなくいると思いますが・・・。

さぁどうする?

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ マレーシア情報へにほんブログ村 海外生活ブログへにほんブログ村 海外生活ブログ ゴールドコースト情報へ