尖閣問題:政府もマスコミも言わない日本の汚点

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中国が尖閣に出てきていろいろやっているのを政府もマスコミもちゃんと我々国民の前にはっきりさせるようになったのは良いと思います。

でもこれって今更始まったわけじゃなくて、かなり前から中国の公船が「常時」と言って良いくらい入り込んでいて、石垣島の漁民が漁をするのを海上保安庁の船が守っていた時代もある。ところがジワジワと中国が強気に出てきて、(安全のためでしょうが)石垣の漁民も立ち入ることができないようになっていました。

そして今回、数百隻の中国の漁船が入ってきた。

これは多くの人が危惧していたことで、この延長線上に、「避難」という形で中国漁民が尖閣に上陸し、それを守るため(?)、救助するため(?)に中国の海警(日本の海保)が上陸するだろうということ。

ここまでになると海上保安庁は今まで通り、見ているだけってわけにもいかず、また中国漁民は(武装しているかもしれない)民兵であろうことも考えられるわけで、かなりうまくないことになるだろうとのこと。

こうなるのは時間の問題だとも言われていて、それを東京オリンピックに合わせてやってくるだろうと読む人もいる。中国が1964年のアジアで初めて開催されたアジア全体が記念すべき東京オリンピックに合わせて「中国初の原爆実験」をしたし、中国は何かする時に必ず重要な日程に合わせてくるパターンがあるからという理由。

これからどうなるのかわかりませんし、中国の動きにカリカリする日本人も多いはずですが、でも我々も知っておかないとならないことがあるのを、これを機会に書いておこうと思います。

なぜかこれに関してはマスコミも政府もだんまり。保守も左派もこれには触れない、非常に不思議な状態です。

尖閣海域では中国の漁民が漁をしてもよいことになっている。メディアによっては「漁業協定により中国の漁業は許される」と書くケースがありますが、「尖閣が除外されているから」とは書かない。

まさかと思うでしょうが、1997年の日中漁業協定で尖閣は除外されました。

「北緯27度以南の東海の協定水域及び東海より南の東経135度30分以西の水域(南海における中華人民共和国の排他的経済水域を除く。)」

そして当時の小渕外相が中国に書簡を送っています。

その内容ですが、こういう内容。

本大臣は、本日署名された日本国と中華人民共和国との間の協定に言及するとともに、次のとおり申し述べる光栄を有します。

日本国政府は、日中両国が同協定第6条(b)の水域における海洋生物資源の維持が過度の開発によって脅かされないことを確保するために協力関係にあることを前提として、中国国民に対して、当該水域において、漁業に関する自国の関係法令を適用しないとの意向を有している。

 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。

                       

1997年11月11日東京で

日本国外務大臣小渕恵三

日本国駐在中華人民共和国
 特命全権大使 徐敦信閣下

つまり、以前、中国の漁船が海保の船に体当りすることがありましたが、中国の漁船に対しては「違法操業ではないかぎり」海保は「手出しできない」はずなんですね。結果的に体当りしてきましたので船長を逮捕しましたが、あの後にすぐに釈放することになったのはこういう約束があるからかもしれません。

でも国民の多くは「中国の漁船が違法操業しているのを捕まえようとしたところ、体当りしてきた」と信じている。

不思議なのはこの小渕親書の存在をどのメディアも一切報道しないってこと。

またこのことに関して、民主党時代に国会で興味ある質問・答弁が行われました。

平成24年の第181回臨時国会で当時新党大地の浅野貴博衆議院議員が質問書を提出しています。(ここをクリック)

それに当時の岡田外務大臣が答えています。(ここをクリック)

要点はこんな感じ。

小渕文書の存在は認めましたが、あの体当たり事件には一切触れず、「お答えすることは困難である」との答え。そして質問書の一番最後のキモである「どうして我が領土である尖閣諸島を含む海域において、漁業に関して我が国の法令を適用しないとの意向を中国側に示す必要があったのか」という問いには答えていない。無視。

日本は「領土問題は無い」と言い張っていますが、これは「何かある」ことを認めていた証拠であって、そしてこの小渕親書は中国側が持っているわけですね。彼らはそれを出す時期を見ているのかな?

少なくとも中国の漁民が尖閣の海域で操業するのは違法ではない。

それと話は変わりますが、私も尖閣は日本の領土と思っていますし、中国もそう扱っていた証拠はいろいろと出てきている。

でも日本が領土だという根拠は結構いい加減な気がするんですよ。

「尖閣諸島の領有状況を1885年から1895年まで調査し、世界情勢を考慮したうえで隣国の清国など、いずれの国にも属していないことを慎重に確認したうえで閣議で決定し沖縄県に編入した。」としている。日本政府は1895年1月14日に尖閣諸島の編入を閣議決定した。(Wikiより)

ところがですね、その閣議決定は官報で告示されていないとのこと。つまり、そういう閣議決定があった事実は誰にも知らされていない。もちろん日本国民も外国も中国(その時代は清)も知らない。ましてやこれは日清戦争中の出来事(ここが重要)

その後、日清戦争も終わり、下関条約で台湾は日本の領土となったわけですが、尖閣は台湾の領土であるという見方をしている中国は、その条約時に台湾と一緒に尖閣は日本に取られたと思っていますからその時点で領有権の主張も何もないわけです。戦後は沖縄はアメリカ統治ですから日本に文句を言う筋合いもない。だから沖縄返還まで彼らは何も言わなかった。またその時期はよく言われる「地下資源がある」と発表された時期と重なる。沖縄返還は1972年です。

ですからあの海域に石油資源があるのがわかってから突然言い出したというのは半分当たっていますが、半分ハズレじゃないですかね。ただしここで忘れてはならないのは、尖閣は台湾の領土、だから中国の領土だという論理だという点。

つまりですね、尖閣に中国が上陸すること=台湾への上陸ってことにもなるんですね。だから下手に中国が動くと三つ巴でややこしい話になるから、台湾問題が片付かないかぎり尖閣には手を出せないだろうと私は想像しています。(そんなことをいう専門家がいるかどうかも知りませんが 笑)

尖閣が日本の領土だということ関しては外務省のサイトにQ&Aの形で載せられています。(ここをクリック)

Q10 日本政府は1895年の閣議決定を対外的に明らかにしておらず,秘密裏に行ったのではないですか。

A10 1895年の閣議決定が当時公表されなかったのは事実ですが,これは当時における他の一般の閣議決定についても同様だったと承知しています。右閣議決定以来,日本は,民間人の土地借用願に対する許可の発出や国及び沖縄県による実地調査等,尖閣諸島に対して公然と主権の行使を行っていたので,日本の領有意思は対外的にも明らかでした。なお,国際法上,先占の意思につき他国に通報する義務があるわけではありません。

私はこの答えで中国が納得するとは思えません。公示しないのは当時の慣例だとか、日本として民間人がどうの公然として主権の行使をしていたとか、それって日本の国内の話であって、だから領有意思は対外的にも明らかでしたって理屈は通らないと思います。

ましてや閣議決定は日清戦争中の1895年の1月14日。下関条約は同じ年の4月17日。つまり中国が文句をつけるとしたらこの3ヶ月間しかなかったことになります。そして当時は戦争中だったことを忘れてはならないでしょう。そして日清戦争後は台湾とともに日本に取られたから、その後は中国が尖閣のことをいう権利も何もないはずですね。

そして第二次世界大戦後は沖縄はアメリカに占領されていたわけで、中国が尖閣に関して日本にガタガタいう筋合いもない。でも1972年に沖縄が返還された時期に、中国は文句を言い出した。これはこれでスジが通っていると思います。

まぁ、当時は尖閣なんて大した問題じゃなかったのだと思います。でも我々からすれば間違いなく日本の領土。でも中国側から日本のあら探しをすれば、それなりの事は出てきてしまうんですね。特に私が問題だと思うのは当時の小渕外務大臣が中国に送った親書です。これでは「棚上げを日本は了承している」「領土問題が存在していると認めた」と言われても仕方がないんじゃないでしょうか。

ま、都合が悪いことは隠しておけば良いってのが外交なんでしょうが、こういう事実を私達国民は忘れて、プロパガンダに乗ってはまずいと思います。

事実は事実。そして相手の立場から見てみる必要もあるんじゃないでしょうか。相手の言い分を認めるってことではありませんが、それを知らずして日本の戦略は立てられないし、もし政府に弱腰のところが見えたとしたら、小渕親書の存在があることも思い出す必要があると思います。

また話は変わって、今回の漁船が入ってきた件ですが、ギリシャ船籍の船と衝突し沈没。乗組員を助けたのは海上保安庁。

なんだか中国ってマヌケだと思いません?沈没したのは公海上ですが、尖閣を俺の領土だ領海だと言っているのに、自国の漁民を助けることも出来ない。尖閣に関して強気で中国が出てきたのは南シナ海での弱み、また国内問題を外にそらすためと言われていますが、逆に良い恥さらしをしたと思います。

でもここでも忘れてはならない点があると思うんです。日本政府が文句を言ってもシラ~としていた中国ですが、アメリカが口を出したらすぐに引き上げたんですね。やっぱりアメリカは怖いんでしょう。で、衝突事故はその後のこと。

強気で出た中国は逆にアメリカに言われてノコノコその場を去り、自国民をも救出できない大失態をしたのを世界に見せてしまった。尖閣を実行支配し、管理しているのは日本であると世界が再確認した。

ザマァ・・なんて汚い言葉は言いたくありませんが・・・・・・・・。(笑)

 
 
 

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