やっと美味しい「麻婆豆腐」が作れた

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麻婆豆腐が大好きな我が家ですが、いつの頃からか麻婆豆腐は「家で作って食べるもの」になりました。長年住んだゴールドコーストで美味しい麻婆豆腐に遭遇したこともありませんし。

でもゴールドコーストにも本格的な四川料理の店はあるんですよ。ヒジョーにマイナーな店で客は中国人しかいないし場所も辺鄙な所。ラブラドール。ところがですね、中国の四川に行ったこともなければ本場の麻婆豆腐を食べたことがないんですが、本格的(に見える)四川料理店の料理って何を頼んでも「マジっすか?」と思うほど「日本人が知っている四川料理」とは違うのね。麻婆豆腐も見た目も味もかなり違う。これってメルボルンやシドニーの有名店でも同じで、自分が知っている四川料理って、日本で日本風にアレンジされたものだというのに今更ながら気が付いた。

でも自分としては「市販の麻婆豆腐の素」で作る麻婆豆腐って、これじゃないんだよな~とは思うし、あれって日本で麻婆豆腐を広めた陳健民氏(有名な陳建一氏の父)が作った味なんでしょうし、自分が好きなのはそれとも違うし、でも本場のものとも違っていて、自分の中で「これが本物の麻婆豆腐だ」ってのがいつの間にか出来上がっていた。そもそも日本の「麻婆豆腐の素」って「子供が食べることを想定」しているんでしょうね。なおかつ「子供が喜ぶ味じゃないと売れない」のだと思います。となれば、本物の麻婆豆腐なんて子供が一番毛嫌いするタイプかもしれない。

でもま料理って本場、本物、偽物、亜流だろうがなんだろうが自分が美味しいと思えばそれで良いわけで「自分が納得するものを作れる」ってことが大事なんだろうと思っています。

何を真似して作ったかというと、それこそためしてガッテンから陳建一氏のレシピをトライし、最終的にはユーチューブの中国人シェフのレシピですかね。これもまたいろいろなんですが、試しているうちに彼らが考える「基本」ってのは見えてくるんですね。自己流のものを作るにしてもそこからは逸脱しないように、そして自己満足で終わらないように、まぁ、試行錯誤するわけです。

で、それなりに納得がいくものが作れるようになったわけですが、マレーシアに来てびっくりしたのが絶対に必要である調味料が売っていないんですよ。マレーシアには中国人がごっそりいるのになんで「豆板醤」「甜麺醤」「豆鼓(豆or醤)」「花椒」が売っていない?ま、豆板醤はどこにでも売っていましたが、ゴールドコーストでさえどこにでも売っている「甜麺醤」「豆鼓(豆or醤)」「花椒」が見つからない。

そんなことをブログに書いたら「中国人が多く住む地域の店」で売っていると。

これって非常におかしなことで、モントキアラ周辺のスーパーや大手のショッピングセンターでは「中国人がそういうものを買おうと思っても売っていない」ってことなんですね。住人の数十%が中国人であるのにです。

でも中国人が多く住むKepongとか中国人や料理人が多く来るあろうNSKにも「いくつかある」程度で、多くのブランドや種類がおいてあるわけじゃない。

不思議だ・・って思いましたよ。

なんせ全体に対する中国人の住人の比率としては1%にも満たないであろうゴールドコーストでさえも大きな「普通の」スーパーで売っていて、中国スーパーは何件もあって、豆板醤、甜麺醤なんてのは多くの種類を置いている。豆鼓も同じく。また麻婆豆腐とは関係ない他の調味料や食材(乾燥、冷凍、冷蔵)もごっそりずらーーって並んでいるんですよ。

豆板醤って大体どのブランドでも同じですが、甜麺醤、豆鼓醤はブランドで大きな違いがあるのね。どちらも食塩が結構はいっていて、甘い甜麺醤でも多く使うと塩辛くなって駄目だったり。私は豆板醤も甜麺醤も豆鼓醤も結構多めに使いますから、「塩っぱいX3」になっちゃうのね。でも塩気が控えめなのも探せばちゃんとあるわけですよ。

でもマレーシアでは甜麺醤そのものを探すのも難しくて、一番最初に見つけたのはパブリカのB.I.G.にある「日本食材売り場」でした。もちろん日本のメーカーのもので日本から輸入されたもの。(@_@)

日本食材として売っているってことは「普通のスーパーにはない」のがはっきりしたわけで、無駄にあちこち探し回るのは止めてとりあえずNSKとイオンでやっていた「台湾物産展」でどうにか手に入れました(豆鼓醤はパブリカのB.I.G.の豚売り場にもある)。花椒も同じで、やっと見つけたのは小袋に入ったものでTTDIの小さな商店でした(読者に教えていただいて行ったNSKでは一生分ぐらいある大袋入りだった)。ところがこれがいつのものかわからない代物で、使おうと思って封を開けたら「風味がしっかり飛んで抜けいていた」。(@_@)

これじゃどうにもならないと思ったし、探すのは無駄で「日本から取り寄せ」ることにしたんですよ。嘘みたいでしょ?

でも日本のアマゾンで買ったGabanの花椒も五香粉も今まで使ったこともないくらい良いもので(ゴールドコーストで使っていたものよりかなり良い)さすが日本って凄いと感心しました。

ミルでコショウみたいに花椒を使う度にゴリゴリやるタイプ。

わざわざ日本から買うのも馬鹿らしい気がしますが、本来こんなものはメチャ安いものだし、送料を払ってもまだ安い。何処かに売っていないかとクアラルンプール中を探すよりかよっぽど安いし早い。ましてややっと地元で買ったものが低品質だと暴れたくなりますよ。(笑)

で、この日本から買った花椒があるからやっと久しぶりに麻婆豆腐を作ることができたわけです。花椒がない麻婆豆腐は麻婆豆腐だと思いませんから。

麻婆豆腐って別名「麻辣豆腐」で麻は痺れで辣は辛味で、それがはっきりしていないのは違う料理だと思っています。

先日、ドラゴンアイで麻婆豆腐を食べてみたのですが、これが日本の味だったのにびっくりしました。日本人、小さな子供でも全く違和感なく食べられるんじゃないですかね。でも我が家で作る麻婆豆腐とは全くの別物。これはドラゴンアイ@パビリオンの麻婆豆腐。

でも面白いもんで、マレーシアの中華料理屋でもこの「麻」と「辣」がしっかりしていないものが多いのね。これって何の料理でもそうで北京ダックにしてもまるで本来のものとはかけ離れているものが多い。でもそれで良いんですよね。店はニーズに合わせて作っているわけで「これが本物だ~」なんて自己満足をやっているわけじゃ無し。

でも我が家では「麻」と「辣」がしっかりしているものが好きというだけの話。

久しぶりに作った我が家の麻婆豆腐。かなり辛いし、舌も痺れます。(笑)

本格的かというとそうでもなくて、最初にショウガやにんにくを炒める時に「花椒の実」を炒めて油に香りを移すとかそこまで拘ることはしません。花椒は最後の最後に「粉」を入れるだけ。でもこの瞬間が一番気を使うんですよね。花椒って結構強烈ですからもし多く入れ過ぎたら全て廃棄処分なんてこともありうる。でも少ないと痺れは来ない。そして粉によって効き方が違うんですね。日本のGabanの花椒は効きが凄いので少量でOK。

でもまその辺の好みは我が家の中でも個人差があって、適当に入れたあとは「勝手に調節してくれ~~」です。(笑)

ヨメさんが面白いことを発見したんですが、花椒の他に「日本の山椒」も入れる。私は入れませんが、やっぱり「昔から食べ慣れている麻婆豆腐」って「山椒」なんですよね。だからそれを入れたほうが美味しいと。

私のこだわりですが「ネギが多め」の方が美味しいと思っていてかなり入れます。でも初期に投入してしっかり炒めちゃうので小さくなってたくさん入っているようには見えません。(最後に【生】を散らす)

それとかなり辛いのですが、その辛味を豆板醤でだしたら塩っぱくなるので、「粉唐辛子」を多く使います。もちろん韓国産の美味しい唐辛子(韓国スーパーで売っているメチャ安のもの)。

絶対にないと駄目なのが豆鼓ですね。でも私は「粒」の豆鼓は使わずに豆鼓醤を多めに使います。これが「コク」が出るか出ないかの勝負どころじゃないかと。それとオイスターソースと醤油(中華のLight)は「隠し味程度」しか使いません。

あと普通のレシピにはないものとして「本みりん」。最近、みりんの凄さを知って多用するようになったのですが、麻婆豆腐にみりんってのも「味のまとまりが良い」ので良いと思います。

そして我が家の麻婆豆腐の特徴は、カレーやシチューと同じで、6時間以上寝かしたほうが美味しいと言う点。(笑)

普通麻婆豆腐って出来たらすぐ食べるし、余らせないものだと思うのですが、我が家は大量に作りますし、必ず「誰かの夜食」なり「朝ごはん」になるんですが、実はこの時の方が美味しいんです。普通の麻婆豆腐もそういうもんなんですかね。

我が家の普通の食べ方は「麻婆豆腐丼」で、ピータン+トマト+キャベツのサラダ付きが定番。

自分で作ったのが一番美味しいです。でもそれって自画自賛じゃなくて「自分の好みに合わせて作る」のですから美味しくて当たり前。(笑)

麻婆豆腐の面白さってここにあると思うんですよ。なかなか料理ってプロの味を再現するのは難しいですが、麻婆豆腐はどうにかできちゃう。

では中華料理屋では食べないのかってわけでもなくて、「新たなヒラメキ」が欲しいですから結構食べます。

面白いと思ったのが「ザーサイ入り」のもの。塩気の調節が難しいですが、ザーサイの歯ごたえって全体的に柔らかめの麻婆豆腐には良いと思いました。味も良いアクセントになる。ゴールドコースとの「イポーサテレストラン」のもの。またオーストラリア人に合わせているんでしょう、辛味、痺れも少なめで、でも辛味のアクセントは「鷹の爪+生の青唐辛子、赤唐辛子」で作っていた。生の唐辛子ってのは新発見でこれもありだろうと。

イポーサテレストランの真似をして麻婆豆腐を作ってみた

こんな感じであちこちの店の良いところを取って、「我が家の味」を作るのが面白いです。

 
 
 

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