有事の際「市場」はどう動くのか

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万が一の時には日本の将来がとんでもないことになりそうな時に「市場の動き」の話をするなんてとんでもないやつだと思う方もいらっしゃるでしょう。ってそんな古い人はいないかな?(笑)

自分が今ポジションを持っていないものでも「どう動くのか」のシミュレーションって大事だと思うんです。それはNYダウであり日経225であり、そして為替。円、米ドル。

これに関して様々なアナリストの読みを見ていますと、プロなのにこんな馬鹿なことを考えているのかってのもあるのね。どこのアナリストとは言いませんが、その人って「景気が悪いのは消費税増税が原因」と言われている時にでも、財務省の息が掛かっているのか「気候のせいだ」と言い張っていた人。もちろん増税派でした。

その人は今「有事の円買い」に拘っていて、もし朝鮮半島に何か起きれば「円高になる」と。この辺の読みは私も同じなんですが、その人は「有事の円買い」だからだと。超有名なシンクタンクのアナリストですが。

結果が同じならどんな考えでも良いのかもしれませんが、頭の体操としてはこれじゃ駄目だと思います。

また有事と一言で言ってもそれの影響の度合いも考えないとならず、もしもですよ、北のミサイルが日本の「原発銀座」にでも落ちたら北半球全てがアウトになるわけで、有事の円買いどころか「日本壊滅」だって起こりうる。それでも有事の円買いだと言えるのか。

ま、細かいことを私が書いてもしょうがないので、私の考え方に似ている人の解説を紹介します。これが正しいかどうかはわかりません。ただ「私」としてはこの考え方が的を得ていると思うってだけの話。

JPモルガンチェース銀行の佐々木融氏。

このページの動画を御覧ください。為替ドットコム(ここをクリック)。

ああ、コラムもありました。ロイターです(ここをクリック)

佐々木氏は3段階で考えていて、こういうような内容。

★第一段階:有事の円買いの経験則で、有事が生じた直後に、投機的な円ロング(買い)ポジションができる。4月7日のシリア攻撃報道直後に円高になった理由はこれ。そして続報がないと円は売り戻される。

★第二段階:金利差狙いの円売りポジションが巻き戻される(決済)。これは、東日本大震災の時に起きた現象。イベントで生じたリスクが大きければ大きい程、数日以内にポジションの手仕舞いが起きて、本格的な円高が到来。

★第三段階:本邦投資家・企業による海外投資のヘッジ及びリパトリ(資金を本国に戻す動き)。有事が起きると企業であれば売上減少、個人であれば給料や事業収益減少等が見舞われるリスクが生じます。場合によっては、経営や投資の判断をし難い状態が起きてしまいます。そのため、リスクを抑えるために海外資産を処分したり為替リスクを減らすヘッジを行います。リーマンショックの時に起きた事象。

チャートを表示できる方は過去のチャートを見てほしいのですが、東日本大震災の時にどんな動きだったのか。地震が来てそれが尋常じゃない被害をもたらしたとわかったときに、「円は売られた」んですね。日本崩壊をイメージしたんでしょう。あの時にシドニーの次男坊から電話があって、「円は売るべき?」と聞かれたのを思い出します。(笑)

ところがすぐに円高に動いたのですね。でもあの時点ではその動きをきっちり説明できたアナリストはいなかったと記憶しています。

あれはまさに、上で佐々木氏が言う「第三段階」に入っていたからのはず(佐々木氏は311は二段階目の動きだというけれど)。世界中に出ていたお金が「日本に逆流」してきたんですね。これを「リパトリ」という。

ただし、これは「日本が存在しているから」なのは間違いがなく、有事の際の日本へのダメージが大きければ、「国外に逃げる金」の方が大きくなると考えるのが妥当だと思います。でもこれは我々海外にいるからそんなイメージを抱くのかもしれなくて、日本を地盤にしている日本企業は「資金を手元に置いておく」ことを優先するのかもしれない。

どちらにしろ、為替の大筋はこんな動きだと私は考えています。ただ日経平均に関しては今まさに「下降トレンド」に入ったのが確定していますが、この動きがもっと大きくなるはず。

ただ一番難しいところは、「逃げること」ではなくて「復活戦」だと思うのです。有事もあるいはそれによる被害の規模も見えてきた時に「元に戻ろうとする動き」は必ず出てくるわけで、それにいかに乗るかが何よりも大事だろうと思うわけです。

どうやって?

ここが問題。

今まで書いてきたように、こうなったらああなるだろうと推測するのは簡単なんですね。でもいつどのくらいどう動くのかはわからない。また推測通りに動くのかどうか。

これに関してはアメリカの大統領選で「煮え湯を飲まされた人」も多いんじゃないでしょうか。トランプが大統領になるわけがない。もしなったとしたら世界はめちゃくちゃになると多くの人が考えていたところで、トランプが選ばれた。

あの時の市場の乱高下は凄まじいものがありましたよね。そして多くの人は「トランプが大統領になったら【売りだ】」と自信満々に言っていたでしょ。でもそれは次の日には「大間違い」だったのがわかって「急騰」しましたよね。あの時、トランプだったら売りだといった人は黙りこくってしまった。

イギリスのEU離脱の国民投票の時も同じ。大方の予想を裏切って「離脱」となってしまった。この時、為替は大きく動きましたが、読みが外れた人は大損したはず。

ここで私が書きたいことは、「読みがハズレたら大損する」というところなんです。ハズレたら大損するなら、当たるようにもっと努力しようと普通の人は考える。あるいはわかるわけがないのだから「何もしない」のが得策だと考える。

「何もしない」「余計なことはしない」のは大変良いことだとは思うんです。君子危うきに近寄らず。

でもそういう考えでいると「いつも見ているだけ」になりませんかね。「俺は相場は不得手だから・・」と何の努力もせずにダメだと決めつけて長い年月が経っていく。

これってもったいないと私は思うし、どうにかなると思うからこそ、いつもこのブログに相場のことを書いているわけです。

今日は「有事の際に市場はどう動くのか」という表題で話を進めてきましたが、私はあえて言いたいのです。

どう動くのかなんて神様しかわからないことを考える必要もない

ってことです。

いや、考えないとならない立場の人たちはたくさんいます。それは企業、あるいは機関投資家、金融関係の人たち。莫大なお金を動かしていたり、貿易をしているのに「為替の行方なんかわかりません」じゃ仕事になりませんよね。

でも私達みたいな雑魚は彼らと一緒に悩む必要はないんですね。

いやいや、そうも言ってられない状況の人もいるでしょう。でも天才をごっそり集めて分析しているプロだってハズレることが普通にあることなのに我々雑魚に何ができるんでしょうか。いや、せめて予想ができれば・・と思うのもわかります。でもプロと雑魚の大きな違いは「読み」にあるんじゃないんですね。「リスクコントロール」に大きな違いがある、と私は考えています。

つまり、例えば彼らが円を売ったにしても「売りっぱなし」なんてしないわけですよ。当然、動きを見ながらポジション調整はするし、「リスクヘッジ」を必ずやるんですね。それは先物を使ったりオプションを使ったり。きっと他の方法もあるんでしょう。

そうそう、俺もそうしてるって方もいらっしゃるでしょう。でもそれって一般的ではないし、プロと同レベルで出来るのかどうか。

私は、そんなことさえする必要がないと言いたいのです。

さてどうするのか。

ここではっきりチャートをお見せして、どう思います?とやれば良いのでしょうが(今まではそうやっていた)、私はあえて今、チャートを出そうとは思いません。

でも「どうにかしたい」と思ってる方は次のチャートを自分で探して見てほしいんです。

◯ 311の時の為替チャート。日足と分足。
◯ イギリスのEU離脱投票の時の為替チャート。日足と分足
◯ トランプ氏が選出された時の為替チャート。日足と分足。

まず普通の人は「日足」しか見ないのが普通。そして日足で見るとこれら3つの出来事が起きたときは「乱高下」しているのがわかるはず。トランプ氏のときは凄かったですよね。

でも分足を見て欲しいんです。1分足、5分足、1時間足でも良いですが、まるで違う世界が見えるはず。

皆さんは「年足」って見たことがありますかね。1年で一本の足が出来るチャートです。

安倍さんが総理になってから為替も日経225も大きく動きましたが、これを年足で見ると、長い長い足が数本並んでいるだけで、それだけを見たら、どこで買うのか、売るのか、まるでわからないはず。

大きな動きは分解すると良く動きがわかる

このことを多くの方に知っていただきたいのです。

つまりですね、トランプ氏の時は数日間で大きく動きましたが、これを分解すると、長い長いトレンドが見えてくるってこと。

相場の基本は「トレンドを取る」ことだと私は確信しているのですが、あのトランプ氏の時の様に、毎日動きが変わるジェットコースターみたいな動きでも、それを分解すると「大きなトレンドが並んで見える」んです。イギリスの時も311の時も同じ。

ある意味、あの時の様に「大きく乱高下」したときこそ、分解すると「大きなトレンドが見える」んですね。

将来を予想する必要はなく、この目先のトレンドだけ取れば良い

ってことなんですよ。

それが簡単なら世界中の企業、機関投資家がそうするだろうって思うでしょ?でも彼らにはそれができないんですよ。

企業一社だけでも数百億のお金は動かします。ましてや機関投資家は桁が違う。そういうお金をですね、一日の内に買いだの売りだのできると思います?できないんですね。ある一人のファンドマネージャーが買うなり売るなりするだけで、相場は動いちゃうってことなんですね。為替も日経225でも「大きな市場」ではありますが、大手が動けばそれだけで値が動いてしまう。だから買いたくても買えない。売りたくても売れない。

大手の機関投資家が株を買う時でも、今、買え、売れとはやらないのはご存知ですよね。XXXXを100万株買うとしたらそれを一気に買うこと無く、一日、あるいは数日掛けて「場の動き」を見ながら分散して買うわけですよ。そんな市場で分足を見ながらの売買なんてとんでもないことなんですね。

でも我々雑魚ならそれが出来るってことなんです。

騙されたと思って、上に書いた3例の分足をまずは見てみてください。ああいうときほど動きが一方通行で売買が楽だというのがわかるはず。

くれぐれも巷の評論家と一緒に悩まないでいただきたいと思います。雑魚には雑魚の生きる世界、生き方があるってこと。

有事の際には市場は大きく動くでしょう。様々な憶測が交差して乱高下するはず。でも日足で見るとわけがわからない動きだとしても、それを分解して分足にすると、力関係の変化が大きなトレンドとなって見えるはずなんですね。ただし、注意しないとならないのは株の場合です。株だとすれば証券取引所が開いていない限り売買できませんから、「開いた瞬間に買い注文、売り注文が殺到する」んですね。

そういうときには「値付かず」となり、売ることも買うことも出来ない。これって非常にうまくないわけです。例えば、「絶対に下る」という確信があったとします。でもきっとそれは他の投資家も同じで売り注文が殺到する。売買が成立しないんですね。そして気配値がどんどん下がって、ずーっと下がってからやっと買い手が出て来て約定。あるいはストップ安なんてこともある。それが数日続くこともあるんですね。

これじゃ「下がる」と確信して「売った」にも関わらず「売れない」ことになる。

でも為替の場合はほぼ24時間動いていますので、株みたいなことは起きないはず。

じゃ、株はどうすんだよってことですが、銘柄にもよりますがCFDを使うという手もあるかもしれません。CFDってなんだかわからない方は検索でもしてみてください。これは証券取引所が開いていない時間帯でも売買されていますから、使いみちはあるかもしれない。

CFDって現物ではありませんが、ご存じない方は信用取引みたいに考えれば良いんじゃないでしょうか。つまり現物を売りたい場合、夜の夜中でもCFDで「空売り」できる。これを後に決済すれば良いんじゃないでしょうか。

って株に関しては私は株から離れて15年ぐらい経ちますし、実際にCFDで日本株の売買をしたことがありません。ただ銘柄としては存在しているのを知っているだけです。興味がある方は是非調べてみてください。

知りもしないことを書いていい加減なやつだと思うかもしれませんが、私は「ヒント」を書いているだけで、何かひらめくことがあればそこから先は自分で調べるってことなんですね。

さぁて、上に書いた3例のチャートを自分で探して表示して見てみる人が出てくるかな~~~~?

こういうことを面倒臭がる人は・・・ま、いろいろ悩まないほうが良いんじゃないですかね。私のブログを読むのも時間のムダです。また見ても何もひらめかないかもしれない。でもそんなことを繰り返している内に、「これだ!」というのに巡り合う。そんなもんじゃないでしょうか。

人の行く 裏に道あり 花の山

 
 
 

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