与沢翼氏というちょっと変わった青年が世間を賑わせていますね。商売上手らしい。1億を秒速で稼ぐ男なんて言われて。でもアンチに言わせると詐欺師みたいに言いますが。(笑)
私は彼のことは全く知らないと言って良いくらいで、たまたまユーチューブで彼の動画を見ただけです。トレードに関する動画でしたが、彼が実際に取引をしながらああじゃこうじゃとウンチクを言うもの。
私はそれを見た時に、「なんだこの青年は。凄い!」と思ったんです。
聞いてみたらトレードの世界に入って1-2年らしいですが、良くあそこまでポイントを摑んでいるなと関心しました。ただ単にトレードと言っても100人集まれば100通りの方法があるわけで、彼のやり方に何も感じない人もいるだろうし、あんなんじゃ駄目だと思う人もいるんでしょう。でも多分、私の手法と彼の手法は共通点があるのかもしれなくて、だから私にはピ~~ンと響いたのかもしれない。
正直なところ、あのレベルに到達するのには5年は普通掛かるんじゃないかと思いました。でも30年やってもわからない人にはわからない。
その彼がセミナーを開いたわけですが、料金が30数万円でしたっけ?毎日リアルタイムで市場を見ながらいろいろ教えてくれるという、本来あるべき形のセミナーだと思いましたし、彼の10分の1でも理解できたら面白いことが起こるんじゃないかとも思った。
ですので、これからトレード(スキャル)を学ぶ私の長男にも良いかもしれないと書きました。
オンラインのそのセミナーは終了しましたが、今でも受けられるようで、過去のデータを参考にしながら話をすすめるんでしょうかね。過去のビデオを売るような感じかな?
トレードに関して悩みがある人は受講してみる価値はあるかもしれませんね。
彼は天才肌だと私は思っていて、彼が言うとおり、彼がやるとおりに誰でも出来るとは全く思わないのですが、「ポイントを理解する」だけでも価値はあるんじゃないかと今でも思っています。
ではそのセミナーを私が、あるいは息子が受講するのかしないのか。
もし私もズブの素人だとしたら、あるいは出口のない迷路にハマってしまっているとしたらかなりの確率で受講すると思います。
ただ今の私には「ダボ流」というのがありまして、それを今後も磨いていこうとは思うものの、違うものを新たに取り入れることは考えていません。また息子に関しても、私が教えようとしているのに、同時に「違う考え方」が入ってきたら混乱するばかりだと思うのです。
なぜ与沢氏の手法が私と違うと思うのかですが、なんて言えば良いのか、例えば彼も私も大工だとしましょう。そして大工としてより一層腕を磨こうとしている。ところがですね、与沢氏は「ノコギリの使い手」かもしれない。そして私は「カンナの使い手」。同じ大工で、やっていることは同じジャンルでも実は全く違うんですね。
それは彼が動画で見せていたチャートと、その使い方の説明、そして彼が実際にどうトレードしたかを見ていて感じたんです。彼は実際に売買した証拠である「売買譜」も動画で出していましたから、そこを切り出してチャートと比べてみれば、彼のやり方って見えてくるんですね。
それをやりつつ彼の売買を追って行ったところ、「彼は目の前のチャートをちゃんと使っていない」と感じたんですよ。それもブログに書きましたが、彼のチャートで使っているインジケータを彼は無視して売買していた。
これって私みたいなチャート屋にはありえないことなんですね。
でも彼には「目先のチャートを無視してでも行動しなければならない、なんらかの理由」があるようで、彼はそをれ「真髄」と呼んでいた。
私にとって、というかチャートアナリストにとって大事なのはチャートだけであって、それを無視する「理由」なんて何もないというのが私の考え方なんです。チャートの指示を無視するなら、チャートなんか無くても同じじゃないですか。
真髄とやらがあって、それで今後の値動きが読めて、だから目の前のチャートは無視していいっておかしなことですよね?
だから私は与沢氏を買ってはいるものの、半分、おかしいなぁとも思っているわけです。(笑)
それは彼の動画の中でもおかしな部分があったのはブログに書いたとおりで、彼が売りポジションを持っている時に大きなドローダウンが出ている(値は上がった)のにも関わらず、彼は損切りしないでそれを放置した場面がありました。結果的には値は戻って利益が出ましたが、あれは私には絶対にあり得ないやり方、考え方なんです。
もし私だとしたら、値が反対に動いたのが確認できた時点で損切り。そしてまた値が戻ってきたとするなら、そこで「新たな出撃を考える」だけで、持ったまま放置はあり得ない。
また彼が「真髄」とやらで「絶対に下る」という確信があるのなら、なぜ値が上がってしまってドローダウンが大きくなった時にナンピン売り上がりしないんですか?下がる確信があるなら、あれは最高の「利乗せのチャンス」じゃないですか。
また彼は「トレーリングストップ」を掛けて寝たというところもありました。そしてそれに値が引っかかって約定し、利益を確保したと。
ところがその時点のチャートを見てみますと、トレーリングストップを掛けていなかったとしか言いようのない値動きなんです。つまり結構上下に動きながら推移したってこと。ま、そのことはブロクに書きましたので、気になる方はその日記を読んでみてください。
それと、「利益を増やすにはロット数を大きくする」と彼は言っていた。これは私がいつもここに書いているのと全く同じで、利益を大きくするには「利益幅を大きく取る」んじゃないんですね。ロットを大きくしていく。
でもこれも限度があるわけですよ。例えばもしFXだとしたら3ミリオンぐらいの注文は通っても、彼が言うように「何十億でも・・」ってわけにはいかないでしょ。30ミリオンの注文なんか出したら値が飛んじゃう。
つまり、彼は自分で「何十億」のロットで売買したこともなく、そんな大きな注文は簡単に通らないということさえ知らなかったってことじゃないですかね。
ま、そんなことがありましたので、「彼は凄いし、上手いことは上手い」、でも「彼の言葉の中には誇張や嘘がある」と思ったわけです。
でも彼が出した売買譜を見てみますと、動画では彼が一切説明していない一連のトレードもわかるんですよ。最初は失敗して損切りしていましたが、その後のドテンで値についていく「変わり身の速さ」に私は驚きました。そして利益を出している。
これってなかなかできないことで、というか私には無理。負けた後にすぐ気持ちを切り替えて値を追いかけるべきなんてのは理屈でしか無くて、思惑と逆に値が動いた時は気が動転したり滅入ってしまうのが普通で、すぐに反撃に出るなんてのはかなりの達人じゃないとできない芸当だと思っています。でも彼はそれをいとも簡単にやっていた。
彼が天才だと私が思うのはそういう点でもあって、彼の「洞察力」「決断力」「行動力」は普通の人ではないと思いました。まさに彼にはそれがあるから様々な仕事で実績も残したんでしょうね。でも最初の仕事は結局は莫大な負債をこしらえたようですが、また彼はすぐに復活したらしいじゃないですか。
そして知らない間にシンガポールに居住し、何をしているのかと思ったら「トレーダー」になっていた。(笑)
そしてまたすぐにドバイに引っ越して不動産投資に力を入れている様子。この「洞察力」「決断力」「行動力」てのが彼の持ち味で、それがトレードの中でも活かされているんだろうと想像しています。
セミナーの内容は全くわかりませんが、もし彼のトレードが「洞察力」「決断力」「行動力」に裏付けられているとしたら、それを真似るのは簡単じゃないんですね。それこそイチロー選手にスチールの方法を聞いたとして「この瞬間に走るんですよ」なんて言われて、はいそうですかって出来るようになる人はいないのと同じ。(笑)
ですから彼のセミナーが「チャート分析に則っている」のならそれを学べば「普通の人」でもどうにかなるんでしょうが、どうも彼は目先のチャートの動きは軽視しているような動画を出していたし、本来「売る」どころか「売りポジションがあれば一度撤退を考える場所(だと私なら考える)」で、彼は「新規売り」をしているんですね。
これでは私が彼のセミナーを受けたとしても「学び様がない」ってことでもあるし、その彼のやり方を私の息子が覚えたとしたら、私の手法を彼に伝えることもできないってことなんです。わかりますよね。
でももし私も息子も「どうにもならない壁にぶち当たる」ことがあれば、与沢氏に教えを請うこともありうるだろうし、トレードのなんたるかポイントもつかめていない初心者だとしたら、とりあえず与沢氏のセミナーを受けてみるのは「アリ」じゃないかと思うのです。
でもそんなのですぐにガンガン利益が出るようになるなんてことじゃなくて、きっとセミナーの受講生が100人いたとしたら、芽が出るのはきっと数人でしょう。でもそれは凄いことなんですね。自己流やそこらの書籍を学んでもどうにもならないのが普通ですから。
でも何度も書きますが、私が思う「彼の凄さ」を私はうまく説明できません。何がどうじゃってことじゃなくて「言葉の端々」に「こいつ、わかってるじゃん」ってのがあるんですよ。こういうのって他のトレーダーと話していても同じように感じることって非常に稀なんですね。
何年、何十年の「経験者」とか、巷には結構いる「理論派」とも違う。
例えばバカみたいで申し訳ないですが(笑)、例えば「異性を口説く時のポイント」みたいなもので、「そうそう、それそれ」みたいなものを感じるってことなんです。こんな喩えでわかるわけもないでしょうが、アホなジジーには言葉で説明するのが難しい。
でもま、初心者の方も、ある程度経験がある方も、「情報をどう仕入れてどうそれを活かすか」ってのはかなり難しんですね。書籍でもセミナーでもなかなか思うとおりにはいかない。でもいつも書いている通り、トレードの真髄は「自己コントロール」にあるわけで、自分の「欲望と恐怖」をどう押さえ込むかってことだけだと言っても良いくらい。
彼の動画の中で彼はそれにも言及している部分があって、結構良い値のセミナーですから、その辺もちゃんと乗り越えられるようなノウハウがあるのかもしれない。
自己コントロールって本当に難しくて、負けるのはそれが一番の理由だと私は思うのですが、自分をコントロールする方法とはどんなのがあるのか。まぁ、いろいろあるとは思うのですが、それは「知識や経験」じゃないと思うんです。本当に世の中には「勉強家」ってたくさんいて、「チャートオタク」みたいな人も多いのね。だからそういう人にうんちくを語らせたら凄いんですわ。
また経験が長い人も同じで、経験が長いからその人はわかっているだろうなんて思ったら大間違いなのね。私も経験だけは結構長いんですが、それを口に出さないのは「経験が長いってことは実は恥」なんですよ。18歳の時からやっててこの程度?ってことなんですから。
この世界は「儲けてなんぼ」の世界ですから、理論理屈、経験の長さは全く関係ないんですね。実際に与沢氏なんて1-2年で「大事なものを手に入れることができた」はずだし、近年テレビに出てくるような「大金持ちの若いトレーダー」もせいぜい数年じゃないですか。世界でも同じ。
だから大事なのは(やらしいけれど)「実績は?」と最初に問うのは良いことだと私は思っていて、実績らしい実績を持っていない人のウンチクを聞いたら駄目なんですね。理想論をいうだけですから。そしてその理想論で自分は儲けられていないってことでしょ。
でも「実績がある人」ばかり追いかけても駄目で、この世界って、20代でもあっという間に数千万稼いだなんてのはいくらでもいるのね。でもまたすぐに消えていく。これの繰り返し。つまり、「ギャンブラーも多くいる世界」なわけで、「ビジネスとしてのトレード」を考えているなら、その辺もしっかり考えて学ばないとうまくないはず。
でも「ウォーレン・バフェットを見習って・・」なんてのも全然駄目で、ああいう王道は投資を始める一番最初に誰しもが覚えることだし、タートルズだのFAIだのその手の手法もかな~~り昔から掃いて捨てるほど研究されているのね。だからそれで勝てるなら皆勝てていると思うべき。自分の勉強、情報のとり方、読み方が悪いんだろうなんて考えていたら何十年やっても勝てない、と私は思う。
そういう意味ではいつも偉そうなことばかり書いている私もまだまだ「発展途上」でしかないわけですよ。しがない大工があるカンナの使い方だけは多少わかるけれど、いつもうまくいかないことも当然あるし、他のことはさっぱりわからない。そんな状態。
でも今までの集大成、結果を出すためにマレーシアに来ました。どうなりますかね~~。
次には私の考える一番重要な「基本的な考え方」を書こうと思っています。長い人生の中では「失敗は必ずする」「まさかの出来事は必ず起こる」わけで、私の人生で見た来たのは「それが起きると消えていく人が多い」ってこと。これって投資だけじゃなくて商売でも仕事でもロングステイでもなんでも同じ。
「失敗とかまさかの出来事って【想定外だからしょうがない】」と考えている人が多いのね。もちろん想定できないものに対処のしようもないのだけれど、「想定外のことは必ず起きる」という考え方があればかなり変わるはずなんですよ。でもなぜかそう考えない人が多い。面白いですね~。
そして「想定外のことが起きた」場合ですが、それは必ず起きるという覚悟を持つこと以上に大事なのは「復活できる余裕を残しておく」ってことなんですね。失敗は必ずありますから、それで終わりじゃうまくないわけで、倒産して夜逃げしたとかじゃなくて、倒産してもまた復活しなくちゃならないじゃないですか。
投資も同じで、すってんてんになることもあるという覚悟は大事で、ではそれが起きたらどうやって復活するのかというスキームをちゃんと用意しておかないと駄目なんですね。その時が来て慌ててもどうにもならない。
これってトレードにしても「どういうトレードの技術を磨くべきか」にも関連してくるわけですよ。例えば「長期投資がうまくて年間10%ぐらいに回せる技術」があったとしましょう。良いですよね、凄い将来になる。
でもそれでも「失敗すること」「まさかのことは起きる」わけで、それは市場の大きな変化だけじゃなくて、家庭内の出来事、あるいは天変地異かもしれない。
さて、気を取り直して出直そうと思った時にですよ、さて長期投資で年間10%に回せる技術があったら良いのかって話。
連れ合いや子供もいて、借金が残っていることも多いのに、「どうやって長期投資で利益を出す」んです?年間、500万円必要だとしたら、5000万円の資金が必要じゃないですか。失敗した後のトライにそれだけの余裕があるんですかね。
つまり、長期投資で10%を儲ける技術があっても、「何かが起きた時の復活はできない」ってことなんですよ。だからその技術で自分や家族を救うことはできないのね。
こういうことも考えて、自分の投資スタイルを構築しないと「いつか後悔する時が来る」ってことなんですよ。
でも殆どの人はそんなことも考えない。
どうしてか?
答えは簡単なんですよ。今まで何十年投資経験があっても、「それで食っていた人」ってまずいないのね。会社の経営をしていたり、あるいは給料取りだったり。そして投資は「おまけ」でやるわけですよ。だから投資がうまくいかなくても「本業でどうにかなる」「どうにかする」経験しか持っていない人がほとんど。
早期退職だの、投資生活だの言うのは簡単ですが、「投資で食う」ってのは実はとんでもなく難しいことなんですね。うまくいっている時は良いんですよ。でも「何かが起きるとそこで終わる」ケースが多い。
ではどうするか。
だからスキャルなんですよ。
と次の話題の予告編を書いてみる。(笑)