「麻婆豆腐」を10人前ぐらい作った~~&マレーシアの食材に思うこと

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください

我が家は3人しかいないのに、なんで麻婆豆腐を10人前も作るのか?

私もこれほどの量を作ったのは初めてですが、いつも大量に作っても次の日の朝にはいつのまにか全てなくなっているのが普通なんです。

麻婆豆腐もシチューやカレーと同じで次の日のほうが味が慣れていて美味しいし、朝ごはんで麻婆豆腐麺にしたりするのもまた楽しみの一つなんですが、必ずと言ってよいほど次の日の朝にはなくなっている。残っていても「お子様一人分」みたいな。(笑)

我が家には真夜中にゴソゴソしている長男もいますし、朝起きるのは鶏と競争しているのではないかと思うヨメさんもいて、私がキッチンに行くといつも何もない状態。

じゃぁこの際、ごっそり作ってやろうと思って10人分ぐらい作りました。

豚肉は自家製のミンチで「ショルダーブロック+背脂」で歯ごたえもしっかりあるようにかなりの粗挽きにしたものを約600グラム。豆腐はスーパーで売っているものですが、5丁。豚ミンチの割合が多すぎる感じがしますが、我が家は豚ミンチがしっかり入っているのが好きですし(ヨメさんは豆腐を増やせと言う 笑)、麺と食べる時にはミンチが少ないと美味しくないのね。この場合、豆腐はなくなっていてもジャージャー麺みたいに美味しく食べられますし。

これは私が食べる分ですが、ご飯の量は普通で麻婆豆腐は二人前かもうちょっとあるかな。でも私が作る場合には一品しか作れませんから、量は多くなります。

マレーシアって豚肉はおいしいと思うし、麻婆豆腐は簡単だから良いと思うんです。

ただ日本風の味付けってあまり好きじゃなくて、かと言って四川料理バリバリだとやっぱり香辛料が強すぎて駄目。だから我が家のは何風って言ったら良いのかわからなくて、やっぱりダボ風としか言いようがないのね。(笑)

我が家の麻婆豆腐の特徴としては、麻婆豆腐のお約束事は大体守っています。豆板醤、甜麺醤を使い、絶対にないと駄目なのが「豆鼓」。これって乾いた黒豆の豆鼓ではなくて、豆鼓醤を使います。それもかなりたっぷり。豆板醤、甜麺醤、豆鼓醤の比率って同量かも。ただ我が家は「かなりの辛口」が好きなのですが、それには「韓国産の美味しい唐辛子粉」をかなりたっぷり入れます。豆板醤を多く入れると塩っぱくなって駄目なのね。

そして麻婆豆腐の「麻」の部分。しっかり痺れるホアジャオ(花椒)も絶対にないと駄目。ただし花椒の使い方って結構難しくて、入れすぎると恐ろしいことになるし量の加減には気を使います。またやっぱり日本人だから日本風の香りがなんとなく欲しくて、日本の「山椒」を好みで食べる時に足しこともある。でも作る時には使わない。

肉は肉で別に炒めるのですが、甜麺醤、豆鼓醤は肉を炒めてから入れます。それを別にしておいて、新たに油を入れてショウガとニンニクを炒める時に豆板醤、唐辛子粉を入れてそれもしっかり炒めます。その時にネギもかなり大量に入れてネギの味もつける。ネギ油があればそれは必要ないのですが、ネギ油は無い。またネギの刻んだものは一番最後にも入れる。生ネギの香りも欲しいから。

こんなところですかね。

我々がマレーシアに来てびっくりしたのは、この麻婆豆腐を作る調味料が見つからなかったこと。甜麺醤、豆鼓、花椒です。これには焦ったし、不思議だと思いました。だって中国人に聞いても「甜麺醤?知らない」っていう人が多かったから。当然、スーパーで聞いてもわからないわけですよ。

私にしてみたら甜麺醤を知らない中国人がいるなんてまさかと思いましたし、もしかしたらマレーシアでは「違う名前の似たようなもの」を使うのかと思ったのね。でも私が聞いた中国人は麻婆豆腐を家で作らないから知らないと。

クアラルンプール中を探し回りましたよ~。でもなかなか見つからず、最初に見つけたのはもしかしたらTTDIの調味料を扱っている店だったかな。

それと花椒も売っていなくてびっくり。でもこれもTTDIにありました。

その店の女将に「どうして甜麺醤とか花椒がどこにも売っていないの?」と聞いたところ、それを使うのは台湾人だけだからと言っていました。でもそれが本当かどうかはわからず。

でもこの店で買った花椒は古いものだったのでしょう。袋入りでしたが香りが飛んでしまっていて使い物になりませんでした。また花椒はNSKで売っているとこのブログの読者に聞いて行ってみたのですが、子供の枕ぐらいある大袋入りで一生かかっても使い切れない量なので買いませんでした。しょうがないのでどうしたかというと、花椒を日本から取り寄せたんですよ。GABANの花椒ですが、この時に思ったんです。マレーシアで必要なものでも探してすぐに分からなかったら、日本から取り寄せたほうが遥かにコスパが良いと。

TTDIじゃのあっちのスーパー、こっちのスーパー、中国人が多く住む地域のお店だのぐるぐる探し回るくらいなら、時間的にも価格的にも日本から買ったほうが良いのね。そして品質はバッチリだってのは大事なところだと思います。

でも最近はどこのスーパーでもスパイス売り場で花椒が売っていますし、モノも悪くないので問題なし。

甜麺醤ですが、B.I.G.の「日本食料品売場」に日本からの甜麺醤を売っていたのを見た時には驚きでした。中国人がごっそりいるマレーシアで、甜麺醤を使うのは日本人で日本から輸入されたものしか無いんですから。嘘みたいでしょ?

でも最近はノンハラルコーナーに甜麺醤がおいてあることがあります。でもどこにでもあるわけじゃないし、在庫も「2瓶」ぐらいしか無いのが普通で、家でストックとして持っていないと麻婆豆腐好きには不安です。

またモールで「台湾フェア」をやっている時に甜麺醤を見つけたことがあります。

豆鼓醤もどこにでもありそうでないのね。でもこれもまたノンハラル売り場にあったり。NSKにも売っていました。

しかしマレーシアって不思議です。これだけ中国人がいて中国料理にあふれている国なのに、その素材、調味料をスーパーで売っていないんですから。そりゃ中国人が多い地域はまた別なんでしょうが、そういうところにいかないと売っていないぐらい中華調味料って売っていないのね。日本で言えば、横浜の中華街に行けば売ってるよというのと同じでそれって変でしょ?スーパーには必ず中華調味料の棚がありますが、そこにあるものって凄く種類が少ない。

オーストラリアのスーパーの方が中華調味料の品揃えは良かったし、どこにでもある中華スーパーに行ったらそれこそ見たことも聞いたこともないものがごっそりあるのに、そういうスーパーはマレーシアには無い。

不思議だ・・・。

でもその理由は簡単で、私達が中国人だと思っているのは、実は中国人じゃないのね。中華系マレーシア人だということ。つまり、同じ日本人でもアメリカにいる日系4世、5世みたいなもので、和食は食べるけれど家で和食は作らない、みたいな。またマレーシアが「外食文化」の国だというのも理由の一つだと思います。

そういう意味ではゴールドコーストには中国人がごっそりいるわけです。それこそ香港、台湾、大陸から来た人も、また大陸からもありとあらゆる地方から来ているのね。だから中華スーパーではありとあらゆる中華食材、調味料を売っているってことでしょう。

マレーシアの食に関してはありとあらゆる料理があって、レベルもそこそこ高い(オーストラリア比較)と思います。和食もそうで、そりゃ香港やシンガポールみたいに「日本と全く同じ」店がいくらでもあるのとは違いますが、「高い料金」を払えばちゃんとした和食を食べられるのは良いと思います。我が家は高級店には行きませんが、「そういう店がある」というだけで安心。(笑)

でも逆に家で料理をしようと思うと、あれもないこれもないのオンパレードです。私みたいに「XXXを食べたい」「XXXXを作りたい」なんて思うと最悪で、それは和食に限らず中華でも韓国料理でも洋食でも同じで、素材に苦労しています。でも多くの主婦は「あるもので作る能力」が高いですし、マレーシアには見たこともない素材がいろいろあるわけで、それらを使った料理を楽しめる人なら問題はないのでしょう。ところが特定の物を食べたいと思うとハードルが高くなる。

でも不思議なもので、あれもないこれもないとブツブツいうのは私ぐらいなもんで、ヨメさんはオーストラリアでの25年間も含めて、あれがないこれもないと一言も言ったことがないんですよ。そしてそんなヨメさんが作る料理を毎日食べていて、こんなものしかないのかなんて私は一度も思ったことがないのね。

やっぱり主婦は凄いって思うわけです。脱帽です。

でもそれも私が日本からどうしても欲しいものは取り寄せるからヨメさんも文句を言わないだけで、我が家では絶対に欲しい「羅臼昆布」や「(良質の)海苔」「(良質の)干し椎茸」とかの在庫がなくなると「日本から何か買う時には忘れずに買ってね」って言いますし、なけりゃないでもかまわないとは言わない。(笑)

でも私のあれがないこれないってのは病気みたいなもんで、前はそんなでもなかったんですよ。無いものは無いんだからしょうがないと私も普通に考えていたんです。

でもやっぱり歳とともに意固地になってきたんでしょう。なんで我慢しなくちゃならないんだよ、って思うようになりました。きっとそれだけ「日本との距離」が私の中で大きくなっているからのような気がします。日本がどんどん遠くなっていくことへの不安があるんでしょう。

いつでも日本に遊びに行く、帰れるとしたら、私みたいには考えないはず。実際にこの数年、日本には全く帰っていませんし、その予定もない。だから和食にしても「無いことの不安」が増大するんじゃないかと。多くの日本人みたいにちょくちょく日本に帰るし、日本では美味しいものを食べようという楽しみがないのね。

それとやっぱり「死」というのも他人事じゃない年齢になってきますと、「海外だから我慢する」というのに耐えられないんですよ。手に入れようと思えば手に入るのに、なんで我慢しなくちゃならないんだ?そんな人生を目標に今まで頑張ってきたのか?って思うわけ。

こんな風に思う私ってやっぱりどこかおかしいんだろうか。

分相応ってのは理解しているつもりで何も贅沢をしようと思っていないし、私はグルメでも何でもないし、でももう「海外だからしょうがない」と我慢して生きるのはもういささか嫌になった。

 
 
 

「にほんブログ村」のランキングに参加しております。是非、応援のクリックをお願いします。