慰安婦財団の解散、徴用工関係の最高裁判決など、どうにも理解できないことが起きています。
なぜこんなことになるのか。
これの明確な答えを私は見聞きした覚えがなく、単に「彼らはそういう民族だ」とか「法治国家ではなくて情治国家だから」というようなまとめ方が多いのが気になります。それはそうなのかもしれないけれど、日本に対してするようなことを韓国は他の国にもしているんですかね。この辺の分析も私は見た覚えがなく(歴史的に痛めつけられてきた中国に対してはどうなのか)、「標的は日本のみ」であるように見える。また「国に上下関係がある」とするならどうしても「日本の上位にありたい」という強い願望があるようにも見える。
彼らがそう考える理由は私にも理解できないことではない。今の日本はアメリカの属国なのは間違いがないと私は思っていて、でもそれを強く感じる日本人は多くはないと思う。国内に他国の軍隊が常駐していることさえ疑問に思わない日本人が多い。戦後、アメリカ(連合国)による日本統治で日本の根本が壊され、伝統や価値観が書き換えられたのは間違いがないけれど、それを良しとする日本人も多い。これはアメリカが巧妙な統治をした結果だと私は思うのだけれど、もしも戦後、日本という国そのものを無くすようなこと、つまり日米併合があったとしたら今と同じ様にアメリカに親近感を感じるのかどうかは疑問。
私はどんな理由があろうと、どんな世界情勢だろうと、どれほど日本が悪かったにしろ、日本という国を消して日米併合があったとしたらアメリカを、そして日米併合を進めた日本人を未来永劫許そうとは思わない。だから日韓併合とは朝鮮民族にとってどれほどの重みがあるのかというのはわかるつもり。
でも結果的に独立をしたのだから、恨みは内に秘めて未来を見つめて歩いていこうと思うのがあるべき姿だと私は思っていて、いつまでも復讐劇を続けるのは心理的には理解は出来ても「千年の恨み」を現実的な外交に持ち出すのはやっぱりおかしいのではないかというのが私の基本的な考え方。
でも韓国は日本を叩き続ける。そしていつまでも「謝れ」と言い続ける。
これって例えが悪いと言われるかもしれないけれど、ヨメさんに「アンタが昔、浮気したことは絶対に忘れないからね。今、謝ってよ」というのに似ていると思う。旦那がいくら謝っても謝っても、ヨメさんがむしゃくしゃしたときにはそれを思い出して「謝ってよ」と言い続ける。旦那としては後ろめたいから、謝るのと同時に考えられる「反省の行動」「過分な援助、利益供与」をするのだけれど、そんなことで「浮気をした事実は消えず、思い出すとまた文句を言う」の同じ。「なんで何度も何度も謝れというのか?」と問えば、「アンタは真剣に謝ったことはないでしょ。本当に反省しているようには見えない」と自分の怒りが収まらない限りアンタが謝り続けるのが当たり前だと言う。
これが私の考える「日韓関係」。
でも韓国人もいくらなんでもそれほどバカだとは思えず、やっぱりその感情に火を付け「忘れちゃ駄目でしょ。怒りなさいよ」と煽る勢力が韓国にはあるとしか言いようがない。それは夫婦だとすれば「離婚」させたい勢力。これが韓国の北に存在する。
慰安婦問題に深く関わってきた「挺対協(俗称)」も北の息が掛かっていると言われてきたし、そしてまさに今の大統領は「北にシンパシーを感じて活動してきた」人。
そういう意味では前大統領のクネさんは反日感情を煽る必要もないのに煽ってきた、私には全く理解できないわけのわからん人。自分の生まれが原因で「親日」と見られたくなかったのは理解ができるにしても異常。また国民も「反日」で盛り上がるのが常態化してしまって、それを「常に」政治的に利用されるようになった。
さて、今の韓国では一体どういう思惑がこの「反日」の根底にあるのか。
これに関して書いたニュースが面白いと思いました。紹介します。
文在寅政権は「現状を打ち壊す」革命政府だ 【日経ビジネス】(ここをクリック)
時間が経つとこれも消えてしまいますので、全文、転載します。
文在寅(ムン・ジェイン)政権は革命政府だ。「現状」は全て打ち壊す。核を持つ北朝鮮と一体になるのだから、怖いものはない。
●「歴史カード」を奪回した
――韓国はいったい、何を考えているのでしょうか。日韓国交正常化の際の合意をいとも簡単に踏みにじりました。
鈴置:驚くことでもありません。文在寅政権は革命政権なのです。国内外を問わず、気にくわないものは全て破壊します。この政権を生んだ2016年から2017年にかけての朴槿恵(パク・クネ)打倒劇を、大統領自身がフランス革命に例えています。
10月30日の韓国の大法院――最高裁の「徴用工判決」は「日本の上に君臨する」ことを宣言する“革命的”なものでした(下部【関連記事】「新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判」参照)。
政権に近いハンギョレの社説「『裁判取引』で遅らされた正義…徴用被害者もあの世で笑うだろうか」(10月31日、日本語版)は「法的にも日本を下に置いた」と勝利をうたい上げました。
・(最高裁)全員合議体の多数意見は「強制動員被害者の損害賠償請求権は『朝鮮半島に対する不法な植民支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的不法行為を前提とする慰謝料請求権』であり、請求権協定の適用対象ではない」と宣言した。
・「反人道的不法行為」による個人請求権は消滅していないとする最高裁の判断は、強制動員はもちろん、韓国人原爆被害者や日本軍慰安婦被害者など他の「人道に反する不法行為」にも適用されるものとみられ、注目される。
この判決さえあれば、慰安婦合意で失いかけた「歴史カード」を取り戻し、これまで以上に日本を思う存分に叩ける――との喜びがひしひしと伝わってきます。
●韓国はICJで勝てない (ICJとは「国際司法裁判所」International Court of Justice)(ダボ注)
――では、次は個人請求権の発動ですね。
鈴置:ただ、それは現実には難しい。元・徴用工ら原告団が差し押さえようにも、今回の裁判で被告となった新日鉄住金の韓国における資産はほとんどありません。
それに差し押さえに入れば、日本政府が国際司法裁判所(ICJ)に提訴するでしょうが、そこで韓国側が敗訴する可能性が高い。
文在寅政権含め、韓国の歴代政権は日本政府と同様「元・徴用工の請求権は1965年の日韓請求権協定で完全に消滅した」との立場をとってきたからです。
中央日報の「強制徴用問題で国際訴訟に向かう日本…ICJは独の軍配を上げた」(10月31日、日本語版)はドイツの先例を引いて「韓国敗訴」の可能性を指摘しました。日本語を整えて引用します。
・イタリア最高裁は2004年、戦争中に強制労働に動員されたイタリア人がドイツ政府を相手取って起こした損害賠償訴訟で原告勝訴判決を確定した。
・これを不服とするドイツ政府はICJに提訴。ICJは2012年2月「イタリア裁判所はドイツの自主権を侵害した」としてドイツに軍配を上げた。平和条約で問題はすでに解決済みとの意味だ。ICJの判事15人中12人が主権免除原則により判決に賛成した。
なお、この記事の見出しに「強制」とあるのは、韓国側の用語です。日本側は「当時の朝鮮人――いわゆる半島出身の日本人は法的に日本国民だったのだから、戦争中の国民の義務として徴用された」との立場です。一方韓国は「韓日併合自体が違法だったから、徴用は『強制労働』だったのだ」と主張しています。
さらになお、今回の裁判の原告4人は徴用ではなく日本製鉄(当時)の募集に応じた人たちです。判決にもそう書いてあります。強制的に連れて行かれたわけではありません。そもそも裁判を「徴用工裁判」と呼ぶこと自体が間違っています。
中央日報は別の記事「韓国政府『歴史・未来ツートラック』慎重…日本がICJ提訴すれば外交的負担に」(10月31日、日本語版)でもICJへの提訴を取り上げ、韓国政府が苦境に陥ったと指摘しました。
ICJでの裁判は拒否できるが、国際世論戦を仕掛けられたら韓国が不利になる――との解説です。
日本のカネで財団を作れ
――韓国政府はどうやって苦境を脱出するつもりでしょうか。
鈴置:日本の政府や企業がカネを出して「徴用工財団」を作れと要求して来ると思われます。韓国紙には早くもそれを示唆する記事が載り始めています。
例えば、東亜日報の「ドイツ政府―企業、財団を作って個人被害を補償」(10月31日、日本語版)です。書き出しを引用します。
・ドイツは第2次世界大戦でナチス政権が行った強制労働に対する賠償問題を解決するために、政府と企業による共同の財団を作った。170万人にのぼる被害者が補償金として計44億ユーロ(約5兆7千億ウォン)を受け取った。
なお、ドイツと比べるのは無理があります。ドイツ――厳密に言えば西ドイツは日本とは異なり、関係国との国交正常化の際に政府として補償金を支払っていないからです。
そこでドイツの例には触れず、「現実的な案」として「徴用工財団」の設立を主張する人もいます。中央日報の「強制徴用問題で国際訴訟に向かう日本…ICJは独の軍配を上げた」(10月31日、日本語版)は結論部分で、そうした専門家の意見を紹介しました。
・建国大法学専門大学院のパク・イヌァン元教授は「強制徴用被害者が概略25万人と推算される」として「25万人の訴訟を司法府が行政力で処理することもできず、数十兆ウォンに達する賠償額も企業が負担するには現実的に難しい」と指摘した。
・同時に、「両国が妥協できる接点を探して財団を通じて被害者の痛みを癒すのが正しい方向」と話した。
日本企業に加え、POSCOなど韓国企業が一緒になって救済のための財団を作り元・徴用工におカネを支給する――とのアイデアはかなり前からありました。
韓国企業も負担するのは本来、元・徴用工らに支払われるべきおカネを韓国政府が代わりに受け取って、浦項総合製鉄(現・POSCO)などを設立したからです。
●朝日新聞は財団派?
――日本は支払い済みなのだから、韓国企業だけが財団に出資すべきでは?
鈴置:正論です。ただ、韓国側は「それでは面子が潰れるから日本企業もカネを出してくれ」と泣きついてくるわけです。韓国との融和を重視する日本人はそうした意見に耳を傾けがちです。外務省にも「日韓共同で出資する財団」を作ろうとの意見がありました。
朝日新聞では、未だにそちらに話を持って行きたいようです。社説「徴用工裁判 蓄積を無にせぬ対応を」(10月31日)の最後のくだりをご覧下さい。
・日本政府は小泉純一郎政権のとき、元徴用工らに「耐え難い苦しみと悲しみを与えた」と認め、その後も引き継がれた。
・政府が協定をめぐる見解を維持するのは当然としても、多くの人々に暴力的な動員や過酷な労働を強いた史実を認めることに及び腰であってはならない。
・負の歴史に由来する試練をどう乗り切り、未来志向の流れをつくりだすか。政治の力量が問われている。
はっきりと書いてはいませんが、見出しと合わせると「日韓共同財団の設立により解決すべきだ」との声が、喉まで出かかっている感じです。
韓国への配慮は逆効果
――日本政府は?
鈴置:もう、相手にしない可能性が高い。「韓国の顔を立てる」などという甘い姿勢をとってきたからこそ関係が悪化した、と安倍晋三首相が考えているからです。
安倍氏は2012年夏、産経新聞のインタビューに答え、以下のように語っています。「単刀直言 多数派維持より政策重視」(2012年8月28日)から引用します。
・自民党が再び政権の座に就けば東アジア外交を立て直す必要がある。過去に自民党政権時代にやってきたことも含め、周辺国への過度の配慮は結局、真の友好にはつながらなかった。
この思いは多くの日本人に共通するでしょう。私に対し「韓国に甘い顔をしたのがいけなかったですね」と言って来る日本人が相次いでいます。
その多くが昔は「日本は韓国に悪いことをしたから……」と言っていた人たちです。リベラルを気取っていた人こそが韓国を憎むようになった。
そもそも、財団を作っても根本的な解決策にはなりません。韓国人にとって「歴史カード」は「自分たちが日本人よりも上に立つ」ための切り札です。
「徴用工財団」を作れば文在寅政権の間は、問題は収まるかもしれません。が、次の政権が「この財団では不十分だった」と言い出しかねない。
21世紀に入ってから韓国は日本を下に見下すことに全力を挙げているのです。
●「日韓」を無法状態に
――「慰安婦財団」は消滅しかかっています。
鈴置:その通りです。朴槿恵政権当時に日韓合意の下で設立した「慰安婦財団」が、現政権の気にくわないとの理由で事実上、消滅したのがいい例です。
「徴用工財団」を作れば、冒頭に引用したハンギョレの社説が小躍りしたように「原爆被害者財団」とか「新・慰安婦財団」を作れ、ということになるでしょう。韓国人に「歴史カード」を手放す気はないのです。
それに今回の最高裁判決は状況を根本から変えました。日韓国交正常化の際の合意の中核部分、日韓請求権協定を全否定したのです。日韓関係を定める協定が否定され、無法状態に陥ったのです。この問題を放っておいて「財団」でもないでしょう。
1965年に結んだ日韓請求権協定では国家と個人は、協定の締結後は請求権を行使できないと繰り返し明記しました。以下です。
・両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
・締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする。
日本政府が韓国の個人に支払おうとした補償金を韓国政府は「すべて政府に渡して欲しい」と懇願。日本は韓国政府の意を汲んで受け入れました。
しかし将来、韓国人から「自分は貰っていない」と訴えられると懸念し、協定で「すべての請求権は消滅した」と2度も念押ししたのです。このため文在寅政権を含め、歴代政権も「元・徴用工の請求権は消滅した」との立場をとってきました。
この鉄壁の文言をすり抜けるため、韓国最高裁は詭弁を弄しました。判決は49ページに及ぶので、その要旨を翻訳しながら解説します。
「慰謝料」にすり替え
最高裁は判決で「原告(元・徴用工)の損害賠償請求権は請求権協定の適用対象か」を問題にしました。「適用対象でない」ことにすれば、被告の新日鉄住金に賠償を請求できるからです。そのうえで「適用対象ではない」理由を展開しました。以下です。
1.原告が求めているのは未支払い賃金や補償金ではなく、日本政府の朝鮮半島に対する不当な植民地支配や侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とした強制動員被害者の慰謝料要求である。
2.請求権協定は日本の不当な植民地支配に対する賠償のためのものではなく、サンフランシスコ条約第4条に基づく韓日両国の財政的、民事的な債権、債務関係を政治的な合意により解決するものと見える。
3.請求権協定の第1条により日本政府が大韓民国政府に支給した経済協力基金と、第2条による権利問題の解決とが、法的に対価の関係にあるとは明らかではない。
4.請求権協定の交渉過程で日本政府が植民地支配の不法性を認めず、強制動員の被害の法的な賠償を原則的に否認したため、認めなかったため、韓日両政府は日帝の朝鮮半島支配の性格に関し、合意できなかった。この状況から強制動員の慰謝料請求権は請求権協定の適用対象に含まれると見るのは難しい。
要は、元・徴用工が求めているのは植民地支配に対する精神的な慰謝料であり、請求権協定の締結時に日本政府が植民地支配を謝罪していない以上、慰謝料もまだ支払われていないことになる。今、それを支払え――との理屈です。
ちなみに、ここでも職の募集に応じた人たちを「強制動員被害者」に仕立て上げてしまっています。事実認定からしておかしいのです。
●韓国は法治国家ではない
――「慰謝料」問題と規定し直したのがミソですね。
鈴置:でも、そこが判決の弱点でもあるのです。それなら1965年の請求権協定の締結時に韓国政府は「精神的な慰謝料」を求めるべきだった。しかし、現政権に至るまで要求してこなかった。
そして今になって「慰謝料」を持ち出すことにより、日韓関係の法的な基盤をひっくり返したわけでもあります。
当然のことながら、河野太郎外相もここを批判しました。「河野外務大臣臨時会見記録(平成30年10月30日16時22分)」から引用します。
・日本と韓国は1965年に日韓基本条約並びに関連協定を結び、日本が韓国に資金協力をすると同時に請求権に関しては完全かつ最終的に終わらせたわけであります。
・これが国交樹立以来の日韓両国のいわば関係の法律的な基盤となっていたわけでありまして、今日の韓国の大法院の判決はこの法的基盤を韓国側が一方的かつかなり根本的に毀損するものとなりました。
差し押さえの危機に直面する新日鉄住金はもちろん、無法状態の韓国に進出した日本企業や日本人が今後、どんな目にあうか分かりません。河野外相はその点もクギを刺しました。
・日本の企業あるいは国民がこの判決によって不当な不利益を被ることがないように韓国政府において毅然とした必要な措置をとっていただきたいというふうに思っております。
さらに、2国間の取り決めを平気で破るのなら、韓国は法治国家ではないと難詰しました。
・法の支配が貫徹されている国際社会の中ではおよそ常識で考えられないような判決でありますので、韓国側には韓国政府にはしっかりとした対応を取っていただきたいと思いますし、日本としてはまず韓国政府のしっかりとした対応が行われるということを確認をしたいというふうに思っております。
政権に近い人を最高裁長官に
――文在寅政権は重荷を背負い込んだ?
鈴置:日本との間に立つ外交部は困惑していると思います。最高裁の判決を実行しないよう要求されたのですから。もし原告が差し押さえに動けば、世界から「法治国家ではない」と認定されてしまう。
ただ文在寅政権の中枢は、日韓摩擦は織り込み済みと思われます。この政権が発足した2017年、大統領は人権派として有名で、自身の考え方と近い金命洙(キム・ミョンス)氏を大法院長(最高裁長官)に任命しました。
春川(チュンチョン)地裁裁判長からの就任という異例の人事異動でした。当時から「徴用工裁判で日本企業の責任を問うための最高裁長官人事」と見られていました(日経「韓国最高裁長官に人権派の金命洙氏 徴用工裁判へ影響も」参照)。
――しかし、これでは日韓関係が完全におかしくなってしまいます。
鈴置:むしろ、それを望んでいると思います、政権の中枢部は。この政権は北朝鮮との融和を最優先しています(「北朝鮮と心中する韓国」)参照)。
すると、北朝鮮を共通の仮想敵としてきた米国との同盟が邪魔になります。米韓同盟を何とか廃棄に持って行きたい、というのが文在寅政権の本音でしょう。
そして米韓同盟は、良好な日韓関係があってこそ十分に機能します。つまり、日本との関係を悪化させることが米韓同盟廃棄の伏線となるのです。
ただ、こうした手口は韓国の保守派の一部からは見ぬかれている。政権としては自分の手を汚さず、最高裁をして日本との関係を破壊させるのがベストの解決策なのです。
●本性を現わした文政権
韓国が露骨に北朝鮮の非核化の邪魔をするようになったので、米国メディアは「文在寅は金正恩(キム・ジョンウン)の首席報道官」と書き始めました(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。
でも、この政権はそんな“雑音”は無視し、北朝鮮との共闘にオールインしています。北朝鮮の非核化を阻止したうえ、南北が一体化を進めれば「民族の核」を持つ強国として米国から独立できるのです。
文在寅政権はすっかり、その革命政権としての本性を現わしたのです。ただ、怖いのは保守派の「反革命」でしょう。
もし今、文在寅政権が「米国との同盟を打ち切る」と宣言すれば、青瓦台(大統領官邸)は大群衆に包囲され、弾劾されかねない。しかし、米国にまず「同盟を打ち切る」と言わせれば、保守派も文句は言えなくなります。
日韓関係の破壊はその一里塚です。革命政権の米国からの独立作戦は着々と進んでいるのです。
鈴置 高史
巷でも「核を持った統一朝鮮が目標」とか、ここにも書かれている「米韓同盟の破棄」とか、にわかには信じられないような評論をする専門家がいますが、その可能性を無視してはならないし、今後の動きから韓国の本音を見ていかないとうまくないんじゃないですかね。
朝鮮半島も中国も、そしてEUも中東も大きく動こうとしている今、日本の野党はまだモリカケを続けるつもりでいる。それを追求するのが大事だと思うのは彼らの勝手ですが、「疑惑がある」というのならそれの立証責任があるわけで、「何もない」と言い続ける政権側に「本当のことを言え」と言い続けても意味がないんじゃないですかね。
でも最近、辺野古基地移設問題、消費税増税、外国人労働者の大幅受け入れから見ても、「安倍さんもとうとう曲がってきたように見える」わけで、でも自民党には安倍さんの次を担える人材が全くいないことからも、日本はこれから大変だと思いますわ。野党は理想論ばかりでどうにもならないし。
改憲もどうなりますかね。
私が日本を見ていて感じることは「若い世代はリアリストである」ようだということ。これは私が感じる唯一つの日本の救い。
早いところ学生運動の不完全燃焼を引きずっている年寄りは消えて、また「お手てつないで仲良くしましょうね~」とか、「9条があれば安全」とか、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」とか、幼稚園児みたいな理想論、綺麗事ばかり言う日本人が減れば良いなぁというのが私の願い。彼らの主張って筋が通っているように思えるところもあるのだけれど、その根底に流れているのは「迷惑を被りたくない」という「自己保身の異常な強さ」を私は感じるのです。私が「市民派」が嫌いな理由はこれで、世界がどうなろうと「自分がどうにか生きていければそれで良い」というのを感じるから。そこに国家も世界も関係ない。でも口では「平和を~~~」という。