この大波乱の時、リンギットはどう動いているのか

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皆がボケ~~っとしている時に、ハゲタカ連中に仕掛けられた(と私は思う)「突然の円高」ですが、さてリンギットはどう動いたのか。

おお~~~~、ここのところリンギットの相場を全く見ていませんでしたが、リンギットが安くなっていますね~。というか円高傾向なんだから当たり前ですが・・・。

久々の25円台!!

週足で見ても下げ(円高)トレンド。

リンギットの金利が良いからリンギットを持つとか、住む国の通貨を持つのが良いとか、私に言わせるとほとんど根拠がないことを考える人が大多数だと思いますが、これからどうなるんでしょうか。

株でもなんでも同じですが、下げてやばいと思っても我慢しちゃう。そしてもっと下がって、もう我慢できないと思って手放すとそこが「底」で反転してきたなんてことはよく起こりますよね。

私も忘れられないことがありまして、かなり昔ですが日経225の先物を持っていたのですが、下げトレンドでどんどん下がる。当時は私はトレンドを無視ってわけではないのだけれど、上げでも下げも勝てるという変な自信がありまして、ここから上昇に転じるはずだと信じて疑いませんでした。でも下がり続けて疑心暗鬼になり、もう我慢出来ないと叩き売ったんですよ。そうしたらなんとまさにその値が大底の値でそこから上昇に転じた(笑)。その値はなんと10円も違わなかったことがあります。これって当てようと思っても当たらないのに、もう駄目だとパニックになって投げたときには当たる。(笑)

日本円を主に持っている人は継続で良いですが、リンギットが多い人はどうすれば良いんでしょうね。もしも円に替えたいと思っても、それが定期だったり株式だったり、あるいは不動産だったらどうにもならず。

私がリンギットの資産を持たないのはそこにも理由があるんです。

たとえばリンギットじゃなくて、豪ドルだったとしましょう。そして豪ドルが下がるだろうと思ったら、定期や不動産、あるいはキャッシュでもそれはそのまま持ったまま、FXでも先物、オプションでもヘッジが出来るんですね。

でもリンギットって単に東南アジアの小国のお金というだけじゃなくて、「為替管理がされている通貨(non-internationalised currency)」だということ。前のアジア通貨危機で各国が窮地に立たされましたが、ああいうことが起きないように、ハゲタカがリンギットを売り浴びせることができないように、政府がコントロールしている。つまり、「箱入り娘」みたいにして、「世界市場で流通させない」んですね。

いやいや、シンガポールでも日本でも両替できるところがあるよ?ってな話じゃなくて、マレーシアは世界の舞台にリンギットを立たせないと決めている。だからFXもなければ先物もない。いや、FXはあることはありますが、そもそもFXって競馬のノミ屋と同じで実際には売買されていないわけですね。だからリンギットって「マレーシア国内だけで通用する通貨」と考えて良くて、激動の世界の中でどう資産を守るかを考える場合、ちょっとうまくないんですわ。だから私はリンギットは持たない。

では自由に売買できる纏まったリンギットがあったらどうするべきか。

下げトレンドなのは間違いがないですが、上にも書いたように「もう売らないと危ない、我慢できない」と思ったところが反転場所なんて不思議な事がよく起こる。な~~んて思ったらもっと下がったり。

こればかりは神のみぞ知る世界ですが、前にも書きましたが、やっぱりチャートのインジケータを重視しないとならないと思うんですよ。トレンドが上を向いていようが下を向いていようが、上のチャートの下の段に出ているインジケータが低いところは買い、高いところは売りという基本があります。

それから考えると、今、慌てて売るのは得策ではない。でも下げトレンド。どうしたら良いのか悩みますよね。でもその答えを持っているのは神様だけ。

ただ私は思うんですよ。前からこのブログには書いていますが、今年は波乱の年になるであろうということ。

今の動きを米中貿易戦争と呼ぶのは、あまりにも経済の面だけしかみていないか、あるいは「見たくないものを見ようとしない」動きだと私は思っていて、アメリカも世界も「中国封じ込め」に動いているのは間違いがないと思うんです。それは世界の覇権をどのように誰が握るのかってところで、そして安全保障の上からもアメリカは中国を見切ったと私は確信しています。絶対に中国の好きなようにはさせないという強い意志を感じます。

トランプ氏が変わり者だからと判断するのは間違いで、今回の中国叩きは「共和党、民主党も同じ方向性」だというところを見逃したらならないんですね。そして西側諸国がそれに追従している。これは単なる貿易の問題じゃなくて、世界の方向性、歴史が変わる一瞬だと思うのです。

でも中国叩きが成功するかどうかはわからず、また世界がアメリカとソ連と二分されたようなことが起きる可能性が高いというのは正月の日記に書いた通り。

どちらにしても経済的には波乱が来て当たり前で、軟着陸するようなことはなかろうと思っています。(習近平政権が変わればまた違うかもしれない)

結局、去年からの株の動きが怪しくなったのも、世界がそれを予見しているからだろうし、また調子が良かったアメリカにも陰りが見えていることと相まって(パウエルFRB議長もおかしなことをするし)、今までのような(大会社にとっての)好景気も続かないんじゃないかと思うんですよ。そして中国ですが、頼みの綱の不動産の暴落を抑えることが出来るのか。今の時点でもう自由に売買できる状態じゃないような情報が入って来ていますが、もし不動産バブルが弾けると日本の当時のそれとは規模が違う。

私は戦争さえも起こりうると考えていて、かなり悲観的に世界を見ています。っていつも悲観的に見る癖がついていますが。(笑)

で、リーマンショックみたいなことが起きたらどうなるのか。

急激な円高になるのは間違いがないはず。

かつては「有事のドル買い」という言葉がありましたが、今の時代は「有事の円買い」。

これはそれだけ「円が信任されているから」ってことじゃなくて、私はもっと単純に「金利の安い円を借りて、外貨で投資する」というビジネスモデルが広まっているからだと思っています。

つまり、世界の様子がおかしくなって「投資が減退」してくると、「円を返却する」動きになるんですね。また日本国内でも同じで、日本になにか問題が起きると、海外に投資している日本人投資家は「とりあえず手元に資金を戻そう」と考える。

つまりそれらが「円買い」という行動に出る。これは311の大震災の時も同じで、「日本が破滅するかもしれない」と世界が疑心暗鬼になっている時でも「円高」に動いたんですね。でもそれは「日本を買った」のではなくて「日本に資金を戻した」「(外貨を売って円を買い)円の借金を返した」流れがあったから。

3.11直後は日本が壊滅するという不安もあって、当初は円(日本という国)が売られたのでしょう。でもそれからは投資家が資金を日本円に戻す(円買い)動きが大きくなったから円高に動いたのだと思っています。

米ドル・円の3.11当時の日足。

いわゆる「リスクオン」「リスクオフ」と呼ばれる動きで、世界が安定している時には投資が増えて、金利の安い円を借りて外貨で投資。だから円が売られる(リスクオン)。逆に投資が縮小する時には、外貨を引き上げて円に戻すから円が買われて円高となる(リスクオフ)。

つまり、私が考える世界はこれから混乱の時代に入ると思っていますから、そうなれば「円高」となる。そして今は円高トレンド。

リンギットの値動きを考える時に、マレーシアの将来は?と考えるより、「円がどう動くか」が重要だと私は思っていて、そういう意味では将来的には円高に動くのだろうと想像しています。

でもそれは想像でしかなく、今から円を買うべきとも考えません。

あくまで大事なのは、その時点、その時点の値動きで、世界中の市場参加者の予想や思いの結集されたものが「時価」として現れるんですね。だからそれの動きを見ていけば、世界が何を考えているのかがわかる。これこそ大事にすべきであって、どれだけ著名な評論家の話を聞こうが、どれだけの良書を読もうが無駄。それらは「多くの話の中の一つ」でしかないんですから。

どれだけ信頼する人が何を言おうが信じては駄目で、「群盲象を評す」のと同じだと思うべきでしょう。そもそも、買いと売りと両方の数が合ってその時の価格が決まるわけで、買い方、売り方ともにプロ中のプロがいるわけです。

相場って私は「綱引き」と同じだと思っています。勝負が始まる前は、どちらのほうが強そうだとかいろいろ予想しますが、何よりも大事なのは「どちらが優勢か」という事実しかないんですね。そしてそれはあちらに動き、こちらに動き、そしてある時、雪崩を打つ様にして決着が付く。予想は無力。あるいは予想通りだとしても、「動きを見てから行動をする」べきで、予想のとおりになると信じるのは大間違いじゃないでしょうか。それは投資ではなくて宗教と同じになってしまう。

だから将来的に円高になるとしても、今から円を買う、替えるのが得策だとは思いません。

でも「その時にはどうするのか」を何通りか想定してどう行動するか決めておくのは良いのではないでしょうか。

今の動きではリンギットは下げトレンドなのは間違いがないものの、超目先では反発する場所で、ここで慌てて売らないほうが良いと私は考えます。これも綱引きと同じで、小刻みに動きながら進みますから、その小さな動きを見て力関係を見れば良いんじゃないでしょうか。

たとえば、たとえばですが、もしここでリンギットが上昇してきても、その上昇力が弱いと判断したら、次の陰転、下落時には容赦なく売るとか。でもその上昇が「上昇トレンド」と判定しても良いような動きなら、そここそが最良の買い場になるという考え方です。

ま、この辺は禅問答みたいに感じるかもしれませんが、そういうふうに考えています。

まさに今のリンギット・米ドルの動きがそれで、長らく下降を続けて来たリンギットですが、反発しました。でも次に来た下降波が大事で、ここで大きく下げれば下げトレンドは今後も続くと読みますが、実際には、安値を切り上げて反転した。ここが「買い場」なんですね。リンギット・米ドルに関しては、私は「上昇トレンドに入った」と読んでいます。

でも週足で見るとまだ下げトレンドの中。つまり今の動きはまだまだ「初動」としか言いようがないわけで、もし米ドルを売ってリンギットを買うにしても全力投球は出来ないんですね。時期尚早。

こうやってこまめに見ていけば、少なくとも大損することはないんですね。

 
 
 

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