今まで何度も書いていることですが、米中貿易戦争をその言葉の通りだと思ったら大間違いだと思います。
今のままに世界が動いていくと、中国が益々強大になり、経済的、政治的にも発言力が強くなり、それのバックになる技術力、軍事力もどんどん大きくなる。
これって我々日本人から見ると、長い間に構築された「自由主義世界の価値観が変わる」ということであって、あの理不尽な、自分勝手な中国が益々大きくなるということ。また技術面では今後の中核となる5Gを中国が手中に収めると「安全保障の面でもリスクがある」ということ。
だからどうしても中国の力を削がなくてはならないと西側のリーダーは考えるわけで、その行動の第一歩が「米中貿易戦争」であって、アメリカの貿易赤字が縮小すればそれで良いってわけにはいかない。
つまり「新たな冷戦が始まった」と考えるべきだと思うんです。あるいは「文明の激突」と言っても良いくらい。
今まで「中国経済は崩壊する」と言い続けた一部の評論家たちが、水を得た魚のように「とうとう起きるぞ」と声を大にしていますが、これもまた我々が手に入れられる情報や経済的な数値を見るだけでも、こりゃ本当にうまくなさそうだとうのが見えてくる。
近年、世界が抱える問題はそれだけじゃなくて、あっちもこっちも火種があってこれがいつ爆発するのかがわからない。
いやいや、落ち着くだろうと考えたいけれど、どの国も「自国ファースト」で動いていて、これって行き着くところまで行くんじゃないかと思うんですわ。
例えば中国にしても、「はい、今まで悪うござんした。中国元は変動相場制に移行し、中国市場は開放します」なんていうわけもないし、アメリカだって世界の構図を変えようとしているはずで「貿易赤字が減ったのでOKです」なんてことにもならないはず。そもそもアメリカの赤字が減るということは、どこかの国がその分、泣かなくてはならないわけで、その国の経済的打撃は半端じゃないハズ。これは日本も含まれる。
こんな情勢なのに、日本の財務省は「増税、緊縮財政」をまるで宗教のように信じていて、一歩も譲らない。
財務省には今までかなり立ち向かってきた感がある安倍政権も最近は白旗を上げた様子。財務省改変の大チャンスだったとんでもない不祥事もそのまま忘れ去られていくまんま。
今年、消費税増税が確定し、安倍政権も潰れるようなことがあれば、国難と言って良いことが起きると思っています。
西側諸国が中国を押さえ込みに入っているのは間違いがないのに、なぜか日本の産業界、経済界は中国に愛想を振りまいて儲けようと必死。大丈夫なんですかね。
ま、未来のことはわかりませんが、私としてはどう見ても「バラ色の将来は見えない」わけで、逆に混乱するであろう時代がすぐ間近に迫っていると感じます。
これに対処できる体制を組まなければ・・・・。
基本的には「資産保全」が最優先で、投資、利益の追求は二の次。
投機の神様と言われるジョージ・ソロス(民主党支持者、リベラル派の頭目、反トランプの急先鋒としても知られる投機家)がダボス会議に乗り込んでスピーチした。1月24日の分科会と、引き続いての新聞記者との夕食懇談会において、「習近平は自由社会に対するもっとも危険な敵だ」と。中国つぶしはトランプ氏の独りよがりではなくて、アメリカは一致団結しているのが、今回のそれは簡単に終わらないだろうと思う理由の一つ。ジョージ・ソロスも中国が崩れだしたら大きく動き出すかもしれませんね。当然、中国マネーが入っている発展途上国の通貨はまた叩き売られるだろうし、この台風は世界中を吹きまくると思っています。
でもま、短期トレードは常に出来る状態にあるから、利益を求めるのはそれのみで、他は安全重視で行こうと思う。
戦争も起きなければ良いと思うけれど、軍事産業も一つの産業として考えた場合、そろそろ何かが起こらないと彼らも困るんじゃなかろうか。軍備も同じで、弾薬にしても装備もそろそろ更新したいなんて思う国は決して少なくないんじゃなかろうか。
私が気になるのは台湾で、いつの日にか国交回復すれば良いと思うし、統一のために武力も使うと宣言している中国が動き出さないと良いなぁと。
でもアメリカが中国を追い詰める決断をしたのは今で本当に良かったと私は思うんですよ。もし5年先だったらアメリカもあそこまで強気には出られなかったはず。
数年前に、どうして世界はあの自己中で嘘つきの中国のやりたいようにやらせるんだとブログに書いたことがあります。もしかしたら、かつての日本がやられたように、バブルを膨らませてやりたいことをやらせて、ある日ある時、刈り取るつもりなのかとも書きました。それがやっぱり今、起きている。中国が金に物を言わせて買いまくった世界中の不動産、企業、権利などがどんどん「現金化」されているらしいじゃないですか。
米ドルが必要だから叩き売っても現金化する必要がある、なんてのはかつての日本のバブルが弾けた時に海外資産を引き上げたのと同じ。実はこの時を虎視眈々と狙っていたんじゃないかと思うですよ。シティーもウォール街も。で、刈り取るならそのまえに目一杯膨らませておいたほうが良いじゃないですか。
中国はあの時の日本と同じ状態にあるみたいだし、面白いのは中国が叩き売る不動産を買いまくっている日系のファンドもあるらしい。ババ抜きをやっているみたい。
ところで中国が今どういう状況か知るのに、読んでおくべき書籍があると思います。宮崎正弘氏と田村秀男氏の共著ですが、彼らはかなり前から「中国経済は崩壊する」と言い続けていた人。さぁて、彼らの言うとおりになるのかならないのか。でも少なくとも、「今はどういう状態か」を数字で、そしてそれの変化できっちり抑えておくのは重要だと思います。
中国発の金融恐慌に備えよ! 単行本 – 2019/1/26 (アマゾン。ここをクリック)
話題の韓国ですが、より深い理解を得るのに朝鮮半島事情の第一人者の西岡氏の説明を聞くのも良いと思います。