この1,2ヶ月、世界で言われていたことは、活動制限令MCOやロックダウンが解除されても【新型コロナウィルスの脅威に変わりはない】し、「生き方そのものを変えないとならない」「変わるだろう」ということ。
私もその通りだとずーっと思ってきたわけで、というか世間がなんと言おうと政府がどう言おうと私はそれを重視することって(私の場合は)なくて(そもそも信用しない 笑)、自分で調べて自分が納得したことしかやりたくない性格。当然、全てがわかるわけじゃないから、「理解できなくても言うことをきく」気持ちはあるけれど、基本は「自分で考えて決める」タイプ。
で、New Standardという言葉が出てくる前から、「集団免疫を獲得」できなければ「終結はない」というアタリマエのことを考えていたし、ワクチンがないこと、治療法もないことから、「三密に気をつける」「物(床を含む)に気をつけて、消毒、手洗い、マスク着用を続けるしか無い」と思っていたんですよ。MCO、ロックダウンだって「新規の感染者がゼロ」になるまでやるわけもないし、どこかで必ず「見切り発車する」のが普通で、それは「決して安全を意味するのではない」のは明らかだから。
そしてマレーシアの状況はというと、実際に新規感染者数も減ってきて、毎日のそれの多くは「海外からの帰国を含む流入」「外国人労働者」が占めていて、気になる「感染経路がわからない市中感染」は明らかに減ってその数から考えても「私の行動範囲であるモントキアラ周辺」で感染する確率は限りなくゼロに近いと思うんです。
これはブログにも書いたけれど、「まだ感染者が多い時期」でも「どこで感染者が出たのか」「どういう経路で感染したのか」を考えると、まず「感染者に会う確率はほぼゼロ」であって、しかし「感染者が歩いた後にはウィルスが残る」ことを重視して「消毒、手洗い」を重点的に考えていました。そしてそれはMCOが解除されても「様子見の期間は十分に取るべき」だと考えていた。
でも今になると、「気を緩めないほうが良い」と思っていた自分に大きな変化が出てきました。
「だいじょぶっしょ」(笑)
この自分の変化に自分もびっくりするぐらいで、なぜそう変わったのかというと、やっぱり「新規感染者数」と「その内容」によるのがわかった。
ましてや「今の数字は【2週間前の状態】である」わけで、今までの流れ、政府の動きから考えて「今現在の感染はかなり少ない」という【安心感】がある。
結局、自分を動かしていたのは「不安と恐怖」であって、政府が何を決めたからとか法律(MCO)とかが理由じゃないんですね。
法律は守らなければならないのは当たり前にしても、それが解除されても「不安と恐怖」があれば【行動を変えない】事が起きるはずだけれど、その不安と恐怖がなくなれば、あるいは薄くなれば、考え方も行動も変わるのが自分を観察してよくわかる。いい加減なもんですわ。(笑)
日本の緊急事態宣言は自粛要請であり「強制ではない」ことから、効き目はないかなとは思いつつ「日本人は生真面目だからちゃんとやるかもしれない」と思っていて、でも最初の頃は「やっぱり駄目か」と思っていたのが、段々と自粛が広がっていったのがはっきりわかった。(リンチ、村八分が簡単に起きるのも理由の一つだろうけれど)
これってマレーシアでMCOが始まった時と同じで、時間とともに「人の動きが変わった」のを感じます。
それは「危険を理解した」のと「どうするべきかが広まった」からだろうけれど、その根底にあるのはやっぱり「不安と恐怖」であって、もしそれがなかったら「自粛要請」なんて聞く耳を持たないのが普通じゃないかなぁ。少なくとも「自粛しなければならないこと」に不満は爆発する。
そういう意味で日本の「緊急事態宣言」を発出した時期は良いと私は思っていて、「不安と恐怖がマックスの人たち」は【遅すぎる】と騒いでいたけれど、各国に比べて明らかに感染者数も死者も少ない時点で緊急事態宣言を出しても【それに対する反発】は半端じゃなく大きかったろうと思うわけです。でも東京でも「ちょうど急激に増えた時」に緊急事態宣言は発出された。
その「不安と恐怖」を醸成するのにメディアは協力したし、誰だって武漢やイタリア、ニューヨークのニュースを繰り返し見ていたらビビる。日本もああなるのではないかと心配するのが普通。
そして「コロナが終結しても【新しい生き方をしなければならない】、つまりNew Standard」という概念が広められたのも「そこまでしないと駄目なのか」と【諦める】ような方向で多くが考える要因になったのは間違いがないと思うんですよ。
今になると「私達はうまく乗せられちゃったんじゃないか」みたいな気もしてくる。(笑)
そうやって多くが真剣にコロナに立ち向い、行動が変われば「感染は広まらない」わけで、New Standardを言い始めた人も、「実は将来のことじゃなくて、今、ちゃんと気をつけろ」という【方便】で言っただけかもしれない。
だから実際にMCOやロックダウンも解除され、感染者数も劇的に減ってくれば、New Standardなんてすぐに忘れちゃうんじゃないかと、自分の心の動きを見ていて思うわけです。
そりゃ「解除」されてすぐに元に戻る人は少数派にしても、「最初はおっかなびっくり」だけど、1,2週間も経ち、【感染者が広がらなかった】場合、「俺達は夢を見ていたんだ・・」みたいな状況になるんじゃないかなぁ。
結局、あの武田邦彦教授が言い続けてきたこと、ホリエモンが(偉そうに)言ってきたことが「あれがやっぱり正解だったんだな」なんて皆が思う日が来るかもしれない。
でも「乗せられた」にしても良かったと思うんですよ。皆がその気にさせられたことで【助かった命は間違いなくあるはず】なんですから。
ところがそんな気楽なことを言えるのは「コロナの影響が甚大だとは言えない【マレーシアや日本】の場合は」ってことであって、ロックダウンをしても感染者が減らない、ロシアみたいに毎日1万人を超える感染者をだしているところはまた「別の考え方」になるんでしょう。そして「個人の行動に制限を加えられるのを極端に嫌う人が多い国」の場合も【全く違うことを考える】のかもね。我々一般の日本人が考える「不安、恐怖」と【違う感じ方】を(特に)欧米人がしているであろうことが、昨今のニュースを見てもわかるし、スウェーデンみたいに「老人を含む弱者は死ぬのが普通」と考える国は全く違う方策を取るし、それを多くの国民が受け入れる。
だから「不安と恐怖」と言っても、国によっては「全くその度合いが違う」かもしれないし、そしてその考え方が「感染者の数に反映する」ってことじゃないんですかね。特にロシア人の日常をユーチューブで見ると「同じ人間なのにこうも違うのか」と思うし、「清潔にする」という考え方も【膝から下は無視する】というのがどうも欧米人には歴史的にあるようで、そういうのも感染者数に出てくるんじゃないかなと。
ということで、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということになるだろうというのが、自分の心の動きを見ていてもわかる。(笑)
ま、終結すればそれでいいじゃないかと考える人も多いはずだけれど、仕事を持っている人、投資をしている人はそれじゃ済まないでしょう。
「コロナの後」は非常に大事で、「失業した人はどうなるのか」とか「航空機産業、旅行産業はどうなるのか」とか、それで「人生が変わる」人もいるし、経済活動に関わっていれば、それがたとえ投資でもなんでも「見極め」ができないと大変なことになるわけだから。
でも今の私は「New Standard」と騒ぐほどのことは起きないと思うし、それが起きてもせいぜい1ヶ月ぐらいのことじゃないかと。
ただし、復活するのが難しい業界もあるだろうし、今回の災難でとんでもない借金を抱えた個人や企業は多いはずで、それの影響は甚大なのは間違いがないにしても、New Normalとかパラダイムシフトが起きるというのは大げさかもしれない。
ただ今回のことで、「やってみたらこれの良さがわかった」というリモートワーク推進派も増えるだろうし、「会議はテレビ会議で十分だ」というのがわかった企業や自治体、政府もあるはずで、「IT化に拍車がかかる」レベルのことは起きるんでしょう。
でも「新しい時代が始まる」なんてのは大げさじゃないかと。
ということは、株式市場も「V字回復する企業」はかなり多いのかもね。今までも世の中にはお金がじゃぶじゃぶだったのが、コロナ対策でとんでもない巨額のお金が世に出るわけで、それが行き着くところは株式市場しか私には考えられず。
でも「下がったところは拾え」みたいに簡単な時代ではないと思うことに変わりはなく、今はまだ全貌が見えていない「米中戦争」も激化するはずで、また「死んだ、生きている」と話題の北朝鮮も「何かが起きているのは間違いがない」わけで、2020年から「波乱が始まるだろう」とずーっと言い続けてきた私の基本は変更なし。
何がどう変わるという具体的なことは私にはわからないけれど、やっぱり私は米中問題が気になるわけで「時は来た」みたいに感じています。そしてそう思っていたところに、コロナというオマケが着いた。
そういう意味で、世界は「New Standard」とか「パラダイムシフト」とか大げさに言うほどのことは起こらないにしても、「投資環境」、「仕事のあり方」を含めて、「かなり難しい時代に突入した」のは間違いないと思っています。
そしてこの数ヶ月の間に私が痛感したことは「日銭を稼ぐ大事さ」ということでした。
仕事をしている人に取っては当たり前だけれど、投資でも同じ。資産は3分割して・・・なんてそんな程度のリスク管理でどうにかなる時代じゃないだろうと思うってこと。「Buy and Hold」の時代も終焉を迎えるんじゃないかなぁ。「投資」と「ギャンブル」の違いがはっきりわかる様になるのかもね。
そしてプロは当たり前だけれど、素人のほとんどが考えない「ヘッジ」もちゃんとやらないと駄目な時代に突入するのかも。
いつになっても楽はできませんねぇ。