マレーシア在住の親友が若くして逝ってしまった・・・

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ふ~~~~、来る時が来てしまった・・・。

マレーシア在住の多くの方がご存知でファンも多い大西貴之さん。かつての「ヤシの実のマスター(その後、桜さくら、浜笑、星乃珈琲店などで勤務)」と言ったほうがわかりやすいかも。9月23日、永眠。

彼を知る人は多いし、一体何があったのか知りたい方も多いと思うので、差し支えない程度に私がわかる今までの流れを書きます。

彼がガンで治療を受けていると聞いたのはいつだったか。2019年の5月頃?。通例の健康診断を受けてから二ヶ月後にガンに罹っているのがわかったと。すでにステージ4ですと。

Whatsappの履歴を最初から全て読み返してみたけれど、6月には(手術後に)再発してしまったと書いてる。

でも彼もまめに治療は受けていてかなり良くなったと思うこともあったのね。何度か彼と飲み屋に行ったし。そして治療法にまだまだ選択肢がいくつもあるし、「絶対に治ってみせる」という強い意志を感じました。というか去年の夏、秋には「もう治った」みたいな感じがあった。

2019年10月29日。デサスリでハシゴをしたときの写真。大西さんは昔みたいにお酒を浴びるほど飲むことはないにしろ、非常に元気に見えたし、ただ手術の後遺症で「発声がうまくできない」のはそのままだったっけ。

今年に入って、3月には「検査の結果が非常に良好だったので一安心です」とある。12月に撮ったCTスキャンの画像と3月の画像を送ってきて、「ほら、こんなに良くなった」と自慢しているようでもあった。

ところがそれからちょっと様子が変わってきた。コロナが蔓延し、どうしているのかやり取りをしたのだけれど、4月には「動くと頭が割れるように痛くなるので、コロナにかかると真っ先に診てもらえないグループなので気をつけないといけません」とある。会話に弱気なのが垣間見れるようになったのはこの頃。

7月には、コロナ渦の中では仕事も出来ないまま「化学治療の副作用でイマイチの体調で1年で20キロも痩せました」と。

また新しい就職先も決まったものの「体調は最低を脱しって空になった電池を充電している感じです」「早く元気になってまた食事したいです。それ以前に首の腫瘍が喉を圧迫して喋れないんですよね。指は元気に動きますが・・😂」

8月11日、「復活したら 遊んでください!」とはあるものの「早く元気になります。体重30kgも落ちたんですよ」と。

この頃から私もWhatsappでのやり取りがかなり気になってきました。話したいこと、聞きたいことは山程あるけれど、病気、体調のことを私から話題にするのははばかれるので、たまに「どうしてますか~?」とメッセージを入れる程度に。

私自身、「その後、どうしてますか~~?一緒に食事に行ける状態じゃない?」と書いたのが9月13日。

返事は「寝たきりです。転げ落ちた坂の深さに驚いています。今は静養中です」と。そして「酸素つけてますよ」と。

かなり悪そうなのに自宅で静養ってのも変に思って書いたメッセージの返事ですが、「自宅です。医者もお手上げなので緩和ケア治療です」との返事。(*_*)

こりゃ大変だと思い、「私になにか出来ることはない?して欲しいことはない?」と書いたところ、「また見つかればお伝えします。今年は試練ですね😅」と。(これが私が受けとった最期の彼のメッセージとなる)

私は逐一、大西さんの状態を私の家族(ヨメさん、長男)には伝えていたのですが(二人共大西さんの大ファン)、言葉には出さないものの、みんなが心配していたことは同じ。

でもどうしようもない。

私は奥さんとは面識がないし連絡方法も知らない。今更、それを大西さんには聞けないし、大西さんは細かいことは私には話さないし、万が一のことがあれば共通の友人から連絡が入るかもしれないと思いました。詳しいことを知っているはずの共通の友人はいますが、でもこれまた私からその彼に連絡をして現況を聞く、もろもろの相談をするっておかしな話。

かといって大西さんにWhatsappのメッセージを送れないんですよ。もし返事が来なかったら・・・とそれを想像すると怖くて送れない。

大西さんからもちろんメッセージは来ないし、大丈夫かなと心配なものの、前の様に「その後、どうしてますか~~?」なんてことも何度も聞けない。

だから余計、ますます心配になるんですがどうにも出来ず。

そして9月24日。9月23日に永眠したとの連絡を他の顔の広い友人から聞いた。(T_T)

本日はお通夜。明日25日は告別式。

大西さんって、私たちがマレーシアに(お国替えの)視察旅行で初めてきた2008年当時に「初めて知り合った日本人」で、その後は彼が就職先を変えるごとにその後を追うようにしてそれぞれの店に行ったり、一緒に遊んだり飲みに行ったり、またWhatsappでのやり取りもかなり多かった。

心を開いて本音で話ができる唯一のマレーシア在住の友人と言っても過言ではなく、飲みに行けば4時間5時間は普通でありとあらゆることを話したっけ。彼ってちょっと変わっていて、ある意味「真面目ではない」のだけれど、私も綺麗事を言う聖人君子ではないし、お互いツーカーで通じるものがあったし、彼の「世の中を斜めに見る視点」が私は何よりも好きでした。当然、マレーシア在住歴は長いから、マレーシアのことはもちろん、日本人の裏表、光と影もよく知っている人だった。

息子さんたちの話はよく聞いていて相談を受けたこともあるのだけれど(留学に関して)、写真で見るだけで一度も会ったことはなし。奥さんの話もよく話題に出たけれど、私は会ったこともない。連絡方法も知らない。

でも大西さんとのやり取りの中で、「万が一の時でも私に知らせたくない」みたいなものをずーっと感じていたんですよ。

これって大西流の美学から考えても多分、間違いがないと思ったし、「人生は一期一会」であり、「人間万事塞翁が馬」でもあり、「夏草や兵どもが夢の跡」「諸行無常」みたいな感覚が私達の付き合いの根底にあったのは明らかで、前を向いて頑張って行くのだけれど、基本的な「人生の虚しさ」は常にそこにあって、それを理解した上での友人としての付き合いがあったと私は思うのです。

そういう言葉にはあえて出さずとも「人生観」で通じるものが多かった人だから、想像だけだけれど、「大西さんはこう考えていたはずだ」というのを重視しようと私は思ったし、ヨメさんや息子ともそれを話し、同意見なのを確認しました。

そして私は去年の12月にマレーシアで最愛の母を亡くしましたし、またその日には私、ヨメ、息子は次男坊の結婚式の為に日本に行っていたこともあり、「儀式」に関しては多く考える時間がありました。

また大西さんもちょうど同じ時期に日本在住のお父様を亡くし、ビザの書き換えと重なり日本に行くことはかなわなかったということがあった。

ちょうど同じ時期に同じ様なことを経験し、そんなことも話し合ったのですが、「最愛の人を亡くした時にどうあるべきか」みたいな話題も出た。

その結論は私達の中で話されることはなかったのですが、無言の中で「大事にするべきことはやっぱり心、思いである」ということが焦点だったような気もします。

この話で、母の死に目に合えなかった私と、お父様の死に目に会えなかった大西さんとの間に共通認識みたいなものがあって、お互いの心を癒やすことが出来たと思っています。

母がいつも言っていたことですが、「葬式は身内だけでやって欲しい」ということ。それは実際に母を亡くしてみて、さぁどうする?いろいろやるべきことをしなければと考える中で、母がなぜ身内だけでと言ったのかが私にもよく理解が出来た。

そして今、私も同じ様に思うんですよ。本当に身近な親族だけにちゃんとお別れをしたいと。人は社会生活を送っている以上、知り合い、関係者は当然いるわけで、病気になれば見舞いに行く、万が一の時にはそれなりの場所に行く、また結婚式も同じで、それぞれの意志や思いとは関係なく、こなさなければならない行事っていろいろある。でも本当に自分にとって大事な行事の時に、本当にみんなに来てもらいたいかというと「違う」のじゃないかと考えるようになりました。

病院に一ヶ月入院していたときも「教えてくれれば見舞いに行ったのに」と後で友人に言われましたが、私の本音は放っておいてくれた方が嬉しかったのね。ましてや本当に大事な時って、会いたい人って決まっているわけで、決して大勢と会いたいとは思わないのが普通じゃないかと。

似たようなことを次男坊の結婚式でも感じまして、オーストラリア在住の日本人カップルの結婚式ですが、「親族と親友のみ」の結婚式、披露宴(ハワイ、網走、東京)でした。ちょっとした知り合い程度、仕事関係の上司も取引先も一切呼ばない、おエライサンからの祝辞も電報もない身内だけの結婚式でしたが、私は本来の結婚式はこうあるべきだと思った。

そして今、大西さんのことを考えた時、彼が一体何を望むのかを大事にしたいと思う。そして大西さんと私達家族の繋がり、思いを考えるとどうするべきかも見えてきた。本来は残された奥様やお子様たちのことも考えないとなりませんが、面識もない、繋がりもわからない我々に何が出来るのか。また彼らが我々にどう対処するべきか一瞬でも悩むであろうことは見えるわけで、負担をかけないほうが良いと思いました。我らとて、大西さんのご家族だけでなく、ご友人、取引先も全く知らないわけで、形を重視するのはやめることに。

だから大西さんと我ら3人だけで、我が家でじっくりお別れ会をすることに決定。

これからお花と大西さんが大好きだったお酒を買いに行ってきます。お線香などは我が家にあるし。

大西さんもきっと「それそれ、それなんですよ」と言うような気がします。

サヨナラは言わない。冥福も祈らない。(母が亡くなったときも同様)

大西さんの魂は常に我らと共にある。いつまでも・・・。

そのうち、Whatsappに大西さんからメッセージが届くかもね~~。

 
 
 

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