一時的な停戦、人道回廊で「民間人を避難させる」のは良いけれど、その後・・・

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ウクライナでは民間人の死傷者も増えているようですね。

戦争は無くならないにしても、民間人が巻き込まれると悲惨さは何倍にもなる。そんなロシアを世界は糾弾するけれど、近代の戦争を見ると「民間人を殺すのは当たり前」になっているのが恐ろしい。古い時代の戦争を調べてみると、「市街戦」は多くはなくて「軍人同士が戦った」印象があります。ただ古代の戦争はまた逆で、民間人が標的になったんですね。虐殺の対象であり戦利品でもあったように思います。だから世界の「城」って、城内に民間人の街があるのね。ところが日本は城の外に民間人の街がある。これだけでも日本の戦争と外国の戦争には大きな違いがあるのがわかる。

民間人を殺すことに関してプーチンに対する非難も大きくなるものの、私は第2次世界大戦時の「広島、長崎」が一つのきっかけになったように思うんです。東京大空襲もそうですが、「民間人を殺す」のを前提にした作戦で、とんでもない数の民間人が殺された。あれは明らかな「国際法違反」ですが、全く問題にならなかった。「戦争を止めるためにはやむを得ない」というおかしな理論が正当化された。

東京大空襲を立案し実行したカーティスルメイは「もしこの戦争に負けたら、我々は戦争犯罪人として裁かれることになる」と言っていた記録があるとのこと。日本の家屋は木と紙で出来ていて、効率よく燃やす爆弾まで開発した。でもそのルメイ将軍は戦後、日本の航空自衛隊の創設に貢献したということで、勲一等旭日大綬章を授章。これで、戦争犯罪ではないと日本も公式に認めたことになる。また原爆投下も誰一人として責任が問われることもなかった。

その後、戦争といえば民間人が死ぬのは当たり前、標的になってしまった感があります。

今回のウクライナですが民間人の避難もうまく出来ていないようで、一時停戦や人道回廊を決めて「避難を促す」のは良いと思うんですが・・・。(避難民をロシアに逃がすのはおかしいにしても)

ウクライナの成年男性は「皆、戦え」ということになっていますし、女子供年寄以外は戦闘員として残るんでしょうか。

たとえ火炎瓶を投げるにしても「戦闘員として認識される」わけで、国際法上は「殺してもオッケイ」ということになる。

一時停戦が終わった後、人道回廊で避難が終わった後、そこから本格的な戦闘に入るってことですよね。

ロシアが関わってきた戦争の歴史を見ると、悲惨なんてもんじゃなくて、大きな戦闘、犠牲が出たと言われる有名なノルマンディ上陸作戦やあるいは日本軍があちこちで玉砕したような死傷者数じゃないのに驚きます。原爆や沖縄、アジアでどのくらいの死傷者が出たのかを知る日本人は多いですが、それらをトータルした死傷者の何倍もの人数がソ連では犠牲となった

ソ連の第二次世界大戦での死亡者総数は3000万人に及ぶと言われている。日本の犠牲者の10倍。

そういう経験をしてきたソ連・ロシアの考え方って「普通じゃない」のは簡単に想像できるし、プーチンが異常に見えるのも私達の戦争とは違う戦争をロシアは経験してきたからだと思うわけです。ソ連、ロシアが原爆の開発や近代兵器の開発に一生懸命なのも、彼らの歴史がそれが必要だと示しているんじゃないですかね。GDPは韓国程度しかないのに軍事大国であるロシアって、そうならざるを得ない暗い歴史の連続だったような気がします。

それはウクライナも同じで、ウクライナの国歌からも「戦いの歴史であった」のを感じるし、ロシアやウクライナの考え方って、日本のように古代から平和な時代が長く続き、侵略されたり国家そのものがなくなる経験がない日本人には想像もできない部分があるんじゃないかと思っています。もし日本が「元寇の役」で負けて、ジンギスカンの侵略を受けて何百年も元の命令下で悲惨な歴史を経験したとしたら、今とは全く違う日本人になっていたのだろうと思ったり。

多民族に支配されたり、皆殺しの経験をしたり、あるいはそれが隣国で起きているのを見てきた外国人って日本人とは違う考え方を持つのは当たり前だと思うし、過去に世界最大の犠牲者を出し、歴史上、何度も侵略されるのを経験してきたソ連、ロシアの考え方って私達日本人に理解できるとは思えず。

そのプーチンは今回、一切妥協を見せない。そして彼の要求はウクライナはもちろん西側諸国が受け入れられるものではない。

行くところまで行くかもしれない恐怖があります。

一時停戦とか人道回廊にしても、「プーチンは早く決着を付けたいから」みたいな気がします。

戦争はいつかは終わるはずですが、どんな決着がつこうと今回のことは遠い将来にも禍根を残すのは間違いがないし、それでもやろうとするプーチンの意図がどこにあるのか私にはさっぱりわからないでいます。

佐藤優氏の発言に耳を傾けるのも良いかも。

■プーチンだけが怖いのではない

 今回のロシアの軍事行動を「プーチンの暴走」と見る向きがありますが、そうではありません。プーチン大統領は、大多数のロシア人の心の中にある「ロシア帝国(1721~1917年)の地図」を実現しようとしているだけです。

 ロシア帝国は現在のロシアをはじめ、フィンランド、ベラルーシ、ウクライナ、ジョージア、モルドバ、ポーランドの一部や、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア、リトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国、外満州などユーラシア大陸の北部を広く支配していた大帝国です。

 私は、ロシアのテレビ放送を毎日見ています。恐ろしいのは、エリツィン時代にペレストロイカを支持していたリベラル派の知識人たち、私も個人的によく知っているミグラニアンさんやニコノフさんといった人たちが、断固この戦いを完遂するべきだと主張していることです。

 クレムリンが一枚岩であるだけでなく、広範な知識人や国民の多数もプーチンを支持し、結集してきています。「ソ連崩壊からいままで30年間、よくも俺たちをコケにしやがったな」という憤懣が、一気に噴出しているようです。プーチン一人ではなく、ロシア人全体が怖いのです。

でもプーチンには反対の軍関係者も多いし、それは国民も同じ。古い幻想、妄想に囚われていてはならないと思う人のほうが多いように感じますが、そうではないのでしょうか。

反プーチンとして立ち上がる人たちが今後の展開を決めるような気がするし、期待をしているのですが、それもまた甘い考えだとも思うわけで、私は「天安門事件」を思い出すんですよ。まさか自国民をも殺すなんて時代はもう終わっているはずだと世界は考えていたはず。

民主主義より独裁主義の方が効率が良いのはわかりますが、やっぱり独裁主義、全体主義って怖い。

でも西側諸国も左傾化がどんどん進んでいて、それに対する恐怖どころか「理想に近づいている」と考える人も多く、これから世界がどうなるのか本当に心配。

コロナによる世界秩序の変化が間違いなくあると思いますが、それプラス、今回の問題。そして次に中国が控えている。北朝鮮も同じく。

どうなるんでしょうか。

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