私は蒸し鶏系の料理が大好きで、それは海南チキン、白切鶏、よだれ鶏といろいろですが、これって家で作ろうと思うとなかなかうまくいかないんですよね。
私は「冷温調理オタク」ですが、低温調理に手を出したのも「蒸し鶏を作りたい」からで、結構長い年数それに費やしてきました。
最近、やっと理想に近いものが出来るようになった。
ただそれは「私が良いと思うだけ」であって、本来あるべきものとは大きく違うだろうし、我が家の中でも、特に私とヨメさんは好みが違う。
dabo流「四川風ピリ辛よだれ鶏」。
私が到達した基本的な作り方は簡単で、
1 自分の好きな味で、「一晩漬け込む」
2 低温調理の温度は「胸肉なら63度」「もも肉なら68度」「骨付きなら73度」
3 調理時間は長めで素材の大きさによって違うけれど、「煮る」のに近い時間、1時間半ぐらい。(柔らかめが好きだから)
4 低温調理後は氷水でしめる。これは皮をしめるためにも必要。
5 味付けをしたつけ汁(自分の好みに合わせる)に漬け込んで冷蔵庫。
6 漬け込んで1日~2日おく。(すぐに食べない)
7 食べる時には【常温】に戻す。冷たいままだと固いし、味も感じづらくて美味しくない。
こんな感じですね。
こうやって書くと簡単ですが、ここに到達するまではかなり長い道のりでした。(笑)
ユーチューブで中国人が作るレシピを基本にずーっとやってきたのですが、結局は「自分流」に落とし込まないと満足感がないのね。
また中華料理店で食べた時の美味しさがなかなか出せないので悩んだのですが、それは「中華料理店では【注文を受けてから作るのではない】ことに気がついた」ことがきっかけで大きく変わりました。
つまり、茹でたもの(それでも蒸し鶏という)を1日以上、ながければ2日でも3日でも「漬け込んだ状態で保存しているはず」で、それによって味が染み込むのと同時に【柔らかい何とも言えない歯ごたえになる】ことに気がついた。
この柔らかさって人によって好き嫌いが分かれるところで、私は極端に言うと「ブヨっ」とするぐらいの柔らかさが好きなんですよ。でもヨメさんは「出来立ての歯ごたえがしっかりあるのが好き」でなかなかうまく行きません。
また調理前のマリネするマリネ液、調理後のつけ汁によって【味が大きく変化する】ので調整が結構難しいのと、逆を返せば【好きなように作れる】わけで、難しいと思ったことが今では楽しみになっていて、「あまり中華色を出さず、和風に近い味」にすることが多いです。
それと「絶対に必要なもの」が私にはありまして、それは「生姜、ネギ、ごま油」で作ったつけダレ。そしてなぜかどんな味付けにしても香味野菜としての「パクチー=コリアンダー」はあったほうが良いのが好み。
大好きな蒸し鶏を自宅で作れるようになって、それがどんどん進化していくと、「普通の中華料理店より満足度が高いものが作れる」ようになるのね。これは麻婆豆腐も同じですが、たとえ素人でも一つのものにとことん拘ると、良いものが作れるようになる。面白いと思います。
でも残念ながら「本当に美味しいと思うお店の味、食感を【再現するのは不可能】」なのね。
使う鶏肉によっても違うし、使う醤油や調味料で別物になるし、料理の奥の深さってとんでもなく深いと思う今日このごろ。