ロシア軍がヘルソン市から撤退。ウクライナ軍によってヘルソン市は掌握された。
良かったですね~。
大きな流れの中の一つの出来事でしか無いですが、このニュースを見ていると自分のことのような気がしてウルウルしてきました。
本当に良かった。
このニュースの動画をいくつか見ましたが、中に「ウクライナ兵士が開放されたヘルソン市の実家に戻る」瞬間の映像がありました。母と抱き合う若き兵士。良かった良かった。本当に良かった。
全くプーチンはこれからどうするつもりなんでしょうかね。
不思議なのは、ロシア軍が自らあえて「撤退する」と言ったこと。撤退は撤退ですが、戦争をしている最中に「自軍は撤退する」という発表って聞いたことがない。というか撤退って非常に難しくて、「見つからないように撤退する」のが普通。背後を襲われたらひとたまりもありませんから。また自らはしんがりとして残って友軍を撤退させる部隊も重要で、今回のロシアみたいに、「新米を便衣兵として残して主力部隊が先に撤退する」というのも珍しいとのこと。
だからウクライナを始め西側諸国は「撤退は罠であるかもしれない」と強く用心したんでしょうね。
またこんな情報もあった。ウクライナ軍はロシア軍が持つスマホの電波は以前からダダ漏れだったと聞いていますが、「ロシア軍は撤退。ウクライナ軍は総攻撃をする」という情報をロシア軍のスマホが受信できるようにして、その後、通信そのものを遮断したらしい。これにロシア軍は慌てたようで、本当に逃げるようにして撤退したらしい(単なる噂)。でも以前のように「大量の武器弾薬を残したまま」というほどではなかったと。
私たちは西側の報道しか見ていませんが、ロシア側の報道も当然あるわけで、私としては「どちらも自分の側を有利に報道している」と思ってて、嘘をつくのは常にロシア側とは思っていないのね。
ロシア軍がミサイルやドローン攻撃でコテンパンにやられる動画は「海外メディア」でも多く出ているけれど、同時に「ウクライナ軍もメッタメタにやられる動画」も出ている。でもそれは西側の大手メディアには出て来ない。
でもま、どちらにしても「大勢の兵士が死ぬ瞬間の映像」ってネットの中でも多く出ていて、ウクライナ頑張れ、ロシア負けろと思いつつも、「命をかけて戦う兵士たち」を思うと、やっぱり一刻も早く和平が訪れることを願ってしまう。
でも戦争は駄目と言いつつ、戦争をしなければ良い、何が何でもやめれば良い、犠牲になるのは何の罪もない人ばかりというほど単純じゃないわけで、自らの命を賭けて戦う若者はやっぱり「勝つことを願っている」わけで、そしてそういう兵士を尊敬し、頑張ってくれと声援を送る一般市民も多い。兵士はいやいや戦場に出て、どうしようもなく殺されているばかり、死ぬのは罪のない一般市民ばかりという見方は、私はそれは戦争に関わっていない部外者の感傷的な見方でしか無いような気もするわけです。
報道では「ロシア国民もプーチンを支持していない」という内容が多いですが、私が見ているのは【そういう人達もいる】ということで、やっぱりプーチンの人気は絶大で、今回の戦争を支持する人たちも多いのがわかる。
またアメリカ国内でもヨーロッパの国々にも「もうウクライナへの援助は止めろ」という勢力もそれなりに大きいわけで、今現在、ウクライナ軍が優勢ではあるものの「このまま全土奪還まで頑張れ」という応援の仕方は、現実を見ていないような気もしています。今までと同じ様な戦いで、うまくいっても全土奪還には3年は掛かるという専門家がいる。「消耗戦」でどちらが先に音を上げるかの勝負になると思うのだけれど、そこまで行ってしまえば「核兵器」が気になるわけで、やっぱり「和平交渉の落とし所を探す」のは大切じゃないんですかね。太平洋戦争時の日本とて、決して最後までイケイケで突っ走っていたわけでもなく、でも強気の陸軍に押されてあそこまで行ってしまったのは間違いがなくて、原爆投下前、沖縄決戦前でもチャンスはいくらでもあったのは今になればわかること。
興味深いユーチューブのチャンネルがあります。
【ロシア人にインタビューしてみた 1420】というチャンネルですが、ロシアの一般の人達のインタビューが多く出ています。
しかしこの戦争で目立つのは「ドローン」ですよね。大小様々なドローンが使われていますが、やっぱり意外だと思ったのは、私達が遊びで使うような小型のドローンが大量に使われているということ。
DJI社という有名なドローンの会社がありますが、この会社の小型ドローンが多く使われているのがわかる。主に「偵察用」のようですが、小型の爆弾、手榴弾を落とせるように改良したものも多く、大きな打撃を与えることは出来ないにしても、絶え間ない攻撃で効果を出しているのは間違いがない。
この手のドローンによる攻撃の映像って山のようにありますが、思うことは、「もう少し殺傷力があったら簡単に勝負がつくんじゃないか」ということ。でも小型の市販ドローンには重いものを運べないし、飛行時間も20分かそこらしかない。今回、ドローンが大活躍したのを世界は見たわけで、もう少し大きめの、しかし大型である必要はない中型のドローンを多く持つほうが有利に戦えるのを世界中が知ってしまったのは恐ろしいと言えば恐ろしい。
ただ殺傷能力が高いのが良いかというとそうでもないのは「対人地雷」も同じで、【敵を殺すのではなくて、負傷させる】のが大きな目的だという。仲間が死んでしまえば「そこに死体を置いて移動できる」にしても、「負傷した仲間を置き去りには出来ず、一人の負傷兵に対し、二人の援助が必要で、殺さないほうが兵力を削れる」のだそう。
また「至近距離で撃ち合う」映像も多く出ていて、こういうシーンはドローンが無ければ絶対に撮影できず、現場で一体何が起きているのか、その恐ろしさを世界が知ることが出来るのは良いことなのかもしれない。
またロシア軍の士気が低いのが分かる映像もドローンがあるおかげで見ることが出来る。
広い野原の交差点に陣地を構えるロシア軍部隊に対し、劣勢のウクライナ軍が車両に乗って突撃。ロシア軍の方は数で勝っているのに、ロシア軍はすぐに撤退。何が何でも祖国を死守しようとするウクライナ軍と、一体何のために戦っているのかわからない兵隊が多いというロシア軍とが戦えばこういうことになるのは当たり前なのかもしれない。
また装甲車両に乗ったロシア軍が白旗を揚げてウクライナ軍に投降する映像。この映像もロシア軍の士気が見えると思うのですが、「激しい戦いの末に投降する」のではなくて、わざわざウクライナ兵を探して投降したように見える。
ロシア政府内でも「この戦争に大義がない」と海外に出てしまったり、軍の指揮官クラスでも命令に従わない、あるいは「除隊願いを出す」ことが増えているのは聞こえてきますが、その士気の低さも当たり前とは思うものの、ロシア軍は【督戦隊(とくせんたい)】という「命令に従わない、戦線離脱をする兵士を撃ち殺す部隊」を配置したのは本当にとんでもない時代錯誤に思います。
昔からそういう部隊をどの国も持っていたと聞きますし、かつての日本軍も「白旗を揚げて降伏する仲間を背後から撃ち殺す」例は多く合ったと聞きます。多分、どの軍隊でも「敵前逃亡」は死刑か、少なくとも軍法会議に掛けられて重罰となるのはわかりますが、「逃げたら殺すぞ」という意思がはっきりしている部隊を配置するって想像の域を超えている。
でもそれもまた、平和が続いた西側諸国の価値観かもしれず、ロシアだけがおかしいのではなくて、考え方としてはウクライナも同じなのかもしれないとあの地域の近代史を垣間見るとそんな気がしてきます。
また「アッラーアックバル(アラーは偉大なり)」と叫んで突撃したり、自爆するイスラム教徒は今の時代も多いわけで、当然、敵を殺すことは善であるわけで、そういう価値観の違う人達がこの地球上でどう棲み分けて行けばよいのかは私にはわからない。俺たち西側諸国の言うことを聞けというのも、私は違うと思うし、それこそかつての「十字軍」と同じになってしまうと思っています。
何が正解なのかは私にはわからないけれど、全ての人達に共通点があると思うんですよ。それは祖国を愛し、家族や同志を愛し、大事にすること。この共通点がある限り、どこかに妥協点があるんじゃないかと思っています。
少なくとも「何が何でも戦ってはならない」とか、「攻められたらすぐに逃げるか降参すればよい」という「現代の日本的な考え方」は私には理解の外。
------- おまけ -------
それとこれも書いておこうと思うのですが、実はこういう戦争が起きた時に、実際にどこでどういう戦闘が行われたのかを細かく調べる【趣味】が私にはあるんですよ。戦略研究も好きだったりする。だから世界史の戦争、戦いを調べることをしたり。
それは湾岸戦争、イラク戦争もそうだし、アフガニスタンやシリアでもどんなだったかってネットでかなり詳しいことがわかるのね。当然、ユーチューブで今回と同じ様に「戦況の映像」が見れるわけです。
私としては当然、近代戦では「アメリカの戦い方」を中心に見ているわけですが、シリアでの戦争の時に初めて「ロシアの映像」を見たんですよ。その時に思ったことなんですが、アメリカとまるで違っていて、ミサイルにしても爆撃にしてもお話にならないと言ってはなんだけれど、攻撃目標を攻撃する時の命中度とかがアメリカとは全く違うのが映像から簡単にわかるのね。
まさかこれがロシアの実力か?と思ったのだけれど、今回の戦争でも同じことを感じるんですよ。実際にロシアが取る作戦は「前時代的」と言われているし、制空権も取ろうとしない戦い方が本当に理解できません。ミサイル攻撃もそうで、決してピンポイントじゃないのね。
その点、アメリカ軍の攻撃って本当に戦争ゲームを見ているようにピンポイントでどんどん攻めていくのね。そして作戦もしっかりしていて、ちゃんと順を追って進めているのがわかる。
ところが今回のロシアって、行き当たりばったりで、計画性も見えないし、攻撃も正確じゃないし、ま、それでウクライナは助かっているわけだけど、もしも今回の戦争にアメリカが参戦したら、あっという間に終わるだろうというのが私の感想。ま、アメリカだったらどうするかという考え方で、ウクライナの作戦に関与しているとは思うけれど、もしもアメリカ軍が持つ兵力を使ったらすぐに終了すると思う。
逆に湾岸戦争やイラク戦争の頃のイラクのほうが今のロシアより手強かったんじゃないかと思うくらい。でもま、考えてみれば、もっと昔のソ連のアフガニスタン侵攻にしても、戦争がうまいソ連という感じはなかったのを思い出します。
なんでこんなことを書くかというと、結局、どの国も、【俺と戦争したら大変なことになるぞ】と脅かすけれど、実態はそんなに強くはないだろうと思うんですよ。これは中国も同じで、戦力だけは増強しているけれど、近代戦争の経験もなくて、大きな軍隊をどうまとめて動かすかのノウハウは無いんじゃないかと思っています。
作戦は作戦として建てたにしろ、それをその通り動かすためのノウハウが大事じゃないですか。それを中国が持っているとは思えないのね。そして今回のロシアを見てもそう思うわけです。航空機、ミサイル、戦車にしても凄いのがいろいろあるはずなのに、「ちゃんと使っていない」のがわかる。つまり、ハリボテと言ってはなんだけれど、「ブラフにつかうレベルでしか無い」と感じるわけです。
中国は空母も拡充しているけれど、「打撃群」としての体裁をなしていないし、新しい空母の「福建」にしても電子カタパルトを三基実装したというけれど、莫大な電力が必要なのに原子力空母ではないし、アメリカでさえ実際に使うまでには長い年月がかかったのに、中国に電子カタパルトが使えるとは全く思えない。
でも脅かすには十分なんでしょう。
その点、アメリカもイギリスも経験は豊富で、それをロシアも中国も知っているはずで、だから「核兵器で脅かす」なんてこともやるんだろうと。NATOは「もしもロシアが核兵器を使ったら【通常兵器でロシアを叩きのめす】」と意思表示をしているようですが、その怖さをロシアは十分知っているんじゃないですかね。中国も同様。
だからこそ、NATOがどんどん東へと拡大して、ウクライナがNATOに加盟するなんてのは絶対に認められないとプーチンが判断したのかもしれない。私達には理解できないほどの恐怖を感じていたと思うんですよ。喉元にナイフを突きつけられるようなものだから。
だから今、戦争の危機が世界で叫ばれているけれど、「実はそれは起きない」ことを専門家は皆、知っているんじゃないかと。
実は日本もそうで、最近、戦力増強が言われていますが、現状は「弾薬も十分にない」のがはっきりしてきましたよね。つまり、「反撃能力はあるように見せる」のには十分に出来たとしでも、【戦争持続能力は全く無い】のが実情だろうと思うわけです。イージス艦も同じで、搭載ミサイルは数えるほどしかないらしいじゃないですか。
韓国も同じで、韓国もF35戦闘機を購入し配備していますが、機銃の銃弾が全く無くて練習用の弾丸しかないのが最近、バレましたよね。
意外にこれが「世界の実情」かもしれないと思うんですよ。
ロシアも簡単にウクライナを制圧できると思って侵略しましたが、戦闘が拡大し長引いたら「ボロが出っぱなし」じゃないですか。昔からロシアの戦車は優秀だと言われてきたけれど、最新型は数も少なくほとんど出て来ないし、中心は旧型ばかりですし、それの弱点もはっきりしてしまい、今じゃ、旧旧型の博物館入りしても良さそうな戦車や榴弾砲。兵隊に渡された銃でさえも何十年も前の骨董品だったり。ヘルメットや防弾チョッキも「中身はダンボールだった」なんて衝撃的な映像も出ている。また塹壕を掘るのにシャベルも足りなくて500人の兵隊に対し、シャベルが3本しかなかったと。また実際に召集された新兵に対し、防寒具や衛生用品は自分で持って来いと説明している動画も出ましたよね。
強そうに振る舞って威嚇するしか出来ないのが現代の戦争なんだろうと思う、今日このごろ。
意外に世界各国、内情は同じだったりしてね。みんなでポーカーゲームをやって、ブラフの応酬をして顔色を見ながら行動を決めているんじゃないかと。でも本当に戦争になったら、絶対にヤバい、困ると思っているのかもしれない。
中国は台湾を侵略できないと私はブログに何度か書いていますが、意外に私の勘違いじゃないかもしれない。
軍備の増強って「無駄」なのが真実なのかもしれませんね。
でもなにもしない訳にもいかないし、軍備増強って「最高の財政出動」でGDPも上がるし、景気も良くなるのは間違いがない。
戦争とか自然災害もそうだけれど、「国にとっては経済拡大のチャンス」だったりしてね。
ましてや今のアメリカみたいに、自国は安全なところにいて、きっちり軍事予算は大きな顔をして使えるわけで、「戦争ほど儲かるものはない」って事実なんだろうと思います。
バイデンが大統領になる時に、民主党は戦争好きだから戦争が始まるかもね、なんてブログに書きましたが、冗談じゃなくてそういう「構造」って間違いなく存在するような気がしています。
う~~む、でもやっぱり中国は怖いと思います。
金儲けを考えてああやっているのならまだしも、習近平が大事にするものって「共産主義による世界制覇」なのは間違いがなさそうで、その為の軍事力だとしたら本気でやってくるような気がします。
叩くなら今なのかもしれない・・・。