「健康」「医療費」「保険料」を考えると【海外移住なんか出来ない】と思うようになった

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最近の私は順調に歳も取り(笑)、今年の3月にはとうとう70歳になりますが、健康が問題になるようになってきたのはブログに書いてきた通り。そして【健康保険】に大きな問題が出てきた。

我が家はマレーシアにおいては【日本の海外旅行者保険(東京海上日動火災保険)】に加入していますが、料金が改定され2023年7月からは【70歳以上は一人年間100万円の保険料】になります。69歳以下であるヨメさんは【年間45万円】となる。夫婦二人で年間145万円。ヨメさんも70歳になれば二人で年間200万円。 ( ̄口 ̄∥)

だから?と全く動じないような人もいるとは思いますが、これって我が家には大問題。

この事に関しては前の日記で詳しく書きました。

Dabo's life in KL, Malaysia

古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください 皆さんは健康保険はどうしてますかね。…

このことをキッカケに、健康とか保険のことをいろいろと考えるようになったわけですが、もし海外に移住して、このような保険に入るしか無いとしたら【海外移住なんて出来ない】と思うようになりました。

移住と言っても「そのうちいつか日本に帰る」とか「何かあれば日本に帰る」というケースは、私は「移住者」としては考えません。というか、そういう「腰掛け、仮住まい」の考え方ができる人って一番良い立場で、悩む必要はほとんどないはず。【嫌ならいつでも帰れる人】って一番恵まれていると思います。

【何かあれば日本に帰る】のは旅行者と全く同じで、【大きな問題は無い】【好きにできる】って本当に羨ましいと思う。

ところがですね、一般的に移住となると【その地に根を張って生きていく】ことを意味していて、「日本に帰るつもりはない人」「帰りたくても帰れない人」もいて、その地で家族も作り、子供たちを育て、当然、仕事もして収入を得る場合って、「長期旅行者」のように気軽じゃないですよね。

ここでは「健康と保険」に重点を置いて話しますが、たとえば病気になったり大きな怪我をした場合、日本ならすぐに救急車を呼ぶ、緊急入院する、緊急手術をするとかやることは決まっていますが、はたして「海外でそれができるのかどうか」は疑問だと思うんです。

一般的に海外では「救急車で病院に運び込まれても、保険加入の証拠提示をするか、キャッシュあるいはクレジットカードがあって【支払いに問題がない場合】しか受け入れてくれませんよね。

つまり、海外では保険に入っているか、治療費を自費で支払うだけの財力がないとならない

これって「誰にでも出来ることではない」と思うわけですが、それが出来ない限り「海外移住なんて不可能」ってことじゃないかと。

若くて健康な頃は私もその辺を深く考えませんでしたが(オーストラリアの医療費は基本無料だから)、今年70歳になる私としては【医療のお世話になることが増えた】のは実感しますし、そして【保険の重要さ】もよくわかるようになった。

ところが、「保険に入る」のが簡単ではないということ。

これも若くて健康なら、保険料も低額ですが、歳を取れば取るほど保険料は上がり、ましてや【深刻な持病があれば保険にも入れない】わけで、それすなわち「お金がかかるから保険会社も断る」わけで、では自分でそれを負担できるのかどうか。

この問題は世界共通ですが、【日本の場合は関係ない】のね。慢性疾患だろうがとんでもなく重病だろうが、100歳を超えていようが、日本は何度でも「国民皆保険」で保険を使える。

じゃ、海外に出たらどうすればよいのか。

答えは三者択一で、「保険料(掛け金)が高額でも保険に加入する」か、「高額な医療費でも自己負担する」、あるいは「治療は諦める」

でも日本人には「日本に帰る」という手があるわけですが、それを前提にした海外住まいって、私は移住とは呼べないと思うんですよ。旅行者と同じ。

永住を覚悟していないにしても、その国に定住し、働き、収入を得、家族も大きくするとしたら【病気になったら日本に帰る】という選択肢は無いはずなのね。自分だけじゃなくて家族の一員が大きな怪我や病気になったらと仮定した場合、どうしますかね。

これは「その国の医療レベル」も気になりますが、「医療費をどうするか」が大きな問題になるはず。もし子供に腎臓障害があって「透析」や「移植」が必要になる可能性があったらどうする?これって自費でどうにかなる話じゃない。

これって極端な例ですが、家族の誰かが「事故、障害、病気」になる可能性って決して低くはないし、ましてや親も60歳を超えてくると本当に何が起きるかわからない。「癌」の罹患率も高いし、「脳溢血」「心筋梗塞」なんて世の中では常時起きているじゃないですか。交通事故を含む大きな事故も少なくない。

なおかつ「突然のこと」だとしたら、日本に帰るなんて余裕もない。

「マレーシアにいる年寄りは皆元気で長生きだ」なんて書いてあるブログを読んだことがありますが、それって「元気な人が残っていて目立つだけ」の話で、亡くなったMM2Hの人も少なく無いし、目立つことなく消えていった人も多いんじゃないですかね。私はマレーシアでは人付き合いは「極端に少ない」のですが、その数少ない知り合いのうち、親友と言って良いレベルの友がこの3年の内に三人も亡くなってしまったのは驚きでした。ああ、私の母も入れたら4人だわ。この3年間にです。

さて、何かあった時に「日本に帰れば良い」という考え方が成り立つのか。

「自費で支払えば良い」なんてことが出来るのか。

「保険料(掛け金)が高いから保険には入らない」なんてことで良いのか。

保険は日本のクレジットカードの海外旅行者保険を使うという手があるにしても、家族皆でそれをあてにしてその国で何年も何十年も生活できるのか。

また日本に住民票をおいて日本の国民保険に入るにしても、海外での治療はそれで問題がないのかどうか。これに関してはMM2Hの人たちの中では「海外での治療費も日本で請求すれば(日本の基準で計算して)治療費が出る」というのを利用する人たちは間違いなくいた。ところがこれにも変化があって、「日本では簡単には出なくなった」という話も聞きます。

どちらにしてもこれらは「裏ワザの部類」であって、「それを前提にした海外移住」ってなんかおかしくないですかね。それで何年も何十年も、そして家族もそれで問題ないのかどうか。

「いつか日本に帰る前提がある」のであれば、なにか起きた時に【帰る時期が早まった】と考えれば良いだけかもしれませんが、「移住する」ということは将来的に永住権を取るなり、子供たちはその国に根を下ろして市民権をとるようになるかもしれないと考えるべきで、つまり私達日本人が日本で住んでいるのと同じ様に海外の地で生きていけるようにするのがスジじゃないのでしょうか。

でも世界はそんな上手く出来ていないわけで、「日本の国民皆保険」が凄すぎるんですよね。

私の姉も今はマレーシア在住ですが、その前はハワイ、サンディエゴに長い間住んでいました。でもアメリカの永住権を捨ててマレーシアにMM2Hとして渡ってきた。理由は色々ありますが、「米国も住みづらくなった」と言いますし、「保険料がメチャクチャ高くて頭にくるのよ~」なんて良く言ってましたっけ。(笑)

アメリカの医療費がとんでもなく高いのは多くの人が知ることで、CTスキャンを撮っただけで何十万円。盲腸の手術で200万円なんて話を聞きましたし、【大きな病気に掛かると自宅を売る人も多い】なんてのが米国。だから「保険に入る」必要があるわけですが、これも簡単ではなくて、ちゃんとした企業に長い年月働いていた人たちは企業が提供する良い保険に入れて、退職後もそれを継続できるらしいのだけれど、「ハワイに移住~~~♫」なんて渡った人たちが新規で入る保険はメチャ高額。当たり前ですよね。医療費そのものが目の玉が飛び出るほど高額なんですから。

だから保険に入っていない人たちも多く、【ちょっとやそっとの病気や怪我では病院に行かない】というのがアメリカでは常識だと聞きます。

マレーシアはそこまで酷くは無いものの、65歳を過ぎると入れる保険も多くはなくて、そして当然、歳を取れば高額になって、【物価が安いマレーシアなのにこの保険料は何だ?】と思うような額になるのね。当然、契約内容によって違いますが。

私は「申し訳ないけれどマレーシアの医療には期待できない」でいますし(残念な経験あり)、この国に骨を埋めるつもりもなく「長期旅行者」みたいなものですから(マレーシアに来て6年になりますが、移住したという意識は全くありません)、マレーシアの保険を詳しく調べもしなかったですが、私の母(保険は無し)がマレーシアで入院し1000万円近い医療費がかかったこともあって、94歳の父はまだ健在ですから「もし保険に入るとしたら」とちょっとだけ調べたんですよ。まず基本的にそんな歳になってから新規で入れる保険は無いと言ってもよいのですが、毎年の掛け金が200万円を超える金額でした。ま、歳を考えれば当たり前と言えば当たり前。(でも若い頃から継続していた場合はそんな金額にはならない)

つまり、「保険には入らない」となるわけですが、では母と同じ様になったらどうするのか。見殺しにするのか。

父は「重病になっても俺は病院には行かない」と言っていますし、そもそも94歳で余命は長くはないにしても家族としては見殺しにできるわけもない。また自費で支払うにしても、「病院から請求があったらすぐに支払う」必要があって、つまりそれなりのキャッシュは用意しておかないとならないということ。キャッシュがないとか、定期の満期が~~なんて言っていると、ICUに入っている病人でも追い出される。

ま、どちらにしてもとんでもない出費は覚悟しないとならないってことですよね。「日本で治療を受ける」という手もあるのでしょうが、母のように、突然倒れて救急車で病院に行き、ICUに入ったままみたいな病気では「日本に帰ることさえ不可能」じゃないですか。歳を取ると多くなる脳溢血や心筋梗塞も同じ。現地で入院するしか無い。それとも自宅で放置しますかね。

またそれはそれにしても様々なケースが考えられるわけで、見殺しには絶対にしないと決めていても【大手術になりますが、ほぼ間違いなく助かります】という病気だったらどうするのか。怪我も同じく、大きな怪我だったら1000万どころの話じゃ済まないわけですから。

これは子供の場合も同じで、働き盛りの親も同じで、「大きな病気、大きな怪我をしたら諦めるしか無いね」で済むわけがない。

ところがそう思うのは「保険が充実している私達日本人の発想」で、政府による保険が整備されていない国ではプライベートの保険に加入するしか無くて、それも歳を取ればどんどん保険料も高くなるのは当たり前で、そして医療費も高かったら「ちゃんとした治療を受けること無くこのまま死んでもしょうがない」と諦めるのが【世界の常識】かもしれない。「病気や怪我をどうにか誤魔化しながら可能な限り生き延びる」ことしか出来ないのかもしれない。

世界に出てそこで生活を続けるということは、その「世界の常識を受け入れるかどうか」が問われることになるんじゃなかろうか。

「ハワイに住みたい」なんて夢を持つ人は多いけれど、実際に永住権が取れたとして、ハワイで一生住み続けることが可能なのかどうか、それを自分の健康や医療費、保険料を加味して考えてみるのも面白いんじゃないですかね。私の姉は20年以上、ハワイ、サンディエゴに住んでいましたが、とうとう音を上げてアメリカを出るしかなかった。

これはマレーシアとて同じで、保険料がまだ比較的安い年齢、つまり60歳以下なら良いにしても、70歳を超えて収入は年金だけとなったら、マレーシアで保険に加入したら生活は成り立たないんじゃなかろうか。(姉はマレーシアの保険に加入)

でも上に書いたアメリカの例もそうだけれど、若い頃から(当然)仕事もして保険に入り、老後もそれを継続している場合は比較的低い保険料で大丈夫な様子。

でもそれって、「国をまたいで生活拠点を変えるような人」は【一番高い保険料を受け入れるしかない】ってことじゃないですかね。

そして「家長が保険に入れば扶養家族はそれを使える」ということもなくて、【一人ひとりが契約する必要がある】ってもし大家族だったらとんでもないことになる。例えば家族6人。70過ぎのジジババが二人、自分とヨメさん、子供が二人いるとしたら、毎年の保険料だけで350万円近くにはなるかもしれない(日本の海外旅行者保険のケースで掛け捨て)。でも日本なら家長が保険に加入していれば、扶養家族は(国保と社会保険と違いはあるにしても)それを利用できる。

またマレーシアの保険も「入院した場合のみ保険適用」のオプションを選べば保険料は安いのもあるんですよね。我が家もそれに加入していたことがあるんですが、そういう時に限って「入院の必要がない治療ばかり」なのね。歳を取ると意外に入院しなくても良いような様々な病気や怪我が増える。そして「海外(日本含む)では通用しない」のが私は気になるわけです。マレーシア人の場合は海外での治療でも保険がおりるらしいですが。

そういう意味でも「国民皆保険」の日本っていかに凄いかわかるし、所得が低ければ保険料も安いし、扶養家族は個別の保険に入る必要もないし、自己負担金が大きければ救済措置もあるし、凄いなぁと今になってそう思う。だからこそ日本政府の医療費負担ってとんでも無い額になるわけだけど、それだけ国民は救われているってことですよね。アメリカみたいに「大きな病気になったら自宅を売るしか無い」なんて話も聞いたことがないし。

だから海外に住むしても「何かあったら日本に帰る」という選択肢は捨てられないし、捨てるべきでも無いのだろうとは思うわけです。

あるいはオーストラリアやカナダみたいに「医療費は国負担」という原則がある国に住むか。

私がブログに「オーストラリアは良い国だ」と書くとそれに反発を感じる読者が少なくないのはわかるけれど、なぜ多くの外国人がオーストラリアやカナダに移住しようとするのかの理由はわかるはず。収入は高く、労働条件は緩すぎるぐらい楽勝で、政治も安定していて、失業や老後、子育てや教育、貧困に対する補助も半端じゃない社会保障がある。失業手当も無期限で65歳までもらえる国で、65歳になったら老齢年金(だから働かずに一生遊んで暮らす人もいる国。そういう人が集まる町もある)。この年金額は日本の国民年金みたいにしょぼい金額じゃないし、「国民は保険料の支払い無しで、年金は国の税財源から出る」んですよ。だからまぁ、税金が高いのも当たり前と言えば当たり前なのね。「社会主義を実現した」みたいな国で、発展途上国で苦労している人たちから見たら天国に見えるかもしれない。でも中途半端に収入がある層に取っては「高い税金を取られるだけの国」となる。

ところで最近は中国人の国外脱出が非常に多くなっていると聞きますが、そのターゲットとして日本も上げられている様子。

まず日本は移民歓迎の国ですし、滞在許可を取るのはそんなに難しくはなく、また永住許可(日本では永住権と言わない)、帰化への道も大きく開かれていて、私は他国に比べたら簡単だと思うくらい(ちなみにマレーシアの永住権取得はほぼ不可能と言っていいくらい難しい)。

また日本の保険って「国民皆保険」つまり「助け合いの考え方が基本」にあるから「多くの人に加入してもらいたい」という方向に動く。だから日本に住む外国人も加入できるのかどうかじゃなくて、「観光目的以外の外国人は【加入しなければならない】」ということになっているのね。

当然、保険は扶養家族も使えるわけで、「重病を持つ家族がいる場合」は【主が日本に来るだけでその家族は(海外在住でも)保険適用対象となる】のね。

ま、どちらにしても「収入が少ない」「歳も取っている」場合は、健康や医療を考えたら「住むのは日本以外には考えられない」というのが現実かもしれない

どちらにしても「歳を取って海外でロングステイ」する場合、もう日本の海外旅行者保険を使うという手は【閉じられた】と言ってよいはず

私はと言うと、医療、医療費、保険のことを重視すれば日本かオーストラリアに住むのがベスト。私は「日本で死にたい」と思っているのだけれど、子供たちはオーストラリアを故郷と思っていて日本には住みたくないと言うし、ヨメさんも「オーストラリアの方が良い」と言うので、オーストラリアで最後を迎えるようになるのかもしれない。

でもヨメさんの「オーストラリアが良い」というのは感情的にそう思っているだけのことで、私が先に逝けばやっぱりヨメさんが一人でオーストラリアで住めるとは思えないし、日本で住むしか無いと私は思うわけです。その頃、子供たちはオーストラリアに住んでいるはずだけれど、「子供が親の面倒をみる」という考え方は無いし、私達も子供に迷惑を掛けたくないし、そうなれば「日本で最後を迎えるのがベスト」だと思っています。だから時期を見て、ヨメさんと日本に住む場所を確保しないとならない時が来ると思っています。

少なくとも、「死ぬまでマレーシアに住む」という考え方は皆無。結果的にそうなることはあるかもしれませんが・・。

しかし70歳にもなると、日本の海外旅行者保険が年間一人100万円って、「加入しないでくれ」と言ってるのと同じですよねぇ。夫婦で年間200万円の保険料なんて一般的な年金生活者じゃ考えられないじゃないですか。90歳まで20年掛けたら2000万円。どうせそれまでに何度も値上げが起きるのだろうし・・。(┰_┰)

やっぱり「保険には入らない」なんて手もあるんじゃないかと思ってしまう。でも意外に「自費でも似たような医療費は掛かる」のが現実かもね。でも日本に住んで生活している限り、その心配はない。

歳を取るって・・・・、つまんね~~~な~~~~~~~~~~~~~~~~

しかし、日本では「年寄りはお荷物」だというのが良くわかりますね。年金もそうだし、医療費も半端じゃない。

 

 

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