なんだか最近の自分って「死期を悟った」みたいな感じで(笑)、今まで書いてきたことの重要な部分をまとめていますが、これは読者のためと言いつつ、自分の「確認用」でもあるわけです。
今回はチャートの設定に関して。
その1
どんなチャートでも【自動で画面に収まるように表示される】のが普通ですよね。
これって非常に見やすいわけですが、これの【弊害】はかなり大きいのね。
つまり、今、目の前の動きを近視眼的に見てしまうようになるから。
例えば、ここに2つのチャートを出しますが、まぁ、普通に上下に振れて波が来ている。
このチャートは日経225ミニのチャートですが、この2つのチャートは注意するべき点が全く違うのね。でもそれは上のチャートからはわからない。
これらのチャートは下のチャートの一部分を見ているだけなのね。上のチャートは赤の部分。下のチャートは緑の部分です。
つまりですね、赤丸の部分はここのところの【底値の動き】であって、緑丸の部分は【高値の動き】なわけです。この「位置がまるで違う動き」を、【位置を考えないで良いのかどうか】。
ここには実は正解がなくて、【位置を忘れたほうが良い】とも言えるし、【位置を無視するなんてあり得ない】のも正解なのね。なぜなら、自分の手法は【目先の小さな波を取る】手法だから。
ただ私としては、【現在位置】と【大きな流れ】は絶対に把握していたい派ですから、「サブチャートでは上位の時間軸のチャートを必ず表示させます」。それは30分足であったり、4時間足であったり、【その大きな流れを無視して目先だけの動きでは売買出来ない】のです。
30分足ではこういう場所なのがわかる。
4時間足はこの場所。
あるいは5分足だとこの場所。
トレード手法ってトレーダーの数だけ存在すると私は思っていて、それによって「見るべきチャート」「見たいチャート」も違うはずなのね。だから今、私がここに書いているのは【ひとつの例】でしかないわけだけれど、多くのトレーダーは【マルチタイムフレーム】で見るケースが多いのはこういうことだと思っています。
私の場合は、タイムフレームが変わっても「チャートの読み方そのものは同じ」ですから、1分足でも5分足でも30分足でも【上昇が見える】のなら安心してロングで入れるわけです。
私はチャート上にトレンドライン、支持線、抵抗線も書き込みませんが、脳内では見ているわけで、そのラインは上位の時間軸で見ないと駄目じゃないですかね。それで初めて【現在位置がどういう位置なのかがわかる】んじゃない?
また私はマーケットプロファイルや出来高分布を表示させませんが、それらも重要といえば重要で(壁の位置がわかる)、それを表示させるのは上位の時間軸ですよね?だから「現在値がどういう場所なのか」がわかるんじゃない?
例えば5分足。
また「自分は逆張りはしない」なんて決めていて、「1分足では順張り」に見えても、「30分足で見ると逆張り」になっていることも多いわけで、そういうときには「出撃しない」という選択も決して間違いじゃないと思うわけです。でも「出撃するべきではない」とも思わない。
ここで重要なのは「勝てる可能性」であって、「欲望が強すぎるがために出撃を我慢できない」なんてことがあったらうまくないわけです。
これって使いようはいろいろあって、例えば「ストップロス」をどこに置くかに関しても、1分足でトレードしていても、ストップロスは「5分足で見て流れが変わったと判断できる場所」にするなんてことも可能なんですね。
読者の方が「違う時間軸のチャートを見る必要がないのではないか」とコメントに書かれていた事に関する私の答えがこれです。
その2
チャートの設定に関して、もう一つ重要なこと。
これも多くのチャートは「自動で画面に収まるように表示する」ことの弊害です。
たとえば、上昇トレンドにある動きですが、チャートはこういう風に表示されるとします。
こういう画面いっぱいに広がって、上がっているチャートを見ると、どうしても【上がりすぎ】【そろそろ下がるんじゃないか】みたいな心理が生まれるのね。特に「上がるスピードが早い場合は余計そう思う」のが普通。
でも実際は、この後の動きのほうが「上昇が大きい」なんてことがあるわけです。でも上のように表示させていると、【ここからもっとスピードが付いて上昇すると想像できなくなる】のね。
だから【上下に十分な幅を持って表示させる】ことが重要となる。
これは上のチャートと全く同じ部分ですが、メモリを圧縮しただけ。
この様に、【上下に十分な幅を持つ】ことは非常に大事で、【視覚によってまるで印象が変わる】そして【恐怖や欲望に影響が出る】ことを絶対に忘れないようにしたほうが良いと思います。
また【上下幅が大きいと恐怖も増す】のが普通で、私はそのタイプです。(笑)
これもまた「ボラティリティが大きいから利益も大きい」と考えるのは正しいと思いますし、【大きく動くときを狙うイベントトレーダー】もいますが、私は真逆で「多くのトレーダーがつまらない動きだと思うときこそが私の出番」だと思っています。
理由は簡単で「つまらない動き(ボラが低い)」だとしても、ちゃんと値は上下に動くのね。それも静かにそして余計なヒゲもでない。こういうときこそ「小幅狙いには最適」だと私は考えるタイプです。
この精神状態をわざと作ることもできるのは、上のチャートを見ればわかるはず。上下に余白が大きくあると【値動きが小さい】と錯覚するわけで、その錯覚を利用するわけです。
また普通「メモリ幅は自動で変動する」ようになっていますが、これを【固定する】のも大事だと思います。
私の場合ですが、「ひとマスXXティック」と決めて表示することが多いです。それが固定されているからこそ、【大きく動いているのか、動きが小さいのかがわかる】わけで、その時の動きで自動でメモリ幅が変わってしまったらわけがわからなくなるのね。
小幅取りをするときに、メモリの幅が変わってしまうと非常に都合が悪い。
私の場合は「ひとマス10ティック」というのが標準で、それを決めることによって「ひとマスいくらの損益かもわかる」わけです。例えばBundだとすれば、ひとマス10ティックで、ロットが一枚なら1万円になるとすぐにわかる。それに枚数をかければ、自分がどういう損益規模のトレードをしているのかもすぐにわかるじゃないですか。
ところがですね、動きが小さいと「ひとマス10ティック」だったのが「ひとマス5ティック」の表示に自動で変わったりするわけです。
これってヒジョ~~~~にうまくないのはわかりますよね。
小さな山を取るのが仕事なのに、【山の高さも低さも知らないうちに変わっている】としたらトレードにならないわけです。例えば10ティック幅があれば数ティック抜きは可能でも、5ティック幅だと「うまく行って1ティック抜き」みたいなことにもなる。
ましてや「脳の働きも衰え」で「身体の反応スピードも遅くなり」、見やすいように「反応の遅い平均足を使う」なんてことになると、「自分が抜ける幅ってどんどん小さくなる」のね。
だからメモリの表示幅が変わるなんてのは「命取りにもなり得る」ということ。
逆に、「ひとマス10ティック」ではなくて「20ティック」に設定して、出撃しやすい動きに見えるトレード対象は【積極的にトレードするべき対象となる】わけです。
【表示する上下幅】【メモリの幅】は非常に重要だという認識が必要だと思います。
また値動きって「銘柄によって癖が全く違う」し、「時間帯によっても動きが変わるのが普通」ですから、Bundなら「何時から何時まで」、「GC(金)なら何時から何時まで」と決めていくのも大事なのね。
これはFXも同じで、通貨ペアによって動きが違うし、時間帯も関係あるし、ボラティリティは常に変化しますからそれに合わせてトレード対象を変えるのは大事だと思います。
でもま、私みたいな年寄になると、そんなに積極的になる必要はないと思っていて、「銘柄を決め」「時間帯も決め」で、【その時の動きが気に入らなかったら何もしない】のが一番で、何が何でも参戦して勝ってやろうなんて「欲望丸出し」にするとそれがいつの間にか自分の基本になっていくのね。つまり知らないうちに「欲望の塊となる」わけで、いつかそれが悪さをするのは間違いないと思います。
「真剣に考えるべき時」と「肩の力を抜いて気楽にやるべき時」とあるわけで、【勉強や練習は真剣にするべき】だけれど、【バッターボックスに入ったら脱力して自然体、冷静であること】が重要じゃないですかね。
この【緩急をつける訓練】も大事だと思っています。特に私は【アドレナリンの制御が下手くそ】ですから。(笑)
私って本当に駄目で、たとえば「ロット数を大きく」して、なおかつ「動きがわからなくなってくる」と心臓はバクバクしますし、手は汗でびっしょり。呼吸も乱れるなんてもんじゃなくて、【吸えるけれど吐けない】状態になるのね。当然、声は上ずっちゃいますし、本当に「度胸」とか「腹が据わる」とかそういうこととは全く無関係のだらしのない小心者だと思っています。(^_^)v
でも大事なことはそういう自分の性格、心の動くパターンを理解することだと思っていて、それがわかれば対処法も見えてくるんじゃないかと。
ここで大事なことは「自分の中には複数の自分がいる」、「潜在意識は自分が損する方にしか動かない」ことを理解することだと思っています。「自分のことは自分が一番よくわかっているさ」なんてのは私はとんでもない勘違いだと思っていて、【不可解なるもの、それは自分自身】だと思っています。(笑)
「内なる敵」に気がつくのがトレーダーの最初の一歩かもしれない。
それを騙したり、煽てたり、錯覚させてどうにかコントロールしないとトレードは絶対にうまくいかないと思います。
だから世の中の多くのトレーダーは「システムトレードが重要」だというのね。ルールをきっちり決めてそこに「裁量が入る余地をなくしてしまう」わけです。そしてそれは「自動売買に繋がる」から半端じゃない魅力がある考え方でもあるのね。
こういう論理的な思考をするのは欧米人に多いと思いますが、私は「裁量こそが重要」と思っていて(完璧なルールなんてそもそも作れないし 笑)、でもシステムトレードも重要で、「どのルールは必ず守る(撤退ルール)」「どのルールは守らなくてもOK(出撃ルール)」と決めているのはいつも書いていること。ただし、「出撃サインも出ていないところで出撃する」なんてのは絶対に駄目。
そして「ルールを守ったら負けた」のは全く問題がありませんが、「ルールを破ったのに勝てた」なんてのは絶対に、絶対に駄目なのね。これを「結果オーライ」とするならルールなんて無いのも同じになってしまう。でも世の中を見渡してみてください。ほとんどの人がそうやっていることに気がつくはず。(笑)
これってある意味、素晴らしいことで、それだけ自分の競争相手は少ないことを意味しているし、そういう人たちが【市場にお金を流し続けている】と考えたらよろしいかと。(^_^)v
トレードをする人たちの80%は利益を出せないでいると良く言われますが、「それだけ恐ろしい世界」と考えるのではなくて、「それだけチャンスがある世界」と考えるのが良いと思っています。お金をたっぷり持ってその時その時の気分で売買するお客様がごっそりいることを想像してみるのもよいかもです。彼らは「感情に任して売買したら負けるという現実を知らない」のですから。(笑)
これって【ギャンブルの本質】だと私は思っていて、ギャンブルに没頭したことがある人にはわかるはず。でもトレードをギャンブルと同じ様に考えていたり、勝ったり負けたりそのものに気持ち良さを感じているトレーダーって意外に多いのね。私はそういう人たちを【カモ】だと思っているし、そういう人たちが増えるのは何よりも嬉しいことだと思っています。
「ギャンブル(カジノ)では勝てない」のは、勝率が50%以上のギャンブルはない、親(胴元)の取り分があるからだとは私は思っていないのね。負ける理由は「その時の感情を基準にして賭けるから」だと思っています。そもそも勝率は50%近くあるゲームなのに「カジノに行くたびに負ける」のはどういうことなんでしょうか。例えばルーレットだとしたら、赤黒・前半後半・奇数偶数などの一回一回の賭けの勝率は50%弱だけれど、カジノに10回行って、4回は勝てるはずなのに勝てないのはなぜか?
この答えがわからないトレーダーは絶対に勝ち組にはなれないのね。
相場の値動きって「上がる」「下がる」「ヨコヨコ」しかないのに、どうして参加者の8割は負けるんですかね?カジノと同じじゃないですか。
重要なのは「ファンダメンタル分析」でも「チャート分析」でもないことをまず理解しないとですね~~。
どちらにしても、多くの書籍に書かれていること、巷の人たちが言う事、そういうのは「基礎的な、あるいは曖昧な知識でしか無い」として信じ込むこと無く、「自分で自分の歩く道を探す」のは重要だと思います。
人の行く 裏に道あり 花の山