病院選び、医師選びって難しいですよね。そしてそれが「生死の分かれ目」だったりする。
今回の手術で私がパンタイ病院を選んだのは「なんとなく」というのが大正解で、パンタイ病院でなければならない、またパンタイ病院に何人かいる泌尿器科の医師でなければならない「理由はない」と言ってもよいくらい。
ただパンタイ病院はマレーシアに私達が来た2016年から「いつも行く病院」となっていて、それは昔から在住日本人に有名な「ラウ先生」がいたから。そして今まで何回行きましたかね。簡単な定期的な診断、投薬、そして簡単な手術、突然の緊急治療(食あたりやアレルギー)、そして母のICUへの緊急入院など、「何かあったらパンタイ病院」と我が家では決まっていました。
ただ「パンタイ病院でなければならない」という考え方は皆無。他にもっと良い病院や医師もあるのでしょうが、私達にとっては「妥協点としてのパンタイ病院」であったと言って間違いがありません。
ただ私は、こういうことを書くのはマレーシアには申し訳ないのですが、【マレーシアの医療を全面的に信用しているわけではない】のが事実で、実際に2019年には日本に帰って手術(一ヶ月入院)をしましたが、当初はパンタイ病院で手術を受けようと考えていました。ところが担当していたインド人医師の「見立て」は、私は「違うかもしれない」と思ったのです。「他の可能性があるのではないか」とインド人医師に伝えたところ、彼は自信満々で「見立てに間違いはない」と言い続けるのね。それどころか腹を立てたようで「日本でもどこでも好きなところに行って見てもらえばいいじゃないか」と言う。
売り言葉に買い言葉ではありませんが、「もう一度詳しく検査してみましょう」なんてことも言わない上から目線の医師に腹が立ち、「じゃぁ、日本でセカンドオピニオンを聞こう」と思いました。そして日本でも「同じ見立て」であれば、即、手術をすれば良いと考え。普通そういう事はできませんが、事前に日本の病院、医師とやり取りをしてデータも渡し、「直ぐに手術が必要でそれが可能であればそうする」状態にして、日本に渡ったわけです。当然、「手術は後日」となって、一度マレーシアに帰ってまた日本に行くことも想定していました。
日本での検査では「私が気になった可能性」が大当たりで、パンタイ病院のインド人医師の見立ては「大間違い」であるのがわかりました。
そして「検査後、すぐに手術」ということになった。本来は数日の入院プラス外来で様子見程度の手術でしたが、術後の傷口がうまく塞がらず、それも普通なら通院で十分なものの、私はあえて入院を続け、1ヶ月になってしまった(毎日が傷口の消毒と手当で、普通の入院ではありえないような退屈な入院)。
正直なところ、この瞬間に「マレーシアの医療に対する期待は簡単に崩れ去った」のは間違いがありません。
マレーシアの医師の見立て通りの手術だと「広い部分の切除」が必要で、日本では「二箇所の小さな手術」で終わったわけで、それでも結果的に1ヶ月入院しましたが、あのままマレーシアで手術をしたらどうなっていたのか、想像しただけでもゾッとします。
ま、そんな事がありましたので、マレーシアでは今回も手術を勧められた時に「大丈夫かよ」と思ったのですが、出血があって「緊急性がある」とも思い、結構悩んだんですよ。
ただ今回の手術は前立腺・膀胱であって、これは過去に二度の手術経験がありますし、私もそこそこの知識があって、パンタイ病院の担当医師の見立て、説明に全く問題がないと思ったのです。
でもこれとて所詮「素人の根拠が薄い判断」でしかないんですよね。
この医師、この病院なら大丈夫だなんてのも、【思い込みでしか無い】と思います。と同時に、マレーシアでは駄目だというのも同じ思い込み。
これって考えてみれば、「日本なら大丈夫」なんてこともなくて、日本でもどの病院、どの医師を選ぶかを的確に判断することは【素人には絶対に出来ない】ことですよね。
いくらネット上で調べまくったところで、経験者にサジェスチョンをもらったところで、有名な医師の紹介があったところで、【自分の場合はどうなのか】なんて全くわからない。
所詮、ギャンブルか・・・・。これが現実だと思います。
投資と同じで、「何に投資するべきか」「どのくらいの金額をつぎ込むか」「どういうタイミングで売買するべきか」と全く同じで、素人がいくら考えたところで正解は見つからない。つまり【どのへんで自分は納得できるのか】ということだけですよね。
そういう意味で、「今回はパンタイ病院のこの医師に任せよう」と【なんとなく思っただけ】というのが大正解。
現在、術後2週間が経ちましたが、手術もうまく行き、出血もゼロ、痛みも全くないという【本当は何もしなかったんじゃないの?】なんて思う手術で驚いています。(笑)
ただし、「とんでもない高血圧」なのが判明し、それの治療を受けているし、高血圧対策は「一生続くことになる」と医師に脅かされてがっかりしています。