海外の物価の高さのニュースがどんどん入ってくるし、同時に、日本に来る外国人観光客の「日本は何でも安い」と喜ぶ姿のニュースも多い。
日本に来てお金を使ってくれるのは有り難いですが、「なんだかなぁ・・・」って思いますよねぇ。日本人としては、今後はちょっと贅沢な海外旅行なんて出来る気がしない。実際に、日本には外国人が来て盛り上がっているけれど、「日本から海外に出る旅行者は多くはない」みたいで、旅行会社も暇な様子。
もう年寄り夫婦の我が家はアメリカ(ハワイ含む)に行くことはないと思っていますが、【アメリカ製品が高い】のは非常に困るわけで、日本の製品だとしても「海外市場を狙う商品」は当然、海外の物価、価値観を重視するわけで、【日本製なのに高い】という時代になるんだろうと思います。これは東南アジアで作られる日本製品も同じで、「なんでこんなに高いんだ?」みたいになると思う。
スマホみたいに「世界統一商品」も高いわけで、アメリカのトラックの運ちゃんが年収2500万円、奥さんも働いて二人合わせて5000万円だなんてことになれば、家族みんなでアイフォンの新型を買ってもなんてこともない。
私は「カメラの趣味」があるわけですが、最近、待ちに待ったソニーの新型も出て「欲しいとソワソワしている」んですが、値段が凄いんですよ。ま、カメラはスマホに押されている業界ですから「高級化路線」に行くしか無いのですが、やっぱり高い。
Sonyの「α7C II」 小型のフルフレームミラーレスカメラ。発売は10月13日からですが、価格コムの最安値で、ボディーだけで¥266,310ですもんねぇ。私はレンズは手持ちのものがいろいろありますから(レンズは一生物)、買う必要は無いにしても、もしこのカメラと一緒にレンズを買えば簡単に30万円超えで、ちょっと良いレンズなら40万近い価格になってしまう。
アメリカではB&Hという有名なカメラ店で2198ドル。1ドル150円計算で約33万円。
マレーシアでは有名なShaShinkiという店で10499リンギ。1リンギ31円として32万5千円。
ありゃりゃ、日本が一番安い。
実はマレーシアって「カメラが安い国」だったんですよ。ソニーもマレーシアで生産していたからかもしれませんが、過去8年間で私は二台のソニーカメラと一本のレンズをマレーシアで買いましたが、日本よりも安く買えて嬉しかった。
でも今じゃ日本が安いのか・・。旅行に行って「消費税抜き」で買えればかなりお得。
でもねぇ、そもそもの価格が高すぎ~~~。
こういうことがありとあらゆる製品でこれからは起きるんじゃないですかね。
アメリカで年収2500万円、世帯所得5000万円だったら、このカメラも「子供に買ってやろう」なんていう価格帯かもしれない。
マレーシアって「電気製品が安いけれど、半端じゃなく品質が悪い」って日本人なら誰しも思うことでしょうが、日本ブランドの製品でも「低所得国向けの製品」を作って売っているから「安かろう悪かろうは同じ」なのね。
じゃぁ、日本国内で流通している製品を欲しいなんて思っても、「まるで価格が違う」のにびっくり。
我が家は冷蔵庫で苦労したのはブログにも書いてきましたが、日立は日立でもメイドインジャパンも売っていますが、ほぼ2倍の価格。
それが良いものなのは間違いがないかもしれないけれど、安い製品が並んでいる中で「それらの二倍の価格」ってやっぱり我が家には手が出ない。
「中国製品はろくでもない」なんて言う日本人は多いですし、私もそう思っていますが、フト気がつくとそういう製品しか買えない自分になっていた。(笑)
日本の製品も世界市場を狙う「良いもの」は海外の物価に合わせて高くなるのだろうし、私達は発展途上国、アフリカなどで売られているような安物を買うしか無くなるんですかね。意外に「海外向けの高い製品は日本国内生産」で、「国内向けの安い製品は東南アジアで生産」なんてことになるかも。ん?それってまさに発展途上国だわ。
海外では「品質が良い」ものをエクスポートクォリティということが多いのね。「This is export quality!」なんてね。でも日本では「輸出用は安物」と言われる。しかしそれも変わって、海外と同じ様に「輸出用は高くて手が出ない」なんて時代になるのかも。
【問題は為替】なのは間違いがない。
アメリカの物価や収入って、「ドル高」なのを差し引いても高いと思うし、一度高くなったものはなかなか安くならないのが世の中の常で、トラックの運ちゃんの年収が2500万円。世帯収入が5000万円ってのも、もし為替が1ドル100円になったところで、年収1600万円。世帯収入3200万円なわけで、【円高+日本のインフレ・賃上げ】があったとしても【アメリカとの差は大きいまま】じゃないですかね。
ドルが100円になっても、ニューヨークの「焼サバ定食」は2000円ってことですから。
なんだか昔の感覚の「アメリカと日本の違い」というのはもう完全な「過去のこと」になってしまった気がしています。逆に、そのもっと昔の「日米の圧倒的な差があった時代」に戻るのか。
とにかく「日本頑張れ」と思うわけですが、もうすでに「日本の良い企業は外資のもの」と言っても良いくらい【外国人に株式を持たれている】わけで、企業が頑張って利益をガンガンだしても、その多くは「外国人の懐に入る」わけで、日本人としては「その企業に働いてちょっと良い給料をもらう」ところでストップするはずなのね。
日本は「日本に投資してください」と長い間海外に向けてメッセージを流してきたし、岸田政権もそれが中心にある。
投資してくれるのは良いことのように感じてしまうけれど、「日本の優良企業が外資に買われる」「外国人の持ち株比率が上がる」(不動産も買われていく)ことを意味していて、あるいはもし生産拠点や営業拠点を日本に置くような外国企業が進出してきても、やっぱり日本人は「そこで働いて給料をもらう」ことでしか利益は得られない。
「税収は増えるだろうよ」なんて言っても、そもそも利益の多くを外国に持っていかれる【構造】そのものが私は問題だと思っていて、【日本経済の発展=日本の利益とはならない】状態に向かっていると感じます。
これは「安い労働力を海外から入れる」のも同じで、どんどんお金は外国に出ていく。これに関しては私は本当にがっかりしていて【労働コストが高い】【労働力が足りない】のは「イノベーションを起こすしか無い良いチャンス」だと思うんですよ。
でもそういう方向に日本は動かない。
それこそ「服飾業界」で、「生産コストが高いから」と「機械を導入して自動化をせずに、手縫いのお針子さんを増やす」のと同じじゃないですか。時代は変わって「家内制手工業」から「工場制手工業」、そして「労働集約型」に変化してもそこで止まっている企業が多いような気がしています。今、「工場ではロボットだけが動いている業界」もありますが、世界と競争できるのはそういう業界だけかもしれない。
やっぱりなんでもそうですが「問題があるからイノベーションも起きる」のが古今東西変わらぬ大原則で、日本はそのチャンスを自ら潰しているように感じます。やっぱり日本は年寄りのリーダーが多すぎるんじゃないですかね。そして国民も、コストを下げるには「安い労働力を入れるしかない。しょうがない」みたいに思っているんでしょう。
人口減を「チャンスと見るか否か」で大きく変わるんじゃないかと思っています。
でも外国人労働者を増やして「頭数を揃える」ことに一生懸命な日本が豊かになることはありえなくて、賃金は上がらず、そんな仕事を海外からの労働者と日本の労働者が奪うあうことも起きるんでしょう。それで世界の競争の中で勝てるとも私は全く思わないし、もしイノベーションに成功して売上も利益も上がる企業や業界になったとしても、美味しいところは「外資が多くを持っていく」ような構造になっていたらどうにもならなと思う。
やっぱり私は「日本人が株主の企業で、日本人が働いて給料をもらい、利益は海外に出ない」ようにしないと駄目だと思っています。
でもそんなことは無理だと思うのもわかります。でも無理だと皆が諦めているから、どんどん悪くなる。
そして海外からは「市場を開放しろ」と常に圧力が掛かるし、岸田政権みたいに「どんどん投資をしてください」と【企業買収までも歓迎してしまう】っておかしいと思うんですよね。かつて貧困にあえいでいた農家が「うちの娘は綺麗で働き者で気が利くから、是非買ってください」というのと全く同じ。
「自由に開かれた市場が良い」なんてのは【勝ち組の考え方】でしかなくて、自由主義を標榜しながらどこでもしっかり「自国の産業保護をする」じゃないですか。でも口では「保護主義は駄目」と言う。この辺の「さじ加減」が重要で、アメリカの「中国排除」が進んでいますが、それが「生き延びるための現実」だと思うんですよ。
日本人って真面目で素直だから、「自由で開かれた市場が良い」なんて言われると「その通り!」と思ってしまう傾向が強いんじゃないですかね。
これって「今の時代はねぇ、家に鍵をかけたら駄目なんだよ」と言っているのと同じに私には思えます。
つまり、だから今後、日本がどう頑張っても、「アメリカや他の伸びている国々との差は縮まらない」と思うわけです。【勝ち組だけがどんどん大きくなる世界】なのは間違いがないと思う。歴史上、石器しか使えない民族が青銅器を使える民族に駆逐され、そして鉄器を使う民族が世界を牛耳ったのと同じ。
「働く人は外国人」「株主も外国人」で、どうやったら日本は良くなるんですかね。それどころか「食えない外国人」にも生活保護を出す国。
誰しもが日本企業だと思っている「日産」の株主の66.5%は外国人。中外製薬は75.4%。HOYAは61.2%。こういう企業ばかりなわけで、海外からの資本を受け入れないとやっていけないのは理解できますが、私は「ヒルに血を吸われている」イメージしか無いんですよ。
もちろん日本勢は同じ様に海外に投資をして莫大な利益を出しているわけですが、その【恩恵は国民には回ってこない】と思っていて、国民には「そういう企業で働いて良い給料をもらう」しか手立てがないように思うわけです。
だから「株を買え」というのもわかりますが、株を買わないと生きていけない日本で良いのか?って話。
でも「そういう時代になった」んでしょうねぇ。だからこそ国を挙げて「投資をしろ」と号令をかけるんでしょう。
また「日本が観光立国」なんてまさかと思いますが、それに全力投球するのはアリかもですね。中国人が日本に来て中国人のサービスを使い、中国人の店から買い物をするようじゃ困りますが、やっぱり観光業って輸出業に似ていて「外貨を稼ぐ」には抜群じゃないですかね。オーバーツーリズムが問題になるにしても、日本には海外には無い「観光資源」がごっそりありますもんね。まだまだ開発されていないと言っても良いのかも。
日本人の、日本人による、日本人のための企業が「世界に先駆けて核融合発電の実用化に成功」なんてことになったら良いなと夢見ています。(笑)
でも日本の利権構造、増税大好きな絶大な権力を持つ財務省がある限り、やっぱり【国民は蚊帳の外】「おこぼれをもらうだけ」なんだろうなと思ったり。
それどころか、最近は「日本国民とはネギを背負ったカモか?」みたいに思うことが増えました。そして「サファリパークの中で飼われている動物と同じだ」と感じるんですよ。
だから私は、「既存の枠組みから離れた発想を持って生きていかないと、道は険しくても明るい将来はない」と常々、思っているわけです。日本の動きに身を任せていたら世界に取り残される。それが今の日本じゃないかと。
日本の政府、官僚、企業、国民の動きが変わるのを待つより、まず自分が変わって世界に飛び出すしかないのかもね。「お前は日本を捨てたんだろ」なんて言われても、まずは自分が生き残らないと意味がない。そしていつか回り回ってそういう人たちが祖国日本を救う日が来るのかもしれない。
人の行く 裏に道あり 花の山
しかし、ソニーのα7C IIが欲しい・・・。どうしよ。