先日、日本には「円安になる構造がある」という話題を取り上げましたが、その構造がある限り「待っていても円高にならない」のを私達は理解する必要がある。つまり、このままでは「もっと円安になる」かもしれないし、海外から輸入する「エネルギー、資源、材料、製品、サービス」は益々値上がりし、当然、海外に遊びに行っても「もっと真っ青になる」ようになるかもしれない。
為替が動く理由は色々あるにしても、日本の構造が根本的に変わらない限り、「円安傾向は続く」と考えるべきで、円高の場面はあってもそれは長続きしないかもしれない。
じゃぁどうなれば良いのかですが、理論的にいろいろ言われているものの、「私達が変えることは出来ない」わけで、対処方法を考えるしか無い。
前回の「円安の構造」に関する説明動画は非常に良くできていると思うので、また再び出します。これは何度見ても良いと私は思っていて、誰しもが絶対に理解すべき「現状」だと思っています。
第二弾。上の動画の続きです。このままだと日本はどうなるか。私達はどうするべきかが解説されています。
またここでは「日経平均はまだまだ上がる」と話されています。
本当にしつこいようですが、日本の構造の問題を知ることは本当に大事だと私は思っていて、政府にしても政治家にしても政党にしても、「それをわかっているのか」「それをどう変えようとしているのか」という観点で見ると「誰を選ぶべきか」も見えてくると思っています。また政治家でも頓珍漢なことをいう人は少なくありませんから、この日本の将来に関わることをひとつの基準として選ぶのも重要かもしれません。
そしてこのことを理解していれば、自分がどういう仕事をするべきか、自分の業界はどうなるのか、そして「投資」をするにしてもどうするべきかが見えてくるはずで、優位に働くと思っています。
ただ私自身は、こういう「正論を言う専門家のいうことを基本にして行動を決めることはない」のはいつも書いている通り。もし事業家であればこういう考え方も理解した上で将来を予想し、計画を建てなくてはならないのは当たり前ですが、事業家でもなんでもない私としてはそういう風に考える必要がありません。
「何が起きるか予想をする必要もない」からです。
その代わり、「何が起きても大丈夫な状態を保つ」様にします。それは「世の中が変化を始めたら、その方向へ自分も動く」というだけのことで、世の中がまだ変わっていないのに、予想を元に動くことはしません。
ただし、「いつでも動けるようにしておく事が重要」で、世の中に変化が起きた時に、「それを見ているだけ」ということはしないという意味。
言葉を変えれば「ヘッジをする」と言っても良いかもしれない。
株が下がってくれば、持ち株を売るなり、空売り(繋ぎ売り)をするなり、あるいは先物やオプションでヘッジをする。これは為替も同じで、自分が嬉しい方向とは逆に動き出したら、FXでも先物、オプションでも使ってヘッジをする。
ただ「見ているだけ」ということはしない。
これは安全保障上の「防衛」と全く同じで、「日本が攻められるようなことがあれば、必ず行動を起こす」し、「放置はしない」のと同じ。
それと「市場が動き出したら行動を開始する」のであって、「動きが見えない時点では行動はせずに、いつでも動ける準備だけはする」ということ。
それと重要なことは、ヘッジと非常に似ていますが、【株でも為替でも先物でも下落時に利益を出すスキルを持つ】こと。要は「空売り」であり「ショート」で利益を出すということ。これはFXトレードの経験がある人はすんなり理解できるはず。「私は円を買うことしかしない」なんてFXトレーダーはいないはずで、「値動きを見ながら買ったり売ったりする」のが普通。これは「株式も同じ」なわけで、「株は買うことしかしない」のはあまりにも古い考え方で、市場が崩れたら「泣くしか無い」じゃないですか。
「空売りに抵抗がある」人は多いと思いますが、ETFの世界でも「株式(原資産)が下げると利益が出る」ように設定されているものもあるわけで、「下げても利益を出す」のは「上がったら利益が出る」のと全く同じことだと理解できないと、これからの変動の時代を生き抜くことは不可能だと私は思います。
私達は株式市場を見る時、「大きく上がる銘柄はないかなぁ」なんて考えるのが普通ですが、【大きく下がる銘柄は無いかなぁ】という見方が同じ様にできるようになれば、もし再びリーマンショックのような事が起きても「慌てふためくばかり」なんてことはなくなる。
そしてそれは、リーマンショック時には呆然とするしかなかった自分の経験からの反省点であって、当時は「ヘッジさえもできなかった」のね。目先の利益を出すことしか眼中にありませんでした。ヘッジをするための手法や原資がなければどうにも出来ず、どう対処するべきかわかるまで、私の場合は10年以上の歳月が掛かったということ。
口で言うのは簡単ですが、現実的に実行するのは難しく、「下げに対する対応」「為替の変化に対応」するために【それ用の別働隊】を作って日頃は「どのようにでも動けるように、常に動かしておく」様になりました。【いつでも防御側で動けるようにしておく】ということ。
目先の利益を出すために集中して原資を使う、固定してしまうと、何かあった時に全く身動きが取れないのね。株式や債券なら「売る」事はできても、為替の変動に関しては「FX(なり先物)でどうにかするしかない」わけで、それ用の部隊は別に用意しておかなくてはならない。もし株も債券もなかったにしろ、「自分の資産は為替変動にやられる」わけで、昔からFXは基本的にやらなかった私はそれでリーマンショックの時に行き詰まりました。やっぱりFXを売買できるスキルとそれ用の部隊はいつでも動けるような状態に保つ。
自分は株式投資も何もしないにしても、「FXだけはできるようにしておく」のは重要だという考え方に至りました。「分散投資は重要」ですが、為替に関しては「外貨を持つ」というところから一歩進んで「外貨を常に売買できる状態を保つ」のが重要かと。だから「外貨預金」では駄目なのね。外貨預金でさえも「為替変動から守るべき資産」となるだけだから。
頭の体操で、もし株式市場がクラッシュして、不動産も下落、為替も下落する状態を想像してみるのは大事で、そしてそれはリーマンショックがそうであったように、また災害や大きな事件も同じで、【いつか必ず起きる】と想定してみるのも良いんじゃないでしょうか。
でもその想定、予想を元に行動を起こす必要はなくて、「変化が見えたら行動する」のが良いと思っています。つまり「いつ雨が降っても良いように、傘を準備する」のと同じで、「雨が降るかもしれないからと言って、傘を差す必要はない」ということ。
これは「私はそうする」というだけのことで、様々な考え方があって当然ですし、どれが正解かということも無いのだろうと思います。
私が「トレードはトレンドを最重要視する」のは、このこととも関係があって、「トレンドを見る」「タイミングを見る」スキルはデイトレでもスイングトレードでも長期トレードでも、株式でも為替でも先物でも暗号通貨でも全てに使える基本中の基本だと思うから。
では「トレンドを見る」「タイミングを見る」にはどうするか。これも答えは一つではないわけですが、ダボ流に関してはこのブログの中でしつこいぐらいに書いています。ただまとめて書いてはいないので分かりづらいだろうし、そしてまとめを見ればそれで出来るようになるような簡単なものでもなく、「一生の課題」と言ってもよいのかもしれない。
でも自分が進むべき道はそれのみと私は考えています。そして次の世代の息子たちに教えることは「それのみ」と言っても良いと思っています。