暗号通貨の取引アカウントを「凍結された」という話ですが、申し訳ない、私の話じゃなくてシドニー在住の次男坊の話ね。
彼は昼間の仕事を持っているし、デイトレに興味を持ち出したものの、デイトレが出来る時間帯は限られているわけです。だから「土日でも動いている暗号通貨」を売買するしか無かったし、最近はウィークデイでも家に帰ってきてから時間を見つけては売買している様子。
昨日、Discordに連絡がありまして、「ねぇねぇ、話を聞いてよ~~~」と。
どうしたのかと思ったら、彼が取引している業者に持つアカウントですが、「突然ブロックされた」とのこと。Banとは違うらしいですが、トレードも出来ないし出金も出来ない状態ですと。
何かおかしな事でもやったのかと思ったけれど、「それは絶対にない」というのね。問い合わせても「定型文の返事」しか来ず、「セキュリティ上の問題があるので調査中」との返事らしい。
一体、どんなトレードをしていたのか聞いたところ、彼は「ある面白い動きがあることに気がついた」というのね。彼がトレードする暗号通貨には「現物(スポット)」と「先物(?)」があって、彼はその2つを並べて動きを見ていたところ、気がついたらしい。
細かい話は止めて大雑把に説明しますが、「現物(スポット)」には時々「大きな注文が入る」とのこと。私も気がついたことは暗号通貨の取引って「意外に出来高が少ない」のね。それこそ若い人たちなんでしょう、「数千円、あるいは1,2万円の売買をするケースが非常に多い」のね。だから「取引数だけは多い」のだけれど、「取引高は小さい」。これは前にも私が気がついたこととしてこのブログにも書きました。それは「デイトレ向きではない」ということ。「小遣い稼ぎには使える」としてもです。
ところが、ビットコインにしても他のコインでも「億り人」みたいな人は少なくなくて、彼らが売買する時は「数千万円単位の注文」が入る。でも通常はせいぜい数万円単位の取引が多いから、その大きな指値注文は非常に目立つわけです。これって普通の株式でも先物でも同じで、「ある値に大きな指値注文」があると、「それが越せない壁になる」こともあるし、他の大きな売買をしたいトレーダーが「その指値注文を食うように動く」のね。なぜなら、小さな注文ばかりの時に大きな注文を入れても必要な量の売買は難しいし、成り行き注文を出したら、とんでもなく大きく値が動いてしまうから。また、あえて大きな指値をだして「値動きをコントロールしようとするトレーダー」もいるし、それに「立ち向かうトレーダーもいる」のね。
ところが、その現物に大きな指値注文が入っても、先物は関係ないわけです。
でも「現物はその大きな注文を食うように値が動く」とした場合、当然、先物もその方向に値は動いていくのね。そして【その動きを利用することが可能だと次男坊は気がついた】ようで、多くの暗号通貨を調べた中で、「その動きが多いコインがある」のを見つけたとのこと。あえてその銘柄はここには書きませんが、彼は「現物」の動きを見ながら「先物売買」をやったわけです。当然、大きな注文を出すと値が飛びますから、小さな注文を連発するとのこと。彼は「ほら、これ見て。同じようなことをしているトレーダーがいるでしょ」と例を見せてくれました。確かに「中途半端な金額」がちょっと間を置いてどんどん入っている瞬間があるのね。本来、中途半端な同額の注文がいくつも連なることはあり得ないから、すぐにわかるわけです。
これがうまく行って、トレードは土日が多いものの、普通の日でもちょっとだけ参戦するようになって、「週に1000ドル前後は稼げてる」というのね。マイナスは週に一度あるかないかで、ほとんどがプラス。その表を見せてもらいましたが、20~30ドルの利益の時もあれば、700ドルぐらい稼げる日もあって、大体、週に1000ドルぐらいの利益。
それがここのところ続いていて、それこそ最初の頃は数ドル儲けた損したと大騒ぎしていたのが、今では口座残高も11000ドルを超えたとのこと。
でも彼の小技は「(出来高は基本的に少ないので)利益を大きくすることは難しい」ことから、それだけの残高も必要ないので、一部分の「引き出し」をしようとしたらしい。つまりUSDTを自分のウォレットに移そうとしたら、アカウントが凍結されてしまったと。
まさかこんな事があるのかと思い、ネットを調べたら、そういうケースは結構あるようで、「利益が出たらこまめに自分のウォレットに移動するのは常識」だというトレーダーも少なくない様子。
これを聞いて思い出したのが「初期の頃のFX」です。
私がそもそもFXに近寄らなかったのは「出金ができない」「約定したのに後に取り消された」「約定価格がおかしい」とか、そんな馬鹿げた話が蔓延していた時期があるんですよ。そして(皆さん大好きな)MT4というチャートソフトですが、これは無料でユーザーが使えますが、お金を払っているのはブローカー。そして「ブローカーが持つサーバー」に様々な仕掛けが出来るようになっているという噂は随分あったのね。
そもそも株式も先物も、「買う人、売る人」が存在して【それらをマッチングさせて売買が成立する世界】ですよね。ところがFXとは「買う時も売る時も、相手はブローカー」というわけのわからないシステムが多い。じゃぁBit & Askの値は何なのかと言えば、それはブローカーが設定した値なわけです。これを世の中では「ノミ屋」という。競馬の実際に走る馬の馬券を買うのではなくて、「裏組織」から買うというアレです。
そういう取引が合法化されているのがFXの世界で、私としては冗談じゃないと思っていました。だから為替をやるなら「先物」だと思っていましたし、実際に売手と買手を結ぶ業者もあるのね。またECNと言われる「銀行間のシステムに繋げて、注文はそこに流す」システムもある。ま、それなら良いと思いますが、その場合は「当然、手数料を取らないと業者は利益が出ない」わけで、「手数料がかかるのが普通」なのね。
ブローカーの中には「スプレッドがゼロ」「手数料はゼロ」なんてのもありますし、そもそも業者によって「スプレッドが違う」っておかしいと思いませんかね。こういうことは株式や先物では「絶対に有り得ない」わけです。買い手は買い手、売り手は売り手の「売買したい値」があるわけですから。
挙句の果ては「出金できない」「約定が取り消された」とかわけのわからない話はいくらでもあった世界で、私にしてみれば「合法化されたヤクザの世界」にしか思えないわけです。
でも世の中には「ヤクザと付き合ってメリットを享受する人」がいるのと同じ様に、そういうFXやCFDでも問題ないと考えるトレーダーは多いのね。というか、実態を知らない人が大半かもしれない。
結局ですね、次男坊にその話をすると、「似たような世界かもしれない」と言い出しました。そのブローカーは有名な会社ですが、所在地は「アフリカに近いわけのわからないところ」にあるらしく、FXでも本社はキプロスにあるとか、「法律的に自由にできる、制約が少ない場所」に置いている業者はかなり多い。
もしかしたら「オンラインカジノ」をイメージしたら良いのかもしれず、遊び感覚でFXをトレードする人も多い中、わけのわからない業者もあるのかもしれない。実際に「海外のFX業者」を調べると、聞いたこともない業者が山のようにあるのね。まさに「雨後の筍」状態。大きな業者に繋げてそこにぶら下がる形の中小の業者もある様子。
それが絶対駄目だとは思わないけれど、「まともに将来を考えてトレードを続けるのなら、付き合うブローカー選びも重要」「手数料が安いとかレバレッジの倍率が高いとか、それは選ぶ理由にはならない」と話したら、「結局、そういうことなんだろうねぇ」という話に。(多分、日本ではおかしな業者は少ないかもしれない)
ブロックされた次男坊の口座にある約11000ドルのお金がどうなるのかはまだわからないし、「没収ということはないだろうとは思う」ものの、確かなことはわからないし、「そもそも理由もはっきりさせずにブロックすることがおかしい」わけで、次男坊には「お前は覚えるべきこと、経験するべきことはやってきたのだから、ここはそろそろ卒業しろというお知らせかもしれない。高い授業料を払ったと思えば良いじゃないか」と言ったら、「うんうん」と納得しておりました。
じゃ、どうする?
という話になりましたが、彼はウィークデイでも「ヨーロッパ時間」なら普通の日でも時間は取れるのがわかったので、(私が前から勧めている)ドイツ国債=Bundの先物(FGBL)なら良いのじゃないかと。もちろんUSD/JPYも問題ない時間帯ですので、どちらでもオッケイ。同時に売買することも可能でしょう。
ドイツのBundに関しては、前にも次男坊にその話をしたことはあるのですが、暗号通貨に夢中な彼は聞く耳を持たなかったのね。でも今回、また一から説明して、なぜBundが良いのか、なぜ将来性があるのか、なぜ最初から将来性があるものを選ぶ必要があるのかを説明したところ、「うんうん、わかる。そのとおりだと思う」と非常に理解が早いのに驚きました。結局、彼は暗号通貨のデイトレという短い経験の間に、【問題点を理解していた】ってことなのね。
彼が今ハマっているやり方は、「たまたま上手くいく手法」かもしれず、そんなやり方が将来も長く続くかどうかは全くわからないし、そもそも「出来高が少ない銘柄」ではどれほどうまくなっても「大きくなる限度が決まっている」ということ。こんなやり方に自分の生活や将来を賭けるなんて絶対に無理なのはわかりきっていること。遊び感覚、小銭が稼げればよいとするならそのまま続ければ良いとは思いますが。
「早く始めようよ~~~」と彼は言うのですが、実は我が家ではまだ準備ができておりません。というのは長男がこの数年、友人に誘われて「摩訶不思議なオンラインビジネス」の手伝いをするようになっていて、それはオンラインの世界中のゲーマーが参加するゲーム(団体戦)を利用した、【ネイティブの生きた英語を教えるビジネス】で、世界を相手にするには「英語は絶対に必要なスキル」なのね。ゲーム上での仲間との細かな意思の疎通が出来なければゲームになりませんから。今ではそれなりの立場、役職があるので「すぐには抜けられない状態」にあるとのこと。でも「辞める」という前提で引き継ぎをしている最中なものの、ただどんな仕事でもそうですが、バトンタッチできる人材を作るのは簡単ではなくて、今まで以上にそのオンラインビジネスに時間を取られています。
だからその仕事から開放されるまでちょっと待たなくてはならない状況。
次男坊は「オヤジと俺と二人で始めようよ~」というのですが、私は「待て」と言っています。その理由は「私はどうしても長男を立てたい」のね。もちろん長男は何年も私にくっついてトレードの勉強はしてきましたからそれなりの知識もノウハウもあります。でも経験と実績はまだまだなのね。そういうのんびり屋の長男と、やる気満々で本来は性格的にもトレード向きの積極的な次男坊が【競う】ようなことになると、何が起きるかは簡単に想像ができるわけです。
だから私は「次男には細かいことは教えず、長男に聞け」という形を取りたいのね。ダボ流のトレードの基本中の基本を次男が覚えるのは父からではなくて兄からであって欲しい。私は補佐役でありたい。そして私と長男は一緒に住んでいるわけですし、「お前、あいつに追い越されたり、バカにされるようなことがあったら絶対にうまくないぞ」と長男をガンガンしごいていくつもり。(^_^)v