日本の「高級スーパー」に行ってみたいなぁ

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マレーシアに住んでいて、「食べるものに問題があるか無いか」と問われれば【問題らしい問題はない】と思っています。

でもそれはどうしても「良いもの」が欲しい場合は日本から取り寄せるからであって、それらは特に「調味料」であって、調味料が良いだけですべてが変わると言っても良いと思っています。

あるいは「海苔」とか「昆布」も同じだし、「出汁が美味しい」だけで家食も大きく変わる。

そういう調味料や素材系がマレーシアで売っているかと言うと、私がマレーシアに視察に来た当時(2008年)はKLCCの伊勢丹はかなり高級路線で良いものを持っていた印象があります。お寿司も良いものを売っていた。

でもその後、需要がないのでしょう、段々と品揃えが変わってきて「普通のスーパー」みたいな感じになってきた。これは日本政府と伊勢丹が組んでオープンさせたLot10の伊勢丹もそうで、地下ではかなり良いものが並んでいたのね。伊勢丹自体のコンセプトが「日本の良いものを揃える」というのがあって、普通の売り場でも「数万円もするTシャツ」を売っていたり。

「日本の良いものをマレーシアに紹介する」という点では良かったのかもしれないけれど、「売れるかどうか」は別問題で、いつもガラガラ状態だったし売れている気配さえも私は感じなかった。

すべての商品が「伊勢丹が仕入れたもの」なら良いけれど、出店につきあわされた「業者」は真っ青だったろうと推測します。百貨店の商売は「場所貸しの不動産業」みたいなものですから。

そんな状態が続くわけもなく、行くのが楽しみだったLot10の地下の食品売り場もどんどん駄目になっていったし、そのスピードは早く、最近は我が家はLot10の地下には行かなくなったし、それはKLCCの伊勢丹も同じ。

近年、鳴り物入りでオープンしたTRXの中に「西武」が進出してきたけれど、我が家は行ってみようなんて話も出なかった。

でもオープン当初はかなり良かったみたいで、魚介類を含む生鮮食品も他店にはない良いものを揃えていた様子。

落ち着いた頃に行ってみようとは思っていたのですが、鮮魚などを扱っていたマレーシアでは有名な日系の食品関係の会社はもうすでに撤退し、ビジネスを中華系の会社に売ったという噂も流れてきた。

ま、あの日系の会社は良いイメージはあるものの変な噂が絶えない会社で、牛肉の加工肉(赤身肉に脂肪を注入して作った霜降り肉)をその表示もせずに売ったり、またそれをドンキに卸してドンキでも売っていたけれど(当然、加工肉の表記なし)、マレーシアで良いものを提供する良い店を維持するのが大変なのはわかるけれど、一時は有名だったその会社が経営する中華料理店もトップシェフが代わり随分と変わってきてしまったし、新規オープンした焼肉店もすぐに撤退した様子。本業も芳しくないという業界の人からの話も聞く。

私はマレーシアの高級和食店事情は全く知らないけれど、良い店を維持するのはかなり難しいのは外野から見ていても垣間見ることが出来る。

結局ですね、「期待できる需要がない」ということに尽きると思うのですが、「マレーシアでも売れるかどうか、受け入れられるかどうかトライする」のは良いと思うし、私達一般に取っても有り難いことだと思います。

でも「定着しない」のね。

そして食品の品質も下がっていく。でもそれも当たり前だと思うんですよ。売れないものを仕入れ続けて在庫を山積みにするわけにも行かないのは当たり前で、「売れるもの。利益が出るもの」を仕入れて売るのは常識。

その傾向は「和食材の輸入卸商」にも見えるのね。

私達がマレーシアに上陸したのは2016年で、すぐに「日本食材を手に入れることができるように努力した」かいもあって、また普通、卸商は小売は絶対にしないのが当たり前ですが、小売をする輸入商もあるし、小売は若干高くして売る業者も出てきた。だから極論を言えば、マレーシアの和食店が扱っている和食材でも「若干高くなる」のを覚悟すれば「何でも手に入る」様になってきた。それこそ60キロの本マグロ一尾でも手に入れようと思えば手に入る。

ところが彼ら輸入卸商のメインの客、つまり飲食店でも変化が出てきて「より安いものの需要が増えた」のであろうことが私にも見えるんですよ。それはそういう卸商の「価格はほとんど変わらないのに、品質がどんどん落ちている」のがわかるから。値上げが出来る市場環境でないのなら、「質を落とすしか手はない」のは誰にでもわかること。

品質が落ちてがっかりする日本からの食材って多岐にわたるのですが、例えば「マダコ」があります。でもマダコは世界的に需要が増えて、日本国内でも値上がりが凄い。世界市場では「日本勢が買い負ける事も起きている」と聞きます。そんな状態だから、マレーシアに入ってくるマダコが良くて安いわけもなく、「価格を維持することも難しい」のもわかる。だから彼らは「質を落とす」ことになる。そして価格も微妙に上がってきた。

私が驚いたものの一つとして「はんぺん」があります。はんぺんってあのオデンに入っている白いはんぺんですが、価格なんかしれたもんじゃないですか。もともと安いもの。でもそういうものでさえ「品質を落とした」のがわかるんですよ。オデンに入れてもはんぺんの味は薄いし、すぐ煮崩れするようなはんぺんしか手に入らない。

子供の頃からはんぺん大好きだった私としては、そんなことでもがっかりしている状態。(笑)

日本からの輸入品もいろいろで、「野菜類」もかなりはいっていますが、当然、高いけれど美味しさがまるで違うのね。ほうれん草なんて日本産を食べたら、ローカルのものを食べる気はしなくなる。また値段は高かったけれど、前から「日本産の大和芋」をどこでも売っていて、これまた大好物の私はたまに食べる大和芋は本当に嬉しかった。でもこの数年、大和芋は見たことがない。でも「長芋はある」のは救い。

当然、牛肉も恐ろしいことになっていて、世界的な値上がりがあるものの(アメリカやオーストラリア)、本当に良いものが入ってきているわけではないのに「価格だけはいっちょ前に高い」のね。だから「マレーシアでもA5和牛も売っているよ」というのは事実だけれど、A5和牛でもピンからキリまであるわけで、そもそも「A5和牛だから美味しい」なんてことはないと思っていた私にしてみると、実はマレーシアに入ってきている和牛でさえもがっかりレベルなんですよ。

でも和牛を扱う業者も飲食店もすごい数で、「どれほど儲けが出るシステムが出来ているのか」も簡単に想像できるのね。日本みたいに「価格競争が起きている」感じは全くなくて、「高値維持状態」だと思う。そして当然、「選べるほどの種類はない」わけで、需要自体が大きいわけじゃないから仕方がないにしても、がっかり状態。また我が家が好きな「牛肉の様々な部位」も簡単には手に入らない。

でも私達はマレーシアに住んでいるわけで、日本なり私達が25年住んだオーストラリと比べるほうがおかしいのはわかりきってはいるものの、完全には諦めきれていない自分がいます。

そんな時に見た、いつもの料理系ユーチューバーが「明治屋で買い物をして料理をする」動画。

これを見ながら何度ため息が出たことか。

かつて日本に住んでいた頃、つまり1991年以前ですが、いつも買い物に行くスーパーは西友みたいな普通のスーパーでしたが、たまに良いものが欲しい時には明治屋、紀伊国屋、そしてピーコックや広尾のナショナル麻布スーパーとか行ってましたっけ。

確かにとんでもなく高いものもあったけれど、ああいう高級スーパーの豆腐がメチャ美味しかったり。でも豆腐だからとんでもなく高いこともなく、ああいうスーパーでもコスパが良いものって結構あったのを思い出します。

マレーシアの問題点ってそこにあると思っていて「需要がない」から「種類がない」のね。それを問題点というべきではないけれど、ちょっと変わったもの、良いものは無いわけで、あったにしても競争もないから価格も高値安定。

マレーシアの物価は間違いなく安いけれど、それは一般的なものでしかなくて、ちょっと良いものを欲しいとなると「日本以上に高い」事が起きるのね。

「しょうがない。高くてもいいや」と思っても欲しいものが手に入らないなんてことも日常茶飯事。

そんな良いものをいつも食べようとは思っていなくて、でもたまには良いものを食べたいと思うだけなんだけれど、それが出来ない。

人生なんて妥協の連続だとは思うものの、でも「たまには息抜きも出来る」から日本は凄いと思う。というか、今の私には「日本の普通の店が全部高級店に見える」わけで、日本の長い年数のデフレの間、不景気だった時代、コロナの大騒動も乗り越えて生き抜いてきた店って、半端じゃなく良い店になったというか、だから生き残れたのだろうと思ったり。

昔から今でも「物価」が問題になるけれど、安けりゃ良いってもんじゃないし、「コスパ」を重視して世界を見たらどういう風に見えるんだろうと思うことが多い。

明治屋とか紀伊国屋に毎日買い物に行くような生活が良いとは思わないけれど、月に1,2度は行くなんてだけでも食生活は大きく変わりそう。

「住んでみたい国のランキング」は最近、話題にならないけれど、まだマレーシアはトップ、あるいはトップグループにいるんだろうか。

私にしてみるとこの15年ぐらいの「住んでみたい国のランキング」は【一位はぶっちぎりで日本】であって、2位以下は「該当なし」みたいな状態。(笑)

でも実際に日本に住んでみると、そのランキングはすぐに変わるのだろうとも思う。

「ないものねだり」は一生続くんだろうな~~。

刺し身も寿司ももう食べたくない。見るのも嫌だなんて死ぬまでに一度でも良いから思ってみたいもんだ。

最近の私の「刺し身・寿司欠乏症候群」は悪化した感じはないものの、悪い状態で「慢性化」してしまってどうやっても治らない、改善の兆しも見えないみたいになってきた感じ。

言葉をかえれば「症状は安定している」とも言えるわけで、もしかしたらこの状態がベストなのかもしれない。

 
 
 

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