世の中では「鶏ハム」とか「サラダチキン」が一般化してきましたね。
コンビニでも売っているし、自分で低温調理でつくる人も多い。また健康志向の強い人やジムに通う人たちには「必須アイテム」と言ってよいのでしょう。
我が家ではやっぱり「蒸し鶏」が基本で、まぁ、それを冷蔵庫に入れておけば「鶏ハム、サラダチキン」みたいなものですが、【味付け】をしっかりするのでちょっとイメージ的には鶏ハムとは違う。でも食べ方としてはそのまま食べたりラーメンのトッピングにしたり、我が家では「万能おかず」「酒のつまみ」の立ち位置。
こだわりが強くない人なら、それこそ胸肉なりもも肉に薄味を付けて茹でるだけでも良いし、ビニール袋に入れて「お湯に沈める」と一段良いものが出来るし、ちょっと「硬め」でよいのなら「炊飯器の保温モード」で良いし、さほど悩むこと無く作れてしまう。
私の低温調理の趣味は「白切り鶏」を作りたいところが出発点でした。いわゆる「蒸し鶏、海南チキン、よだれ鶏」とかの類ね。
最初は「茹でれば良いんだろう」と簡単に考えていたのですが、まぁ酷い出来で、まず硬すぎたのね。当時はまだ低温調理器もプロ用しか売っていないような時代で、「鶏肉は味付けをして真空パック」し、鍋にお湯を沸かせて、温度計で温度を見ながら作っていたのですが、やっぱり低温調理器って凄いですよね。それこそ「胸肉で作る蒸し鶏(茹でる)」もピンポイントの温度から1~2度ずれるだけで出来上がりが違うのもわかってきたし、「お湯の温度以上には絶対に上がらない」わけだから、形がいびつでも量が多かろうと少なかろうと「必ず同じものが出来る」のが嬉しかった。
特にローストビーフの場合は牛肉の塊の大きさや形がバラバラで、昔流の「オーブンを使うローストビーフ」だと作るたびに違うものが出来る難しさがありましたが、「まずは湯煎で火を入れる」低温調理だと簡単に作れるし、まさに素人向けだと思いましたっけ。
慣れてくとやっぱり「より良い物」を作りたくなるし、何年もの試行錯誤の結果、「これが我が家にはベストだろう」というのも出来てきた。蒸し鶏の話ですが。
1 素材はまず水道水で洗う
これはマレーシアに来てから付いたクセで、鶏でも牛でも豚でも、販売店では日本みたいな丁寧な扱いをしていないのはすぐに分かったし、「臭うもの」はないにしても「ヌルっとする(雑菌の運動会状態)」ものがあったりするので、「水道水でまず洗う」様にしました(水道水の殺菌力はそこそこ強い)。「湯通し」でも良いと思う。100度のお湯に浸ける、あるいはかけるだけで、表面についた大半の雑菌は瞬時に死ぬ。これは「唐揚げ」や「鍋」でも炒める場合でも必ずしています。考え方は「下茹で」と同じで、事前に手をかけたほうが間違いなく美味しいと思う。あるいは「余計な臭み、雑味が取れる」というべきか。
2 塩と砂糖を水に溶かし3%~5%のブライン液を作り、それに鶏肉を浸けて冷蔵庫に保存
最近、やっぱり事前に漬け込んだほうが美味しいし、砂糖と塩の効果で「肉は柔らかくしっとり仕上がる」のがわかってきた。これは豚肉牛肉も同じ。時間はブライン液の濃さ、素材の大きさにもよって違うけれど、大体3時間~一晩(大きな塊は2-3日)。前の日に漬け込むことが多い。またブライン液に浸すことなく、砂糖と塩を素材に塗って保持するのもOK。
3 沸騰したお湯の中に3分~5分浸けて、「周りを固める」
これは最近覚えたことなんですが、やっぱり周りを固めたほうが美味しいと思う。また「皮付きの鶏肉」の場合、一般的な低温調理の温度だと「皮はブヨブヨで気持ち悪い出来上がり」になるのね。でも3分程度、沸騰したお湯に入れるだけでかなり「皮の食感」は変わる。そしてその後は「氷水」に入れて温度を下げて、それ以上、火が入らないようにする。これはローストビーフも同じ。
4 低温調理する時のスープを作る
これを作らずに素材をそのまま真空パックして湯煎するのも良いし(鶏以外はそうする)、味をつけたスープに浸けたまま真空パックして低温調理をする。
5 低温調理後は袋に入れたまま氷水に浸して温度を下げる。そしてスープは目の細かいすくい網を通してアクを除き、鶏肉はスープに浸けたままで冷蔵庫で保存。ローストビーフなどの「ロースト系」は低温調理後に表面をしっかり焼く
一般的に4度~60度は「雑菌が増える温度」と言われていて、特に10度~50度という温度帯は【素早く通り過ぎる】事が重要だと考えています。常夏の国マレーシアで「常温放置」は【雑菌を培養するのと同じ】だと考えていますし、だから「お弁当、お惣菜、経済飯屋」は十分な注意が必要だと思う。我が家のヨメさんもお惣菜として売っていた「焼き鳥」を食べて3日寝込んだこともあるし、どんなお店でも「生ぬるい」と感じた(作り置きしていたのがわかる)料理やカレーは特に注意が必要だと思っています。大体、マレーシアで食中毒に出くわすのはその類じゃないですかね。
6 食べる時には冷たいまま、あるいは常温程度まで温めたり、炙ったりする。冷蔵庫で3~4日の保存は問題なし。
これが私が鶏肉の低温調理をする時のパターンとなりました。これで「味的にも良くなり、安全性も確保できている」と思う。
注意点ですが、「低温調理では何よりも安全を重視する」事が重要だと私は思っていて、マレーシアは常夏の国ですから「雑菌は運動会をしている状態」だと想定して全ての調理をします。温度帯としては4度~60度、特に10度~50度は危険温度帯として考えています。
そして大事なのは低温調理時の「温度と時間」ですね。
これによって出来上がりがガラッと変わるわけですが、「鶏胸肉」の場合は63度。「鶏もも肉」の場合は68度が私の場合はベストです。この温度って「ちょっとズレただけで出来上がりは大きく変わる」ほど、低温調理って微妙な調整が必要なのね。胸肉も60度だとピンク色が残って生っぽいし、65度を超えると明らかにパサパサ感が出てしまう。でももも肉を胸肉と同じ温度で低温調理をすると「火が通っていないと感じるほどの生の状態」で、でも68度を超えてくるとやっぱり固くなってしまう。そして上にも書きましたが「皮」はもっと高い温度で調理しないと「ブヨブヨして気持ち悪い状態」になる。プロってそれを考慮したうえで、「一匹丸のまま」で蒸し鶏を作るのだから凄いと思う。でも当然、そこまで考慮していない店も多数ある。
それと鶏肉に限らず、低温調理をする人が増えてきましたが、そういう人たちのユーチューブ動画やブログを見ると「中心温度を簡単に考えている」のが非常に目立つのね。でもそれで調理して問題がないのなら構わないのだけれど、【マレーシア】では「安全を重視した場合」はやっぱり温度が低すぎると非常に危険なわけですよ。そして厚生労働省もアメリカのFDAも安全確保する基準を公表しているけれど、それは「中心温度」なのね。
良く「肉は焼く前に常温に戻す」と言うけれど、これって実際に測ったことがある人は少ないようで、10分や20分、常温放置しても「中心温度は意外に上がらない」のね。そしてそれは低温調理をしても同じで、例えば63度で調理しても「中心温度が63度になるには結構時間がかかる」わけです。
これは実際に何度も試して測って確かめているうちに、感覚的に何時間低温調理をすればよいのかわかってきますが、「中心温度で考える」のを無視しては絶対にうまくないと思う。
特に私みたいに火を入れすぎるのは嫌い、固くてパサパサしたのは嫌いだと「安全のギリギリの温度を攻める」事が多いから、そういうタイプの人は気をつけたほうが良いと思うのね。面倒だけれど、低温調理とは湯煎だから「時間が長い分には大きな問題はない」わけですよ。設定温度以上に上がることはありえないし、長時間低温調理をすると「熟成と同じ効果がある」のも間違いがない。とは言うものの、長時間低温調理してできた「柔らかさ」と肉本来のそれとは違うし、55度ぐらいで超長時間、豚肉(ローストポーク)を低温調理したら「腐っているような匂い」になって全量廃棄したこともある。
また低温調理で「レバー」なんて調理すると「レバ刺しか?」と思うようなものも作れて、特にレバーは「血が多い部位」だから【雑菌は内部にも存在すると考えるべき】で、63度で30分以上は必要で、でも68度を超えると固くて粉っぽい感じになってしまう。これは「レバーパテ」を作るのも同じで、安全を確保しつつ68度を超えないように作らないと「滑らかなパテ」にはならなかったりする。かと言って温度が低すぎると「パテに混ぜた卵の白身が固まらない」なんてことにもなる。
低温調理の理解が進むと、スーパーで売っている、あるいは自宅で作るような「鶏レバーパテ」とは全くレベルの違うパテも作れるようになる。(ちなみにこういうレシピはユーチューブで私は探しますが、当然、超有名店、有名シェフ(ほとんどが外国人)のを見ないとわからないのね。
赤いのはワインの色。
まるで「レバ刺し」の様な【低温調理済みで安全を確保した鶏レバー】。
今、私が書いていることを読むと「面倒だ」と思うかもしれないけれど、でも低温調理を極めると「素人が家では絶対に作れないもの」が作れるってことなんですね。だから低温調理は面白い。
低温調理って私は「素人のためにある」と思っていて、本来は熟練したプロにしかできないことが素人にも出来るのね。「火入れ」の話ですが。
特にローストビーフが好きな人はわかると思うけれど、「オーブンで作るのは半端じゃなく難しい」のね。「慣れ、経験が必要な世界」で、もし自分が500グラムの牛肉の塊でうまく作れるとしても、「今日は1.5キロで作ろう」なんてことになるとどうしたら良いのか全くわからない。ましてやその肉の形がいびつだったら「全体的に同じ火入れは出来ない」じゃないですか。
でも低温調理なら、「いつでも、何度でも、大きさが違う、形が違う」としても【同じもの、狙ったものが常に作れる】ということ。
そしてやっぱり温度に関する知識も必要で、牛肉だとすれば特に重要な温度が「タンパク質が固まりだす温度」で、それは大体58度なのね。だからそれより温度が低ければ肉は柔らかいし、58度を超えるとすぐに固くなる。だからこの温度だけは頭に叩き込んでおく必要がある。また65度を超えるとコラーゲンは収縮を始めて肉はより固くなる。でも75~85℃からコラーゲンはゼラチン化して肉は非常に柔らかくなる。この辺の知識があると「最終的にどんな風に仕上げたいか」によって温度や時間をどう調節したら良いのかがわかってくるのね。
また牛肉の場合はレア、ミディアムレア、ミディアムは何度か?とか、そういう知識も重要で、何度かやっているうちに「自分にとっての完璧な温度」もわかるようになるし、いつでも同じものが作れるって凄いことだと思うんですよ。それも2度ズレたらまるで違うものになる微妙な世界だから、狙ったものがいつでも出来るとその喜びって半端じゃない。
これは魚でも同じで、まさに高級フレンチレストランの魚のソテーみたいな微妙な火入れが出来たり。
焼いた鮭も、私は外はカリッと中は「半ナマみたいに柔らかい」焼き方が好きなんですが、それも「50度~55度で低温調理したものを高温で焼く」と完璧な焼き鮭になる。でもそういう風に焼く鮭は「刺身用」じゃないと安全性は担保できない。
また野菜もそうで、野菜を煮ると柔らかくなりますが、それは細胞をつなげているペクチンが柔らかくなるからなわけだけど、その温度は80度。そしてペクチンって変な物質で60~70度を保っていると逆に固くなるのね。そして固くなってしまうとそれ以上温度を上げても柔らかくならない。つまり「煮崩れしない」事が起きる。
こういう知識があると野菜の煮込みでも「硬さ、味の染み込み方」も自由自在にコントロールできるようになるということ。低温調理器があれば、まずは65度前後で15分ぐらい煮ると、その後、80度以上に上げて全体を煮込んでも煮崩れしない。逆に柔らかくしたい時には温度を一気に上げるわけです。
こういうことはプロたちは「経験」「親方から言われたこと」から学んでいくわけですが、それがない私達素人でも「科学的に考える」ことによって【自由自在に作れる】ことになるし、「なぜプロたちはそうするのか」の理由も見えてくるのね。これが非常に面白くて「調理は科学」「調理は温度」みたいな「基本」がわかってくる。
でも味付けは味付けで「別の科学」があるわけで、私はその辺は適当で「自分や家族が良いと思えばそれでオッケイ」で、正直なところ「進展がない」と言っても良いと思います。私達が結婚する前にヨメさんが「定期的に美味しいお店に連れってくれないと料理がうまくならない」と言っていたのを思い出しますし、自分で調理実験をするようになった今になるとそれはその通りだと思います。どんな素晴らしい動画や文章のレシピを見ても、こればかりはどうにもならない難しさがありますね。
また私はトンカツが好きなんですが、トンカツを家で揚げるのは私には半端じゃなく難しいんですよ。せっかく家で食べるのだから「分厚いロースカツ」を食べたいけれど、豚肉は牛肉みたいに「レア」では食べたくないし、当然、揚げすぎて硬いトンカツなんて冗談じゃないですよね。だからトンカツの場合は、まず肉だけ低温調理しておくのね(事前にブライン液につけるのも良い)。大体63度~65度が良いと思うのだけれど、その後に衣をつけて高温で揚げて良い色が付けばOK。もちろん「トンテキ」もOKで、5センチ上の厚さがある豚肉でも絶妙な火入れが出来る。ああ、ヒレ肉が好きな人は低温調理が出来ないと美味しく食べられないんじゃないですかね。ヒレ肉の場合は分厚くて5センチ以上の厚さ(高さ)がある方が良いし。
トンカツがメインで大きなお店とか分厚さがウリの店では、事前に低温調理しておく店は多い様子。ステーキ店やホテルも「均一なものを提供する」にはそれが必要というのはよく分かる。「ランチのステーキコース」みたいなのは「低温調理後保温していたものを焼いてだす」とか。
また低温調理をするなら、必ず知っているべきことがあると思います。それは「安全基準」です。そしてちょっとややこしいけれど、「Z値」なるものがあるのね。これを知っていると、「何度で何十分、何時間加熱すれば安全か」の計算ができるんですよ。
基準は63度で30分ですが、それは75度1分と同等なのね。そして71度なら3分だし、87度なら2秒で55度なら300分。これらは「殺菌の温度と時間の関係」で温度は当然、「中心温度」ですが、こういうことを知っていれば、どの温度だと最低どのくらいの時間が必要かというのがわかるし、そしてその時間は「中心温度がその温度になってからの時間」ですから、素材が大きければ当然、時間も長くなる。
ただ「美味しさを優先する」こともあるわけで、その場合では「肉の外側は雑菌に汚染されている」、しかし「肉の内部まで雑菌が入り込むことは稀」なのを前提としたうえでどうするか考えるべきですよね。だから「ユッケ」が禁止された日本でも「レアステーキ」「牛肉のタタキ」はOKなのはそれが理由。でもそこから「様々な肉をまとめてミンチにする」場合は「雑菌は全体に回ってしまう」と考える必要があって、「生焼けのハンバーグ」や「ミンチを買ってきてユッケを作る」のは危険が満載と言える。この辺に興味がある方は「ユッケを販売できる条件」を見てみると良いと思う。(例えばこれ)
それとやっぱり危ないのが「内臓系」で、「レバ刺し」はやっぱり怖い。私は「レバー料理とは血を食らう料理」だと思っていて、レバーから血を完全に抜いてしまうと美味しくないのは低温調理も同じで、でも血が潤沢に流れるレバーだから「レバーの内部にも細菌は回る」と考えるべきで、だからユッケは条件を満たせば販売が可能だけれど、レバーは「生での提供は駄目」となっている。ちなみにレバーの低温調理で68度を超えてくると「真空パックした中に出来るドリップ」にも大きな変化が出てくるのね。「血」というべきか「ヘモグロビン」というべきか私にはわからないのだけれど、「血が多く出ているように見える」のね。この状態になると「レバ刺し感」は無くなってくるわけです。
レバーを63度で調理した場合は、出来上がり時に「血が殆ど出ていない」状態で、こういう感じで仕上げないとレバーは美味しくない。ちなみに私がレバーを低温調理する時には「オイル」を入れますが、出来上がり時にはこれをキッチンペイパーで拭き取れば「油まみれ」の感じはなく、食べる時には「ごま油」を掛けます。低温調理時にごま油を使うのがベストだと思うけれど、ごま油を大量に使うとコスパが非常に悪いのね。
68度の温度まで上げてしまうと、レバー内の血が多く流れ出てしまう。レバーの色も白っぽくなるし「レバ刺しもどき」として失敗と言っていいはず。
その時のドリップはこんな感じで、「血の量が多い」のがわかるし、美味しくない。この時に「レバーとは血を食らう料理なんだ」と思いました。でも「何がベスト」ということはないわけで、いろいろ試して「自分はこれだ!」と思えばそれでオッケイだと思います。
マレーシアでは調理温度の規制や基準は無いようで、「生レバー」を提供する店がありますが、それで喜んでしまって良いのかどうかは疑問。特に「肉でも魚でも生食をしない」のがマレーシアの文化で、そういう国の「ローカルのシェフ」が提供する生レバーを私は食べる勇気はありません。本当にこれこそが「自己責任の世界」だと思います。そんなギャンブルをするぐらいなら、自分でレバーを手に入れて「中心温度63度を30分以上維持する」ことでほぼ安全は確保できるし、食べた感じは「生レバーにかなり近い」からそれで良いと思う。マレーシアでの私の親友だった日本人のシェフ(もう亡くなった)から、業界の裏話として「レバーで食あたりを連発した店があった」と聞いていましから(真偽は不明)なおさらです。
でも食あたりも「人による」んですよね。私は異常なほど耐性があって、まず食あたりの経験そのものが非常に少ないし、6人ぐらいで食事をして皆が食中毒を起こし、入院したのもいるなかで「私だけは何もなかった」なんてこともありました。でも旅先(韓国)でナマモノであたってホテルで3日間寝込んで点滴を打ってもらったこともある。逆にヨメさんは皆が大丈夫なのに一人だけあたってしまうような人。だからマレーシアでの食中毒にはかなり注意しています。息子もそうでパンタイ病院の救急に連れて行ったこともあるので、ほとんど平気な私でも注意せざるを得ない状態です。
その他、やっているうちに様々な壁にぶち当たりますし、それを超えるとまた新しい世界があって、低温調理って本当に面白い世界だし、「素人向け」だと思います。
また「低温調理器」にも【最低必要な機能、レベル】もあって、それもやっているうちにわかってくることで「安物はそれなり」と考えることも必要。特に温度が重要ですが、「そもそも正確な温度計は低温調理器より高価」なのも忘れちゃ駄目で、それは「自分が58度だと思っている」場合でも、【実際の温度は違う】ってことなのね。つまり、「他人との情報交換、レシピを見る場合」でもそれを考慮しないとならない。
つまり、このブログで書いている温度は「私の低温調理器のケース」でしか無いのね。
ただ今まで3台の低温調理器を使ってきて、「温度調整(キャリブレーション)」が出来る機能のものもあったし、ま、私の場合は大きなブレはないだろうとは思っています。
それと「お湯につける」わけですが、「お湯を常時撹拌する」ことも非常に重要で、それが弱いと「全体が均一の温度にならない」のね。
これは「冬のお風呂」を想像するとすぐにわかるはずで、お湯を張ったお鍋の中にも「コールドスポット、ホットスポット」があると想定することは大事で、「撹拌能力」も考えないとならないし、「素材の位置を変えたり」なんてこともしないとならない。
ある中華料理のプロが「丸鶏を茹でる」動画を見た時、「鶏の胸部分を時々お湯から上に出して茹でる」のがあったんですよ。つまり「胸肉は温度が高すぎるとパサパサになる」のをそのプロはそうやって調整していたということ。
湯で鶏も奥が深いですよね。
また「低温調理器のワット数」も重要で、ヨーグルトメーカーで低温調理をする人も多いようだけれど、「温度がなかなか上がらないシステム」で「少ない湯量」「冷蔵庫から出した冷たい素材」を入れたらどうなるのか。またヨーグルトメーカーに「撹拌機能」が付いているものは少ないはずで、だからやっぱり「中心温度を常に考えて作る」ことが重要になる。
私はと言えば、「胸肉、もも肉、鶏皮」は全て【ベストの温度が違う】わけで、「それぞれを別に調理をする」ようにして、「最後に合わせる」なんて実験もやりました。これって嘘だろ?みたいに思うかもしれませんが、和食の「炊合せ」って同じですよね。
ちなみに今、「胸肉、もも肉を一緒に低温調理することはない」です。丸ごと一羽とか半身でもやらない。
ただし、一歩進んで「嫌いな胸肉」を63度で低温調理した後に、「しっかり茹でた鶏皮で巻く」と美味しいのに気がついたり。(笑)
カロリーが~~~なんてことは考えませんし、「鶏皮料理」にも興味があって、どうもプロは「首の皮」を良く使うそうで、首の皮を売っている業者も見つけましたので(検索すれば簡単に見つかる)、そのうち実験してみるつもり。
画像をクリックすると販売業者のサイトが表示されます。1キロだいたい200円ぐらい。激安。
唐揚げですが、普通「皮を外側に巻くようにして揚げる」のが常識ですが、逆に「皮を鶏肉の真ん中に集めて揚げる」方が私は美味しいと思った。「鳥皮好き」はきっと皆さん同じ様に感じるかもしれない。ただし「脂の量が増えている」のは間違いがなくて、
カロリー関係なしの「鶏皮、ゼラチン大好き」の私ですから、そのうち、「鶏肉を別の鶏皮(首の鶏皮)で包んで揚げる」実験もする予定。多分、これが一番美味しいはず。(笑)
ただし「脂の量が増えている」のは間違いがなくて、それの調節も考えないと、カロリーは関係ないにしても美味しく作るには工夫が必要だろうとは思っています。茹でるのではなくて、フライパンで焦げないように焼いて「脂を抜く」のも重要かもしれない。あるいは「焼色が着いている鶏皮」を使ったらどうだろうかとか。
「鶏そぼろ」も大好物で、昔から「駅弁は鶏そぼろ弁当」とほぼ決まっていたぐらい。
当然、パサパサな鶏そぼろは好きじゃないわけで、そのうち「首の皮」を細かく刻んで混ぜ込むなんてこともしてみたい。(^_^)v
低温調理の知識やノウハウはどこから得るかですが、やっぱりユーチューブが私にはベストで、ただし「こだわりのある人」のしか見ません。初心者のを見ると結構トンチンカンなこと、「危ないことも」もやっていて、気になることも結構ある。
また真面目に勉強しようと思うなら、私は低温調理というより「プロが使うコンベクションオーブン」の使い方、調理方法を見るべきだと思う。今の時代、小さな店でもコンベクションオーブンを使う時代になったし、大型レストランやホテルがどんな使い方をしているのかを知るのが「最初の一歩」としては最適かもしれない。
意外と駄目だと思うのが「低温調理器メーカーのサイト」で、いろいろ実験している動画もあるのだけれど、温度の比較が「50度、60度、70度」だったりするのね。
それって「キリが良い温度を選んだ」のだと思うけれど、実際に調理する時には「50度~60度」の間で細かな区分があるし、今回書いた「鶏肉」に関しても「60度~70度」の中で変化をつけないとならない調理なわけです。そこのところがわかっていない人の情報から学ぼうと思っても、私は「遠回りするだけ」だと思います。
とは言いつつ、この動画のコラボ相手の凝り方は、私でさえ異常に思うし追いつけない。(笑)
でも言っていることはよく分かるし、その通りだと思う。
このCococoroチェンネルは私も好きなチャンネルで、主はお店を経営している人だけれど、いわゆるプロのシェフ、板前とは違う人。でもそれだけに私達素人には近い人で、彼は「調理は科学」だと信じているのね。そこは私も同じなわけで、彼の様々なチャレンジは良く理解できるし、真似るべきと思うところも多くあって、参考になるんじゃないかなぁ。彼は低温調理好きだけれど、決して「オタクではない」からとっつきやすいかもしれない。
海外の低温調理(Sous Vide)のYouTubeチャンネルとしては私はここがベストだと思っています。でも今はもう「ネタ切れ」なのがはっきりわかるくらいになっちゃいましたが、過去動画の中には重要なものが多くあると思います。
ついでと言ってはなんですが、「世界一理屈っぽい料理動画」だと思うのはこのチャンネル。「料理は科学」と考える入門編としても面白いと思う。
理屈っぽいのは無しにして、いつも更新が楽しみで、「私が真似ることが一番多い」のはこのチャンネル。