円高はどこまで行くのか? なにか「不穏な動き」があるような気がしてならない

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円高に動いているのは間違いがないものの、思ったほど円高になっていないと思います。どうしてなんですかねぇ。

私は「将来を予想しない」「大きな動きは関係ない」と言いながら、【為替に関しては別】です。なんせ為替の動きは我が家の資産を【直撃する】から。ま、それは私に限らず誰でも同じで、資産も為替上の分散をしていれば関係ないといえるでしょうが、我が家の資産はほぼ全て米ドル建てで、それは多くの日本人がすべての資産は日本円建てというのと同じでしょう。

円高になったほうが良いのか、円安の方が良いのかはそれぞれの考え方がありますが、私は当然、「円安のほうが嬉しい」し、日本経済を考えた場合もそれは同じです。ただ一般的には「輸入品が高くなる」「海外に行けなくなる」「外国人に日本が買われてしまう」とか気になる日本人は多いと思います。そもそも「今のインフレ」は【コストプッシュインフレ】なのは間違いがないはずだから、「円高の方が良い」と考える人も多い。

それぞれの都合とか状況、感情的なものを除いて「為替の動き」だけを考えた場合、「円高になる動きが鈍い」と私は感じています。

これって「投機筋のポジション」を見てもそうで、今現在の「円買いポジションの大きさ」は【史上最大】とのこと。つまり「まだまだ円高になるだろう」と読むプロが多いことを意味する

買いポジションが大きいというのは、今後は円高が進むだろうという読みがあるだけじゃなくて、実際に「買った」からポジションが大きくなっているわけで、それにしても「円買いによる円高の動きは小さい」と思うんですよ。

これって投機筋の見方とは別に「日本という国の本質」を考えた場合、【日本売りが定着している】ような気がするのです。つまり、「駄目な国(衰退国)の通貨は安くなる」という本質的なものがあるんじゃないかと。私がそもそもそうなんですが、「円高というと110円~120円ぐらいを想像してしまう」のね。だってついこの間まではそんなレベルで動いていたんですから。

でも現在、過去最大の「円買いポジションが積み上がっている」のに大きな円高にはなっていない。不思議に感じます。

USD/JPY 週足

だからこの140円~160円というのが「今の日本の実力」なのかと思ってしまう。

それと気になるのは、こういう投機筋の「買い」というのは【いつか売られる】ということ。これはいわゆる、株式を現物で買うようなものとは違いますから、「買えば、いつか売る」「売れば、いつか買い戻す」性質のもの。

つまり、過去最大の買いポジションはいつか「解消される」わけで、それは「大きな円売りである」ということ。その時に円はどこまで安くなるのか。

また、私の妄想としては、「今のトランプの政策はいつか行き詰まる」と読んでいて、トランプの思う通りに世界がアメリカに都合が良い様に動くようには思えないのね。

特に「関税政策」には無理があると思っていて、前にも書きましたが、かつてアメリカがにっちもさっちもいかなくなった1970年代~1980年代は日米貿易摩擦もあって、日本はアメリカに脅かされてかなり譲歩したにも関わらず、アメリカは良くならなかったのを見てきたから。

相手国をどれだけ叩こうが、「彼らの製品を買うしか無い」となれば、製品が関税分高くなろうと「アメリカの企業、消費者はそれを関税分を負担して買うしか無い」事が起きる。つまり「関税を上げる」と【輸出国が困ると大騒ぎをする】わけですが、これは一つの見方でしかなくて、本来は「輸入国の消費者が大騒ぎをするべきこと」でもあるわけですよね。

たとえば日本が「輸入される穀物と石油に25%の関税アップをする」なんてことになったら、日本中がパニックになるのと想像してみれば簡単にわかること。日本の株式市場も「大暴落」するはず。

またその場合、「インフレの再燃」が起きるわけで、それではトランプの目標と逆になってしまう。

関税を高くして「自国産業を助ける」あるいは「米国に製造業が戻って来るのを望む」にしても、もうすでに「衰退したアメリカの産業界にそれだけの力が残っているのか」が問題。「アメリカの雇用を増やす」にしても、アメリカの労働力、それは技術者も含めて、アメリカの産業界を盛り上げる力はないかもしれない。

それがまさに1970年代、1980年代に起きたことだったのね。アメリカは日本の自動車産業をやっつけようとしたけれど、アメリカでは日本製自動車の代替となるアメリカ製自動車は作れなかった。

この状態は今でも同じだろうと私は思っていて、アメリカがこれから売れるものは「農産物とエネルギー関連」ぐらいしかないかもしれない。

ただし、過去の貿易摩擦でも「外国企業がアメリカ国内に工場を立てる」動きは活発化したし、日本もそうしたわけですが、それは今回も同じで、すでに「アメリカ国内での工場設立」の話は多く出ている。

でもそれにしても「労働力の質」に関して私は問題があると思っていて、工場をアメリカ国内に立てれば良いってもんじゃないと思っています。でもま、最先端技術を使ったAIとロボットが多く動く工場なら違うのかもしれない。

ま、どちらにしても「結果が出るまで何年もの時間がかかる」わけで、それらが稼働する頃には「トランプ大統領はもういない」はずで、トランプは少なくとも2年後の中間選挙で「目に見える実績」を作らない限り、民主党に負ける可能性もあって、トランプはレームダック化することも起きるかもしれない。

だから「結果が早く出ること」をトランプは優先するはずで、関税の引き上げ、無駄な支出を減らすことで「火の車のアメリカ政府の財政は多少良くなる」かもしれない。でもその急激な変化によって、「危ないのが株式市場」なはず。

そして「株式市場を一度クラッシュさせる必要もある」と私は思うんですよ。

つまり「景気を悪くする」必要があって、それをしないと【金利を下げることが不可能】だから。

アメリカ政府が巨大な借金をしているのは周知の事実ですが、すぐ目の前に「借り換えをしないとならない額が巨大である」という問題がある。この借り換え時に「金利が高い状態だと、アメリカ政府は今以上に困る状態になる」はずなのね。

これのことです。

だから「トランプ政権の喫緊の問題」は【金利を下げる事】と言ってよいはずで、そのためには「株式市場を犠牲にする」こともあり得るということ。

でも株式市場がクラッシュしたら、株式投資をしている国民の比率は高いアメリカでは「選挙に勝てない」ことを意味する。

さてさて、トランプはどうするんでしょうか。

ここでもう一つの「もしかしたら・・」というのが出てくるのね。

それは【プラザ合意の再来】です。アメリカの貿易赤字がどうにもならない状況になって、アメリカは「為替取引は自由市場である」のに、主要国に「各国の為替の切り上げ」を迫ったのね。

プラザ合意とは:

プラザ合意とは、1985年9月22日に米国ニューヨークのプラザホテルで開かれた、先進国5か国(G5)による為替レートの安定化策に関する合意です。
【プラザ合意の内容】
基軸通貨であるドルに対して、参加各国の通貨を一律10~12%幅で切り上げる
外国為替市場で協調介入を行う
【プラザ合意の目的】
ドル高を是正し、アメリカの貿易赤字を削減する
アメリカの輸出競争力を高める
【プラザ合意の影響】
日本では円高が進行し、輸出が減少したため、国内景気が低迷した
円高不況に対する懸念から日銀は低金利政策を継続し、不動産バブルを引き起こした
低金利局面と金融機関による過度の貸し出しが過剰流動性を招き、株式や不動産への投機が加速した
円高による不況が深刻化する中、金融政策の緩和と財政的な経済対策が施された結果、国内需要の回復により、円高不況を脱した

これってアメリカによる「突然のルール変更」で、スポーツ界でも「勝てないとルールを変える」のと同じ。

この異常さってその時代を知らない方でも想像できると思うのだけれど、さて、歴代のアメリカ大統領の中でも「異質」という意味ではナンバーワンのトランプは「強引な改革」を進めているし、「結果を急いでいる」のは間違いがなく、プラザ合意と同じことを言い出しても全く変だとは思えず。

話は一番最初に戻りますが、今現在、「投機筋の円買いの残高は史上最高」というのはなんらかの一般的ではない「読み」、あるいは「情報」を持っているのかもしれないような気もしてくるわけです。そもそも「円買いドル売り」というのは両国の「金利の差」を【毎日支払う必要がある】わけで、それをしてでも「円買いポジションを史上最大級まで大きくしている」のはそれなりの「確かな読み」があるからかもしれない。

その懸念は全くの的外れでもなく、その危険性をいう専門家もいる。

そしてその合意の名前までもう付いている。もしその合意があるとすれば、トランプの別荘で会合が開かれるだろうということで、

「マール・ア・ラーゴ合意」

と言われている。

さてさて、どうなりますか。トランプは「円安」に文句を言っているし、彼なら強引に1ドル120円ぐらい、あるいは100円近くにまで持っていくことはやるんじゃなかろうか。

でもそれは「円高になる」というより「アメリカドルの切り下げ」なわけで、これによる世界経済への影響って計り知れないと思う。また「トランプの大げさな言い方」を想像すると、「このままではデフォルトすることになる」ぐらいのことはいうかもしれない。

どちらにしても、私としては「今までにない、何かとんでもないことが起きそう」な【忍び寄る足音】を感じています。

 

 

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