今までブログではヘッジファンドのことを書いたことはありませんでした。だってヘッジファンドの世界のことをほとんど知らないから。
ただ「投資」の世界で彼らがやっていることは大体わかっていて、それは「投資家」でありながら「世界の機関投資家」「プロの投資家」「一般的な投資家」とは違うのね。「考え方、手法が違う」。
昔からヘッジファンドへの風当たりは強くて、「投資家の風上にもおけない」という言われ方をしていた。ヘッジファンドの中にもいろいろあって、「企業を買収」してから、なんと「企業をバラバラにして売りさばく」なんてこともあったから。
例えば今日本では問題になっている「フジテレビ」にしてもPBR(株価純資産倍率)が1以下ですよね。0.5ぐらいだったか。これが何を意味するかと言うと「一株あたりの資産」が株価の2倍あるということで、その株を買って値上がりを期待するより、「会社を手中に収めたら、精算して資産を売却」するほうが手っ取り早いということが起きる。
そんなことが簡単に出来るのか?と思うけれど、大企業は別にして、また経営が順調に行っていようがいまいが、「資産を多く持つ会社」はいくらでもあって、そういう会社で「株価が安く、PBR(株価純資産倍率)が低い」場合は「ハゲタカファンドに狙われる」のは昔から言われていたこと。だから「自社株買い、株の持ち合い」をしたりする。で、ハゲタカファンドとしては株主総会でイニシアジブを取れるようになったら【解散】させると大きな利益が出る。あるいは主な不動産は売却して、売却益を配当として取るとか。
ところが買収される側はそんなことを全く知らなかった、なんてことが起きるわけで、だからそういうことをするファンドは「ハゲタカファンド」なんて呼ばれることもあった。つい最近も「船井電機」というメジャーじゃないけれど「電化製品の輸出」では有名な企業も「跡取りがいないので会社を譲渡」しようとしたら詐欺にあって「倒産」しましたが、「今後も会社を良くして欲しい」なんて思って売ったら「解散してしまった」なんてことは過去にもあったこと。
また大手の投資家で神様と言われるウォーレン・バフェットと並んで有名なのがジョージ・ソロスですが、彼らの手法、考え方は大きく違う。バフェットの場合はいわゆる「投資の基本に忠実」と言われるけれど、ジョージ・ソロスは「利益チャンスがあればなんでもする」、いわゆる【投機家】と言われる。たとえば英ポンドが割高だと読んで、英ポンドを巨額の資金を使って「売った」のね。これにイギリス政府は対抗したのだけれど、なんとイギリス政府が買い支えできずに敗北したなんてこともあった。またアベノミクスの量的緩和の円安で莫大な利益を出したり。
また「アジア通貨危機(1997年7月にタイの通貨バーツが急落したことをきっかけに、アジア各国で発生した通貨危機と経済危機)」がありましたよね。あれもヘッジファンドが仕掛けたわけで、国そのものがターゲットとなった。それがあったからマレーシアでは「リンギットを世界市場には出さない(non-tradeable outside the country)」と決め「箱入り娘状態」にしたと聞いています(要確認)。だからマレーシアリンギットにはFXもなければ先物、オプションも存在しない。私がマレーシアリンギットを積極的に持たないのはそれも理由の一つで、「値下がり時にヘッジのしようがない」のね。当然、「積極的に売買益を狙う」ことも不可能。
ヘッジファンドも「どんな手法か」という点では4,5種類に分類されていて、アービトラージを専門にするファンドもあるようす。
どちらにしろ「格安の株を買い、値上がりを待つ」というような【投資の王道】とは違う考え方で利益を狙う集団で、大手の機関投資家はやらないと言われるような【空売り】も積極的に行う人達。
だから「嫌われ者」みたいな言い方をされるのだけれど、彼らが利益を出す時にはえげつないと言っても良いくらいの利益を出すし、機関投資家や銀行、生命保険が「自分ではそういう投資はできない」けれど、「ヘッジファンドに投資する」ことはやるみたいね。
主だったヘッジファンドがどのくらいの資金を動かし、どのくらいのパフォーマンスを出しているかの表。
ま、ヘッジファンドはやっぱり「投資」ではなくて「投機」と見るのがわかりやすいと思うのだけれど、デイトレーダーや短期売買をする人たちの考え方、手法は「ヘッジファンドとかなり似ている」と思っています。つまり、株式でも先物でも「値上がり期待の長期投資」ではないわけで、【値動きや価格にひずみがあるところ】に彼らは出てくるのは「デイトレーダー」も全く同じだと思う。「買い」だけじゃなくて「売り」をするのも同じ。
だから私は「同じムジナ」だと思っているのだけれど、では実際に彼らがどういうアルゴリズムを使ってどんな売買をしているのかは全くわからない。
でもヘッジファンドでは「天才的な数学者、ITエンジニア」を多く雇って「戦略を研究し続けている」のは間違いがなくて、私がやっているような「トレンドを重視してその方向に出撃して利益を狙う」なんて、ましてや「アナログ的な売買」は彼らからしたら「子供の遊び」レベルなんだろうと思う。2,3歳の子どもが「積み木で遊ぶ」レベルかもね。(笑)
でも面白いのは、そういう私のような「雑魚レベル」のことは彼らはしないし、同じ土俵には降りてこないのね。その理由は簡単で、私達みたいな雑魚が生息する世界は「小さすぎる」ということ。つまり「大きな利益を狙えない」わけで、それは漁師で言えば「小さな漁船で手釣りする漁師」の世界に、「大型漁船を連ねてその漁場に入ってくることはない」のと同じ。
だから私は「すみ分けは出来ている」と思っていて、今はすでにAIが積極的に使われている世界と言われていますが、私が「AIのせいでトレードが難しくなることはない」と楽観しているのはそれが理由。私だって有能なAIを使いこなせるとしたら、雑魚のデイトレーダーがシコシコやっている世界でトレードしようなんて思いませんもの。
もし私が数千億円、数兆円の資金を預かって運用しているとしたら、絶対に「数ピップスを抜くデイトレード」なんかやらないし、できない。でも逆に、「もっと細かい利益」を「マイクロ秒(100万分の1秒)」という速さでトレードして抜く超高速取引(HFT:High-Frequency Trading)は活発で、その取引高は全体の取引高の50%以上あるらしい。
なぜ彼らは一般的なデイトレの世界に入ってこないのかは、「出来高が小さすぎるから」なのね。つまり彼らが売買しただけで「値が動いてしまう」事が起きる。でも「出来高が大きな銘柄、投資対象」もあるわけで、そういうところでは我々雑魚も「大手と戦う」事が起きますが、その時には「大手が取らない売買手法」で対抗するわけです。
雑魚は雑魚で「ゴミ拾いと同じ」と考えていれば、彼ら大手とぶつかることはないのね。コバンザメはコバンザメとして生きる(笑)。でも「ゴミ拾い」だとしても「年間億単位の利益を狙える世界」だから巷のデイトレーダーたちは頑張るわけです。でも年間、数百億円~数千億円単位の利益を狙うヘッジファンドには「デイトレの世界は小さすぎる」ということ。あるいは大きな資金を動かせる投資対象、時間軸で「大きな利幅を抜く」しかない。
また巷には「投資顧問」「アドバイザー」が結構いて、「かつては大手銀行の有名ディラーだった」なんて人もいる。そこで「彼らの真似をしよう」と思うのは「ちょっと違う」と私は思っていて、「彼らの考え方、読み方」を知るのは重要だけれど、私達雑魚が戦略を練る時には「彼らの裏をかく」と言っては大げさにしても「彼らとは違うこまめな戦略を取る」こともデイトレーダーには重要だと考えています。
ま、こういう考え方は私は若い頃に起業して「零細企業」としてやってきたから「背伸びしたら大手とぶつかり、やられる」のがわかるのね。これは「自然の生態系」も同じだと思っていて、海の中には「漁礁」があったりするじゃないですか。そこは「小魚、稚魚のサンクチュアリー」みたいになっていて、小魚と稚魚だけしかいなくて、そこには「大型の魚類は入ってこない」のね。岩場の浅瀬と同じで、その中ではその中で死闘が繰り返されているけれど、そこに1メートルを超える「大型の捕食魚」は入ってこないし、人間の漁師もそんなところで漁をしようともしない世界。
逆に小魚が大海に出ると、あっという間に「大型の捕食魚の餌食」となる。
私は「株式の長期投資の世界」もそれと同じだと思っていて、「新参者の雑魚が利益を出す」にはそれなりの作戦が必要で、「ガチホで売らない戦略」なんてのは「自ら大型の捕食魚の餌となろうとしている」ように見えるわけです。
だからデイトレードでもそういう「ニッチの世界で生きる」ことが私は長生きの秘訣だと思っています。
ま、その辺の話は横に置いといて、では「莫大な利益を狙うヘッジファンド」の中心部でアルゴリズムなどを考え出す人たちがいて、まさに天才級の人が集まっているはずだけれど、彼らがどのくらいの収入があるかの説明動画がありました。新卒のプログラマーに1億円以上の年収を提示する有名なヘッジファンドもあるらしい。自ら売買を決定するファンドマネージャーになると成功報酬もあるわけで、桁違いの報酬を得ることもあるのがあの世界。
その辺の普通、私達にはわからない世界を説明する動画がありました。「自信がある若者はチャレンジするのも良いだろう」と言っている。
この動画の主である若い女性もちょっと変わっていて、「東大卒でグーグルやフェイスブックでプログラマ、ゴールドマン・サックス」などで働いてきた経歴の持ち主。またそういう「高額の報酬を狙う人たち」に対する教育、援助プログラムもこの女性は持っている様子。
世の中には本当に桁違いにすごい人たちがいるんですね~~~。
でも私は彼らと同じようなことをしようとは思わない。身の程を知っているから。
スポーツには「体重でクラス分け」をするのがあるじゃないですか、ボクシングも柔道も同じ。だから「その中で戦える」わけで、もし「無差別級しか無かったらどうなるのか」を考えると私達はどうするべきかはすぐに分かる。
「投資の世界も同じ」だと私は思っています。
雑魚には雑魚にしか出来ない「有利な場所、戦い方」があるってこと。
ただ、AI開発というか「AIを育てる」のに、今までなら「こういう時にはああする、ああいう時にはこうする」という無限に近い「ケース」を積み上げて人間の思考や行動を覚えさせていたのが、最近は「条件をつけずにAIが勝手に動く」ことをさせて、「自らどういうときにはどうするかを学ぶ方法」を取っているという技術者の話を聞きました。それもですね、仮想空間でそういうロボットを4000台以上動かすのですと。
それをやっている内に、それぞれのAIロボットが自らベストの考え方、行動をしだすのだそうで、それを取り出して現実世界のロボットの脳に埋め込むのだそう。そうすると何も教えていないのに、臨機応変に、滑らかに、人間みたいな動きをするらしい。その技術は「車の自動運転」にも導入されていると。
つまり「デイトレ」でも過去のデータは山ほどあるわけで、その中で「勝手にデイトレ実験をやらせて、良い方法を見つける」なんてこともやるだろうし、それぞれにUSD/JPYの1分足とか、私が今やっているFXの場合の5秒足とか、あるいは30秒足、5分足に特化したAIを動かして、それぞれが最良の手法を生み出すなんてことも可能かもしれない。
それが出来たら、FXだけでも中心になるペアは5種類以上あるし、それぞれの時間足が違うものも含めれば「24時間、25種類のデイトレロボットを稼働させる」なんてなるかもね。そしてデイトレが出来る対象って株式も含めれば何百何千とあるし、それぞれ時間軸が違うトレードもさせれば、常時、数百数千の「デイトレロボットを動かす」ことも可能な時代は来る。
今の超高速取引(HFT:High-Frequency Trading)はありとあらゆる銘柄で動いているはずで、それの延長というか関連で、将来的にはデイトレの世界に彼らが入ってくるのは確実だと思う。
今の時点ではデイトレーダーがチマチマやって1トレードで千ドル以下の利益を狙うしかないような世界でも、数百数千のデイトレロボットがありとあらゆるデイトレ対象で24時間休み無しに動けばトータルとしてとんでもない額になる。
そんなことに目をつける、天才数学者、天才プログラマを抱えるヘッジファンドも出てくるかもですね。
というか、デイトレーダーの中にもとんでもない才能を持っている人たちも多いわけで、彼らがそんな「AI時代のデイトレ」を築くかもしれない。
私が思うに、そんな時代は「5年以内」に来るんじゃないかと。
でもそんな時代になっても「値は波を作りながら変化していく」という大原則が変わることはないはずで、私としてはその中でチンタラ稼いで生きる道は見つかりそうな感じはしています。 (笑)