米が高いのをJAのせいにするのはやっぱり違うと思うなぁ

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そもそも「米が高い」と皆が文句をいうのに関して、私は「おかしい」と思っているのは前にも書いた通り。

その理由は簡単で、「今まで米が安くなりすぎていた」から。

「2倍になった」というけれど、「安値から2倍になった」と怒るってなんだかおかしくないですかね。「高かった頃は忘れちゃったの?」と私は言いたい。

またメディアも変で、2倍になったところだけのグラフを出すのね。これでは「かつて米は高かった」のがわからないじゃないですか。

そりゃ、今の日本は「生きるのに大変」だから【全ての値上がりに腹が立つ】のはわかるけれど、それの犯人探しをしても何も解決しないじゃないですか。

まず基本中の基本に「日本国民の米離れ」があって、米が売れなければ値は下るわけで、「政府は減反政策」を取って「米の生産量を押さえてきた」。それじゃ米農家が食えないから「減反、転作をすれば補助金を出す」という方法を取った。

そんな状態で「天候の悪化で一等米が少なかった」「インバウンドで需要が伸びた」などで流通量がタイトになれば値上がりするのは必須。

それでも米農家はどうにか生きている状態で、「米生産でどれだけ利益があるか」といえば「赤字かトントン」で、毎年数万件の米農家が米生産を止めている。

だから数日前に「JAが米が安すぎる」と言ったら非難轟々。

「米農家を救え」とは誰も言わない。

なんだかおかしくないですかね。

ただし「今の状態で米農家を救う」となると、「本来ならやっていけない零細企業を延命させる」ことにしかならない。

結局そこには「農家を票田とする自民党」が彼らを助けてきたから「合理化が進まなかった」ということに他ならない。

私は昔を思い出すんですよ。

昔は「内職業」なるものがあって、私も私の父も「輸出用の弱電関係の部品」をパッキングして梱包して段ボールに詰めて輸出するなんて作業を「内職屋」に発注していたのね。また昔から「家にいる奥様方相手の内職紹介」なんてのが随分あった。それこそ「封筒の袋張り」みたいに1工程何十銭とか何円で細かい仕事をお願いする。

また中小企業よりもっと小さなトーチャンカーチャンだけの零細企業も多くあって、下町には「旋盤一台持って仕事をする人達」なんていくらでもいた。

でもそれらは「時代とともに消えていって、合理化がなされた」わけで、そういう細かな作業をして小さなお金を集めるような人達を救えなんて誰も言わなかった。

だから今はあちこちで合理化が進み、多種多様なロボットが動き、AIも活用される今がある。

でも「米農家」は取り残された。自民党が残したということも出来ると思う。

もしも小さな農家を集めて「大きな圃場にし、合理化を進めたらどうなっていたのか」ということだと思うのね。今、大規模農家もいて大きな田畑に大型機械を入れ、ドローンやAIを駆使する大規模農家は「大きく生産コストが下がっている」のは間違いがなくて、「お米の大量輸出も可能」なのが視野に入っているという。つまり「安い」と言われる「アメリカ産の短粒米」と勝負ができる所まで来ていると。

だから「今の業態がそのまま」としたら「JAが言う米が安すぎる」というのはその通りで、占有率が大きな零細米農家は生きていけない。でも高値を維持して零細農家を助ければ「日本の米生産の将来はない」と言える。

だから国民が声を上げるとしたら「米が高い」というのじゃなくて「米生産の合理化を進めろ」という声を上げて政治家を動かすしか無いんじゃない?

あるいは「零細米農家をこのまま放置するな」というべきか。

【放出米をもっと増やして、それを流通業者に流せば米の価格は下る】と多くの人が言うけれど、それって解決策なんですかね。

では「零細農家を犠牲にするべきか」というとそれも違っていて、農地を集めて大規模圃場にするにするにしても「農地を取り上げるわけじゃない」し、当然、「地代は支払われる」わけで、その収入のほうが自ら小さな農地で米生産するより「収入は上がる」と言われている。

そして「合理化が進み生産コストが下がる」ことによって「自ずと米の価格も下がる」し、だからこそ「輸出も視野に入ってくる」ということでしょう。それは前にも紹介したニュースに出てきた「大規模農家」も言っている。

でも彼らとて農地を借りるにしても簡単ではなくて、小さな農地が点在しているような「大規模農家」なのがわかる。でもそれでも「コストは大きく下がる」と言っている。

だからやっぱり国民としては「現状把握」が重要で、「二倍に値上がりしたから気に入らない」のはわかるけれど、じゃぁ「安くなればそれでよいのか?」ってなるじゃないですか。もし現状のままで安くなったら「米農家はどう生きていけばよいのか」って話になる。

それとも「農家がどうなろうと知ったこっちゃない。米を安くしろ」と言う?

それって「生きるのが苦しいから他人の富を奪ってでも生きる」というのと同じで、そしてそういう発想は「日本人的ではない」と私は思うのね。

解決策がないのなら、そりゃ命をかけて富の争奪戦をするのもしょうがないのかもしれないけれど、米に関しては「皆がWin-Winになることが可能」なのは見えているのだから、やっぱりそちらに動くようにするべきかと。そしてそうするには「国民の声」が何よりも大事なわけで、「高いのはけしからん」と言い続けても何も変わらない。

JAだって「米が安くなることをしたくない」のは見えているじゃないですか。だから「JAを外せ、潰せ」なんて声も聞こえるけれど、そしてJAそのものも問題があるのは間違いないにしろ、とりあえず「米の問題」に関しては「農地の集約化と合理化でどうにでもなる」のがわかっているのだから、そちらの方へ大きく動くように政治を変えるしか無いんじゃない?

でも逆療法もあるのかもね。

米を安くして、「やっていけない米農家はさっさと潰れるように仕向ける」なんて考え方もある。

だからこそ大規模農家も「農地を借りることが出来ている」という現状もあるのかもしれない。

かつて日本では繊維やおもちゃ、弱電で稼いできた中小企業は多かったけれど、時代の流れとともに多くは潰れ、撤退するしか無くて、それを政府が助けるなんてこともなかった。

だから合理化、転業も進んだわけで、「弱小米農家を助けるのが悪い」という論法も成り立つのかもしれない。

でもねぇ、「米は日本を代表する産物」なわけで、歴史的にも最も重要な食料で、その生産に従事していたご先祖さまも多いわけで、ここは「穏便」に方向転換をするのが良いと思う。

それはつまり「政治を動かす」ということで、国民が声を上げなければ政治は動かない。

いつの日か、あちこちの大規模圃場でアメリカみたいに「米を大量生産」して、「日本が米の輸出国として躍り出る」なんて時代を夢見たい。

そもそも、米を作らずに転作をすると補助金が出て、その額が毎年3500~4000億円っておかしくないか?「米を作らないことによって、米農家は生きている」というおかしなことが起きている。米を作れば赤字かトントンなのになぜ米農家が生きていられるかというと、「転作も同時に行って補助金をもらっているから」。でも転作補助金の年数は場所によっても違うけれど「概ね5年間」とのこと。

減反や転作に補助金を出すのと同じ様に「大規模農家に農地を貸せば奨励金が出る」なんてことも出来るんじゃなかろうか。自らコメを作りたい零細農家は「ゾーンを作ってそちらに移ってくれれば奨励金」とか。「廃業にも奨励金」とか、やっぱり「お金で解決する」しかないと思う。

また外国産の米に高い関税を掛けるのを認めさせるために、「外国産の米を輸入しないとならない枠」があって、それを買値より安く放出して、その損失額も年間600億円にも達していると(この数字は曖昧。要チェック)。

こんなことさえ我が日本は解決できないんですかね。

 

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