トランプの「高関税」は続く。今現在と過去の「世界大不況(1929年)」との類似点。

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私は一貫して「トランプは高関税で大きな歳入増を目指す」と書き続けてきました。

その理由は簡単で、アメリカの今の問題は「莫大な額でどんどん増え続ける借金」と「未曾有の額に達した利払い」であって、これをどうにかしない限りアメリカの将来は無いのは間違いないと思うから。当然、今までのように借金をしてお金をばら撒き、経済発展や株式市場を支えるなんてことはもう出来ない。

でも不思議に世界は「高関税」ばかりに焦点を当ててきた。

というか、各国にしてみれば「アメリカの財政上の問題は他国の話」でしかなくて、「自国を中心に考える」とするならば「高関税は望ましくない」ということがあるからでしょう。でも近視眼的に見るのではなくて、全体を俯瞰してみれば「問題の根源」はすぐにわかるはずで、「貿易不均衡の是正」がアメリカの喫緊の課題なんかじゃないのは誰にでもわかるじゃないですか。そりゃ貿易不均衡は問題ではないという意味ではなくて、そもそもトランプがなぜ大統領になったのかを考えても「Make America Great Again(MAGA)」なわけで、それは決して貿易不均衡の是正なんて話じゃない。

「このまま行ったらアメリカは潰れる」という緊張感をトランプが持っているのは誰にでもわかるはずで、貿易不均衡なんてのは「歴史と経済や産業の構造」が大いに関係していて、それを是正させるにしても10年、20年、あるいはもっと時間が掛かるはずで、たった4年の任期しかないトランプに、なおかつ来年は中間選挙もあるのに「気の長い計画を持つはずがない」と私は思う。当然、すぐに解決しないにしても「その方向性を作るのは重要」で、トランプがそれに注力したところで「その効果は目に見えるものではない」じゃないですか。つまりそれで「中間選挙は戦えない」のは明らか。

ましてやここが重要だと思うのですが、「貿易不均衡が是正された」としても、「アメリカという国家の財政問題」が解決出来なかったら何の意味もないということ。

ではなぜトランプは「貿易不均衡」を口に出すのか。

それの答えは簡単だと私は思っていて、「高関税を課す」には【貿易不均衡が大問題だ】というしかないんじゃないですかね。

「歳入を増やすには高関税を課すしかない」のはわかりきっていて、「増税が必要」だとしても、国民や国内企業に重い税負担を課すことは不可能。だから「高関税を課す」という【史上最大の増税】をトランプはやる。でもそれには理由が必要で、その理由が「貿易不均衡である」ということでしかないと思う。でも重要なことは「貿易不均衡の是正ではない」のであって【高関税という増税】なのでしょう。

でもそれで歳入は増えたにしても、「実際にその高関税を負担するのは誰か」という問題がある。

各国が慌てているけれど、これも私には短絡的に思えるわけで、あるいは「関税が高くなったら売れない物を売っていたという自覚があるから慌てる」とも言えるはずで、「アメリカが買うしかない物を輸出しているとしたら大慌てすることではない」かもしれない。つまり「関税を負担するのは輸入側、最終消費者」だと私は考えていて、それはアメリカ国民でありアメリカの企業となる。

例えば日本で「石油、天然ガスの関税を大幅アップする」と決めてもカタールやサウジ、マレーシアやオーストラリアが慌てることはなくて、大騒ぎになるのは日本国内じゃないですか。私はそれと同じだと思う。

これが何を意味するかと言うと、国民が「貿易不均衡に腹を立てて、高関税を課すのは当たり前だ」と考えたところで、いつか「俺達がそれを負担することになるのか」と気が付き、その思いが広がるときがいつか来ると私は危惧しています。

またアメリカは「ドル安を望んでいる」というのも私には理解できなくて、そりゃ「通貨安となれば輸出はしやすい」にしても、アメリカは輸入超過で今、高関税をかけようとしているのに、ドル安になったら大変なことになるじゃないですか。輸入価格は上がり、それに高関税が課されたらどうなるかなんて簡単な算数でわかること。だから今は「ドル高」に持っていったほうが「高関税の影響は少ない」と私は思うくらいで、いつの日かアメリカの製造業も復活して「輸出競争力が出てくる」時には「ドル安は追い風になる」とは思うものの、今、ドル安になったらアメリカ経済への悪影響は強すぎると思うんです。

ま、これからどうなるか、また問題が表面化した時にトランプはどんな作戦を持つのか私には想像さえ出来ないのだけれど、【まずは歳入を増やし、歳出を減らす(利払いを減らすことも含む)】ことを最優先すると思う。

当然、リスクは大きくて、「インフレの再燃」「金利の上昇」「失業率の上昇」「株式市場の暴落」もかなりの確率で起こり得ると思う。つまり「最悪のスタグフレーションはほぼ間違いなく起きる」と私は読んでいて、それを回避して「アメリカ財政の立て直し」は不可能だろうと見ています。

それでもやらないとならないほど「アメリカ政府のお財布事情は非常によろしくない」状態で、私達の健康と同じで「リスクはあるけれど大手術をしないとならない状態」だと思う。

トランプは各国とのディールをやりながら「関税の掛け方」や「方針」をコロコロ変えるけれど、私は「高関税を掛ける」という一丁目一番地は変わらないと見ています。そうじゃないと本当にアメリカは破綻するから。

近年、MMT(現代貨幣理論)が花盛りで、「借金を増やしても問題ない」というのが「積極財政派の論拠」になっていることが多いですが、私はMMT理論には「限界がある」と思っていて、まさにアメリカがそれを見せている状態だと思っています。

MMT(現代貨幣理論)とは、自国通貨を発行できる政府・中央銀行は、自国通貨建てで国債を発行している限り、財政赤字を拡大してもデフォルト(債務不履行)することはないという理論。

さてさて、これからアメリカに何が起きるのか。「何が表面化するのか」というべきか。

それには1929年に世界が経験した「世界大恐慌」を改めて見てみる必要があると思う。

世界大恐慌時と今の類似性。今後の見通し、起こり得る事。

【必見!!】

私は当然、1929年には生まれていなかったけれど(笑)、【万策尽きた】という経験は我が人生で複数回あります。

やっぱり何が怖いって「万策尽きる」ほど怖いものってないのね。

「資産もお金も収入もなくなる」「仕事がそもそもない」「将来に希望がない」状態ってことですが、これって一度でも経験すると「絶対に二度と味わいたくない」と誰しもが思うはずで、それどころか「その時に生き延びられるかどうか」も定かじゃないのね。

だから世の中には「自ら命を断つ」人も多いわけで、「家族離散」なんてレベルのことは簡単に起きる。

結局ですね、「将来の危機に備える」というのは【そういう危機が来ることも想定する】ということだと思うんですよ。

「お金もない、資産もない、仕事もない」状態を想像することは非常に大事だと思うし、私の感覚だと私の親族や友人を見ても「そんなことは簡単に起きること」だとしか思えない。

でもそういう人達って「周りから消えていく」のね。だから「そんなことが頻繁に起きていることだとは思わない」事が起きる。実際に今、自分の周りを見渡してもそういう状態の人は今のところ、【いない】。

でも「過去に消えって行った人」って人生70年以上も生きていればかなりの人数がいて、フト思い出してみると「親戚」も含めて「友人」も消えていって今はどこでどうしているのかもわからない人達の「顔」を思い出すことが出来ます。

中には「復活」を遂げた人達もいるとは思いますが、そうだとすれば「なぜ未だに連絡を断つことを続けるか?」と思うのね。

ゴールドコースト時代では、仲の良かった(かつてはかなりの金持ちだった)友人が「(ゴールドコーストで)起業しては失敗」を数度繰り返し、結果的に家族にも見捨てられて離婚もし、最後は一人寂しく小さなアパートで孤独死をしていた、なんてことがありましたが、それも「あり得ること」であって、そんな人生を送るなんてよっぽどおかしな人だったのだろうと思いがちだけれど、そんなことは全く無いのね。彼は経営者としては私よりもずっと経験も実力もある人だったし、でも「不注意な点がある人」だったのは確かで、結局がそれが災いして失敗を繰り返すことになったのだけれど、その「不注意な点」にしても普通の人なら気が付かないような、小さなことでしかない。それも彼の失敗を見ていた私だから「あれが失敗の原因だろう」と思うだけのことで、そういう不注意な点があれば必ず失敗するというほどのことでもない。

「一寸先は闇」というのが私の人生観で、ひょんなことで「不幸のドツボにはまる」事が起きるのだろうと思う。

だからといって「なるようにしかならないさ」と気軽に生きたらもっとヤバいことになると思うし、日本では「下流老人」なんて言葉もできて広まったけれど、そう言われる老人たちも「まさか自分がそうなるとは思わなかった」というのが事実だろうと思う。

「想定外のことも必ず起きる」のが人生だと思うし、「想定外を想定する必要がある」なんて私はわけのわからないことを考える様になったけれど、「お金もない、資産もない、仕事もない」状態を想像することは決して難しくないし、【その時は来る】という前提で自分の将来設計を考えると「隙だらけ」なのもわかるのね。

ではどうするか。その時が来ても大丈夫なようにするにはどうするか。

解決策はあると思う。

でも当然、それは簡単なことではないのはわかるから、「あえて考えない」ように自分の心理は動いてしまう。

 
 
 

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