夫婦の「絆」

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我が家の「夫婦関係」って良いんだか悪いんだか、私も良くわからないんですよ。

とにかく「喧嘩」は多い夫婦で、お互い頑固だし、自分の悪いところは認めないし、すぐに「口論になる」夫婦。

だから「一緒の部屋に寝ない」なんてのはもう30年前からそうだし、それは「旅行」に行っても同じで、「狭いホテルの部屋で二人で寝る」なんてのは絶対に不可能なのね。喧嘩になるのは「500%間違いがない」から。

だからかつて二人で日本に帰ることはあっても「ビジネスホテルを二部屋借りる」なんてのが普通で、高級ホテルで二人でゆっくりなんて出来ない夫婦。ただ息子も一緒に旅行に行くようになると3人だからそもそも普通のホテルの部屋で大人3人は無理で、二部屋借りて「私と息子は同じ部屋で寝る」のが普通。あるいは2ベッドルームある「滞在型のホテル」じゃないと泊まれない。

毎日の生活もそうで、「二人の距離が近いとすぐに喧嘩が始まる」のね。(笑)

そんな夫婦仲を知っている友人は「仲が良い証拠」なんて言うのだけれど、私もヨメさんも「冗談じゃない」と思う。

じゃ、別れようという話も出てこないのね。ま、そんな若い頃もありましたが。(笑)

一体、何が私達を繋げているのかと考えると、それは「本質的な優しさと真面目さに敬意をもっているから」かもしれない。

今回もそれを感じたことがありました。

私が「大根カイワレを育てる」のを再開したのはブログに何度も書いていますが、先日、収穫して食べた大根カイワレの「プラスチックのボックス」を探していたんですよ。カイワレを収穫して料理に使ったのはヨメさんで、収穫後のプラスチックボックスで新たにカイワレの種まきをしようと思って、キッチンにあるかと思って探しても無いのね。

「あのカイワレのプラスチックボックスが無いのだけれど、捨てちゃった?」とヨメさんに聞いたんですよ。

そうしたら、「私の部屋にある」というのね。「なんで?」と聞いたら、「新しく芽を出した種があったから育てている」というんですよ。

私にしてみると「嘘だろ?」と思うほどの驚きで、そういう収穫後の残り、発育不全の種は、私は当然捨ててしまうのに、カイワレを育てるのに「また始まった」なんて冷ややかな見方をしているヨメさんが、まさか「残った数個の種を大事に見守っている」なんて信じられなかったのね。

で、ヨメさんの寝室に入ってみたら、部屋のど真ん中の床にそれが置いてあったんですよ。

良く見たら、本当に数個の種が芽を出していて、でも全体的に見れば「腐りだしているのもの」もあって、「ゴミの中から芽を出した種がある」みたいな感じ。

やっぱりヨメさんって心根が優しいと思った。

でもねぇ、毎日の生活は、私にしてみると「鬼との戦いの日々」みたいなもんで、ヨメさんて本当に怖いし、何か言い出すと止まらないし、いつも命令口調だし、頑固なんてもんじゃないのね。まさに「九州女」って感じで強烈な性格。「優しさ」なんて【無い】と言っても良いような毎日。(笑)

息子たちに対しても同じで、「私は母親よ。いうことを聞け!」みたいな人で、息子たちも「また始まった」みたいに愚痴を言うことが多い。

ところがヨメさんて「外面(そとづら)は抜群に良い」のね。他人には半端じゃなく優しい。だから我が家では「ママは二重人格だ」という認識。(笑)

ヨメさんって異常なほどの動物好きで、「どこに行きたい?」と聞くと【動物園】と答える変わった人で、実際に動物園に行くと「子猫や子犬と遊べる場所」がよくあるじゃないですか。そんなのを見つけたら大変で、1時間でも2時間でも子猫や子犬と遊ぶ人。

またゴキブリやネズミが出ても全く動じないのね。可愛いと思ってるとは思えないけれど、私のほうがその点、駄目で、ネズミなんて出たら大騒ぎになる。そんな私を見てヨメさんは「男のくせに」と嘲笑する。

ところがですね、ゴキブリの死骸や、ゴールドコーストやマレーシアでもたまにある「ヤモリ」の死骸があるとヨメさんは大騒ぎで「震えるほど嫌がる」のね。ゴキブリの死骸なんて「ティッシュで摘んで捨てろ」と思うけれど、ヨメさんは怖がってガタガタ震える。

私にはヨメさんの感覚がどうしてそうなのかが全くわからない。

また家族には怖い存在だけれど、他人や息子の友人たちには優しいなんてもんじゃなくて、いわゆる「人気者」の類で、ファンも多いのね。皆はヨメさんのことを「Xっちゃん」とちゃん付けで呼ぶ。これは友人の子どもや、小学生ぐらいの子どもたちも「ちゃん」付けで呼ぶし、普通の名前で呼ぶ人っているかな?と思うくらい。

昔こんな事があったんですよ。

ゴールドコースト時代は息子たちも小さかったわけですが、「誕生日にはマクドナルでパーティをする」のがお決まりでした。友達を呼んで、またマクドナルドではそういうパーティ用のサービスも充実していて「面白いピエロ」がいて皆を楽しませたり、誕生日ケーキはもちろん「お土産」もいろいろ用意してくれるのね。

それもお開きになる時間になると、子どもたちの親が迎えにくるわけですよ。その時に、パーティに参加した子どもたちの弟や妹が一緒に来ることがある。するとその子どもたちはオニーちゃんやオネーちゃんが楽しんでいるのを見て、そしてたくさん「お土産」をもっているのを「羨ましそうな目で見ている」のがわかるのね。

そんな時にどうするかですが、お土産だって「人数分しか無い」わけですよ。ところがヨメさんは動き出す。

誕生日パーティの主役である息子のお土産を取り上げて、その小さな子どもたちにわけちゃう。(笑)

そりゃ小さな子達は大喜びですが、息子は「何が起きたのか?」とキョトンとするわけで、何が起きたか理解するとそりゃ「文句も言う」わけですよ。「僕が主役のパーティじゃないの~~?」って。

でもヨメさんは「だまりなさい。男らしくないわね」と息子を怒る。

これが本当の優しさかどうかは私にはわからないのだけれど、そんな性格のヨメさん。

またこんな事もあった。

二人で夜中じゅう遊んでタクシーで帰った時に、「ドン」という衝撃音。何が起きたのかと思ったら、運転手が「猫をひいた」と言いつつそのまま走っていたのね。すると突然、「止めて!!」とヨメさんが叫んでタクシーを降りて猫の方に走っていった。ヨメさんはぐったりした猫を抱きかかえて様子を見て、「病院に連れてって」と私にいう。当時は携帯もインターネットも無いし、明け方近くでどうやって「動物病院」を探したのか忘れたけれど、どうにか探したら明け方なのにちゃんと院長が対応してくれた。でも猫は助からなかったし、院長は「猫は妊娠していて子どもたちも助けられなかった」と聞いてヨメさんは号泣。

それからどうするのかと思っていたら、ヨメさんは「ちゃんとお墓を作ってあげたい」と言い出して、その後、家に一度帰って自分の車で「八王子近くの【ペット霊園】へ行く」ことに。そしてちゃんとお寺さんに「供養」してもらってお墓にも入れてもらった。なんて事がありました。

でも今回の「もう捨てるだけのカイワレの残り」を大事に育てているのは本当に驚きでした。

なんだかんだ言っても、ヨメさんのそういう優しさ、真面目さを家族が皆、理解しているから我が家は口喧嘩が強烈でも「根底に信頼と敬意を感じている」のだろうと思う。「嘘とか言い訳」「曲がったこと」が大嫌いな家族で「いつも本音」で向き合うから喧嘩も多いのだろうと思う。

「俺の捨てるだけのカイワレを大事に育ててくれて有難う。本当に嬉しい」とヨメさんにお礼は言ったけれど、ヨメさんの感覚は理解できない。

ただフト思うことは、私も「水耕栽培オタク」で地下室で人工光を使って結構大きな「家庭菜園」を作っていたのだけれど、栽培って「必ず間引きを繰り返す」し、最終的には「収穫し、食べる」し、キュウリでもトマトでも収穫後のある時期を過ぎれば「枯れていないのに引き抜く」わけですよね。でも毎日毎日「お前たち、可愛いね~。頑張って育てよ~」なんて一生懸命可愛がる。それでいて「ちゃんと育たないと間引くぞ」「食っちまうぞ」「殺すぞ」という世界で、【なんかおかしくないか?】と思ったんですよ。私達が犬や猫、金魚を大事に飼って、子どもでも生まれれば嬉しいし当然、大事に育てるし、「良いのだけ選んで他のは間引く」なんてことは絶対にしない。でも植物の場合は平気で間引くし殺す。私は「命は平等」だと思っているし、高等生物は下等生物を好きに殺して良いとは思わないのね。そもそも「高等」「下等」と差をつけるのが気に入らない。それって支配者が奴隷を好きに殺したり、奴隷の家族関係を簡単に壊すのと同じで、それを当たり前なこととして行う「家庭菜園」に疑問を持ったのね。そりゃ、生命の営みはそういうものだけれど、「大事に可愛ながら、しかし殺すという矛盾」を毎日やることに耐えられなくなったんですよ。で、ある日ある時、一切の栽培を止めた。

こんな私みたいな話は聞いたこともなかったけれど、私はそう感じたのは間違いがなくて、そんな私と「誰しもが平気で捨ててしまうような数ミリのカイワレの種」が頑張って生きているのを見て、育てようと思ったヨメさんと共通点があるのは間違いがない。こういう「生き方、考え方」の根本的なところが似ていて信頼し合っているのかもしれない。

でもそんな「感覚」も矛盾だらけで、憎き「蚊」を叩き潰した時の満足感なんて半端じゃないし、「逃がしてやろう」なんてことは絶対に考えない(笑)。また地球の裏側で死んでいく子どもたちに私は涙を流したことさえない。

思い起こしてみると、私とヨメさんと結婚したときも「普通じゃなかった」んですよ。当時私は仕事に失敗して無職、無収入。30代にもなってそんな状態の男と結婚しようなんて普通思わないと思うのだけれど、私の「願い」を受け入れてくれた。それも私は「精神的にも病んでいた」のね。それで「とんでもなく痛い片頭痛」に毎日襲われていて、医者に行っても治らないし、もらう薬は強すぎて飲むとラリっちゃうし、車を運転している時にその片頭痛が出ると大変で、「痛さに耐えられない」のもさることながら「涙が出て止まらない」「目を開けていられない」から運転をするにも何も見えなくなるのね。だから「仕事を再開する」事もできずに、毎日、ヒゲも伸ばしっぱなしで、家(実家)でコタツに入りつつ突然激痛が走って痛くて頭を抱えて転げ回るしか無い片頭痛に怯えながら「テレビを見る生活」だったんですよ。

「俺は終わった」と本当に思っていて、どうにもならないいらだちの中でヨメさんと再会して、そしたら何故か「毎日悩まされた片頭痛がピタリと止まった」のね。それ以来、何十年も一度も片頭痛は出ていない。私はヨメさんに「いのちを救われた」と本当に思ったし、結婚したいとも思った。でも仕事もない、収入もない30代と結婚しようと思う女性なんていないと思ったわけですよ。でも付き合いは進んだ。

そして「結婚」した。私が32歳、ヨメさんは26歳だったかな。もうあれから40年。(笑)

なんだかこれって「生き残った何粒かのカイワレの種」をヨメさんが見捨てずに育てているのと同じかもしれない。(笑)

でも私が救われたのは間違いのない事実で、ヨメさんは「私のいのちの恩人」だと今でも感謝しているし、私の一生を賭けて恩返ししようと思う。そんなことがあったし、そして素晴らしい息子たちを産んでくれたヨメさんには頭が上がらない。今まで頑張れたのもヨメさんと息子たちがいたからなのは絶対に間違いがない。

でも怖いんだよね~~~。 (笑)

 
 
 

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