アメリカ産「カルローズ」を日本の米農家はどう判断するか

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日本の米騒動はまだ続いているようですが、アメリカ産の「カルローズ(中粒米)」が結構出回っている様子。で、その反応はいろいろですが【日本の農家がどう感じるか】という動画ありましたので紹介します。

下の動画は、アメリカで「米の価格」はどうなっているのか。「日本米」も売っていて、なぜか「日本より安く売っている」とのこと。

アメリカ在住の日本人の動画。価格の違い。

また彼が動画内でしゃべっている「一つ前の動画」はこれ。

アメリカはアメリカで「関係ない」と言えばそのとおりですが、私達が知らない「なにかがある」のは間違いがなくて、私は日本の政治家や農水省、全農のいうことを「そのまま信じることはない」し、皆さんそれぞれの立場で「ポジショントーク」をしているだけだと考えています。

共通しているのは「日本の米産業を救わなければならない」ということで、「アメリカ産、オーストラリア産」(ベトナム産も入っている様子)が【美味しい。これで十分】というわけにはいかない。

それは個人も同じで、「外国産で良いじゃないか」と思う人は多くはない様子。ただこれも「地域差が大きい」らしく、今回の米騒動も「大都市」では関心は大きく無いようで、でも地方に行くとやっぱり「米文化が濃厚」で「日本産じゃないと駄目だ」という考え方が多いらしい。日本はかつて人口の70%が農家だったし、地方に行くと「農業は他人事じゃない」と考える人は多いのだろうと思う。

これって私にはあまり理解できないことで、そもそも昔から私は「米に対するこだわりが大きくない」し、そりゃ「美味しい、イマイチ」というのはあっても「美味しい日本の米しか食べたくない」なんて考えたこともないのね。

日本を30代で脱出してオーストラリアに渡りましたが、日本のお米って売っていたのかどうかも覚えていなくて、ただ「アメリカ産の日本ブランド米」は売っていたのね。それとカルローズは「中粒枚と単粒米の違いがある」のだろうとは思うけれど、「アメリカ産コシヒカリ」とか売っていたのでそれを食べていました。

私は「全く問題なく美味しい」と思っていたし、ただし「冷えると日本のお米とは違う」と感じていました。でも全然駄目だなんて思ったこともなくて、「お米がないと生きていけない」という【米一筋のヨメさん】も文句を言ったことはなかった。

その他「安い米」はいろいろ売っていて、でもそれを買おうとは思わなかった。

そもそもオーストラリアでもマレーシアでも「日本食レストラン」は半端じゃない数ですが、そこで使うお米が全て「日本産の米」ということはなくて、カルローズなり、世界中で売っている「錦」というブランド(これもカルローズ)だったりするわけで、「お米がイマイチ」と思ったことはなくはないにしても「これは食べられるレベルじゃない」なんて経験は一度もありません。

例えば今、マレーシアに住んでいるわけですが、「中島水産」という会社が【なかよし】というブランドでお寿司を売っています。ビレッジグローサーの中に出店していて、通常はさほど良いものはないけれど、「土日にはマグロの大トロ」があったり、年末・正月には良いネタのものが揃っていたり、これが美味しいしコスパも抜群なのね。でも「お米だけはイマイチ」だと思うのだけれど、それも「そう感じることもある」レベルで、「いつも美味しくないなぁと思う」なんてことは私は無いのね。逆に「日本米を使うことにしたので値上げします」なんてことになったら困る。(笑)

これは日本も同じだろうと私は想像していて、「コシヒカリを使っています」なんて宣伝する店があるということは、「では他の店は何を使っているのか」と思うわけです。

そりゃ「やすければ何でも良い」なんてことはあり得ないにしろ、私達が知らない米をつかっているのかもしれない。

ましてや中華を始め、他国の料理店でどんなコメを使っているのかは全くわからない。ま、あえて「長粒米」をつかうアジア系のお店もあるのでしょうが、私は「短粒米が多い」と感じています。

だから我々一般が「日本米じゃなければ駄目だ」なんてのはあり得ないんじゃないかと思うんですよ。

そりゃ「日本米のほうが良い」のは間違いがないにしても、それって牛肉で言えば「和牛が良い」というのと同じで、では私達は、あるいはお店でも「和牛ばかり使っているか?」となれば全くそんなことはなくて、外国産の牛をいつも食べるのと同じ。下手すれば「和牛は10回のうち、1回程度」とか、「和牛は全く食べない」なんて家庭も多いはず。

つまりですね、私は政治家も農水省も全農も、そして米農家も【そうなるのが怖い】んじゃないかと思っています。

「日本米は高い」ということで「外国産を多く入れる」と、「これで良いんじゃない?」なんて日本人はかなり増えるんじゃないかと思うのね。それはまさに私達のような海外住まいで「日本のお米以外は食べられない」という人は決して多くないのと同じようになるかと。

だからこそ「海外からのお米には高い関税を掛けて、日本米を守ってきた」はず。

このシステムが壊れた先に何が起きるのか。

私もヤバいんじゃないかと思う。

だからこそ、私は「生産コストを下げられない零細米農家を助けるべきではない」と思うわけで、大規模農家は「コストも安く利益が出ている」のは間違いがないし、彼らは「輸出しても戦える」と自信を持って言う。

つまり、「日本の米の価格は下げられる」と大規模農家が言っているのと同じ。

だからやっぱり日本の米農家は「集約してコスト削減に向かうしか無い」んじゃないですかね。今の時代、昔みたいに父ちゃん母ちゃんの内職屋や下町にごっそりあった零細町工場が淘汰されていったのと同じで、もし彼らを「そのまま」で助けようとしたら、「製品価格は高く、補助金は莫大になる」だけじゃないですか。

でも「米産業の零細農家」【だけ】は救われてきた。でもそれもおかしなシステムで、「米を作らなければ補助金が出る」という摩訶不思議なシステム。

で、今回、米の価格が上がったけれど、「これが適正価格だ」という農家の声が結構聞こえるようになってきた。

今の時代、「和牛しか食べません」なんて日本人は非常に稀なのと同じ様に、「海外のお米でも良いじゃん」となれば【高い米は売れなくなる】のは当たり前で、でもそれが「日本のお米の近未来」だと私は思うのね。

【零細米農家】を助けようとすればするほど、【日本の米産業は衰退する】ということじゃないかと。

米が高いのなら「パンでもパスタ、蕎麦、うどんもあるじゃないか」、「海外の米を食べれば良いじゃないか」と言えば【風当たりが強い】のは間違いがないにしろ、今のままではそうなるんじゃない?

そうやって日本って「海外に侵食されるばかりの国になった」ような気がしてなりません。

日本はまだまだイケると思うのだけれど、日本の主だった企業の「株主構成」を見ると「外資が半端じゃなく多い」のね。私達が「日本企業」だと思っていても実は株主は圧倒的に外資が多かったり。そして彼らは「配当を多く出せ」「もっと利益を出せ」と迫る。そしてそれに従わざるを得なくなって「日本の企業文化も大きく変わった」じゃないですか。

規制緩和の強さってこういうところにもあるわけで、まさか「日本の農業」もその渦に巻き込まれるんじゃないかと心配です。

実際に今回の米騒動で「全農を解体しろ」なんて声も出ていますが、まさに「外資が全農を狙っている」のが見え隠れしている。「郵政の解体」のときと同じ。

本当に政治家にはしっかりしてもらわないと大変なことになりますが、「国民の後押し」なくして彼らは何も出来ない。そうやって外資にうまくやられてきたのが日本の歴史だと私は思っています。

 
 
 

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