株式でもETFでも、あるいは私のような先物、為替でも「投資、あるいはトレード」をするに当たって、最低限知っておくべきことがあるはず。
それは「過去の歴史」で、過去に何が起きたのか。その原因はなんだったのか。そして当時の人達は何を考え何をしたのか。
それから「将来を考える」と先走りするのではなくて、そこから「市場の本質を知る」ことが重要だと思います。
そういう意味で非常に良い動画を「レバナス一本リーマン」さんが出しています。
アメリカ株、ETFに今、人気が集まっていますが、私は「ドットコムバブルの崩壊(2000年)」(呼ばれ方はいろいろある)をついこの間のように思い出します。
あっという間にNASDAQが80%も下落しましたから、忘れるなんてことは出来ません。
また私が大打撃を受けたリーマンショック(2008年)も一生忘れることもないと思います。私の資産はあっというまに(日本円建てで)4分の1になりましたから。
でもこの時、私は株式もETFも持っていないし、すでに「デイトレーダー」になっていました。
ではなぜそこまでやられたのか。それは「豪ドルの暴落」であり、「不動産の暴落」が重なったということ。
もし株式やETFなら「必ず予兆がある」から【売り逃げることは可能】ですし【ショートポジションを取れば大きな利益となる】わけですが、不動産の下落が起きたところで「すぐに不動産を売り逃げることは不可能」ですし、「豪ドルの暴落」も【不動産を含めてあらゆる資産は豪ドル】なわけで、豪ドルを売り逃げることも不可能。
FXはありますから、【FXでヘッジをする】という考え方もありましたが、ほぼ全資産と同じ額の豪ドルをショートするなんてことは不可能。それにはとんでもない資金が必要で、そんな遊んでいる資金なんてありませんから。
私としては「大震災」が来て、全ての資産がその影響を受けたという感じでしょうか。何年、何十年と頑張って築き上げたものがあっという間に4分の1になるなんて、半端じゃない衝撃でした。
でもゼロになったわけでもないし、ローン、借金で手に入れた資産が崩壊して借金だけが残ったなんてこともなく、また私には「デイトレ」という仕事は残っていたから「かなり恵まれた状況だった」ということも可能かもしれません。でもその当時は「もう俺は終わった。日本にはもう帰れないだろう」と思ったし、マレーシアに渡る計画も棚上げで「あと半年早くマレーシア行きを決めていたら」と何度も何度も悔やみましたっけ。で、資産が持ち直すこともなく、ゴールドコーストでグズグズしていてもしょうがないと「見切り」を付けて2016年にマレーシアに渡ったという経緯があります。
やっぱりそんな経験、株式市場の大暴落なんて「日本のバブルの崩壊」も経験しましたし、「持ち続けていればOK」なんてことは考えられないのね。でも日経225もNasdaqもS&P500も「今まで持ち続けていれば利益は出た」のは間違いがなくて、「持ち続ければ良い」と考える人たちの拠り所はそれなんでしょう。
ただ80%も下落するような時に、自分がまともな精神状態で、まともな生活を維持できるのかが問題。
私の全資産が4分の1になったリーマンショックだって、「職を失う人」も多数いたし、不景気の中でどう生きるかとなれば【持っている資産を売って再起するための資金とする】しかないのね。
株やETFを「持ち続けたい」「安値の今、買い増したい」なんて考えてもそれが出来ないのね。それどころか「売らなければならない状況に追い込まれる」。だからこそ、大きな暴落となる。
そういうことが過去には何度も何度も起きている事実。それを値動きだけではなくて、「その背景」を知る、「その時、皆は何を考えどうしたのか」を知る事が重要だと思います。
ただし「同じことがまた起きるかどうか」はわからない。
これは「関東大震災」もそうで、かつては「80年周期で何度も起きているから、ソロソロ来るぞ」と言われる時代もありましたが、今ではそれを言う人もいないし、あの「周期的に来た大震災は一体どうなったのか」を私も不思議に思っています。周期的に何度も何度も起きていたことが、なぜ今、ピタリと止まるのか。
だから「過去に起きたことはまた必ず起きる」と考えるのは正しくなくて、そういう「結果」を重視するより、「なぜ起きたのかの背景を知ること」が重要で、そしてそこを重視して歴史を見ると「それをうまく乗り越えた」こともあったはずで、また「取り巻く環境も変わった」から同じことは起きないのかもしれない。
あるいは「背景、環境としては酷くない」としても、過去のような大惨事が起きるかもしれない。
私は「とにかく考えても無駄。わからない」としか言いようがないと思っています。
ただ、株式や商品先物の動きは「予兆がある」のが普通で、上に書いたNasdaqも一夜にして80%も下がるなんてことはないのね。だから「大きく動くかどうかはわからない」にしても「初動、予兆を見逃さない」ことが重要だと私は考えます。
でもそれも「小さく動いただけ」なんてこともよくある話で「手放さなければよかった」なんてことも多発する。でもそれは、「地震が来たから次は津波が来るぞと考えて、逃げたけれど津波は来なかった。損した」と考えるのと同じで、その考え方は私は馬鹿げているし、とんでもなく危険だと思うのね。
「逃げても、地震が来なくてよかったね」という生き方をするべきだと私は思うし、株式にしてもETFにしても「また買えばよいだけのこと」じゃないですか。
また皆が「大津波が来るぞ」と騒いでも、その予兆である地震も来てないのに「逃げることはしない」というのが私の考え方で、まさにそれは今の株式市場がそれで、今回紹介した「レバナス一本リーマンさん」さえも今までどれだけ「危ないぞ」と警鐘を鳴らしていたか。でも株式市場は「暴落もしないし、それどころか高値を更新している」。
ま、「大震災」の場合は「予兆もなく突然やってくる」から逃げるのは難しいですが、株式やETF、そして商品先物でも為替でも「一夜にして大暴落、大暴投」は起きないのだから、ちゃんと日々の動き、「トレンド」をしっかり見て、それに乗ることを考えていれば問題ないと思います。
去年の8月の日経225の暴落も「予兆はしっかり見えた」のは結構細かくブログで説明しました。でもそれをボケ~と見ていた人は慌てることになった、良い例だと思います。
去年の8月27日に書いたエントリーはこれ。この考え方は今も私は同じです。
古いエントリーが表示されているかもしれないので、是非、「投稿日」を確認してください 私は株式にもインデックスにも投資して…
あの時に大損した人は多かったようで、あの青汁王子も真っ青になって大騒ぎをしていた。
下げトレンドを見た「トレンドフォロー型のトレーダー」は当然、ロングポジションを外しただろうし、中にはショートする人も少なくなかったと思う。そしてその人達は「大きなボーナスを得た」ことになった。実はあの2001年のNY多発テロの時もそうで、あれが起きる前から「株式市場は下げトレンドに入っていた」のね。トレンドフォロータイプの投資家、トレーダーならロングポジションは無いし、「ショート組」は「大ボーナスを得た」のが語られていない事実。
でも今になってあの当時を思い返せば「売らずに持っていたほうが良かった」「損切りして損した」と考える人は多いのだろうと思う。
でもそんなのは「結果論」で、暴落で大怪我する人たちの多くは「すぐ元に戻るだろう」なんて考えるからで、それは日本のバブル崩壊時も同じ。アメリカのドットコムバブルの崩壊も同じ。
日本のバブル崩壊後、34年の年月、アメリカは17年も「元値に戻るのにそれだけの年数が必要だった」のをどう考えますかね。30代の青年は定年退職し、小さな子供達も成年してしまう年月。そんな長い年月を「待ち続ければ良い」なんてのは「投資には程遠い考え方」で、【元値に戻っただけでもラッキーで、また下がったらどうする】んですかね。またその途中で「お金が必要になったらどうする」んだろうか。下がった株を泣く泣く売る?それともジッと我慢する?「老後の資金作り」のはずだったのが、定年退職時に「やっと元値に戻った」なんて状態ならどうするんだろうか。でも元値に戻っただけでもラッキーなのかもしれない。これは「ドルコスト法」で長い年月、毎月買っても理屈は同じ。「値が上がらない限り利益は出ない」。
今の時代でも「そこそこの債券を買う」ことによって(複利で、無税なら)10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍に増えるのを忘れていると思う。
こういうチャートを見て「自分はどうするべきか」をじっくり考えてみるのは重要だと思います。
日経225 日足
将来とは「神の領域」で私達には「下手な予想をするしか出来ない」と私は考えるし、「明日」何が起きるのかもわからない。
だとすれば「今、何をすべきか」を考えるべきで、「今の連続、積み重ねが未来を作る」と私は思う。