今、世界はAIで盛り上がっていますが、それは株式市場も同じ。
ところが最近、「AI不況」という概念が出てきた。それを言い出したのは「マネックス」ですが、「AIによって人間が働く場が奪われている」ところに注目した考え方。
AIによって職が奪われると「失業率」は上がり、「購買力」は減り、企業の「売上」は減り、「利益」も減り、「首切り」は増え、「失業率」は上がるという負の連鎖に入るということ。当然、「ローン破綻」も増え、それは「銀行の破綻」に繋がり・・・とこれも負の連鎖。
今のアメリカの状態ですが、「サブプライムローンの残高」はリーマンショック(金融危機)より大きく、当時のローンは「担保価値がある不動産のローン」だったのが、今のローンは「自動車やクレジットカード」のような「消費財のローン」であるという大きな違いがある。これで失業率も上がりインフレも続けばどうなるのかは誰でも簡単に想像できる。
トランプが「金利を下げる」のに必死なのはアメリカ政府の莫大な金利負担が大問題なのもわかるけれど、国民の「ローンの金利負担」も低くしないと大変なことになる。
私がブログに書いてきたことは、AIに多くのお金が入っているけれど、開発会社がAIで売上、利益を出す状態にはなっていないこと。AIで利益が出るのはAIを利用する側であり、開発会社ではないという事実。またAI関連で売上、利益が上がっているのは「設備関連」じゃないんですかね。それはNvidiaのようなGPUの生産会社であり、半導体メモリ、記憶装置、施設を作る企業で、これらをAIによる売上、利益と言えるのかどうか。
例えばトヨタが工場をあちこちに新設し、必要なロボットや工作機械の売上が大きく上がったとしても、「トヨタは車を売らないと利益が出ない」という事実はどうなっているのか。本来はそこが大事なはず。
要は「AI開発と設備投資に莫大な資金が入っている」状態で、「AIがお金を稼ぐ段階には無い」ところに注目するべきで、私はそれを何度か書いてきました。
AIフィーバーなのは間違いがないけれど、じゃぁ、莫大な開発費が流れ込んでいるAIの開発でどこの誰が利益を出しているか。それを明確に言える人はいるんだろうか。
ただ今のレベルのAIでもそれを導入することによって「人が職場を奪われている」のはすでに始まっていて、これからそれはもっと広がると考えられる。
米国の求人件数は2022年をピークにして下がっている。
ま、これは「コロナ禍」で仕事を失った人が多く、その後、求人は急激に増えたけれど、最近、落ち着いてきているという見方もできますよね。
ではこれは?AI導入企業とAI非導入企業の若手採用動向比較のグラフで、青色の「AIを導入した企業の若手の採用は明らかに減ってきている。
AIが進化し、広がれば広がるほど、それは「失業率が上がる」ことに繋がるんじゃないですかね。
AIが進化し、広がり、人が職場を失っても「AIに人間のように購買力があって、景気も良くなる」なら話は別だけれど、どうなんでしょうか。
ま、この考え方は「ある方向からだけの見方」と言えるかも知れないけれど、私はこの「AI不況」を無視して「これからはAIだ~~~~」と舞い上がっているのは「経営者」であって、けっして「労働者ではない」と思っています。
マネックスが言い出した「AI不況」という概念。これに耳を傾ける必要があると思うのだけれど、いかがだろうか。
この先の株価上昇を阻む重大リスクは「AI不況」。AIが人間の仕事を奪い始めている。AI不況への処方箋…
このマネックスが使い出した「AI不況」に関しては、いつもこのブログに紹介する「Nobu塾のNobu」さんの動画で知りました。


