マレーシアでは一般的なFXや先物、(アメリカや日本の)株やETFのトレードの収入は非課税という考え方を私は持っていますが、違う考え方もあるのね。また「課税となるケース」も例外として存在する。
これから順を追って、どうして「基本は非課税と考える」のかを書きます。結構ややこしいですから、そんな細かいことはどうでも良いと思う人はこれから先は読まない方が良いです。
【私の結論は、FXでも先物でも、アメリカや日本株式、ETFのトレードによる収入は非課税】。ただし、例外もある。
個人が趣味や副業的にデイトレをする場合は「非課税」なのはほぼ間違いがないのだけれど、それを「事業」としてやっていると話は別だと何度も聞いた。ここで私も多くの人も「躓く」「疑問を持つ」のが普通。
以前、読者の方から「どうなるのか」と相談を受けたこともありました。でも税理士、公認会計士でもない私にはそれに答える「権利」はなく、アドバイスは法律的にも出来ないので、「私の見解」をお伝えしただけ。
「事業とは何か」のはっきりした線引は無いからややこしい。
【個人投資家】が【自己資産の運用】で【空いた時間に自己流で取引】をし【キャピタルゲインを得る】のは事業とは見なさないらしい。よって非課税。
まぁ、多くのトレーダーがそうだと思いますが、私もその範疇だと自分では思っています。
でもプロレベルになると【体系的な事業活動】があって、
◯ 明確な取引戦略やビジネスプランを持っている。
◯ 専用のトレーディングルームや高度な設備を整えている。
◯ 体系的な記録管理や会計を行っている。
◯ 取引のために人を雇ったり、会社(Sdn. Bhd.など)を設立したりしている。
◯ 取引のために資金を借り入れたり、高いレバレッジを常用したりする。
こういうことになると「個人の投資」という枠を出て【事業者】として認定され、課税されるらしい。
さてさて、私の場合はこれに当てはまるのかどうか。
「当てはまらない」と思うんですけどね~。
前に税理士さんにこの辺を聞いたところ、「非課税と考えてよいでしょう」とは言われていますが、【絶対ではない】というおまけつき。(┰_┰)
では「申告するべきですか?」と聞いたら、「その必要はないと思います」ですと。
なんなんだ~~~~~~~~~。
でも逆に「ダボさんの場合は事業ですね」なんて言われたとしたら、私としては反論したいことが山ほどある。
ま、それは横に置いといて、マレーシアの税法上、こういう事になっている様子。
まず最初に、そのトレードによる所得が「個人か事業か」で分ける。そして事業なら課税対象。
でも次があるのね。それは
次に、その源泉国はどこかで分ける。そして源泉国が海外なら非課税。
つまり、個人だろうが事業だろうが、源泉国が海外なら非課税となる。
FXや株式、その他先物にしてもどんなデリバティブでも「証券会社、取引所、サーバーが海外にある」とそれは【源泉国は海外】と見るらしい。
ただマレーシアには「マレーシアの株式市場」や「パーム油などの先物市場」があって、そこで売買して出た利益は【源泉国は国内】となるわけで、それでも「個人は非課税」だけれど、「事業となると課税対象」となる。
でも次の問題がある。
その次に、その所得を国内に持ち込んだ場合と持ち込まない場合とで分ける。そして個人ならどちらも非課税(持ち込んだ場合は2026年12月31日まで)で、法人なら持ち込んだ場合は課税。持ち込まないで海外で運用を続ければ非課税。
こういう事になっている様子。
ややこしいですが、もし私達が「事業としてのトレード」だとしても、「マレーシアに利益を持ち込まなければ非課税」ということで、個人なら2026年12月31日まではマレーシアに持ち込んでも非課税。
ここがはっきりしないから、私も多くの方もいろいろ考えてしまう。
では2027年1月1日からどうなるかは、まだ決まっておらず、きっと2026年の10月頃に突然「決めた!」と発表があるんでしょう。
そしてもし個人も「海外の所得、利益をマレーシア国内に持ち込めば課税対象」となっても、私達にはできることがいろいろあると私が考えているのは何度も書いてきた通り。
つまり、私も他の方もきっと「海外に定期預金」を持っているはずで、マレーシアに送金するときには「その定期預金の解約、満期を待って送金」し、その定期預金を過去から持っていた「証拠」があれば、「個人の資産をマレーシアに送金した」ことになるんじゃないですか?
これは「自分が口座を持つ証券会社から、マレーシアの自分の口座に直接、お金を振り込まない」ようにするということでもある。では「その口座にお金が溜まってきたらどうするのか」ですが、「マレーシア国外の銀行口座に振り込む」のが良いんじゃないですかね。「海外で利益を出してそれを海外の口座に振り込む」ことに関してマレーシアは一切、感知しないはず。そもそもが「海外の所得は非課税」なんですから。
マレーシアへの送金は、あくまで「自分から自分」にする。そしてそのお金は「誰がどう見ても過去から持っていた個人のお金である」という形を取る。
「私は海外に定期預金を持っていないのだけれど・・」と思う人は、どうするべきかご自分で考えてみてください。いろいろ手はあるのは頭に浮かんでくるはず。
これってグレーなやり方になると思うし、そもそも海外にあった定期預金にしても、「そのお金はどんなお金?」となれば【過去に稼いだお金】なのは間違いがなくて、「海外での所得」ですよね。だとしたら、「海外からの送金は全て海外での所得を送金したことになってしまう」んじゃない?でもそこまで突き詰めるなら、「その所得があった年」と「時効の関係」とか、「その当時はどこに住んでいたのか」とか、それはそれはややこしいことになる。
また本人は「海外での所得」という意識がなくて、例えばマレーシア国内の証券会社を通してアメリカの株やETF、様々なデリバティブを売買していたら、その利益は「マレーシア国内での利益」と考えてしまいがち。でも実際は「国外での所得」となると、「そのマレーシアの証券会社(あるいは銀行)から、自分の普通口座に利益を移動する」と、【海外の所得をマレーシアに持ち込んだ】ことになってしまう。
そしてそれは「2027年からは課税対象」になるかもしれないと「理屈」としては考えられる。
でも2027年1月1日からそうなるとしたら、私はマレーシアで暴動が起きるくらいの大騒ぎになるんじゃないかと思います。だって、マレーシア人の多くはFXだ暗号通貨だアメリカ株だETFだと頑張っているわけで、それを銀行さえも勧めているわけで、それが「課税対象になる」としたら大騒ぎどころじゃないんじゃない?
だから私は、2027年からそうなるとは思っていないということ。
でもねぇ、そもそも「海外から所得をマレーシアに持ち込んだら課税する」という話も、「海外所得は非課税」という世界的には「異常な恩典がマレーシアにはある」からで、そして「もうそういうのはやめましょう」と世界が動いているってことなんですね。これまでも「タックスヘイブンはやり玉に上がってきた」わけで、マレーシアのそういう恩典も「次のターゲットになっている」わけで、マレーシアはそういうおかしな税制、つまり「それで金持ちの外国人をマレーシアに多く受け入れようとしている」と諸外国は考えて、そういう国のリストにマレーシアも入れられてしまったのが発端。
でも「海外所得には課税しない国」っていろいろあるわけで、おかしいじゃないかと思いますが、そういう国々も「変えてくれ」というのが「世界標準の考え方」になってきているということ。
でもそんな税制の根本を変えたら国内で大騒ぎになるのは当たり前で、だからマレーシアはまずは「それを国内に持ち込んだら」という条件を考えついた。
でもそれが「解決策」と世界は認めないはずで、遠い将来には「マレーシアも世界所得に課税する国」にならざるを得ないのだろうと私は想像しています。
マレーシアは「ある種の金融所得は非課税」となっていて、それも「実態はタックスヘイブンじゃないか」と世界は見るわけで、だからとりあえず「個人は無税だけれど事業の場合は課税対象」となってきた。
私はマレーシアは「変換期にある」と見ていて、将来を想像すると「いつの日か普通の税制の国になるだろう」と見ています。そしてそれが「マレーシアが先進国入りする条件になる」んじゃないですかね。いつまでも「大国の影に隠れて」うまいことをやって世界から金持ちを集めるマレーシアを世界は受け容れるはずがありませんから。
しかし香港にしてもシンガポールにしても「優遇税制がある」から【金融都市として栄えた】わけで、マレーシアもKLCC近くに「巨大な金融センターであるTRX」を作り、いつの日かシンガポールに追いつき追い越し、アメリカのウォール街やイギリスのシティに肩を並べることを夢見ている。
皆さん、マレーシアの「金融都市TRX」の目論見はご存知だろうか。私はそれを見たときには本当に驚いたんですよ。「大きな夢を見ること」は大事ですが、要は「世界中から金融関係の企業やトップクラスの金融マンを集める」という、「他力本願の極致」だと思いました。要は「不動産業」の考え方なのね。
でもそもそもマレーシアは交通の要であるマレー半島に位置し、古くから「他国を利用して大きくなる」ことに関しては得意中の得意で、これまでもマレーシアに多くの企業を呼び込んで「大きな生産基地として成功している」のはまさにマレーシアはそういう「誘致のプロ」であったから。だから「金融都市TRX」も同じ様に考えているのだろうと思う。
そこで重要なのは「税制」であって、そこにメリットがないのであれば、TRX構想は潰れるんじゃないですかね。少なくとも香港やシンガポールより「税制のメリットが有る」ようにしないと意味がない。
だから私は「マレーシアがどうなるか」は香港やシンガポールの変化を見ている方がわかりやすいのじゃないかと思っていて、もし香港やシンガポールの税制が厳しくなってくれば、マレーシアは当然、それを追うように変わって行くはず。でも香港やマレーシアで大きな変化がないのに、マレーシアが先に厳しい税制にすることはありえないのだろうと思う。また同じ意味で「タイの税制、長期滞在ビザの恩典、税制優遇策」を見ている必要があって、タイが厳しくなればそれはマレーシアでも起きるし、タイが優遇税制を続ける限り、マレーシアも変わらないかも知れない。
でも間違いがないのは世界が「私達に都合の良い様に変わることは絶対無い」ということでしょう。
でもねぇ、世界にはタックスヘイブンってまだいろいろあって、ゴールドコースト在住時にヨメさんと二人で「バヌアツ」(旧ニューヘブリデス)に観光に行ったんです。まぁ、まさに「未開の地」で、何百年もタイムスリップしたような国(島)で、「世界に取り残されている」と思いました。ところがバヌアツもタックスヘイブンで「大金持ちの欧米人、中国人が住んでいる」のね。「未開の地に住む大金持ち」ってそのコントラストの凄さも面白かったけれど、まだまだ世の中にはそういう場所があるんだと思った。
また「金持ちは税金の安い国、場所に移っていくのは当たり前」と考えて、アメリカには「デラウェア州」なるおかしな税制の州がある。
州内で事業活動を行わない場合は法人所得税が非課税となる一方、州内で事業活動を行う場合は連邦法人所得税に加えて州税(8.7%)が課されます。また、消費税は州全体で0%ですが、事業の種類によって税率が異なる事業税があります。
なんだ、これって「アメリカの中にマレーシアが存在するようなもんだ」と私は思うわけですが、まぁ、各国どこでも「本音と建前」があって、「税金から逃れようとする人たち」と「しっかり課税しようとする側」とイタチごっこ、あるいは狸と狐の化かし合いは永遠と続くんでしょうね。
とりあえず、今日の結論は
FXや株式、ETF、先物やその他の金融商品を海外で売買し、その利益をマレーシアに持ち込んでも「非課税」で、それは2026年12月31日までは決定事項。ただし2027年1月1日からのことは今の時点ではわからず。
また私がそう思っているのも「特大の勘違いかもしれない」し、私がブログに書いていることは「参考」というレベルで留めるべきであって、「絶対に私を信用しない」ようにしていただきたい。
また2027年1月1日から、税制がどの様に変わるかはまったくわからないので、2027年1月1日前に「ある程度まとまった数年分の生活費」を【送金可能状態にしておく】のは重要だと考えています。マレーシアって突然「この様に決定した」「施行開始は2ヶ月後」とか言い出す国ですから、注意が必要。つまり来年2026年の10月頃に何らかの発表があると思っています。
とにかく私の言うことを信用しないで欲しいし、それは私の「責任逃れ」という意味ではなくて、こういう大事なことは「プロの税理士や公認会計士」にアドバイスを求めるべきであって、あらゆる個人やサービス提供会社のいうこと、あるいは自分が信頼する個人や先輩でも、「信用するべきではない」のが重要だと思います。
マレーシアでも以前、「皆がこう言っている」とか「先輩にそう言われた」とか、また世の中には「教え魔(インフルエンサー含む)」も大勢いますから、注意が必要だと思います。そもそも「税理士、公認会計士でなければアドバイスも法律違反」なのをしっかり理解するべき。また「税理士がそう言っていた」とか、そういうのも無視するべき。
自分のことは自分で考え、そして「プロに直接アドバイスを求める」のは【絶対のお約束】なのを忘れないほうが良いですね。だからといってなにか起きた場合、彼らが責任を取ってくれるわけじゃないですが。(笑)
ま、私が今日、ここに書いたことは「ボケてきた年寄りの戯言」と考えていただければそれでオッケイです。








