世界の「米ドル離れ」が進んでいるようですね。
ある意味、暗号通貨の存在もそれに似たようなことを私は感じるのですが、現実としてはまだまだ米ドルが覇権を握っていて、しかしそれを切り崩そうとBRICSが動いてそれに賛同する国々は増えている。マレーシアも同じ。
「アメリカ、米ドルの影響下から逃れる」「米ドルが凋落しても、使えなくなっても大丈夫」なように動いているわけですが、その動きがどんどん具体的に、そして大きくなっている様子。
とうとう世界185カ国が利用可能な「中国人民元での決済システム」が立ち上がった。
私がこの動きをどう見ているかですが、「米ドルの覇権が終わる」時が来るとは全く考えておらず、過去に「ブロック経済」「東西冷戦」が起きたようなはっきり分かれることは無いにしろ、「多極化の動き」ぐらいにしか考えていません。そして私自身は「アメリカが作ってきた西側諸国的な価値観」が好きで、そちらを支持し、その世界で生き続けるつもりで、BRICSプラスが既存の価値観に【NOを突きつける】ことがあったにしろ、好きにすれば?という感覚しかありません。
また世界が感じる「米ドルの覇権、支配」ですが、私に言わせれば「あのとんでもない国である中国」が【人民元を中心にしたシステムをどうコントールするか】を想像したら、「米ドルによる支配どころじゃなく恐ろしい」と思うし、そもそも「人民元の信用」にも問題が大有りで、「人民元による資金調達」も【コストが高い】し、人民元はドルペッグの固定相場制と言っても良くて、それは「米ドルに根本的なところを依存している」という意味だと思う。だから「人民元が自立する」ことになれば「完全な変動相場制に移行する必要がある」と思うし、もしそれを中国がすれば、「西側は何を仕掛けるか」なんて簡単に想像できるじゃないですか。今の中国問題は「人民元が安すぎるところに根本的な問題がある」「デフレを世界に輸出している」と言っても過言じゃないのだから。でももし「ドルペッグ」を続けるとしたら、「米ドルとは縁が切れないことを意味する」わけで、「人民元が覇権を取る」なんてのは私は笑い話か、いつもの大ぼらでしか無いと思う。
それは私達日本人が「世界の覇権を取ったこともない」「日本円が世界の中心になったこともない」中でどうにか生きて来たのと同じことで、米ドル以外の通貨が本当に力を付けてきたら「それを受け容れるしかない」し、自分が持つべき通貨の「ポートフォリオに変化がでるだけ」のことでしかない。ただ私の現状は「米ドルに全振り」をしていますから、それを変えていく必要が出てくるのは「当たり前のこと」でしかなくて、「米ドルしか持っていない」「日本円しか持っていない」方が異常だと考えています。
でもま、「アメリカのみがお山の大将」という時代は変わるだろうし、そこに私は冷戦時代を思い出すわけで、そりゃソ連を中心した東側も巨大、強力だったし、「東側の存在そのものが恐怖」でしたが、「棲み分けは可能」で、何が何でも一緒に手をつなぎ歩いていく必要はないと言う考え方を持っています。
また、前にも書きましたが、中国にしてもマレーシア、タイにしても「自前の努力で経済発展をしたのか」と言えば【ノー】なわけで、「他国、あるいは多国籍企業の安価な生産拠点」として発展してきただけだと断言しても良いと私は思っていて、「下請けが元請けをバカにして自立しようとする」ような動きを世界がどう見るか、どう対処するかは、彼らは想像していないかも知れない。彼らは「俺達がいなければ、お前たちは生きていけない」と信じているかもしれないし、私にしてみれば「下請け企業が偉そうなことを言っても、元請け会社を超えるのは無理」だと思うし、「技術の内製化も【技術移転の強制】【盗み】が日常化していると言っても良い」ような国を世界が認めるわけがない。【下請けに依存しすぎた】【技術移転も良いことだと信じていた】ことの問題点は日本もアメリカも他の先進国も嫌と言うほど理解しているはずで、【プライドが異常に高い下請け達】の場合、「出る杭は打たれる」ことに気が付かないんじゃないかと思うくらい。実際に中国から撤退した有名企業は多いし、日本だって「新幹線」に関しては昔のような過ちは繰り返さないと考えているのがわかるじゃないですか。
でも中国の決断と実行の早さは驚異的で、EVや宇宙開発を見ても「侮れない」のは間違いがない。だからいつか「世界を牛耳りトップを走る」事が起きるかも知れない。でもそれは今じゃないし、私は今の動きは「デジャブ」に思えるんですよ。それは日本がかつて凄いスピードでのし上がってきた時に、アメリカは「日米構造協議」「年次改革要望書」で日本の発展を止めた。また「プラザ合意」もそうで、アメリカは都合が悪くなると「強引にルールさえも変える」ことをする。だから「中国がこのまま伸びることはあり得ない」と思うし、そう思うとしたら「アメリカを過小評価している」し、「過去に学んでいない」とも思う。アメリカは「自作自演で何度も戦争まで起こした国」なのを忘れちゃならない。だからこそ中国は「軍事的にも強大になることを急ぐ」し、アメリカからの圧力を払いのけるにはそれしか無いのがわかっているはず。当然、それをアメリカもわかっているし、でも「座して何もしない」なんてことはあり得ない。極論を言うと、「中国の三峡ダムが崩壊したら中国経済は終わる」のは誰もが理解しているはずで、「何か起きる」かもしれないことは中国も警戒しているんじゃないですかね。
でも私はそういう一大事が起きようと、多極化しようと、中国経済が世界一になろうと崩壊しようと私には関係なくて、それを言えるのは、私は「実業に携わっていない」からで、「各国間の貿易」や「企業の海外進出、海外投資」に問題が大有りだとしても「私には関係ない」という立場で、でもそれはたまたまそうであるのではなくて「自分が受け入れたくない国や価値観が台頭してきても、それと関係のないところで生きられるように努力してきた」し、もし「多極化が進むことによる不利益」があるならそれを甘んじて受け容れるし、また私が生息する世界は「株式、先物、FX市場」なわけで、世界がどう変化しようと「その市場がある限り生きていける」し「生きていこう」と考えるだけ。
世界に大きな変化が出てくることに対する「不安」は間違いなくありますが、そんな「変化」は【常に自分の身の回りで起きてきたこと】でしかなくて、どうにか頑張って乗り越えるしか無い。
インフレに関しても、私は今まで以上のインフレが来るだろうと想像していて、それにどう対処するかは【どうにかインフレをアウトパフォームして稼ぐしか無い】という考え方で、「インフレに強い資産を増やす」方が私には難しい。
そんな風に考えています。
アメリカ政府は膨大な借金を抱えて、利子の支払いだけでも恐ろしい額で、これってトランプがどう頑張っても「通常の方法では解決できない」だろうと思っています。そして中途半端に支出を絞っても「悪影響のほうが多い」と思う。だから結局はまた「お金を市中にばら撒くことになる」と読んでいます。
それによって景気も上向きになるだろうし、株価も上がると読んで間違いがないと思う。でもそれって「破滅の崖に向かって車を走らせるチキンレース」みたいなもので、解決は先送りされ、傷はどんどん深くなるばかり。
そしてそれもそろそろ始まる。これは解決策ではないのは間違いがなくて「問題の先送り」でしかなくて、それでも「今、苦しいと感じる人達は救われる」し、「株価もまた上がる」となれば、脳天気な人たちが歓喜するだけ。トランプがそれで良いと思っているはずもなく、「とんでもないことが起きる可能性」が増えたとさえ思う。
でもそのとんでもないこととは・・・・。それが私にわかるはずも無いけれど、歴史的に大国は皆、同じ道を辿り、そして衰退し、歴史から消えていった。
ま、その時がいつ来ても良いように、準備だけはしておこうと思う。






