オバマ氏爆弾宣言に対するヘッジ作戦ですが、結局何も起こらなかったので予定通り本日撤退。
日経225三月限のプットオプションは行使価格6000円、5500円共に結果的には日経平均の下落で80%の利益となったけれどこれは想定外で痛し痒し。心の底で願っていたのは、世界が好感する、そして実現可能な即効性のある追加政策が矢継ぎ早に出てきて、世界が一安心できる状態になることだったけれど、それも無し。危機の出口はまるで見えず、未だ暗闇の中。
オバマ氏の演説は、私としては期待が大きく、もっと感動的であって欲しかったのだけれど、その後一週間の様々な評論を読んでみると、そもそも大統領演説はそういう感情に訴えるものではなく、全世界が聞いている中で、新大統領としてどういう方向を目指してのかをはっきりと告知することであるということにおいては非常に良い演説であったということで、納得。
オバマ氏は世界との連携を強調したけれど、私としては彼はアメリカの大統領であって世界の救世主でもなければ日本を助けるために動くとはいまだに思えず、アメリカの再生が結果的に世界を救うという論理だと考えています。その再生の為に、各国にはそれぞれ無理難題が押しつけられる可能性は大きく、それらはこれから出てくることになるはず。
ただ、一番懸念していたアメリカ国債のデフォルト宣言はやっぱり今後もないだろうという気は強くなってきました。アメリカの国債保持率は公表値では中国が一番、二番が日本。民間の数字はわからないけれど全体では日本と言われていて、少なくとも中国と日本がアメリカの大株主であるようなのには間違いがなく、大株主ということは売りに出しても他に買い手がいないことを意味するわけで、アメリカ、中国、日本の関係は今後益々深くなるはず。日本としては単独だと今までの経緯もあって日本だけがババを引く可能性もあったと思うのだけれど、ここに中国が噛むことによってアメリカは突拍子もないことをできなくなったような気がします。しかし、逆を言うとアメリカと中国の繋がりが今まで以上に強くなるのは道理だろうし、日本の立場が今度どうなるかが心配。日本は中国と連携してアメリカに対処するということになるだろうけれど、実際には中国が主導権を取ってそれに日本が追従するという形にならなければいいなぁ。
アメリカの言いなりの時代から、中国の言いなりの時代に変わっていくだけなんてことは考えたくもない。ただ面白い評論家がいた。日本はアメリカだからこそ言いなりになっていたわけで、中国に関しては彼らの言いなりには絶対になりたくないという国民感情も強く、これが切っ掛けで日本が自らの足で立って歩き出そうとする良いきっかけになるのではないかという意見があった。これも一理ありそう。
ま、そんなこんなで、今後発行されるアメリカの国債を買うのはやっぱり大株主の日本と中国という図式は変わらないのかも知れない。そして懸念されている米ドルの急落は中国、日本の問題ともなるので、3国が歩調を合わせて米ドル防衛に動くのだろうと思う。ただ中国という国は何をするかわからない部分もあるわけで、突然俺は抜けるぞと言い出したらアメリカの債権は大暴落、長期金利も結果的に上がり、当然米ドルは暴落。世界経済は大混乱。アメリカのサイフの一端を中国が握っているというのは今後の不安定要素になるのかもしれない。だからこそアメリカは中国に今以上に近づくことになるんだろうと思う。オバマ氏の側近はヒラリーを含めて中国派が多いのが日本としては気になるところ。
最近見ていて面白いと思ったのは、イギリスもアメリカと同じような状態でポンドをどんどん刷っているけれど、アメリカに対する日本中国のような存在がイギリスには存在せず、ポンドはどんどん急落し信用度が低下している。ポンドは基軸通貨でもないので他国は静観するのみ。最近言われているのはアメリカじゃなくてイギリスの破綻。これは将来の日本の姿であろうという評論家も少なくない。
それと気になるのは戦争。オバマ氏は平和主義者のように思われているけれど、イラクから撤退はするものの戦闘の中心をアフガニスタンに移し、兵の増強をはっきり宣言している。平和を守るためには戦争もいとわないという平和主義は日本人には理解しずらいところがあるけれど、私としてはオバマ氏は好戦派だとは思わないものの、武力を使わない平和主義者では絶対にないと言えると思う。そして戦争はいつの時代でも最大の経済刺激策でもあるし、その伝家の宝刀を抜きたい国は他にもあるだろうし、世界が混乱するであろう要素はなくなっていないはず。今後はアフガニスタン、パキスタンが気になる。
結局わかったことは、自分にはやっぱり何もわからないといういつものパターンで、大きな世界の流れの中でどう生きていくべきかなんてことも全くわからず。
オーストラリアは相変わらず脳天気で道行く人達も幸せそうだけれど、これからマレーシアなんかに行って本当に大丈夫なのか心配。そしてどの通貨を持っていれば安全なのか、これもわからず。一体どうすりゃいいのだろう・・・・。
実は、マレーシアに渡ってから3年後に友人と共同で小さなNPOを立ち上げる構想があって、その後日本に在住しようと思っていたのだけれど、今回の経済危機のおかげでそれもまた伸びてしまうのは確実。できることなら駆け足で人生を走り抜けたいのだけれど、年齢だけが増えていく・・・。