志摩で出合ったプロ根性

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志摩で一泊したのですが、そのホテルも楽天トラベルで取ったホテルでした。

志摩セントラルホテルルシア  ←クリック

あの辺の地理に疎いので、他のホテルに比べて大風呂があることとか値段で決めたのですが、実際にいってからびっくりしてしまいました。場所が悪い。

なんて書くと悪いのですが、なんか変な場所にあると思いました。ところがあんな場所柄なのに外人の宿泊客も多く、あの辺にはなにか産業があるのかもしれません。

シティーホテルの中の食事は推して知るべしで、外で食べるところを探したのですが、いわゆる定食屋さんしかなく、ちょっとがっかりでした。でも地方は安いです。確か750円ぐらいでボリュームたっぷり、おかわり自由の刺身付き定食でした。

夜なんですが、この日を逃したらもう後はないので、どこかに行こうと思ったのですが、ちょっと有名どころの高級ホテルまでレンタカーでも1時間の距離です。鳥羽の駅近くに良い店があると聞きましたが、そこへ行くのも遠い。

もう諦めて、泊まったホテルのレストランで食べる事にしました。頼んだのはビジネス定食2500円也。聞いてみると小さな刺身もつくという事でしたが、1000円プラスして刺身を増やしてくれと頼みました。

で、出てきた料理!

写真を残せなかったのが残念ですが、チョーーーー豪華版でした。どうしてこれにビジネス定食なんて名を付けるのかと思ったくらい。合計3500円ですが、東京なら9000円でもおかしくないと思う内容。

これが食べたら美味しいんですわ。特に1000円プラスで頼んだ刺身の種類、量、そしてそのうまさにびっくりしました。

マネージャーらしき人が横を通り過ぎたので、ちょっと声を掛けました。そしてびっくりするくらい美味しい事を伝えた。そうしたら、奥から板前をわざわざ呼んできて、一緒にお礼を言うんです。こちらが恐縮してしまいました。

で、その板さんと話をしたのですが、どんなに店が暇でも不景気でも、きっちりやることはやりますっと強い口調で断言していたのがまた嬉しくなっちゃいました。

暇なホテルの暇なレストランで、お客は私と、もう一人の見るからにビジネス客。そんな店でも、毎日ちゃんと刺身は吟味して仕入れているとの事。頭が下がりました。

こんな田舎のシティーホテルとバカにしていた自分が恥ずかしかったです。勉強させてもらいました。

食に対する私の考え方をちょっと書いておきます。

美味しいものは美味しい、まずい物はまずいわけですが、私が一番欲するのはプロ根性なんです。ゴールドコーストでもそうですが、常に良い材料ばかりがあるわけじゃないじゃないですか。決まった材料、限られた材料でいかにお客を喜ばし、もてなす料理を作るかが私はプロの腕だと思うんですよ。

良く、地方に行くと美味しいねとか、北陸の寒ブリがどうじゃこうじゃいいますが、私はそういうのに興味がないんです。産地に行ったらうまい物が食べられるなんていうのは大嘘で、そりゃ富山の寒ブリも良いでしょうが、釣りたてのブリをそのままかじるわけでもないし、必ず料理人の手を経るわけですよね。で、その料理人の腕次第で良い物も悪くなるし、悪いものも良く化ける。うまい魚でも素人がおろした刺身は美味しくないのが当たり前。

材料が新鮮で良ければ良いというのは私は大嘘だと思うんです。

逆に今の時代、産地には行かなくても次の日には、あるいはその日の夕方には大都市の店に獲りたての新鮮な材料も並ぶわけですし、過去にあちこち仕事で出張してわかった事は、意外に産地には良い物はないんですよね。良い物は全部大都市に行く。そんなものも見ておりましたから、地方の産地に行けば美味しいものが食べられるなんていうことは錯覚だとしか考えておりません。

逆に、またゴールドコーストの話がでますが、いつ獲れたかわからないような魚でも、板前が腕をふるえば、それが最高の料理に化けるわけです。目の赤い鰯はそれなりの調理もあるはずです。

で、それに挑戦し続けるプロの心意気に出合うのが私の何よりの楽しみで、それは決して高級料理屋である必要もないし、安い居酒屋でも同じ事。

私自身が商人の出で、いかに客を喜ばし、びっくりさせるかがプロの腕の見せ所だと思っていましたので、そういう意気込みのあるプロに出合うと本当に興奮してしまいます。

そういえば、ある著名な料理人の言葉に、「良い材料なら、料理人の出番など無い」というのを読んだのを思い出します。なるほどと思いました。

食べると言う事は料理人と客との勝負だと私は思うんです。料理人が一生懸命作った物をわかる客でありたいし、逆に手を抜いたときにはそれもわかる客でありたい。作る方の立場で言うと、自分が考えに考えて一生懸命作った料理を何も言わずに食べるだけの客がいかにつまらないか。あるいはちょっと手を抜いたときにしっかりそれを指摘する客が来たときに、自分がいかに緊張し、やりがいがあるか。

食べ物だけじゃなくて、何の商売も同じかも知れませんよね。売る方も買う方も決して無知であっては面白くないし、お互い違う立場でよりより物を目指すという売り手と買い手の付き合いが楽しいと思います。

ま、そんなことを思い出させてくれたやる気満々の板前、そしてそれを当然のごとく後押しする店の経営者。いくらでもいそうだけれど、意外にそういう出合は少ないです。それが田舎町の小さなホテルの暇な店でそういう出合があったのは本当にラッキーでした。嬉しかったです。頑張って欲しいです。

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