前の日記に書いたHSBCからの投資案件に関してですが、またちょっとそれをぶり返して話したいと思います。
神さまの話のあとはお金の話かぁ?なんて思わないでくださいね。私だって霞を食べて生きられるわけじゃありませんから、どうにか知恵をしぼって稼がなくてはなりません。
前に書いたのはこれです。
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豪ドル、日本円に対する投資。
現在の豪ドル円の為替レートが79円25銭
1カ月のレート(strike price)を82円80銭に置きます。
1カ月後、82円80銭より円高の場合、ご投資元本と8%(年利)の金利は期日に豪ドルにて償還致します。
1カ月後、82円80銭より円安の場合、ご投資元本と8%(年利)の金利の合計が期日に82円80銭にて円に交換され償還致します。
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これをどう思います?今後の豪ドルの行方を考えている人もいると思いますが、その読み(一ヶ月後には82円80銭にはならないだろう)と、この投資法が合致し、なおかつ8%の利子(年換算)が魅力だと思ってる人は飛びつくかもしれませんよね。
ここで考えるべき事は、この商品を売って、銀行はどうやって儲けるのだろうかということです。
で、私はメールで返事を書きました。この手の投資家からぼったくるような投資案件を今後は紹介しないでくれと。これは、要は日本円/豪ドルを原資産とする先物の、82円80銭をストライクプライス(権利行使価格)とする豪ドルのコールオプションのショート(売り)でしかないじゃないかと。こんな商品を買うくらいなら、自分でオプション取引をやります。と返事を書きました。
つまりこのからくりは、銀行は豪ドルのコールオプションを売って、プレミアムを手にする。そしてその中から年利8%に相当する物を顧客に払う。SQ時に、豪ドルが権利行使価格に達しなければそのまま銀行はプレミアムと支払い金利の差額が儲かり、もし豪ドルが権利行使価格を超えてインザマネーになったとしてもその被害は顧客が被るだけで、銀行に損はないという銀行が絶対に儲かるビジネスモデルです。(プレミアムが8%相当以下になることもあるかもしれないですね)
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この話がHSBCから来たのは半年ぐらい前でした。で、実は他行からもまた最近これを言ってきたんです。また、もっと前にも聞いた事があるような気がします。
上にも書いてあるように、こんな投資家をバカにしたような投資話を持ってきてと思うものの、これがあちこちで売れているとするならば、それなりに銀行なり証券会社の利益が出るからなんでしょうね。
つまり、まさに上に書いてあるように自分でオプションをやれば結構いい線いくのかもしれないという思いがどうしても頭から離れないのです。
ちょっくら、これを調べて見ますかね。
市場としては私が知ってるのはシカゴのCMEぐらいですが、この日本円/豪ドルの先物+オプション、あるいは為替オプションってのがあるという話も前に聞いた事がある程度で、私はよく知らないのですが、どこかに大き為替オプション市場があるんでしょうか。
銀行がこの商品を売って儲けるということは、このケースで言えば、豪ドルのコールオプション、あるいは円のプットオプションを売ってプレミアムを稼ぐわけですが、年利8%以上に相当するプレミアムの値段がついているって事なんでしょうね。そうじゃなければ、銀行がこの商品を売るわけがない。損しちゃいますからねぇ。
でも、もし万が一、このオプションのプレミアムが安いとしたら、この銀行の投資話に乗って、そしてその逆であるオプションの買いをすれば、その差額は裁定取引で儲かっちゃうことになる。まぁ、裁定取引なんてのは利益率が気が遠くなるほど小さいですが、その代わりセットした瞬間、利益が確定するわけですから、大きなお金を動かす投資家は好んでやるんですよね。暴落しようが暴騰しようが全く関係なく、セットした時に利益確定ですから面白い事は面白い。
つまりーーーーー (今後このフレーズも今後使いましょうかね)
このオプションのプレミアムが高いようなら自分でやればいいし、もし安ければ裁定取引(おもしろみはないけど)やれることになります。
実際のところ、どうしてこれが気になるかというと、私の場合、毎年それなりの日本円が必要なんです。豪ドルから日本円に替えるわけですが、海外に出ている人は当然の事として、米ドルに替えなくてはならないとか、あるいはマレーシアリンギットに毎年替える必要がある人は結構いると思うんです。
で、巷で良くいうのが、為替を見ながら、安い時に交換しています、ってやつ。これも本当は変な話で、高いか安いかわかったらそれだけで大儲けできるんですよね。だから実際はそうそううまい具合に交換できていないはず。
私の場合も、そりゃ高いときに売って、安いときに買えれば良いけれど、そんなのがわかれば世界一の金持ちになれちゃうわけで、当然そんな事も出来ず、高かろうが安かろうが必要なときに替えるのが一番という考え方を持っています。
でも、ふと昔の相場仲間を思い出したんですよ。
当時、彼の子供がアメリカに留学していまして、かなりの額の米ドルを毎年使うんですね。彼自身はある会社の為替ディーラーを長年やっていたプロなんですが、為替なんかわからないよというのが口癖で、積極的に儲けようとは思わないけれど、多少なりとも良い条件で交換したいという事で、やっぱりオプション取引をやっていました。
彼がやっていたのは米ドル/日本円の先物を原資産とする米ドルのプット売りでした(円のコール売りだったかな?)。
例えばですが、例えばですからね。今、米ドルが95円だとしますよね。で、もうこれ以上ドルは下がらないだろうと読んだところで、米ドルが必要なら米ドルに交換するわけですが、彼は、この時にオプションを売るわけです。例えば94円の行使価格のプットを売る。
予想通り95円程度でウロウロしていれば、そのプットを売ったプレミアムは利益となる。
もし、円が上がり(ドルが下がり)93円になったとしますよね。行使価格が94円ですからその場合は1円の損になります(本当は1円マイナスプレミアム分が損)が、元々95円でドルを買おうと思っていたわけだから、損ではないとも言えるわけです。
自分が替えようと思ったレートを基準に考えれば、下がったところで損とは言えない。少なくともその時替えちゃうよりかは良いわけですから。
このようにして、儲けが出たらそれはそれでOKで、インザマネーになったときだけその分の米ドルを替えて、後で使うために溜め込んでいたのです。逆にドルがどんどん上がると、あの時に交換しておけば良かったーと悔やむわけですが、それはこのオプション作戦をやろうとやるまいと同じ事だし、オプションで利益が出ていればその分、助かります。
その手もあるかぁ、とその時に思ったのですが、自分ではやろうとは思いませんでした。あちこち手を出すとわけがわからなくなりますから。
しかし、今になってみると、私の場合は円が必ず必要ですから、いつか必ず円を買わなくてはならない。だったら彼みたいにやってもいいかと思うわけです。
つまり、話は最初に戻って、銀行がこの話を奨めるぐらいだから、結構オプションのプレミアムは高いのかも知れない。で、それを利益に出来たらそれはそれでOKだし、インザマネーになったらなったで、そもそももっと不利なレートで買おうとしていたと思えば(この場合95円で)、損とは言えない。
やってみたくなってきました。ちょっと調べてみる事にします。
ただ、マレーシア在住の方はこれが出来ないんですよね。というかリンギット。これを世界市場に出さないと決めたマハティールさんは確かに偉いかも知れませんが、逆を言うとオープンマーケットで売買される通貨じゃないから先物もなければオプションもない。ヘッジも何もできないんですね。
まぁ、それでもリンギットは米ドルにリンクしていると考えれば、日本円対米ドルでこの手が使えるわけですから、まぁ、ちょっと調べてみるのも面白いかもです。
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