金沢 近江市場

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今回の日本・香港旅行はそれなりに目的があったわけで、いわゆる観光旅行とは違うし、一人旅。つまりあちこち観光して、どこでうまい物を食べてって感じじゃなかったんです。

でも金沢に行けばそれなりに楽しみもあるわけですが、泊まりは松任ですから金沢で夜ゆっくりして飲むこともできず、では一度は行ってみたかった近江市場で美味しい昼飯でも食べようと思ったわけです。

で、近江市場。



こんな感じで海産物を扱っている店がごっそり。



地場の魚を売っている店が多かったです。

ところが、どうも雰囲気がいわゆる魚市場とは違うんですね。なんというか観光客相手の土産物屋がならんでいる雰囲気。買いに来ている客達も地元の主婦や飲食店が仕入れに来ていると言う感じじゃなくて、うろうろしているのは観光客風。

ちょっとがっかりでしたね。で、きっとここで売っている物の値段もそれなりの設定の値段なんだろうと思いました。ま、地元の人は決まった店があるんでしょうし、表示価格とは全く違う値段で買っているのかも知れませんね。

この近江市場の中で、是非この店に行って食べてみたいという店がありました。海鮮丼の専門店なのですが、インターネットで調べてもそこそこの評判。いわゆるあのネタを大きく切って、ドンブリから溢れているようなあの手の海鮮丼なのですが、私はそういうのを食べた事がなかったので、まぁ評判も良いわけですからその店に向かいました。

店の前には客が15人ぐらい並んでいましたでしょうか。で、30分以上待ったかなぁ。一人客ですから、案内された席はカウンター。目の前で板前(オーナーぽかった)がどんどん海鮮丼を作っていました。で、それを見た瞬間、



やばいな、と思った。正直なところネタが美味しそうじゃない。これって100円回転寿司と同じかそれ以下のレベル。そんなことを思っている内に注文を取りに来たので、まぁ、しょうがないんで海鮮丼を注文。

その後、目の前ですからその板前の仕事ぶりを見ていたのですが、どんどん気が滅入ってきました。ネタは絶対に良くない。そしてオーナーらしき板前の手さばき、包丁さばきがいわゆる寿司屋のそれじゃない。そして気がついたのは彼が使っているフキン。包丁やまな板を拭くフキンですが、真っ白じゃないんです。で、頻繁に洗うという事もしていない。

こりゃ、変な店に入ってしまったかと思ったときにはもう遅い。しょうがないんで覚悟を決めて、もし酷かったらこの後にちゃんとした店を探して仕切り直そうと思っていました。そして出てきた海鮮丼ですが、



これです。こけおどしとでも言いますか、まぁ、これはこれで初めての体験ですし、いいやと思って食べ出しました。すると、見た目のネタの感じよりかは美味しいと思いました。良くはないけれど決して下ではない。でも、わざわざ金沢に来てこの程度じゃちょっと悲しいななんて思いながら食べていたのですが、

貝を口に入れたときです。すっぱい!!!臭い!!!

やられたーーと思いながら、さてどうしよう、悩みました。店は一杯カウンターもぎゅうぎゅう詰めですし、吐き出すにもティッシュもなければおしぼりもないし、どうしようと思いながらも、まだ店に対する遠慮があったんでしょう。覚悟を決めて飲み込みました。(T.T)

知ってる店ならそれなりに文句も言いますが、知らない店だし、混雑している店で目立ちたくないし、そもそもこういう店に入った自分が悪かったのだと諦めました。

お茶を飲み、どうにか心が落ち着いて、さぁ、どうしよう。本来ならここで席を立つのが当たり前でしょうが、どうも雰囲気的にそれも出来ない感じがしました。ここで席と立つと、こんなもの食えるか!って感じになるでしょ。参ったなぁ、と思いながらまた私は性懲りもなく食べ出したんですよ。

決して美味しくない。でもそんなに酷くはない。中の中ってところでしょうか。でもたまに爆弾が潜んでいる。

で、ウニを口に入れたときです。暴れたくなりました。こんなにまずいウニを食べたのは生まれて初めて。なんていうのでしょうね。アルコール臭が口の中に広がる最悪のウニでした。二度目の爆弾でしたが、これにはとうとう我慢が出来ず、かといって、これまた吐き出すわけにもいかず、お茶と共に飲み込んで席を立ちました。

お金を払いながら、ごちそうさまと言いつつ、文句一つ言えない自分もバカだと思いましたが、一言言える雰囲気じゃありませんでした。でも不思議なのは、カウンターの両側にいた客達は文句も言わずに食べているんですよね。美味しくないのは我慢するにしても、悪くなっているネタを口にいれたら、若い女性なんか声を出して吐き出すんじゃないかと思うけれど、そういうことも無い。みんな我慢しながらお茶で流し込んだんでしょうか。

実は私は非常にお腹が丈夫で、6人で食事をしてみんなが食中毒になって入院したのもいたのに、私だけは大丈夫だったなんて経験があります。ちょっとやそっと変な物を口にしてもあたりはしないという変な自信があったから飲み込んだわけですが、お腹の弱い人ならどうかなっちゃったかもしれませんねぇ。

店の外に出てからも、口の中にあのまずいウニの味が残っているような気がしてどうにもなりませんでした。で、仕切り直しで他の店に入ろうと思ったものの、そもそも最初に書いたように近江市場そのものが観光客相手に見えましたので、どの店も同じようなものかもしれないと思いつつ、海産物を並べている店を見て歩いていました。



この店のように、その場で食べられるようになっている店もあり、性懲りもなく岩牡蠣を食べたり、ズワイガニの足だけ買って食べたり、まぁ、それなりに非日常を楽しんで引き上げる事にしました。

しかし、もう近江市場には一生涯行く事はないと思います。

腹八分目でお腹が空いているという事はなかったので、松任に戻りました。松任は小綺麗な町ですが、なんてことない町ですので、食事が期待できるような雰囲気でもなく、まぁ、今回の旅行はそもそも北陸の美味しいものを食べようなんて言う旅行でもないし、ま、いっかと諦める事にしました。

ところがーーーーーー

捨てる神あれば拾う神ありで、松任で良いお店に出合いました。その店もインターネットの口コミで調べてあったホテル近くの店なのですが、ここは感激しました。

夫婦でやっているカウンターだけの小さな店で、かつては魚屋だったという夫婦。これが、安いし美味しいし、最高でした。地場の美味しい魚も食べられたし、びっくりしたのはズワイガニです。実はこの店は二日続けて行ったのですが、時季外れであるけれどズワイガニを食べたいと店の主人に言ったところ、任せてくれということで、楽しみに次の日に行ったのです。

近江市場でズワイガニも売っており、どの程度の蟹がどの程度の値段をするかは見ていたので、小料理屋でズワイを頼めばどんな値段になるかも想像はしていましたが、まぁ、それはそれで良いと思い、その店に入りました。

入ってすぐ気がついたのは黒板に今日のお奨めということで、ズワイガニと書いてありました。そしてその値段ですが、1300円なんですよ。近江市場で見たズワイガニは一杯3000円以上。小料理屋で1300円のズワイガニってどんなのか想像できます?私としてはこりゃまた滑ったと思いましたよ。見た事もない小さなズワイガニが出てくるとしか考えられませんでした。

ところが出てきたズワイは立派なズワイ。近江市場の半値以下です。で、食べてびっくり。私は前の日記に書いたように北陸は何度も仕事で来ていますし、それなりにズワイは食べていたわけですが、生まれて初めてこんな美味しいズワイに出合ったと思うくらい美味しかったのです。

まずミソが水っぽくないんです。ちゃんと形を残したままで、濃厚な味がありました。身もしっかり詰まっていて、一体これはどういうことなのかと思ってその店のオヤジと話したのですが、やっぱりいろいろルートがあるんでしょうねぇ。そのズワイガニは、オヤジ曰く、網で捕ったものではなくて籠で捕ったものだし傷みはなく、そしてついさっきまで生きていたから、そこらで売ってるものとはまったく違うっていうんですね。へぇ~~と思いましたわ。ただし、どうも近場で獲れた物ではないらしい。でもそんなことは私には関係ないわけで、本当に美味しいズワイを食べられました。その他の刺身も美味しかったなぁ。そして安いんです。この安さにこだわるってのがこの店のポリシーらしくて、安さとうまさと両立している店なんて私は知らないわけで、そんな店に松任で出会えるとは思っていませんでしたので、本当に感激しました。

で、感激ついでなのですが、私はこの店で日本酒をボトルキープしたんです。5合瓶なのですが、実は吟醸酒であるものの私の好みに合わず、結局半分ぐらい残したままで帰ることになりました。店の女将は私に持って帰れというのですが、ホテルの部屋で飲む気もしませんでしたし、誰か酒好きな人がいたらその人に飲ませてやってくれと言ったんですよ。そうしたら、じゃぁ、私が飲むわとその女将が言って、その日本酒のボトルの値段も半額にしてくれました。こんな経験も生まれて初めてで、楽しい思い出が出来ました。松任にもプロがいた。嬉しかったです。二度と来ないであろう観光客なんだから、適当にぼってしまう事も出来るのに、商売人、料理人としてのプライドを持ってやっているあの夫婦、気に入りました。

また松任に行く機会があるかどうかはわかりませんが、あの店にはもう一度行ってみたいです。

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