MM2Hと税金

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今までに何度もMM2Hと税金に関しては書いた。ただ内容に変更があるし、また誤解もあるかもしれないので適当な間隔を置いて定期的に調べてみる必要があると思う。

税金を調べる先はマレーシア当局。Inland Revenue Board Of Malaysia、マーレシア内国歳入庁とでも約すのだろうか。ここで覚えて置いた方が良いことがある。MM2Hの内容を調べるときに多くの場合MM2Hのホームページで調べることが多いと思う。それも日本語のページで。ところがこのMM2Hのページは更新が遅い。税制の変更になった点を1年以上更新していないことも過去にあった。だから税金に関しては内国歳入庁で調べないと危ない。またMM2Hの公式ホームページの日本語と英語を比べると若干違うところもあるので、私は英語で調べるべきだと思う。

ただこのブログで何度も書いていることだけれど、こういう内容は個人の雑学程度として考えるべきで、最終的な判断は容易に下すべきではないし、インターネット上で交換されている情報も決して信用するべきではないと思う。余りにも勘違いが多すぎる。もちろん私のブログに書いてある内容もウソばかりだと思って読んで欲しい。最終的な判断はプロの税理士、会計士と相談の上、決定するべき。

Inland Revenue Board Of Malaysia

MM2H公式ホームページ

まず、税金を納める必要がある所得とは何か?それはここに書いてある。

内国歳入庁のページ

* Business or Profession 仕事と専門職
* Employment 就職
* Dividends 配当
* Interest 利子

* Discounts 割引
* Rent レンタル
* Royalties 使用料
* Premiums 保険料
* Pensions 退職金、年金
* Annuities 年金

* Others その他

和訳を適当に着けてみたけれどなんか変な感じがするものもある。でも英語の方を見ると何のことなのかわかるはず。

次ぎに税金を納める必要のない収入を見てみる。

内国債入庁のページ

我々に大事なのは次の項目。

Interest 利子

Income in respect of interest received by individuals resident in Malaysia from money deposited with the following institutions is tax exempt with effect from 30 August 2008:

1. A bank or a finance company licensed or deemed to be licensed under the Banking and Financial Institutions Act 1989;
2. A bank licensed under the Islamic Banking Act 1983;
3. A development financial institution prescribed under the Development Financial Institutions Act 2002;
4. The Lembaga Tabung Haji established under the Tabung Haji Act 1995;
5. The Malaysia Building Society Berhad incorporated under the Companies Act 1965;
6. The Borneo Housing Finance Berhad incorporated under the Companies Act 1965.

Dividend 配当

The following dividends are exempt from tax:

1. Dividends received from exempt accounts of companies.
2. Dividends received from co-operative societies.
3. Dividends received from a unit trust approved by the Minister of Finance such as Amanah Saham Bumiputra.
4. Dividends received from a unit trust approved by the Minister of Finance where 90% or more of the investment is in government securities.

ここで疑問が出るはず。税金を納める必要がある収入の項目に、利子と配当が入っていた。でも、ここでは利子と配当は課税されないと書いてある。つまり、全ての利子・配当は課税されないのではなくて、ここに書いてある場合だけは課税されないということ。当たり前のことだけれどこれはしっかり理解するべきだろう。つまり、銀行に預けた定期から産まれる利子には税金が掛からないけれど、たとえば個人や一般会社にお金を貸して手にした利子には課税されるということ。だから利子は無税だという言い方は間違い。ここははっきり理解するべきポイントだと思う。利子の良い投資口があったとしても、それが課税対象なのかどうか考える必要がある。

配当も同じで、課税にされないケースがあると考えた方が良いかもしれない。

次ぎはこれまた大事なポイント。

Income Remitted from Outside Malaysia マレーシア国外から送金された収入

With effect from the year of assessment 2004, income derived from outside Malaysia and received in Malaysia by a resident individual is exempted from tax.

2004年度より、マレーシアの居住者がマレーシア以外の国から得た所得は課税されない

つまり日本、その他の国からの収入がいろいろあったにしろ、たとえそれが給料だろうが家賃だろうが年金だろうがマレーシアでは非課税(源泉国で課税されるかどうかはここでは関係なし)。これに関しては前にも書いたことがあるけれど、マレーシアと日本との二重課税防止の租税条約とは全く関係がないことははっきり理解するべきだと思う。日本で税金を払ったからマレーシアで払う必要がないとか、日本で払っていないからマレーシアでは払わなくてはならないということもない。外国税額控除は?なんて考える必要もない。海外の所得源泉国で納税をしようがしまいがマレーシアは一切関知しないということ。非課税。

この歳入庁のページを良く見てみよう。ここにはMM2Hという文字も無く、あるのはレジデントという言葉のみ。つまりこの非課税措置はMM2Hの恩恵ではなくて、マレーシア全ての居住者に適用されるということ。良い国だ~~~。(笑)

オマケで書きますが、税法上の居住者非居住者に関してはみなさん気をつけてくださいね。サラリーマン時代に海外駐在経験がある人に限ってこれを簡単に考える傾向があるのがわかっています。日本という国はそう簡単に、はい、貴方は非居住者です。納税義務はありませんという国ではないということ。183日ルールも存在しませんし、住民票を抜いたり、社会保険庁に海外転出を届ければ終わり、なんて簡単には行きません。

それの良い例が武富士の贈与の一件です。香港在住の息子が1700億円程度の贈与を受けたのですが、これは我々の常識から言えば全く問題ないはずなのに、当局は彼を日本の納税義務者と判断しました。一審では武富士の勝ちだったのですが、二審でひっくり返りました。

この内容は検索するといくらでも出てくるので調べてみると面白いと思います。

ただ武富士の彼は当然上告しておりまして、まだ結論は出ていませんが、どうも今度は二審がひっくり返りそうな雲行きです。来年の早い時期に結果がわかりそうです。

余談ですが、マレーシアには相続・贈与税がないとされています。

上にあげた非課税項目の中にこれがあります。

Death gratuities

Monies received as death gratuity is fully exempted from income tax.

相続に税金は掛からない。ただしこのページには贈与に関することが書かれていません。見落としかな?

この相続・贈与税が無い国を利用して日本での相続・贈与税対策を考える人って結構世の中にはいるようで、オーストラリアもそうなのですが、そういう話をチラホラ耳にしたことはあります。で、マレーシアほど簡単に居住者になれる国で、なおかつ相続・贈与税が無い国は私は他に知りません。

ただ、マレーシアに相続・贈与税が無いからといって、MM2Hで親と子が渡り、すぐに贈与を完了させちゃうというのも出来ない。これは前の日記にも何度か書いていますが、日本には5年間ルールというのがあって、海外に出て5年過ぎていないと日本の居住者と同じく申告の義務があるとなっている。逆を返せば5年を越えてしまえばOK。

これを利用していろいろできるわけで、それを目的にマレーシアへ渡る家族も結構いるのかもしれませんね。まぁ、そういう方々はちゃんとプロのバックアップを得て計画を練っているでしょうが、我々が気をつけないとならないのは、意図的に租税回避を狙ったわけでもないがついつい贈与をしてしまうケース。あるいは5年以内に不幸にして相続が発生してしまうケース。日本では夫婦間でも贈与・相続は申告義務があるわけですから、マレーシアへ渡ってから5年以内の名義変更とか贈与・相続は日本に申告義務があるということは絶対に忘れるべきではないと思います。

ちゃんとやれば充分節税できるわけですから、あえて脱税、あるいそれを意図しないにしても結果的に脱税になるようなことは避けるべきだと思います。見つかりはしないよとか、額が小さいから大丈夫っていう話は私のブログでは一切しませんし、私はそういう考え方に否定的です。正々堂々と無税を享受したいです。(笑)

最後にまた何度も書きますが、私のこのブログの内容もそうですが、インターネット上の情報を絶対に信用しないでくださいね。雑学程度に留めて置くか、いや、信憑性はゼロだと思って良いと思います。確かなことは専門家に聞く。信頼している人に聞いたなんてのも駄目です。是非、大事なことは自分で確認する、専門家と相談する癖を付けて頂きたいと思います。

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