テクニカル分析の嘘

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相場のことを書いたついでに、暇なもんでちょっとおまけを・・

値動きをテクニカル分析で判断して売買する方法を私は取るわけですが、そんなのは不可能、それで勝てるなんて幻想だという学者も多くいます。

ちょっとその前に、基本的なことを。株でも為替でも良いですが、それの動きを分析する方法は二種類あるといわれています。

○ テクニカル分析
○ ファンダメンタルズ分析

テクニカル分析は過去の値動きや出来高などを分析して、これからどう動くのかの予測を(この言葉は使いたくないんだけど・・)します。あくまで基本とするのはその動きそのものであって、社会情勢がどうだとか、業績が良いとか悪いとか、失業率がどうじゃこうじゃも全く考慮しません。

ファンダメンタルズはこれと逆で、株で言うなら、その会社の業績や将来性、そういったものから将来の価値と理論株価を算出し、今売るべきか買うべきかの判断をします。これはこれで間違いはなく、いつかその理論値に値は収束していくであろうことは間違いないと思っています。ただ問題は、この世に存在するありとあらゆる関係データを自分が入手できて、そしてそれを正確に分析できて、なおかつ誰よりも早く出撃できるかどうかとなりますとそれが自分に出来るとは到底思えないのです。

またこれを両方使う人も多く、基本はファンダメンタルズで大きな方向を考え、出撃撤退の売買ポイントはテクニカル分析でという方法があります。多分この手法をとる人が世の中に一番多いと思います。それはその方が効率が良いからだと言うことも出来ますが、もしかしたら結局これだという方法が無いからあれにもこれにも手を出していると言うのが事実かもしれません。

私としてはファンダメンタルズは基本的に無視です。上がる理由があっても下がる、またその逆もあるし、何か良いニュースがあったにしてもそのニュースを自分は知らなくてもちゃんと値動きに出てくるわけですから、一体何があったんだ?どうなってるんだ?と動きの理由を知る必要もありません。値が動き出したらそれについていくだけで、勝負が終わった後で何があったのかがわかるようなことも少なくありません。逆にニュースで飛びついたのに値動きは????なんてこともありません。評論家は「もうそれは織り込み済みだった」なんていうわけですが。

前にも書いたように、相場の値動きとは綱引きと同じだと思うんです。売り方と買い方の戦いです。これは双方ともプロであると思っていいはずで、どちら側にも売る理由、買う理由があるわけです。ではどちらが正しいのか両方の売買理由を聞いたとしても自分がその結論が出せるわけが無いと思っています。夫婦喧嘩の理由を子供がどうしたの~?って聞くようなもんです。(笑)

またニュースを早く仕入れればそれだけ有利に動けるのは間違いがありませんが、これもまた「早耳筋」というのがいまして、嘘か本当かわからない情報を流してきます。この情報は「風説の流布」に限りなく近いものもありますし、その情報の裏取りをしなくてはなりませんし、また「あの人の情報だから」なんていうのを根拠に売買するのは投資とは言えないと思うのです。前に書いた「競馬の予想屋選び」と同じレベルですから。

ですから私はファンダメンタルズ、あらゆるニュースを無視して売買しますが、では本当にテクニカル分析で勝てるのかどうかという話になると実はこれもまた疑っています。

この話を金融を学んでいるうちの息子たちとしますと、一笑に付されてしまいます。大学にはディーリングルームもあり売買シミュレーションも経験しているのですが、株価(相場はなんでも)の動きは予測不能なランダムであると彼らは決め付けています。彼らの学校ではそういう教えなのでしょう。ま、金融を教える立場としては当たり前といえば当たり前のような気がするのですが、テクニカル分析では絶対に予測ができないと彼らは断言します。

その話になりますと親子喧嘩に発展するのですが、実際にランダムウォーク理論を言う学者もおりまして、値動きはランダムであり、将来の動きが分かる要素はそこにはないと言い切る人もいます。

私も実はそうかもしれないと思いつつやってます。(笑)

値動きには二つの規則があると思うんです。

○ トレンドが形成されることが多い。
○ トレンドはいつまでも続かない。

この二つの相反することが常に起きます。つまりトレンドが続いているのであれば前に例に出した抵抗線、トレンドライン、あるいは簡単な移動平均線とかそれから派生したトレンド系のインディケイター、つまり指標に乗せれば簡単に勝てます。

逆にトレンドがなく行ったり来たりしているときにはオシレータ系のインディケーターが抜群の威力を発揮します。

では今、トレンドが出来ているのか、それとも単に方向性も無く行ったり来たりしているのか、これさえ分かればトレンド系とオシレータ系を使い分ければ百発百中になります。でもそれは簡単にいかないんですね。

私のようにトレンド系とオシレータ系を合わせて使っていると言いながらも、トレンドに強いのか往来相場に強いのかという傾向があるわけで、トレンド系を主体に見ていて勝っているときには、それはテクニカル分析の勝利では決してなく、たまたま使っている指標(そしてそのパラメータ)が動きに合致していたということだけと言っても良い訳です。

もちろんトレンドが出来ているのか出来ていないのか、そのものを見るインディケーターもあるのですが、完璧にわかるわけもありません。

ですから、全ては運任せと言ってもいいのかもしれません。売買方法を過去データを使ってどれくらいの効果があるのか調べる方法があります。バックテストと言いますがそれが出来るソフトは多数あります。これで自分の考える売買ルールが有効かどうか調べるのですが、それとて一体どういうデータを使ってしらべたのかというのが大事な点です。そのデータが例え何十年分だとしても、その中にそのルールに適した動きがどのくらいあるのかによって結果が大きく変わってしまいます。これは何種類のデータ、延べ何百年分を調べても理屈は同じで、売買ルールにあった動きの多さで左右されるのであれば、将来も同じことで、将来同じような動きが出てこなくては勝てないということになります。

要は、どのくらいそういう勝ちパターンが将来に出てくるかによって結果が変わるのであれば、そのパターンが出る確率は将来も同じでなければ駄目ということだし、さて本当にそういう決まった確率でパターンが出現するのかどうか。これは誰にもわからないはずなんですね。結局未来のことは誰にも分からない。

だからどんな値動きのパターンでも勝てる売買ルールをみんな寝ずに考えるのですが、私はこれに成功したという話は聞いたことがありません。もしそれが成功してるとすれば、開発者は世界一の金持ちになっているはずです。

ところがですね、実際にやっていると神罹っていると思うくらいビシバシ当たることがあるんです。これはギャンブルも同じで嘘のようにあたりが続くようなこともありますから、やっぱり偶然なのかもわかりませんが、テクニカル分析のプロの中には、この値は将来いくらいくらになるとピタリと数値を予測して当てる人も世の中に存在するんです。そんな人にはいくらでもあったことがあります。

ところがですね。いつも当たらないから困るわけ。(笑)

またそういう予測というか当てものにこだわりだすと、それこそ四柱推命や様々な占いに凝ってる人と似たような感じになるんですね。とにかく当てることに執念を燃やすようになるし、当たらないとそれは自分が間違えたのではなくて、値動きがおかしいのであると言い出す人もいる。実は私のオヤジが相場師だったのですが、このタイプです。なんでそんなことがわかるんだ?と思うくらい当てるときにはバシっと当てます。その代わり外れることもしょっちゅうでいつまでも首をかしげて考え込んでいます。

こういう傾向は良くないと私は思っていて、良く年末には日経平均はいくらぐらいになっているとか、半年後はドル安になるとか、あたかも見てきたようなことを言う人がいますが、こういう当てものをするようになると勝てなくなると思います。相場に勝つということと予測を当てることとは別物なんですね。で、当てることに喜びを見出すと勝てなくなります。つまりその自分勝手な読みがバイアスになって動きについていけないということです。これはやってみればすぐわかります。もちろん私も経験済みで、神の領域に入り込もうと寝食を忘れて打ち込みました。(笑)

余談ですが、父は相場で二度も失敗しました。一度目は若い頃ですが失敗して裸になり、二度目はかなりの歳になってから気の遠くなるような額を飛ばしてしまいました。私と違って度胸があるので突っ込み方が異常です。ところがですね、そろそろ円をドルに換えようか、なんていうときには今でも神懸りかと思うくらいビシバシあてます。オヤジはPCは使いませんし、もう相場には手を出しませんが(結局彼の人生トータルはマイナスで終わりました)、未だに自分で手書きの罫線(チャート)を引いています。面白いのは私の子供の頃の写真です。小さな子供の癖に、頭はポマードでぴったり分けて良い服を着て革靴を履いている写真もある。そうかと思うと汚い格好のいかにも下町の悪ガキみたいな写真があったり。我が家は父の時代からジェットコースターに乗りっぱなしです。

前の日記に書いたことがあるのですが、実は数年前、私の知らないうちにオヤジは私のお金で債券を買ってしまったんです。後でそれに気がついて、どうしてそんなことをしたのか親父に詰め寄ったのですが、なんと覚えてないというんですよ。そんなことをした覚えが無いと。そこで銀行に確認しましたが、間違いなくオヤジが指示を出していました。もうその時点でオヤジは80歳を過ぎていましたので、ボケたと思ったのですが、実はその債券、かなり良い条件、良いタイミングで買っていました。私の本音としてはオヤジありがと~~です。そういう不思議なこともあるんですね。

昔、相場の非常に上手な老婆がいたそうです。かなり溜め込んでおり、その老婆が亡くなったときに彼女が使っていて誰にも見せなかった手帳を調査したところ、そこに売買の秘密が書いてあった。ところがそれはなんと単純移動平均であったということです。今では簡単にPCでチャートに表示される基本中の基本、初歩の初歩といっていい単純移動平均線ですが、彼女は自分でそれを計算し、それを元に売買し大きな財産を作ったということ。

この話も満更嘘でもなさそうで、チャート分析の指標は本当にややこしい難解なものもあります。面白いもので難しい指標を使えば勝てるような気がしてのめりこむのですが、ある日あるとき、フト、移動平均線の方がわかりやすいじゃないかと目が覚めることもある。

ま、そんなこんなでテクニカル分析が本当に有効なのかどうなのか、なかなか結論付けることはできませんが、少なくとも多くのプロがコンピューターを駆使してそれで判断したり、またテクニカル分析を基にした自動売買で巨額の資金が動いているし、自分自身は紆余曲折はあったもののこれだけを頼りにこの世界で生きてこれたわけで、全く役に立たないことはないと思っています。ただ少なくとも分析するのは「過去の動き」であって、利益を出すのは「将来の動き」なわけですから、完璧にわかるわけがないというのは誰にでもわかるはずです。

ただ、カジノ必勝法というの巷にはあるように、これは例えば丁半博打にしてもなんでもいいのですが、勝率を計算し、賭け方で効率よく稼ぐ方法があるといわれています。これは相場も同じで、常に単位を決めて売買するのではなく、建て玉の管理方法で利益を出す手法はあると言われています。またここだ!と思う場所が必ずありますからそういう時には大きく乗せていくとか、勝っているときにはそのまま追いかける。負けているときにはすぐ逃げる。つまり損切りの重要性ですが、そういう方面からのアプローチと組み合わせることで損益のコントロールができると思ってます。

勝てない人の半分は損切りを覚えるだけで勝ち組に回れるんじゃないかと私は思うくらいです。でも負ける人が多くないと困るのがこの世界。(笑)

勝つことと勝率とはイコールではなくて、勝率が40%程度でも全く問題ない手法もあります。要は、勝利の額>負けの額であればいいわけで、まず何よりも大事なのは損切り。これが出来ないと絶対に勝ち組にはなれませんね。また勝ってるときはこれの逆で、喜んですぐ利益確定せずにどんどん勝ち進むことが必要だと思ってます。

でもま、やっぱり偶然の要素は否定できず、自分が今生きているのも偶然の積み重ねかもしれませんし、トータルで相場に勝った負けたというのも同じく偶然かもしれません。でも少なくとも相場の世界には勝ち組と負け組みがいるのははっきりしているわけで、特に先物のようなゼロサムの世界、つまり損した人の金額と勝った人の金額は同じ、プラマイゼロの世界ですから負けた人がいれば必ず勝つ人がいるわけで、そして世の中の大半の人は負けているという事実からも、どこかでニヤニヤしてる人もいるのは間違いがないです。

私としては、勝ちは偶然ではなくて必然なのだ!という結論をどうにか見つけたいと思っています。

無理かもしれない・・・なんて不安があるからそもそもこのブログにこんなことを書いているってのはもうバレてます?(笑)

でもねぇ、相場では残念ながら結果を出せなかったオヤジですが、「相場は簡単だ」というのが口癖なんですよ。ただし「自分をコントロールできれば」という条件付。そのリベンジを私がやっているわけで、そして三代目の息子たちでなんらかの完成形を作ってもらいたいんです。これが私の夢でもあるし、意地でもあります。

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