興味深い情報がありました。日本国債に関する話です。
CDSってありますよね。デフォルト保険というのでしょうか。リーマンショックの時に良く出てきたやつです。いわゆる債券がデフォルトになったときにそれを保障してくれる保険です。アメリカでは天文学的な額がこの保険に入っていて、それを手広く引き受けていたのがAIG。もしAIGが倒産して保険の支払いが不能になったら世界の金融界は崩壊するといわれ、アメリカ政府がAIGにてこ入れしたのはついこの前の話でした。
ま、そういう保険があるのは覚えていると思いますが、当然これは今でも存在するわけで、債券の買主が発行会社の不払いによって被害を蒙らないように保険を掛けるわけです。で、この日本国債にたいするこの保険料が大幅に上がってきたとのこと。
次のメッセージを転載します。
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表面には出ない金融市場で重大な動きがありましたので、みなさんにお知らせしようと思います。
それは至近時点でのCDSスプレッド(日本国債のデフォルト保険料)です。
3月11日までは、79と落ち着いていました。これは日本国債を5年間保証してもらうための年間保証料が、0.79%だという意味です。
ところが、週明け14日にそれが94に拡大し、15日にはさらに116と拡大しています。つまり79との比較感でいえば、たった2日間で5割も上昇するという暴騰ぶりです。
株価や為替だけを見ていると、こうした動きは見えません。債券市場は重大な警鐘を鳴らし始めています。
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へーーと思いません?日本国債が不払いになった時の保険料が地震後50%上がったと言う話。
私は能天気なのか日本国債の不払い、デフォルトなんて絶対にありえないと思っていますからその保険料が上がるなんて信じられません。そんな心配を市場はしてるという事を知ってびっくりしています。
調べて見たところ、ロイターでもこれは報道されていました。
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[ロンドン 17日 ロイター] 17日の欧州市場で、日本のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)のCDSが再び上昇している。先週の東日本大震災と相次ぐ原発トラブルを受けて、金融および経済への影響に対する懸念が強まっている。
マークイットによると、日本の期間5年のCDSは前営業日終値から14ベーシスポイント(bp)ワイド化して118bpで取引されている。同CDSは15日に120bpを超えて過去最高水準をつけている。
東電の期間5年のCDSは90bp急伸して385bpで推移している。同CDSは今週、400bpを上回る水準まで上昇している。先週11日の終値は40bpだった。
東京電力も債券を発行しているわけで、そのCDSはかなり上がっている。
さて、これを知ってどう思います?
デフォルトの危険を考えているのであるならば、まず債券そのものも売られてしかるべきだと思うのですが、国債の場合は長期金利がアップしますし芳しくないですよね。でも私は日本国債の買主は日系が占めていますので、これは政府も日本の金融関係も運命共同体でこれに対抗する手段を取って来ると簡単に考えています。
で、問題は東電。東電の株は叩き売られていますよね。昨日はストップ安ですか?では債券は?CDSの保険料がこれだけ高ければさぞかし債券も売られているのだろうと思うのですが、皆さんは食指が動きませんか?東電のCDSが400ってことは保険料は4%。つまり債券は当然それ以上の利回りだということですよね?私は東電が債務不履行を起こす事態が起きるとは全く考えられません。
株の動きは相場ですからどうなるかは神の世界。ただ、債券というのは金利が決まっているわけですね。で、債券自体の価格が安くなれば利回りは上がる。私はこういう時には平気で東電の債券を買いに出動します。全然怖くありません。ただ円資産がないのと、円での運用を全く考えていないので実際には買うことはありませんが、もしどうしても日本円で運用したいという思いがあるとすれば、この東電の債券は面白いと思いました。
こういうところでプロとアマの差って面白いと思いませんか?
プロが利口でアマがバカってことじゃないです。アマにはプロにはできないことが出来るってことです。もしアマがじゃぁ東電の債券でも買うかと思ったところで何の問題もないでしょ。ところがもし貴方が機関投資家、あるいは大会社の資産運用部にいて、そうですねぇ、500億円ぐらい動かしているとしましょう。で、その内100億円ぐらい東電の債券を持っていてヘッジも何もしていなかったとします。あるいは新規に100億円ぐらい買おうとしたとします。どうなると思います?
もう20数年前に友人のあるファンドマネージャーに聞いた話ですが、多分貴方は左遷、あるいは首、まぁ上司に首を絞められてなにをしてるんだと怒られるんじゃないでしょうか。なぜか?そこにははっきり目に見えるリスクがあるからです。つまり彼らの私の考えるアキレス腱というのは、売買、運用に関して社内の説明責任があるってこと。あるいは金を預かっている客に対しての説明責任がある。そして立場上リスクを野放しには出来ないんですね。
たとえば、A社の株をどうして300億円購入したのかのレポートを出す時に「上がると思ったから」と書いたら殺されるわけです。(笑)
友人のファンドマネージャーは勝手に自分の裁量だけで売買できる権限をもつことは無いと思って良いとその当時言っていました。まぁ、当たり前ですよね。といいつつ今の時代どういうふうになっているのかさっぱりわかりませんが。
つまり為替でも株でも何でも彼らはそれを売買する説明、裏づけが常に必要となるわけで、それとその人の結果と両方見られるわけで、儲けてるから良いじゃんってわけにはいかないのだろうと思います。だからこそテレビでも新聞でも評論家なり学者があーじゃこうじゃいうし、プロも同じように話す。
これってプロのアドバンテージだと思いますか?私は逆にそういう縛りが無くて何でも出来るアマにアドバンテージがあると思うんです。これはきっとプロから見れば危険極まりない考え方だと思うのですが、アマは理屈はどうあれ、またハイリスクだろうがローリスクだろうが、リスクは自分持ちで好きに売買すれば良いわけです。
また売買方法にもプロには縛りがあると思っています。例えば機関投資家で数百億動かして株式投資をしているとします。なんの株でもいいですが寄付きを見て、良しこれだとひらめいて100億買って、3分後にそれを手仕舞いするとか、そういうことも彼らは出来ないわけです。あるいは、これは下がると思って、500億空売り!何てことも出来ない。また扱う額が違いますから、どんな銘柄でもOKってわけには行きませんね。自分の注文だけで値が飛んじゃう銘柄はいくらでもありますから。
ただ為替ディーラーや先物ディーラーは自分の裁量だけで売買させてもらっているという友人も前にはいましたから、プロはプロ全部同じだとはいえませんね。これはまさに近年話題に出るヘッジファンドも同じ。理由はどうでも良いわけです。下がる、上がると思えば多額の資金を、なおかつレバレッジを効かせたり、ありとあらゆる方法で売買に参加してくる。このヘッジファンドがハイエナだといわれるのはそれが理由だと思います。片や礼儀正しく正攻法で投資をしているのに、片ややりたい放題ありとあらゆる手を使って、空売りまでしてくるんですから。
皆さん、昔は株式投資も「株式投資とは株を買うことだ」と言われていたのをご存知でしょうか。信用取引、空売りするのは相場師、ばくち打ちとバカにされたもんです(繋ぎ売りはまた別として)。
今じゃレバレッジを何十倍に効かすなんてことは誰でもやるし、売りから入るのも買いから入るのも同じ事という認識があります。また普通に長期投資をしようが、数秒で売買しようがそれも好きなように出来ます。でも多くの正統派プロはそれが出来ないってことなんです。プロと言う立場と扱う金額の大きさに縛られていると思います。
最近の若者に相場上手が多いのはここだと思います。自由な発想を持っていますからありとあらゆる手口に対応できるんでしょう。反面、古くて頑固な投資家で未だに株は買うものだと信じている人がいっぱいいますし、レバレッジ、空売りは悪だとさえ思ってる人がいる。マネーゲームを否定する人はいくらでもいますが、もし市場に参加するのであれば、今世の中はゲームマネーが動かしていると言う事実があるのですから、その手口を馬鹿にするべきではないと思うのです。
だから我々は我々の、プロとは違うやりかたでやろうよって考えるのが筋が通るはずで、プロと一緒になって経済を論じたり、各国の様々な指標や動向を調べたりして理屈を並べる必要はないと思います。
実はこれに気がついたのは、こんなことが切っ掛けでした。
オーストラリアでまず最初にやった事はオーストラリア市場の調査でした。どんな企業が何を輸出、輸入したいと思っているかという調査です。そんな過程で、ある日本商社に勤めている友人ができ、いろいろ情報をもらっていたときのことです。
「年間1千万円ぐらいの利益を出せる案件はいくらでもあるんだけど・・」
って言うんですよ。ええ?と思ったのですが、彼らはそんなちっぽけな案件には手が出せないんですね(今の時代は知りませんが)。じゃぁどのくらいの利益が見込まれないと駄目なのか聞いてみたらところ、やっぱり億だと言うわけです。まぁ、そりゃそうですよね。日本の一部上場会社の海外支店で皆で1千万の商売に目の色変えていてもどうにもなりません。
でも私としてはバクテリアみたいな企業ですから、そんな案件が4つ5つあったら十分会社は成り立っちゃう。私はどうにか聞きだそうと思いましたが、さすがです。尻尾も全く出しませんし、なーーんも教えてくれませんでした。
私は家で、いつものようにPCに向かいつつあの当時は日経225をやっていたときかな、いや株式投資をしていた頃でしょうか。
「彼の言っていた案件ってどんなのだろう・・・」
って考えながら相場を見ていたんですよ。その時、ハタと気がついたんです。これって相場も同じじゃないかと。それまで私は世の中の専門家、プロと同じような見方をして、同じように売買しようと努力をしていたときでした。
これはちがうかもしれない、とその時思ったのです。アマにはアマのやり方があるはずだって。それからは相場上のありとあらゆる常識を自分の中から捨てることに努力をしました。でもじゃぁそれからはうまく行ったのかと言うとそんなこともなく、紆余曲折が続きましたが諦めませんでした。
で、私はそれで良いと思ってるし、それしか自分には道がないと思っています。プロに並ぶ事は出来ないし、そもそもそんなことを願う事自体が無理であると思っています。今では彼らプロよりアマの方が恵まれていると思うぐらいです。
ところで我々アマの一番のアドバンテージってなんだと思います?
それは、休む事ができると言うこと。これってプロには許されないんですね。常に利益を出すなんて半端じゃなく大変だと思います。その点我々は気楽で、いける!と思った時だけ、それもできる事だけやれば良いんですから。怖い、分からないと思えば手を出さなければ良いし、駄目ならやめちゃえばいいし、馬鹿なことをしても社会的地位を追われることもありません。そもそもそんなもの最初から無いんですから。(笑)
「人の行く 裏に道あり 花の山」
私の一番好きな言葉です。