通貨バスケット制

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前の日記にFXで利益を出すトラリピに関してちょっと書きましたらそれにコメントを頂きました。

香港ドル/米ドルのペアならペッグ制で動く範囲が決まっているのでリスクが少ないのではないかという考え方。

これはコメントに書きましたが、検証はしていないものの動くレンジが決まっているのは嬉しいけれどそれがあるがために変動率も低く、それがゆえに結局、刻み値を小さくしなくてはならないので相場が大きく動いてくると取り残される仕掛け玉が多くなるのは同じことではないかと書きました。

その後、色々考えていたのですが、ペッグ制に準じたものでバスケット制がありますよね。それも面白いのではないかと思いました。

どうしてか?

まずトレリピはレンジの中で行ったり来たりしていると利益が積み重なるわけで、そのレンジが日本円のように度々円高にシフトすると取り残しの仕掛け玉が積みあがってしまいますね。塩漬け株と同じ。この辺の考え方を図で簡単に示してみたいと思います。

まずその通貨ペアの価格分布を考えます。例えば日本円/米ドルだとすれば80円81円82円とかその価格が何日あったか数えグラフにします。他の通貨でも同じ。そしてその分布が一つのレンジに挟まっていればトラリピは効率がいいわけですよね。こんな感じ。

ところがこういう分布は困る。

これが時間の経過と共にこういう形になったとすると、まさに日本円/米ドルと同じでかつては100円より安かったAの頃。100円を前後する時代もあったB。そして円高に進んで今がCだとすれば、AやBにトラリピの仕掛け玉がたくさん残ってそれが塩漬け状態になる。

あるいは変動率が大きい通貨はこういう形になるはずで、これも困る。

だったらペッグ制なら変動幅は決まっているのでいいのではないかと考えるのが順当ですね。そのレンジ以外にはならないんですから。

でも私の考えだと変動幅が小さいということはトラリピの刻み幅も小さくしないと駄目で、結局他の通貨とパフォーマンスは同じことになるんじゃないかと思うんです。

でも変動幅が決まっているのは安心。これは間違いがないと思います。

そこでフト頭に浮かぶのは、ではバスケット制はどうかということ。マレーシアもバスケット制ですがマレーシアリンギットには我々がアクセスできるデリバティブもFXも存在しないから除外するとして他に何かあります。

そうそう、シンガポールドル。

かつてはどの通貨のバスケットか、その割合はどうかと発表されていたらしい(定かではない)ですが、それはその国の貿易相手国、その割合を見るとだいたい想像がつくと思います。で、シンガポールドルの場合、日本円はバスケット通貨であることは間違いが無さそう。

それの証拠はこれです。過去の動きを見てみると、この円高でシンガポールドルがどういう動きをしたのか、米ドルと比べてみます。

まず米ドル。

全くこのチャートを見ると頭が痛くなり腹も立ってきますが、シンガポールドル/円はこんな感じです。

これがどういうことかというと、バスケットに米ドルも日本円も入っているはずだと想像しますが、米ドルより日本円の割合のほうが多いってことだろうと思います。

つまり日本円に対して動くレンジが自動的に調整されて結果的に動くレンジが狭くなるということではないでしょうか。

しかしレンジが狭ければ良いってもんじゃないのは香港ドルも同じだと思うわけで、トラリピで大事なのはレンジそのものの広さ狭さではなくて、そのレンジの中でどのくらい上下幅があるかということに尽きると思うんです。

つまり、大事なのはレンジとボラティリティの関係

レンジが狭くて、しかしボラティリティの高い通貨ペアがトラリピには合ってる。ということだと想像します。もっと突っ込んで言えば、レンジが広ければ刻み値が大きくなる。レンジが狭ければ刻み値が小さくなるということで、レンジ対刻み値の比率ってどの通貨も似たようなものかもしれません。

となると、大事なのはボラティリティ。分布図でいうとこういう形が理想ですよね。レンジは決まっていて、上にも下にも動くという形。

スワップで稼ぐ手法だと高いボラティリティは敵となるはずですが、トラリピだとボラティリティが低いと勝負にならない。

でも私の想像でしかありませんが、スワップ獲得戦略とトラリピの合体が面白そうに感じます。

スワップで稼ごうとしている人も多くいると聞きますが、ではいつ買うのでしょうか。相場って面白いもので、よし!やろう!と思うともう今日買いたくなるんですよね。でも買える時に買えば良いじゃないかとのんびり構えることが出来たら、まずトラリピを始めてみるってのも有効な気がします。

つまり例えば豪ドルだとして、今買うより1円下で買うほうがいいですよね。50銭下でも良いですが、で、もっと下がれば買い持ちを増やしていくというピラミッド方式になるわけです。で、値が戻るとトラリピで利益が出ちゃう。

せっかくスワップで儲けようと思ったのに~、なんて苦笑いをしてみます?(笑)

スワップで利益を出そうとするのが主体なら、トラリピで豪ドルの買い持ちが増えるのは怖いことじゃないですよね。また下がっていけば含み損が気になりますが、それはスワップ戦略をやるなら最初からわかっているリスクでしかありませんし、まとまった大金を今ポーンと出して外貨預金することを考えたらよっぽどいいはずですよね。

でも私としてはやる気はしません。(笑)

私がやるとしたら、フト気まぐれで思いついたことですが、買われすぎ、売られすぎを見る指標がありますよね。それの日足か2日足、週足でも良いですが、売られすぎになるのをひたすら待つ。で、ある決めた数値(今は考えてもいませんが)そこで買う。レバレッジ2倍程度。リミットは移動平均線でも良いと思います。移動平均線まで戻ったらそこで利益確定。でも反転せずにまだ下がったらナンピン買いです。レバレッジ4倍。それが移動平均まで戻れば売る。まだ下がればまたナンピンでレバレッジ8倍。同じ事を繰り返して16倍。資金が足りなければ倍にしてもいいし。

細かく計算していませんが、利益が出ちゃって買い持ちが無ければそれはそれでOKですし、利益が出ずにどんどん下がれば元々スワップで儲けるつもりですからどんどん買い持ちを増やす。

こんなバカなことをやっても良いかなと思っています。私としては今はいかに利回りを上げるかが大切ですから、今すぐに豪ドルの債券なり定期をするより、下がったら買い増し、それもレバレッジを使う方法の方が良いと思っています。最終的には今、まとまったお金を豪ドルの債券なり定期に投資するより、下がったら買う。戻ったら利食うを繰り返しながら塩漬けが増えればそれは長期保持としたほうが、はるかに買い単価は下がるし、それに至るまでにはおこづかいも期待できるならこちらのほうが良いと思います。

しかしまぁ、こういう半分ギャンブルみたいなことが好きってのはいつか痛い思いをするんですよね。でも好きなんだからしょうがない。(笑)

参考のために豪ドルの月足チャートを出します。

この2008年の10月24日はきっと一生忘れないと思います。もう俺の人生は終わりだと思った瞬間。(笑)

ま、オーストラリアにいる限りは関係ないのですが、いつか日本に帰ろうと思っていましたから、豪ドルが半分になるということは日本の物価が2倍になったのと同じことですから、もう日本には帰れないって本気で考えていました。

でも豪ドルって面白いくせがあって、あ、そうだ、週足の方がわかりやすいかな。

このチャートの一本一本の陰陽足をしっかり見てみてください。図はクリックすると大きくなりますが、ある特徴があるのがすぐにわかると思います。いわゆる下ひげが長いんです。意味わかります?

この特徴は月足でも週足でも現れていますでしょ?

どういうことかというと、下がるときにはガーーっと売られるけれど短期間に戻すことが多いってことなんですね。

だから上に書いた逆張りの戦略って結構有効だということです。ただ大きく下げてもすぐに戻りますから考える時間はたいしてないんです。だからこういうのも出来ることなら自動売買ソフトに条件を入れておいて、自動で注文が出るようにしたらいいかもしれません。あるいはチャートから計算して指値を入れておくことも出来るかもしれませんが、できる事なら、目いっぱい下げて、そこで売られすぎの指標が反転する瞬間を狙いたい(もっと下げたらナンピン買い)ですから、それって見ていてもいつ起きるかわかりませんし、やっぱりチャートの動きから自動注文が出来るようなシステムを持っていたほうが良いと思います。

多分この考え方でいつかやってみても良いと思っています。KLに行ってからですからいつになるかわかりませんが。(笑)

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