完全に相場ブログになって申し訳ないですが、結構これの行方が気になる読者(ほとんどマレーシア関係)がいらっしゃるのでこのまま続けさせてもらいます。
トラリピですがやっぱりトレンドに沿うのは大事。で、買われすぎ売られすぎを何で見るか?私としてはオシレータより平均線の乖離が良いと思うんですがこんなのはどうでしょう。
これはエンベロップですが、これだけでも大まかなトレンドは見れるし、あるいは他のものを使ってトレンドを見てもOK。とりあえずこれは買われすぎ売られすぎを見ることが出来るのでそれを使う。
トレンドに沿って上昇なら買いトラリピ。しかしこのエンベロップを飛び出したらそこは売りトラリピにする。下降トレンドは売りトラリピ。エンベロップを下に飛び出したらそこは買いトラリピ。というかトレンドに関係ないか。上に出たら売りトラリピ。下に出たら買いトラリピ。
細かいところを見てみてもこれなら使えそう。
これでOKなら簡単に自動運転プログラムは組めるし良いかも。
ところが~~~~~~~。
やっぱり動きの早い大きなトレンドが出来るとうまくない。この下げトレンドの下に飛び出た部分は上のルールで行くと買いトラリピとなって塩漬けがごっそりできちゃう。その後の上げトレンドも同じくで飛び出たところは売りトラリピで塩漬けの大量生産となる。
ただこれは移動平均線に何を使うかによってまるで変って来るはず。このエンベロップは単純移動平均(SMA)だから早い値動きには全く追いつけない。これはEMA、WMAを使っても大差はないはず。でもHMAかT3、ああ、JMAを使えば値動きに追いつけるかも。
ただJMAのエンベロップは私の知る限り存在しないから自分でプログラミングしないと駄目。HMA、T3のも見たことは無し。
皆さん、移動平均ってチャート分析の基礎の基礎ですが、私は結局最後はこれに戻るような気がしています。どんなインジケータもローソク足の焼き直しでしかないし、いつも見ているとインジケータをチェックしなくてもどういう形になっているかはローソク足を見れば大体わかるようになってきます。と同時に、インジケータを見ればローソク足を見なくてもこれまたどういう動きをしているかわかる。所詮同じものなんですね。
で、最後に残るのは初歩の初歩で使った移動平均。そんな感じ。
ところがですね。この移動平均ってのもかなり多くの種類があって動き方がまるで違うんです。普通はSMA、EMA、WMAですが私の知る限りでも10種類はある。
そもそも移動平均は何のために作られたかというと、値動きはギザギザ、つまりノイズが乗っている波形ですが、そのノイズを消したいという目的が始まりだと私は想像しています。
でもノイズを消すと動きが遅れるんですね。パラメータを長くすると滑らかになりますが、転換点はかなりずれてしまうし、下手をすれば値動きのちょうど逆を示すことも多い。MACDを使ったら出撃のたびに逆に動く経験をした人は少なくないでしょ。それと同じです。
でもパラメータを短くするとノイズが乗ったままで方向性が見えない。
そこで頭の良い人たちがいろいろ考えたわけです。もっと複雑な計算式でもっと綺麗にノイズが消せないかと。
HMAというのはHullという人が作ったもの。私は今はこれを主流に使っています。その他T3というのも結構使えると思います。そして一つ凄い(と私が思う)のがあります。それはJurikという人が開発したJMAという移動平均。これはかなり優れものでかなり綺麗にノイズが消える。私はノイズを消す目的だとすればJMAが一番だと思うし、これは本来有料なのですが、かつては年間いくらか忘れましたがお金を払って使っていました。
ところがそのソースコードが外部に漏れたんですね。あるいは解析したのかもしれませんが、今ではこれが無料で出回っています。本当はいけないのかもしれませんがメタトレーダーでも使えます。
このJMAはノイズを消すという目的には最高で、つまりこのJMAを値に掛けるだけでなくて、それこそCCIでもRSIでもノイズが多いものにこのJMAを使って平滑化すると元のインジケータのパラメータを長くするより綺麗になるという魔法の移動平均と言っても良い位。JMAを使ったMACDですと本来のMACDより転換点が早く見えます。つまりパラメータを短くしてもグジャグジャにならないし、長くしても転換点がさほどずれない利点があります。
どうJMAが凄いかってのはJurik ResearchのHPを見ると良くわかります。というか是非使ってみてください。そのほかのインジケータも素晴らしいものがあります。
Jurik Research ← ここ
簡単に言うとこういう感じ。
これはアニメーションGIFですがちゃんと見えますでしょうか。図をクリックしないとちゃんと見えないかも。この図にあるように、ジグザグの波形が大きく場所を移動してまたジグザグ動き出したとした場合、この図のライム色の線のようにそのジグザグを平滑化できたら完璧なわけですね。わかりますよね?
でも移動平均線はこのライム色の様にはまずならない。どの移動平均だとどうなるか一つの例がこれです。
ブルーの線がJMAですが違いがわかりますよね?この図にExponential Moving Averageが出ていますがこれが指数移動平均(EMA)。ここには単純移動平均(SMA)は出ていませんが、SMAはもっと大雑把な動きになります。私はSMAはまず使いません。SMAには化石のような古さを感じます。(笑)
このように値動きを追うとするのなら古くから使われている移動平均より良い物があります。ところがですね。値を追えばいいってもんじゃないんですね。移動平均の使い方としては値動きの方向だけではなくて支持線、抵抗線としての使い方があるし、これはこれで非常に重要ですよね。
ところがその用途としてJMAを使うとわけがわからなくなるんです。JMAは値を追う性能が良すぎて抵抗線、支持線に使えない。というか私には使えません。
私としては支持線、抵抗線としての用途として使うのならEMAが良いと思っています。でも私が一番使うのはHMA。HMAは途中から加速するように値動きを追いかけます。その代わり、勢いが良すぎるとでも言いましょうか行き過ぎてオーバーシュートするんですね。T3と似たところがあります。
しかしこのオーバーシュートが私には使いやすいんです。
ほとんどの方はトレンドラインを見ると思うのですが、私はトレンドラインをチャートに描く事はしません。スキャルパーにはそんな時間が無いというべきでしょうか。でも頭の中では必ず描いています。で、値の動きはトレンドに乗っているのか、ブレイクしたのか見るわけですが、HMAはトレンドラインと同じように使えるんです。移動平均とトレンドライン両方に使えるハイブリッドみたいな感じ。
でもそれは私が使い慣れているからそうなだけかもしれません。
上の図は全てパラメータが100の移動平均ですが、まるで違いますでしょ。値動きを追いかける性能はJMA、HMAが勝っていますが支持線、抵抗線と使うにはちょっとのんびりしているEMA辺りの方が使いやすいと思います。
今ざっとチャートを見てみましたが、これは日足。いつも見ているのは一分足。随分値動きが違うのに気が付きました。HMAは1分足には良いけれど日足にはイマイチの感じがします。
一分足のチャートですが赤がHMA。スキャルピングにはこれが一番良いと思いませんか?下の図も一分足。値動きの変化はHMAが見えやすくて支持線にはEMA、WMAがいいのがわかるはず。
JMAの凄さはこれを見るとわかるはず。
ライム色の線がJMAですが、値動きに追いつくのも早いし、値動きがボックスのような動きになってもちょうどその真ん中辺りでフラフラせずに方向を表しています。
うーーむ、久しぶりにJMAを見ましたがやっぱり良いなぁ。またちょっと使い込んでみようかな。
ということで、値そのものでもあるいはインジケータの値を平滑化するのにもこのJMAは使い道があります。で、話は元に戻りますがエンベロップもJMAを使って表示すれば値動きが速くなってもそれに取り残されることはないはず。