先日、債券のことを書きましたが、すぐにどういう風に情報を得ているのかという質問を頂きました。
これは実は私も知りたいぐらいで、私の債券に関する知識はほとんど無いと言っても良いと思います。
そもそも債券って我々個人が簡単にアクセスできる金融商品じゃないんですね。ここをまず知る必要があると思います。
企業が債券を発行する時には、当然事前にメインバンクなり大口見込み客とのやり取りの中でクーポン(利息)なり、額なり、償還日なり、あるいはどんな形態にするのか大筋を決めて発行するはずですが、大体行き先も決まっているようですね。我々一般に、さぁ、いかがでしょう?って発行するわけじゃない。客はいわゆる機関投資家。
債券というと国債をイメージして、どこの銀行証券会社でも買えるような気がしますが、そもそもそういうものじゃないと思ったほうが良いと思います。
そして債券には株式市場みたいなオープンな取引市場は基本的に存在しないとのこと。NY市場で上場されているものもありますが、全体の債券からみたら微々たるもの。ではどういう取引がなされているのかというと、相対取引。売り手と買い手と相談の上、決めるというやつ。オーバーザカウンター(OTC)取引の一種。
ですから株式のように今日はいくらだ、昨日に比べていくら上がった下がったという情報も簡単には手にはいらない。そもそも世の中に上場されている株式ってどのくらいあるのでしょうか。凄い数ですよね。でも債券はそれの何倍、何十倍もあるわけです。例えばUFJの株は一種類しかない。当たり前ですよね。ところが債券はそれこそ毎年発行したり、円建て、米ドル建て、豪ドル建てだったり一つの企業が半端じゃない数を発行しているわけです。で、それらが全てが毎日株式のように売買されているわけじゃありませんから、我々が買いたい、売りたいと望んでも簡単にはいかないってこと。
ではどうするか?
取引のある銀行なり証券会社が扱っている物を売買するしかない、と言って良いと思います。債券ブローカーも少なくない様ですが、では、アメリカのXXX社を通して売買したら良いです、なんて書いても、ハイそうですか、そうしますって話にはなりませんよね。海外での取引では、自分が預金している銀行だって破綻したらどうしようなんて考えるはずで、見ず知らずの会社と取引できるわけがない。
ですから、自分が口座を持っている銀行、証券会社を通して売買。情報もそこからもらうしかないでしょう。
私もそうで、昔から取引のある銀行にいくつか探してもらってその中から選ぶだけです。何百もの債券リストから自分が選べるほど自由ではありません。
そして、大事なことがあります。債券には株式市場の様な取引所がない。ということは、値段も話し合いで、我々からすると売り手の言いなりってことなんですね。ですから、もし取引のある証券会社が自分が欲しい債券を扱っていたとしても、さて、その価格は?となるとその価格が妥当なのかどうかもわからない。
実際に債券の取引では悪徳ブローカーも多いようです。だから信用のおけるところから買うしかない。
ただ、債券の売買データを提供しているところがあります。アメリカですが。
例えばここ FINRA ←クリック
ここも良いです SIFMA ←クリック
我々には交渉の余地はないわけですが、少なくともいくらぐらいで売買されているのかを知るのは銀行なり証券会社と話をするときに決して無駄にはならないでしょうし、「こういうのがあるはずだから探してくれ」と頼むこともできるでしょう。
でも中々思うようには動いてくれないのが普通だと思います。特に日本の銀行・証券会社は難しいかもしれない。やっぱり金融市場のロンドン、香港、シンガポールの銀行が良いんじゃないかと「想像」しています。
かつてシンガポールのCITIバンクに口座を持っていたのですが、彼らは債券に関してはまったくこちらの要望を聞いてくれなかったので、頭にきて解約したことがあります。格付けのAAAグレードの債券しか扱わないって言うんです。これって面白いですよね。今の時代なら日本の国債も欧州各国の国債も駄目ということになる。多分、社債のことを彼らは言っているのだろうと思いますが、正直なところAAAクラスなんて高すぎて(利回りが低すぎて)まるで妙味がないと思います。
かといって利回りが良ければ危ないわけで、その辺の見切り方は難しいと思います。また我々素人はそれこそ「勘」とかさほど調べもしないで「名前」だけで買ってしまうことが多いかもしれませんね。有名な大企業なら大丈夫だろうなんて思ってしまう。まぁ、世界的に景気の良い頃ならそれでも大丈夫なのでしょうが、今の時期、これからはそうは簡単にいかないと思います。
それこそ4年前を想像してください。リーマンブラザーズの債券の利回りが良かったら平気で買っちゃうと思いませんか?あるいは5年前だったら?まさかリーマンブラザーズがって思いますもんねぇ。
それと同じことがこれから起きるかもしれませんし、ゴールドマンサックスの利回りが良いね、なんて安易に飛びつくと大変なことになるかもしれません。
まだ日本の銀行の方が良いですよね。UFJを日本政府は潰すことはないと言うのが日本人にはわかりますから(そういう考えは危ない?)、もし世界的な銀行売りの時代になったら日本の銀行も叩き売られますから良い買い時かもしれませんね。これは2009年の初めにそういうことがありましたね。米ドル建てで12%程度の利回りでした。
私としてはもしUFJが潰れるような時代になったら、何をどうしようがまず自分が安全でいられるはずがないと思っています。だからUFJが潰れるならしょうがないと諦めが付く。(笑)
ま、どちらにしても個別の債券を買うということは自分がリスクを取ることになるし、また銘柄を自分で好きなように選べるわけでもなく、そして自分が買う価格も本当に妥当なのかどうかもわからない。考えてみれば、良くこんなものに投資をしますよね。でも定期より良いし、他にないという言い訳を自分にしています。
でも今のように世界の雲行きがおかしくなってくると私も考え方を改めようかと考える事があります。リスクを減らす、分散することを真剣に考えないといつか大火傷しそうです。
そういう点で、債券投資のファンドはどうなんでしょうか。これも調べてみるといろいろあるようで、それこそ業種(セクター)別のがあったり、BRICS専門とか、あるいはジャンクボンドさえも組み込んだのがあるようですね。これも日本ではなくて海外の方がはるかに種類が豊富のようです。
そして私がちょっと気になっているのはETFです。上場投資信託。
これって投資信託ですが、株のように自由に売買できるところが良いと思います。それこそ日経平均と連動するもの、金、銀、小麦、石油、その他これもまたセクターごとのがあったり、そして「債券投資」のETFもある。ここに注目。
債券でもファンドでも困るのは流通性ですよね。売りたいときにサッと売って、また後で買い戻すなんてことはできません。手数料もすごいことになるし。でもETFなら株式と同じですから売買は簡単。
個別債券投資 > 債権投資ファンド ≧ 債権投資ETF
自分が取らないとならないリスクはこんな感じではないでしょうか。そして売買の簡単さでいうとETFが一番。
ただどちらにしても日本の銀行や証券会社と付き合っていては無理だと思います。ではどこか?私はヨーロッパの情報はまるでないのですが、アメリカの証券会社を使うのが良いのではないかと思います。
オンラインで株、FX、CFD、債券、商品、先物、オプション、ETFなど金融商品全て扱っているようなところがあります。たとえばInteractive Brokers
ここ ← クリック
この会社はIBと約して話されることがある、大変有名な証券会社です。私はここを10年以上使っていましたが、細かな売買は止めた(お休み?)ので去年、一昨年か、全て引き上げて解約してしまいました。でも手数料の安さはピカ一だし、ここに口座があれば世界中の金融商品にアクセスできる(日本株も売買できる)し、良いと思います。
IBは支店が各国にありますし、もしかしたら世界最大級かもですね。
マレーシア関連で話をしますが、債券投資するにしても、ファンドにしてもマレーシアの銀行、証券会社じゃ役不足だろうと思います。ただHSBCもCIMBも債券売買には力を入れているようですが、マレーシアというマーケットを相手にしている在馬の銀行で大丈夫かどうかが心配ですね。
私はHSBCのマレーシアとシンガポールと両方に口座を持っていますが、やっぱり違いますもん。やっぱりシンガポールの方がちゃんとやってくれます。でもどちらも日本の銀行・証券会社に比べたらはるかに良いかも。
ま、債券に関しては私はこんな程度の知識しかないってことでご勘弁を。
REITに関してはまた後ほど・・・