歳をとると・・

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歳をとると性格が変わる。いや、隠れていたもの、隠していたものが表面に出てくるだけなのかもしれないけれど、周りで見ていて、また自分でも変って来たという実感がある。

長い間観察できる対象としては自分の親がある。

まぁ、うちのオヤジは酷かった。若い頃から我がまま、身勝手、人の話なんか聞かないし、よく叩かれたし怒られた。私にとっての父親って恐怖の対象、嫌うべき人間の代表だった。だから「大人になったら何になりたい?」なんて子供の頃には良く聞かれることだけれど、私は「お父さんみたいじゃない大人になりたい」といつも答えていた覚えがある。

一番身近にいる人間が世の中で一番怖い存在で、いつも恐怖を感じながら育つ子供って絶対に性格が曲がると思う。そう、私がそれ。(笑)

でもまぁ、結構早い時期に、私が20代の頃に父親を理解することが出来て、決して悪い人じゃないというのもわかって、そしてあんなオヤジでも自分にとっては大事な、愛する存在だと思うようになった。オヤジと何を話したわけでもないけれど、自分の中でオヤジとの和解が成立したような気がする。そして自分に子供が出来たらああいう育て方もアリかな、なんて思うようになった。

でもそれも今思い返せば、自分のオヤジを嫌い続け、避け続けて生きるって精神的にはかなり難しいはずで、どこかで妥協しなければならないと思い続けた結果として、彼を受け入れたというのが正解かも。

そんなオヤジももう80半ば。若い頃からの性格は全く変わらず、自分は小山の大将。全ての人間を見下しているような感じがする。でもそれって彼の強さじゃなくて、弱さがそうさせているというのもわかるようになった。ある意味、人を信用できない可愛そうな人だとも思う。でも彼の本質がわかったところであの行動パターンでやられるのはたまったもんじゃない。

まぁ、そんなことを考えているときにハッと気が付くのは、自分もそのオヤジに似ているってこと。歳をとるにしたがって、似てきたなぁ、という実感がある。

オヤジに似たということではなくて、単に歳をとってくるとそうなる傾向があるんじゃないかとも思うのだけれど、視野が狭くなる。目もそうだし、頭の中もそう。この目の視野と頭の関係って実はきっちりあるんじゃないかと思うのだけれど、とにかくものの見方が近視眼的というか視野が狭くなってきた。こだわりが偏狭。同じ事を何度も言うようになるし、かなりしつこくなった。

周りの空気が読めなくなったのではなくて、周りの空気に左右されるのに飽き飽きしたという感じかなぁ。俺は俺だ、それで良いだろうって思いが強い。でも自分はそれを押し通すくせに、他人のそれは認めたくない部分もあるようで、やっぱりこれは単なる我がままなんだろうと思う。

そんなジジーがこうやってブログを書いている。なんだか面白いと思うし、時代が変わったのだろうとも思う。

でも難しいと思うのは、自分のブログなんだから自分のカラーを出せば良いのだけれど、それが世間とズレがある場合、一体どうするべきなのかが良くわからない。まだそれを気にする気持ちが残っているってことはまだ救う道があるのかもしれないけれど、最近、そのズレの大きさに戸惑うことが少なくない。

でもそれって歳の差とか、頭の衰えに関係しているのではなくて、世の中における自分のポジションが変って来たからそう思うのだろうという気がしないでもない。

若い頃って周りを見渡してもみんな自分と似たようなのがいっぱいいて、そしてハツラツとして目が輝いている。あれもこれも挑戦したいとウズウズしている。でもそれって好奇心とやる気があるだけで、実力も経験もなく実際に世の中の戦力になるかどうかは別。でも将来の中枢を担う大事な人材だから大切にしたいとは思う。

で、自分はといえば、もういい加減歳もとっているし実戦としての経験はそれなりに豊富で、自分の世界観も固定してくる。どうやって戦うのか、どうやって勝つのか、どうやって逃げるのか、そんなのはもう身体に染み付いているもので、それを文字に表すのは不可能に近い。経験、ノウハウの共有が大事だと思ってもなかなかそれを伝えることはできない。

そんなことを思いながら、夢だけはたくさんあって、しかし経験も実力もないのに自信はあるという摩訶不思議な若者たち(だから未知の世界で戦える)の中に入ると、自分とは全く違う、その違いが半端じゃない大きさであることに驚愕する。

私は大会社に勤めたこともないし、大人数の部下を持ったこともない。だからそういう若者たちとどう付き合うのか、彼らをどう引っ張っていくのかということが全くわからない。これって多くの人たちと何かを成そうとする場合、大きな障害になるだろうということが簡単に想像できる。

これが軍隊なら、あるいは古い会社(社会)なら、「言われた通りにやれ」「理屈は言うな」「その内わかるようになる」で済むのだろうけれど、主従関係も何もない人間関係でそんなことが言えるわけがない。

でも何も考えずに言われたことをやれというのには一理も二理もあって、どうしてあんな理不尽なことをいうのか、やらなければならないのかと思うようなことでも、自分が段々と経験を積み、世の中が見えてくると、ああ、こういうことだったのかとわかることが非常に多い。でもそうなるには数年、下手をすると10年20年掛かることも少なくない。

これって職人の世界がそうだろうけれど、相場の世界も全く同じだと思う。

自分が知っていることは世界の全てではなくて、ほんの小さな一部分のことでしかない。でもそれって理屈を超えて掴めた非常に大事な内容があって、かつての自分がそうであったように、それなくして戦うことは危険だし戦っても勝てないだろうと思う。そしてそれを会得するには時間もコストもかなりかかるし、頭で考えてそれに達することはかなり難しいと思う。でも世の中には頭の良い若者はたくさんいて、普通の人が20年30年経験しないとわからないことを一瞬にして理解する。あるいは想像できる。そしてそれを元に行動できる天才肌の連中もいる。

これって昔なら偶然に頼るしかなかったし、教える、伝えることはほぼ不可能だったと思う。でも昔から「帝王学」というのがあった。これってもしかしたら今の時代のMBAも似たようなものかもしれないけれど、長い経験を経ないと身につかないものを短期間に身につけてしまう者がいる。これって凄いことだと思う。

自分としてはこれから山に登ろうとしている若者とは違うわけで、少なくとも小さな山はいくつか制覇した経験がある老兵であるし、めたらやったら鉄砲を撃つ少年兵たちに、それじゃ駄目なんだよ、といえる知識と経験があるし、それを伝える、教える義務があると思う。もちろん、そんなのは関係ないね、というような会社で言えば学校を出たばかりの新卒が偉そうにいうのに付き合うつもりは毛頭ないけれど、では、こうしてみたら?とやんわり言っても、新卒にはそれをやるべきかどうなのかさえもわからない。

きっと世の中って技術の進歩は凄いけれど、そういう職人芸というか、あるいは、私は営業畑だったけれど「どうやって売り上げナンバーワンになるのか」みたいなノウハウって意外に何百年も進歩していないし、またそれを伝えることも出来ていないのかもしれないって思う。まぁ、会社としても販売能力を高い状態に保つのは至難の業で、科学のように誰がやっても同じ結果がでる世界以外のことってそんなものかもしれない。教育するには時間と経験がものをいう経営の分野でも、それをいかに効率よく伝えるか、それに挑戦したのが「帝王学」であるし、現代のMBAであると私は思うわけで、それを伝えること、学ぶことは無理だという前提ではまずいはず。

ま、老兵は老兵としてやることがあるはずで、ただ消えていけば良いとは思わない。新兵としては五月蝿い老兵は消えろと思うだろうけれど、それで強い軍隊が出来るとは思わない。

でも軍隊じゃないわけだから、また利害を共有しているわけでもないから、それぞれが勝手にやればいいのだけれど、でも中には、「この銃はどう撃つのか?」「どう戦うのか?」「どういう時に尻尾を巻いて逃げるべきか?」とそれを真剣に知りたいと思う新兵も中にはいる。問題はそういう連中にどの様に、そして何を伝えるかだと思う。

だまってこれをやれ、とは言えない。その内わかるようになるだろう、じゃ誰も納得しない。その内、こっちもイライラしてきて怒鳴りたくなることもある。でもどうにかそれを乗り越えて、戦わなければならないときにどう戦うのか、どう生き残るのか、それを知りたいと思う者がいて、そして伝えられるものがもしあるのならば伝えなければならないと思う。

興味のないものにどうしようなんて全く思わないし、それをするのは時間の無駄以外の何物でもない。でも興味があるものにはこちらもとことん付き合っていこうと思う。でもこういう私はもう頭も固いし、口も悪いし、しつこいし、同じ事を何度も言う老齢期に入ってしまっている。

私の書き方、ものの言い方で心ならずとも傷つけてしまうことは決して少なくないと思う。ただ私はお手々繋いで仲良しクラブをやっていれば良いとは思わない。大事なことだから強い言い方にもなってしまうと良い方に考えて頂けたら嬉しい。私が優しい言い方をしているときって、実はそんなことはどうでも良いと思っているから優しいのかもしれない。(笑)

できることなら、そういうジジーの嫌なところはちょっと我慢していただいて、お付き合い願いたい。

急がねば・・・・・

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