このブログで昨今流行っているマレーシアでのロングステイ熱に関して否定的なことを書いたところ、マレーシアが嫌いなら来るなとか、嫌いなことをいちいち書く必要はないとか、そんな感じのコメントを頂いたことを思い出します。
私のブログを読んで今でもそう思う人はいると思っています。
でも、そこに何か変だと気が付く人っていないのかなぁ、とも思うわけです。
このブログの読者は日本に住んでいる方がほとんどだと思いますが、例えば大阪だとして、大阪はいいよ~~、皆おいでよ~~、なんて話を聞いたことがあります?あるいは、毎日毎日楽しくて仕方が無いなんて話は?私は東京出身ですが、東京在住の人からそういう話は聞いたことがありません。
住むってそういうことだと思うんですよ。海外旅行でちょっくら遊びに行くのとは違うってこと。
でもま、そういう楽しみを求めて海外の良いところだけ頂戴しようと思う人はそれでもちろん良いわけですし、イヤなら帰ってくれば良い、飽きたら引き上げれば良い、つまり旅行の延長線上で楽しめるのならそれが一番。
私が考えるロングステイはそこに「根を張って生きる」という大前提がありますので、旅行感覚でその地が良いのか悪いのかで選ぶことはできませんし、イヤなら帰ろうとか飽きたら他へ行こうとかそういう考え方を持って渡ることはしません。私が気になる点は「一生住めるかどうか」この一点だけ。この辺は同じロングステイという言い方をしても個人個人に何をしようとしているのかの差がでるところだと思いますし、その違いを無視して両手を挙げてマレーシア万歳はできないんじゃないの?って思うわけです。
私としては熱病に罹った状態でこれから住む場所を決めることは不可能ですし、死に場所を選ぶには冷静に考えようと心がけています。まぁ、その辺が熱病患者には面白くなく見えるところだろうと思いますが、決してマレーシア行きを否定しているわけではないというのは読者ならお分かりになるはず。
で、今回の2ヶ月に及ぶ私の充電期間でも、マレーシア行きに関してとことん考えてみましたが結論は同じで、マレーシアに渡るという計画に変更はありません。
それどころか私に取って、マレーシア行きがベストの選択であると確信しています。
その理由ですが、何度も書いていますように、私達がマレーシア行きを考える最大の理由は経済的な理由で、マレーシアのタックスヘイブンと同じような税制の良さを享受したいというのがあります。そしてやっぱり物価も安く、今と同じような生活レベルをマレーシアで維持するにしてもかなりの差が出るであろうと思われること。つまり、税金はゼロになり、支出も半分以下になるということでこの相乗効果の大きさを見過ごすわけにはいかないという理由です。まぁ、経済難民と言っても良いかもです。
では現地の生活という点ではどうかですが、これに関してはすでに渡った方々が良いよ~~、楽しいよ~~、というところは参考にはしていません。というか、行けば行ったでどうにでもなると私は思っていて、今のところマレーシアで「住む」ことに関して何か問題があるようには思えないのです。つまり、プラスの面は見ていないということ。でもマイナス面は無さそう。私に取って重要なのはこの点で、マイナス面は月日が経つにつれて蓄積され、ある日ある時我慢が出来なくなって爆発する要因になると思っています。でもそれが無い、見当たらないとなれば(私は日本を基準にしていないことに注意)、あとはプラスしかないわけですから、今の時点であえてプラス面を探す必要もないということ。マイナス面が無いだけで十分嬉しいです。プラスはあとのお楽しみ。
そして、マレーシアには私の両親がすでに住んでいます。この話も何度も書いていますが、我々がマレーシア行きを考えた頃、実はちょうど姉夫婦がマレーシアに渡ったところだったのです。これに関しては事前に姉夫婦の予定を知らなかったので大変びっくりしました。で、長年アメリカ暮らしだった姉はマレーシア、そして私もこれからマレーシアという話を聞いた両親は、じゃぁ、みんなでマレーシアで合流しようと言い出したのです。で、あっという間にMM2Hも取得し、家も処分してマレーシアに渡ってしまいました。これが4年前の話。
ところが私はリーマンショックで大打撃。その後の世界経済の回復も見込めないまま未だにズルズルして動きが取れないわけですが、両親と姉はもうマレーシアで5年目を迎えることになりました。
で、この両親ですが、二人とも80代半ばです。頭は歳なりですが、幸運なことに健康には恵まれていて、医者に掛かることはあるけれど入院しなければならないような大病に掛かったことがありません。で、この年齢ってかなりわがままで偏屈でどうしようもないのが普通ですが、その両親が二人とも
「もう日本に帰りたいとは思わない。一生ここに住むと決めた。」
って言うんですよ。これって私は自分の耳を疑う言葉です。あのワガママ親父のことですから、「もうこんな国にいられるか!バカらしい!」とでも言うだろうと思っていたのが正反対。
これには私がゴールドコースト移住を決めたときを思い出します。インターネットも無い20数年前、当地で情報を集めていたときに、ある方の家で、ご老人にゴールドコーストはいかがですか?と聞いたときに、「あと10年早く来たかった」とだけ一言仰った。これってインパクトがあって、老人がそういうなら間違いは無い、大丈夫だと確信したのです。
半端じゃないワガママ、偏屈、小山の大将、人の言うことなんかまるで聞かないあのオヤジがマレーシアは良いというんだから、これはまず間違いがないだろうというのが、私の何よりも信用できる情報なのです。