凄い勢いですねぇ。豪ドルがとうとう対円で100円を突破。80円台をウロウロしていたのはつい昨日の様で、そこから見たら25%以上の上昇。
豪ドル預金をしている方も少なくないと思いますが、やった~ですよね。
そうでもないか・・・・。日本を基本としていれば豪ドルより日本円の方を持っているのが普通ですもんね。ということは喜んでいるのはオーストラリアに基盤がある人だけ?
つまり、ロングステイで海外に出ている、これから出ようとしている人たちにしてみると頭痛の種?円安なんか冗談じゃない?喜ぶな?
そこのところは勘弁してくださいな。円高の時には私はじっと黙って堪えていたんですから。
でも実際にこれから海外っていう人にとっては計算が狂ったかもしれませんね。ただ、こんな程度で計算が狂うようだったらその計画はすぐに破綻すると思った方が良いんじゃないでしょうか。多くの方々は今までの生活の中で為替を気にしながら生きてきたなんてことはないでしょうが、私は下がっちゃ泣き、上がれば喜びという生活をずーっとしてきたわけで、しまいには耐性ができたというか、為替から離れて生きなければやってられね~、という結論に達しました。
これはどの国に住むとしても私は豪ドルと共に浮き沈みを受け入れるってこと。たとえ日本に住もうが豪ドルで計算し、豪ドルで出せる範囲の生活から逸脱しないってこと。意味わかりますよね?為替が変化したからと言って、経費増は絶対に認めないという考え方です。買いたいものが実質的に値上がりしたのと同じですが、その場合は安いものに変更するという考え方です。
そもそも、こんな2割や3割の動きなんか屁みたいなもんです。
リーマンショック後は50%近く変動しました。それって資産も収入も日本円換算(その必要があるのかないのかの話はまたいつか)で半分になるってことです。それプラス、そういうときにはどういう資産かにも寄りますが、その資産も値下がりしている。つまりダブルパンチで自分の財産が4分の1になってしまった。なんてことが起きるわけです。
もしこれにインフレのおまけが着いたらどういう生活をしなくちゃならないと思います?恐ろしいでしょ?でもオーストラリア在住者は特にこの10年ではそういう思いをして生きてきたってことなんですね。オーストラリアは物価が安いとか、生活しやすいなんてマスコミの宣伝に乗った人は多くいたけれど(私もそれ)、それは1990年代で終わり。
私が毎度毎度しつこい位に、資産の多少は問題じゃなくて現地で稼がないと長い間には破綻するっていう意味がわかると思います。ここのところは実感としてわかりずらいかもしれないと思うし、夢が勝って、いやいや、多分大丈夫だよ、なんて思う人が多いのがわかります。私も間違いなくそういう心理状態でしたから。(笑)
でも現実って非情だと思います。こちらの都合は関係ない。って当たり前ですが、この辺は冷静にシミュレーションを重ね、稼ぐしかないというのがわかった人が勝ち残るってことだと思います。
これは移住永住、子供を連れて長い年月海外で生きようと思う人に対して言う言葉であって、ジジババの数年のロングステイは全く関係なし。そもそも、こりゃ駄目だと思えば帰れば良いんですから。でも一応根を張って生きて、子供も学校へ通うようになると、やっぱり帰ろうか?なんてことは簡単に言えないんですね。またその時に慌ててもどうにもならない。
だからシミュレーションと危機への対処法、稼ぐ方法とか、事前にかなり真剣に考えないと駄目ってこと。流行に乗って簡単に動くと、これまた帰る波という流行に乗らないとならなくなっちゃう。
つまりですね、海外在住者で幸せそうに生きている人たちの言うことをそのまままともに聞いたら駄目ってことなんですよ。その人がどのくらいの資産を持ち、どのくらい稼げているかを知らずに、行けばどうにかなるなんて思ったらアウト。特にアメリカやハワイ辺りで気ままに暮らしている日本人は、お金なんかないですよぉと言いつつ、実は10桁の資産があるなんてのはよくある話。
マレーシアでもそれに気がついた人は多いでしょ?安い安いって言うけれど、どうも様子を見てみると年金生活者という割には年収600万以上はありそうだとか、そういうのが見えてきてびっくりした人もいるでしょ?お金が無いお金が無いといいつつ(こういう風にいうのは日本人としての常識)、凄いコンドミニアムに住んでてびっくりした経験ないですか?
いやいや、20万以下で生活している人も多いっていうかもしれませんが、そういう人は単身だったり、あるいは日本での経費を計算に入れないで言っているだけだったりしません?
「単身、あるいは夫婦だけなら、そしてマレーシア国内での生活費だけなら年金でどうにか生活できます」
私はせめてこういう言い方をしてもらいたいと思うんですよ。え?俺、そういう言い方をしているよって言うかもしれませんが、聞くほうは勝手に想像したり夢を膨らませて聞いちゃいますから、自分に都合の良いように受け取るって事も考慮して話さないと駄目だと思うんです。
出来ることなら、「遠い将来のインフレに関してはなんら考慮していません。」というのも付け加えて欲しいです。 (笑)
で、年金って言ってもいろいろですよね。日本人ってお金の話をはっきり言うのは駄目という価値観を持っていますからはっきり言わないでしょ。だから余計聞くほうはわけがわからなくなる。まさか国民年金で生活できるとは誰も思わないけれど、でも年金生活者といっても夫婦でダブルパンチで、しかも企業年金までもらって優雅な人もいるわけで、そんな人たちの生活を見て、よーーし、俺もなんて思う人もいるんじゃないでしょうか。
そんなアホはいない?
でも私はどちらかというとそういうタイプでした。何でも自分に都合の良いように考えてしまう。これって恋愛と同じで、そういう風に盛り上がることが何よりも楽しく、幸せなわけで、苦労しなければならなくてもそれはそれで受け入れよう、って思っちゃうのね。でも対策は何も考えていない。
じゃぁ、そういうお前はどうやって生き延びたの?って話しなりますが、その答えは簡単で、稼ぐことを考えたという答えがあるだけ。ここは大事なところで、日本人の嫌いなお金の話をはっきり書きますが、もし小さな子連れ家族で渡るとして、1億2億のお金があれば遊んで暮らせるだろうなんてのは全く無理ですからね。これはオーストラリアの場合。(マレーシアなら多分どうにかなるかも)。2億あれば毎年1千万使ったとしても20年使える計算だぞというかもしれませんが、自分も子供も20年後にはこの世からいなくなるならそれでOK。20年後はまだ50代だなんていう人はインフレも入れて考えたらかなりヤバイと思います。やっぱり地元で稼がないと無理。
特にオーストラリアの場合は税金が高いことを念頭に置く必要があると思います。そしてインフレに関しては慢性的にインフレ率の高い国だということ。つまり豪ドルの利回りって良いよね~なんて言っても、税金を払ったらインフレ率を下回る利回りかもしれないってこと。ましてやその利益を溜め込むならまだしも、それで生活しようなんてまず無理ってことです。(ここでわかりますよね。豪ドルで稼いで無税で物価の安い他国で使えば良いってことです)
もし二人の子供を私立に入れて、そこそこの生活をするには税込み年収20万ドル(2千万円)(つまり税金が高いってことで、手取り20万ドルなら楽勝でしょう)でも難しいのが今のオーストラリア(これって日本も同じかぁ)。オーストラリアに渡る予定の方々はその辺を忘れないで頂きたいと思います。
私の友人で、夫婦で30代の時、観光でオーストラリアに来てそのまま居ついちゃったてのがいます。ましてやその時、奥さんは妊娠中。資産なんて呼べるものは何もなし。無謀なんてもんじゃありませんが、でも彼らは夫婦で仕事を探し、どうにか就労ビザも取ってもらい、その後永住権も取得し、家も川沿いのウォーターフロントを買い、普通に子供を育てて生活するまでになった。
稼ぐことが出来るって凄いですよね。また稼がないと駄目だってのはこういうことなんですよ。ちょっとやそっとの資産があっても長い間にそれの価値はとんでもなく減少しているかもしれない。ましてや蛸の足を食うがごとく、種銭に手をつけたらあっという間に消える。かつてのオーストラリアでは日本人はみんな金持ちみたいな感じでしたが、シドニーオリンピックも終わって気がついてみると、一人当たりのGDPも日本を大きく通り越してしまって、オーストラリア人は皆さんしっかり稼いでお金持ちです(日本人より所得は高く、かつ共働きが普通)。つまり普通に働いていればそういうことになるんですね。日本からの金利生活者なんてどんどん落ちぶれて、おまけに資産も減って、こりゃ大変だ、帰れるうちに帰ろうということになって帰った人が多くいるってこと。
もし円安が150円まで行ったらどうなる。そして住むつもりの海外でのインフレで物価も5年で5割、10年で2倍に上がったらどうなる。今、こういう為替が大きく動いて気になるときですから、そういう極端なシミュレーションをしてみたら良いと思います。独り身、夫婦だけならどうにでもなりますが、お子さんを連れて行く場合は責任重大ですから余裕を持った計画、あるいは何が何でも稼いで生き延びてみせるという覚悟が大切だと思います(海外には日本人を食い物にする日本人がいるのもこれでわかりますよね?最初から日本人を食うつもりで来た人なんかいないと思います)。
でももしかしたらまた円高で50-60円になるかもしれない。またインフレ抑制がうまい具合に効くかもしれない。子供が育っても金は掛けないつもりだし、というシミュレーションもありですよね。もしかしたらそっちの方を考えて生きるほうが人生楽しい期間が長いかもですね。(笑)
実は豪ドルに関して言うと対円じゃなくて対米ドルが気になります。これで豪ドルの世界の中の現在位置を見るという癖がついています。
対米ドルで高かった豪ドルがここのところ下げ続けていたのがちと問題。輪転機でお金を刷りまくって来た米ドルより弱いってことですから。今はちょっと盛り返しましたがこれからどうなりますか。ちょうど今のあたりに上値抵抗線がある感じ。