マレーシアでの子育て

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海外での子育てということで、私の家族が渡ってきたオーストラリアはゴールドコーストにおける経験、そして私の考え方を前の日記に書きました。

長男3歳半、次男坊1歳から現在の25歳、22歳までの話ですが、これはあくまでゴールドコーストでの話し、また回りに起きていたことを観察した上での話でしかなく、さてシドニーやメルボルン、あるいは日本人も居ないようなもっと田舎の場合はかなり違いがあるかもしれません。

ましてやアメリカにしろカナダにしろ、あるいはハワイ、そしてマレーシアとなればかなり事情は異なると思います。ただ、共通点は間違いなくあるはずで、それを念頭において書いたつもりですが、それがこれからの方々に当てはまるかどうかはこれまた疑問なのです。と言いますのは子供たちが育ったこの20数年間でも刻々と取り巻く環境、事情が変化して行ったのがわかるから。

ま、それでも何かのプラスになればと思うわけですが、マレーシアの子育てに関するコメントを頂きました。素晴らしい内容、情報なのですが、残念ながら秘密コメントなのでそれを多くの方々と共有することが出来ません。かといって、このままそれが無かったものにするのももったいないし。

ということで、本人が特定できない様に、ポイントだけ抜粋してここに紹介したいと思います。

○ コメントをくださった方は国際結婚で日本人の子連れ移住とは違う部分があるかもしれない。

○ マレーシアは来たばかりのロングステイヤーには誰でも数種類の言語を操るマルチリンガルの国に見えるようだけれど、実はそうでもない。

○ 実際にローカルの公立校では2-3言語教育を行っているが、この中で大量の落ちこぼれが出ているのが現状。(その落ちこぼれの受け皿としてのインター校もあるのでしょう。ダボ)

○ 幼稚園児も屋台のおじさんもマルチリンガルではあるけれど、それは単に話ができるというだけ。

○ 落ちこぼれた場合、流暢に(多言語が)話せるようでも幼稚園児程度の語学力プラスアルファでしかない。そしてそういう大人がマレーシアにどれほどいることか!

○ 3言語同時進行で学ぶ公立校でちゃんとやっていく場合、遊ぶ暇など全くない。

○ (この方はマレーシア人と結婚していているにもかかわらず)家庭内は全て日本語。子供の兄弟同士の会話も日本語。日本語の読み書きは途中で挫折したこともあるけれど、3言語(日本語の新聞や読める)を習得することができた。

○ 英語教育+日本語だけでも大変なのに、マレーシアに渡れば英語以外に簡単にマレー語、中国語が身につくような吹聴をする留学業者がいる。

○ 親子留学を勧める人たちは、マレーシアに来れば沢山の民族に囲まれ、複数の言語もあたかも自然に身につくような言い方をしている(ことに注意が必要)。

○ 現実は、マレーシア人でも真のマルチリンガルになっている人は少ない。

○ (日本人に)流行のインターナショナル校をローカルが選ぶ場合の理由。
1)裕福な家庭において、最初から海外の有名大学に入れることを目的としているケース。
2)親がコロコロ変わるマレーシアの教育制度に不満を持ち、費用がかかっても少しでも子供に負担をかけさせないようにという思いから、英語を主とした教育を受けさせたいというケース。
3)勉強があまり得意でない、あるいはローカルカリキュラム校におけるマレー語教育に落ちこぼれた生徒で、たまたま運良く家庭の経済力があったケース。

以前は制度上、2と3は無かったがインター校の入学基準が緩和され、ローカルにも門戸が開かれた。と同時に、駐在員、親子留学組みも増えてきた。

ここでの注意点。
○ インターナショナルスクールに通っていても果たしてその後どうなるのかはわからない。ローカルの学校で落ちこぼれた人と同じようにしていては、統一試験等の成績が足りず大学にも行けない危険性まである。

そういう現状があるのに、日本から子連れ移住してきた人たちのブログを読むと、随分のんびりしている人が散見できる(入ってしまえばどうにかなると思う人が多いのはどこでも同じなんでしょうね。ダボ)。こういう方々はマレーシアに来て、インター校に入れれば時が解決すると思っているのでしょうか。インターナショナルスクールに通っていても果たしてその後どうなるのかはわからない。(日本人のインターナショナルという言葉に対する盲目的な信仰があるんでしょうね。ダボ)

(間違えがなさそうなのは、インター校信仰が日本人の中にあるのだろうということ。でも簡単に入れると喜んだインター校の中にも落ちこぼればかりのところもあるんでしょうね。オーストラリアでもそれ専門と言っても良い様な私立校があって、日本人に盛況です。ゴルフ学部まである。ちなみにそういう学校でも落ちこぼれる日本人がいて、どういうわけかそこからニュージーランドに流れるケースが多い。ただニュージーランドの事情は全くわからず。 ダボ)

公立校のレベルは下手なインターより高い場合さえある。公立校でマルチリンガルを極めた場合は、マレーシアの国立大学(マレー語が主)でも英語圏の大学でも中国語圏の大学でもインドネシア語圏(マレー語とほぼ同じ)の大学でもポンと入って講義が理解できる語学力なのだから。

(公立校、私立校、あるいはインター校というわけ方で選ぶのはバカげているという考え方に私は大賛成で、日本も同じ。オーストラリアも同じで、はっきり言ってバカばかり行く名ばかり私立校はどこにでもあるってことでしょう。ただゴールドコーストに関して言うと大都市にあるような優秀な生徒ばかり集まる有名大学への進学率が半端じゃない公立校は無いと思っています。ダボ)

親子留学の相談を国際結婚している人にするとよいというようなことを書かれていましたが(私も仲間内でワイワイやるよりその方が良いと書きました。ダボ)、これはマレーシアではちょっと無理なように思います。それぞれの子が通う学校事情が違いすぎるので、、、。中には自分の子供が勉強が出来ない親子留学の子から迷惑を被っているという経験を持つ方もいらっしゃるようです。 まあ、何も準備しないでいきなりマレーシアにやってきて、子供に英語教育を受けさせようとする人たちには懐疑的です。

-----------ここからはダボ。

なるほどねぇ、と思いました。そしてこの内容って、いつも辛口のおおにしさんが言っている内容とほぼ一緒だということ。これがマレーシアの現実なのでしょう。

それと私が気がついたこととして、前の私の日記に私が書いたこととしてこういうことがあります。

1 多言語の取得
2 グローバルな環境での順応力
3 イジメのない世界

(要約するとこの3点のようなことが)確保できれば成績が多少悪くても構わないぐらいに考えていました。

オーストラリアに渡る前には本当にそういう風に考えていたのです。というか、成績が良いに越したことはないけれど、それを狙うことに怖さがあったんです。あれもこれも親が望むようには行くまいということ。そしてそれを子供に望めば苦しむのは子供であるから。

ところがですね。前の日記にも書いたように、地元の中に子供が入っていく順応力って凄くて、小さな子供が話すような英語なら簡単に覚えちゃうんですね。で、全く問題があるようには見えない。

それが見えた瞬間、かなり大きかった心配が突然消えちゃうわけです。英語に苦労するんじゃないか、現地にちゃんと溶け込めるだろうか、っていう心配。これが無くなる。

と、なるとやっぱり上を見るようになるんですね。元気でいてくれればそれで良いとか、英語が習得できたら良いなぁ、なんてことは考えなくなります。ということで次のレベルへのチャレンジが始まるわけですが、ゴールドコーストの場合、上に私の注釈を入れたのと同じように、ゴールドコーストにおいて公立校で上を狙うのは難しいという結論に達しました。

ゴールドコーストにおいて公立校へ師弟を通わせた、あるいは通わせている進行中の方々には大変申し訳ないのですが、オーストラリアの進学制度(大学入試が無く、高校での成績で決まる)を前提として、酒、ドラッグ、あるいは性的な問題が蔓延している公立校で良いと思う学校を私は探し出すことが出来ませんでした。言葉を変えれば、決して良いとは言えない公立校の環境の中で自分の子供達がそれに汚染されないように育てる自信が私にはなかったのです。

上にも書いたように、大都市には簡単には入ることさえ出来ない凄い公立校がありますが、ゴールドコーストにはそれもなく、当時、そこそこ有名であった、あるいは唯一と言って良い私立校へ通わせることにしたのです。そして、オーストラリアでトップクラスを狙うように子供たちを誘導していきました(結果は満足しています)。

ですのでゴールドコーストにおいては、私は今でも私立校を選ぶしか選択肢は無いと言いたいです。ただ昔と違って、最近の私立校の学費の高さは驚くばかりで、一人ならまだしも二人いたらかなり裕福な家庭じゃないと行かせられない酷い状態になっています。

どんな環境だろうと子供次第だというのは私は大反対で、学校の持つ雰囲気一つで子供は大きく変わると信じています。私自身がそれを経験してきました。小中と区立の公立校でしたが私はただ普通に生活していただけで猛勉強をした自覚も無いのに、高校へ入って、いかに全国の平均レベルが環境的にも学力的にも私が通った学校より下であったのか初めて気がついたのです。子供って自分の環境が(良いにしろ悪いにしろ)普通だと思うんですね。

ですから環境は大切だと思うし、子供達も差別やイジメがありましたが、私としては良い学校に通えてよかったと思っています。でも私立だからそうだということじゃないんですね。すぐ上に書いたように、私が素晴らしい、良かったと思った学校は公立校でした。また、ちょっとやそっとじゃ入れない、入っても追いつくのが大変な凄い公立校だってあるわけです。

で、問題はですね。行く前、渡った直後は、成績は多少悪くても・・・ぐらいに遠慮するんですね。目の前には大きな不安、予期せぬ問題があるだろうというのがわかっているのに、成績的にもトップクラスを狙おうなんておこがましいと思うんです。って、そう思ったのは私ぐらいかもしれませんが、成績の前にちゃんとしないとならないことがあるのだからしょうがありません。それは語学であり、異文化に対する順応力。

で、その(子供レベルの)語学や順応力に問題がないと思った瞬間、安心しちゃう親が多いのかもしれませんね。そこのところをこのコメントをくださった方が指摘しているのだろうと思います。

でもまぁ、私が前の日記に書いたように、いつか、能天気な親でも、なんかおかしいなぁと思うときが来ると思っています。うちの子供は4ヶ国語を繰れて・・・なんて自慢していたお母さんがトーンダウンするときが必ず来る。

その時に進路変更なり、学校を変えるなり、対処方法はあるわけで、そこから最初はみんな一列に並んでいた親子移住グループも広がりを見せてそれぞれが違う方向へ進んでいくのではないでしょうか。

ま、間違いが無いのは、マレーシアへ行こうが、オーストラリアへ行こうが、そこで育てばどうにかなるなんてことは絶対に、絶対にあり得ないってことですね。所詮、苦労せずに何か他人以上の物を手にすることなんか出来ないように世の中できていると思っています。

それともう一つ。同じような境遇の親子移住友人が集まってワイワイやっても見えてこないものが沢山あるわけですから、実際にその地において子供を18-20歳まで育て上げた人とどうにか知り合って様子を観察したり情報を得ることが大事だと書きました。

でもねぇ、そう書きながらマレーシアでは難しいだろうなと思いました。20年以上前からマレーシアに渡り、そこで子育てまで終わった日本人がどれほどいるのか。これはゴールドコーストでも同じで、やっぱりみんな渡ってきた時期って似たようなもんなんですね。流行ってあるわけです。だから上の世代を探そうと思ってもポッカリ穴が開いたようになっているのね。だから(その移住ブームの)かなり早い時期に来た人を探すしかない。ゴールドコーストではたまたまそういう人たちもいましたので助かりましたが、もしその上の年代を探そうとなると、今度は第二次世界大戦後のオーストラリア人と結婚した日本人世代になっちゃうのね。

そういう意味でさてマレーシアはどうなのでしょう。多分、国際結婚組みはかなりいるとは思いますが、今回コメントをくれた方が指摘されていたように事情がかなり違うので参考にはならないかもしれません。

実はこれは同じ日本人でも同じで、私たちみたいに日本人を捨てる気が全く無くて、日本人プラスアルファを狙う日本人もいれば、さっさと子供たちはオーストラリア国籍にして、オーストラリア人として育てる日本人もいるんですね。当然、教育や言語、日本文化の習得に関して考え方がまるで違うわけで、まるで参考にはならず。

でも参考にしたところで、では自分が同じことが出来るのか、あるいは気がついた欠点を克服できるのか、それはまた別問題なんですね。どちらにしても、細心の注意を払って、常に子供を観察し、子供が望む方向と親が望む方向との調整をしつつ、子供にばれない様な洗脳も考えつつ(笑)、自分なりの道を進むしかないって事なんだろうと思います。

で、コメントを頂いた方から、その件に関して、もう一つコメントを別個に頂きました。

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国際結婚組は親子留学の人の相談相手になるのは立場が違いすぎて無理であるというようなことを書きましたが、彼ら彼女らの大先輩「韓国人」の方たちの存在をすっかり忘れていました。

10年前、あの頃が韓国人のマレーシア留学ブームの始まりだったのだと思います。そして今、その子たちのマレーシア留学の結果がどんどん出てきている時期です。そういう方たちにその後どうなったのか、途中で出てきた問題点をどのように解決していったのかを相談するのもひとつの手だとは思います。

当時、日本人で同様のことをしていた人もいましたが、今のようなブームにのって、、、という軽い気持ちの人は多くなかったと思います。なので、古くからの移住組や私のような国際結婚組で苦労してきている人たちの中には、今の現象を苦々しく思っている人は少なからずいるとおもいます。 ダボさんが仰るとおり、来たばかりの人でワイワイやっているのは痛々しいですが、誰も否定的なことをいう人もいない分、夢もあってそれはそれで楽しいのではないでしょうか?新しく来た人の中にも冷静に考えている人はいらっしゃるようですし。厳しい現実になるべく早く気がついてほしいものです。

私は、周りのローカルの人を見て、「自分の子供には将来あのような人生を送らせたくない」と思い、誰にも相談せず(夫にも親戚にも)自分だけで信じた道を切り開きました。 良い見本・悪い見本があれば、それらを参考にして、よりよい対策も取れるでしょうが、他人が成功した方法を単に真似しても失敗することもありますね。子育ては一様ではないので難しいです。

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非常に参考になるコメントだと思います。どうも有り難うございました。

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